5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

代数的整数論 015

1 :132人目の素数さん:2009/10/13(火) 07:14:18
代数的整数論 015
Kummer ◆g2BU0D6YN2 が代数的整数論を語るスレです。

現在は代数的整数論の準備をしています。
代数的整数論のみに興味ある方はこのスレは必要になった段階で
参照することをお勧めします。
ただし、このスレが終了すると見れなくなる恐れがあるので、
適時チェックして内容をセーブしたほうが良いでしょう。

内容についてわからないことがあったら遠慮なく
質問してください。
その他、内容についてのご意見は歓迎します。
例えば、誤りの指摘、証明の改良など。
なお、このスレの主題に直接関係のないコメントについては
原則としてレスはしません(たとえそれが励ましの言葉であっても)。

過去スレ
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1126510231
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1132643310
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/l50
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/l50
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1189335756/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1195560105/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1208646742/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1212143770/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1246160488/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1247494646/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1251012346/

2 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/13(火) 07:16:32
過去スレ014の836への補足
>= (∫[0, 1] d_1f(a + tx, b + y) dt)x - (d_1)f(a, b)x
>+ (∫[0, 1] d_2f(a, b + ty) dt)y - (d_2)f(a, b)y

過去スレ014の832を適用するには、(a + tx, b + y) と (a, b + ty) が U に含まれて
いなければならない。
このためには、(x, y) が (a, b) を中心とする十分小さい開球体または開立方体に
含まれていれば十分である。

3 :132人目の素数さん:2009/10/13(火) 07:31:57
また立てたのか
いい加減にしろ

4 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/13(火) 08:46:53
R を実数体とする。
U を R^2 の開集合とし、f: U → R をC^2級写像とする。

過去スレ014の835より、
p ∈ U
w = (w_1, w_2) ∈ R^2 のとき、

df(p)(w) = (d_1)f(p)(w_1) + (d_2)f(p)(w_2)
である。

明らかに、
(d_1)f(p)(w_1) = (∂f/∂x)(p)w_1
(d_2)f(p)(w_2) = (∂f/∂y)(p)w_2

よって、
df(p)(w) = (∂f/∂x)(p)w_1 + (∂f/∂y)(p)w_2

この式の p を変数とみて省略すると、
df(w) = (∂f/∂x)w_1 + (∂f/∂y)w_2

5 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/13(火) 09:02:44
>>4の続き

(d^2)f を計算しよう。

p ∈ U
v = (v_1, v_2) ∈ R^2 のとき、
w = (w_1, w_2) ∈ R^2 のとき、

(d^2)f(p)(v, w) = d(df(w))(p)(v)

ここで、df は関数 u → df(u) ∈ L(R^2, R) と見なしている。

>>4と過去スレ014の835より、

d((∂f/∂x)w_1 + (∂f/∂y)w_2)(p)(v)

= d_1((∂f/∂x)w_1 + (∂f/∂y)w_2)(p)v_1
+ d_2((∂f/∂x)w_1 + (∂f/∂y)w_2)(p)v_2

= (∂^2f/∂^2x)(p)v_1w_1 + (∂^2f/∂x∂y)(p)v_1w_2
+ (∂^2f/∂y∂x)(p)v_2w_1 + (∂^2f/∂^2y)(p)v_2w_2

即ち、(d^2)f は ∂^2f/∂^2x, ∂^2f/∂x∂y, ∂^2f/∂y∂x, ∂^2f/∂^2y を
係数とする2次形式である。

6 :猫は珍獣 ◆xqlNKJ6FBE :2009/10/13(火) 09:06:19
おはようさん



7 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/13(火) 09:32:59
過去スレ014の818は複素数体上でも同様である:

K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
T ∈ L(K, F), x ∈ K のとき T(x) = xT(1) である。
よって、|T| = |T(1)| である。
よって、T ∈ L(K, F) に T(1) に対応させる写像は L(K, F) から F への
ノルム空間としての同型である。

U を K の開集合とし、f : U → F を微分可能(>>816)とする。
t ∈ U のとき、df(t) ∈ L(K, F) である。

df(t)(1) を f’(t) または df/dt と書く。

h → 0 のとき、
lim |f(t + h) - f(t) - df(t)h|/|h| = 0

df(t)h = f’(t)h である。

よって、
f’(t) = lim (f(t + h) - f(t))/h である。

8 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/13(火) 09:52:36
命題
K を実数体または複素数体とする。
E, F を K 上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし、p ∈ U とする。
f : U → F が p で微分可能とする。

t ∈ K
v ∈ E
のとき、
(df/dt)(p + tv)|t = 0 が存在し、df(p)(v) に等しい。

証明
ψ(t) = p + tv とおく。

合成関数の微分規則(過去スレ014の803)より、
df(ψ(0))(1) = df(p)(dψ(0)(1)) = df(p)(v)

df(ψ(0))(1) は>>7より、(df/dt)(p + tv)|t = 0 である。
証明終

9 :132人目の素数さん:2009/10/13(火) 11:07:15
>>3
>また立てたのか
>いい加減にしろ

お前も他人にケチばかり付けてないで、ちったあましなスレッドでも立てて見ろ。
このホモチョン野郎が。

10 :132人目の素数さん:2009/10/13(火) 11:56:26
ねずむ乙
人種差別主義者は氏ね

11 :132人目の素数さん:2009/10/13(火) 14:21:22
>>10
チョンはすぐファビョるな。

12 :132人目の素数さん:2009/10/14(水) 00:21:03
なにこの単純作業スレ

13 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/14(水) 06:23:01
>>5
>即ち、(d^2)f は ∂^2f/∂^2x, ∂^2f/∂x∂y, ∂^2f/∂y∂x, ∂^2f/∂^2y を
>係数とする2次形式である。

即ち、(d^2)f は ∂^2f/∂^2x, ∂^2f/∂x∂y, ∂^2f/∂y∂x, ∂^2f/∂^2y を
係数とする双1次形式である。


14 :Kunmer:2009/10/15(木) 12:41:35
>>9=>>11=Kummer
わ! 下品下劣下等つおし

15 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 13:08:39
過去スレ014の819は複素数体上でも同様に成り立つ:

命題(微積分の基本定理)
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間とする。

f: [a, b] → F を連続写像とする。

t ∈ (a, b) のとき g(t) = ∫[a, t] f(x) dx とおく。

ここで、dx は R のLebesgue測度(過去スレ009の710)であり、
∫[a, t] f(x) dx は過去スレ008の356で定義されたものである。

このとき、g’(t) = f(t) である。

証明
t ∈ (a, b) のとき
|g(t + h) - g(t) - f(t)h| = |∫[t, t + h] (f(x) - f(t))dx|
≦ M(h)|h|

ここで、M(h) = sup {|f(x) - f(t)| ; x ∈ [t, t + h]}

h → 0 のとき、M(h) → 0 であるから、
g’(t) = f(t) である。
証明終

16 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 13:24:51
補題
K を実数体または複素数体とする。
f: [a, b] → K を連続写像とする。
f が (a, b) で微分可能で (a, b) 上で f’(t) = 0 とする。

このとき f は [a, b] 上で定数である。

証明
f(t) = a(t) + b(t) とする。

f’(t) = a’(t) + b’(t) であるから、
a’(t) = 0 かつ b’(t) = 0 である。

よって、本補題は K が実数体のときに帰着する。
しかし、K が実数体のときは平均値の定理より本補題は直ちに得られる。
証明終

17 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 13:29:09
過去スレ014の820は複素数体上でも同様に成り立つ:

補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。

f: [a, b] → F を連続写像とする。
f が (a, b) で微分可能で (a, b) 上で f’(t) = 0 とする。
ここで、f’(t) は>>7で定義したもの。

このとき f は [a, b] 上で定数である。

証明
ある t ∈ [a, b] に対して f(t) ≠ f(a) とする。
Hahn-Banachの定理の系(過去スレ006の755)より、
連続線形写像 g: F → K で、g(f(t)) ≠ g(f(a)) となるものが存在する。

合成関数の微分法(過去スレ014の803)より、
d(gf)(t) = dg(f(t))df(t)

よって、
d(gf)(t)(1) = dg(f(t))df(t)(1)
即ち
(gf)’(t) = dg(f(t))f’(t) = 0

よって、>>16より、gf は定数である。
これは、g(f(t)) ≠ g(f(a)) に矛盾である。

よって、f は [a, b] 上で定数である。
証明終

18 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 13:35:38
過去スレ014の821は F が複素Banach空間でも同様に成り立つ:

命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間とする。
U を R の開集合とし、f: U → F をC^1級とする。
[a, b] ⊂ U のとき

f(b) - f(a) = ∫[a, b] f’(t) dt

証明
g(t) = ∫[a, t] f’(x) dx - f(t) とおく。

>>15より、g’(t) = 0 である。
よって、>>17より、g(t) は [a, b] 上で定数である。
特に、g(b) = g(a) である。
即ち、
f(b) - f(a) = ∫[a, b] f’(t) dt
証明終

19 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 13:41:51
過去スレ014の828は F が複素Banach空間でも同様に成り立つ:

命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間とし、F を K 上のBanach空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F をC^1級写像とする。

V を R の開集合で [0, 1] ⊂ V とする。
ψ: V → U をC^1級写像とする。
x = ψ(0), y = ψ(1) とする。

このとき
f(y) - f(x) = ∫[0, 1] df(ψ(t))(ψ’(t)) dt

証明
g(t) = f(ψ(t)) とおく。

合成関数の微分法(過去スレ014の803)より、
dg(t) = df(ψ(t))dψ(t)
よって、
dg(t)(1) = df(ψ(t))dψ(t)(1)

>>7より、
g’(t) = df(ψ(t))(ψ’(t))

>>18より、
f(y) - f(x) = ∫[0, 1] g’(t) dt = ∫[0, 1] df(ψ(t))(ψ’(t)) dt
証明終

20 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 13:47:13
過去スレ014の832は F が複素Banach空間でも同様に成り立つ:

命題
R を実数体とする。
E を K 上のノルム空間とし、F を K 上のBanach空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F をC^1級写像とする。

x, y ∈ U とする。
任意の t ∈ [0, 1] に対して ψ(t) = (1 - t)x + ty ∈ U とする。

このとき、
f(y) - f(x) = (∫[0, 1] df(ψ(t)) dt) (y - x)

証明
>>19より、
f(y) - f(x) = ∫[0, 1] df(ψ(t))(y - x) dt

過去スレ014の830より、この右辺は (∫[0, 1] df(ψ(t)) dt) (y - x)
証明終

21 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 13:50:23
>>20の訂正
>R を実数体とする。

K を実数体または複素数体とする。


22 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 13:55:46
過去スレ014の836は F が複素Banach空間でも同様に成り立つ:

命題
K を実数体または複素数体とする。
E_1, E_2 を K 上のノルム空間とし、F を K 上のBanach空間とする。
E = (E_1)×(E_2) とおく。

U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
偏微分 (d_1)f と (d_2)f が U の各点で存在し、U 上で連続なら
f は C^1級である。

証明
(a, b) を U の任意の点とする。
>>20より、
f(a + x, b + y) - f(a, b) - (d_1)f(a, b)x - (d_2)f(a, b)y
= f(a + x, b + y) - f(a, b + y) - (d_1)f(a, b)x
+ f(a, b + y) - f(a, b) - (d_2)f(a, b)y

= (∫[0, 1] d_1f(a + tx, b + y) dt)x - (d_1)f(a, b)x
+ (∫[0, 1] d_2f(a, b + ty) dt)y - (d_2)f(a, b)y

= (∫[0, 1] (d_1f(a + tx, b + y) - (d_1)f(a, b)) dt)x
+ (∫[0, 1] (d_2f(a, b + ty) - (d_2)f(a, b)) dt)y

ここで、
M_1(x, y) = sup {|d_1f(a + tx, b + y) - (d_1)f(a, b)| ; 0 ≦ t ≦ 1}
M_2(x, y) = sup {|d_2f(a, b + ty) - (d_2)f(a, b)| ; 0 ≦ t ≦ 1} とおく。

|f(a + x, b + y) - f(a, b) - (d_1)f(a, b)x - (d_2)f(a, b)y|
≦ M_1(x, y)|x| + M_2(x, y)|y|
≦ (M_1(x, y) + M_2(x, y))(|x| + |y|)
(続く)

23 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 13:56:27
(x, y) → (a, b) のとき、M_1(x, y) → 0 かつ M_2(x, y) → 0
よって、
df(a, b)(x, y) = (d_1)f(a, b)x + (d_2)f(a, b)y
(a, b) は U の任意の点だから df が U の各点で存在する。

次に、df が U 上で連続なことを示す。

p_i: E → E_i を射影とする。

ψ_i ∈ L(L(Ei,F), L(E, F)) を ψ_i(T) = T(p_i) で定義すると、
df = ψ_1(d_1)f + ψ_2(d_2)f
である。

(d_1)f と (d_2)f は連続であるから、df は連続である。
証明終

24 :132人目の素数さん:2009/10/15(木) 14:52:28
恥ずかしくないの?
Lang が地獄で怒ってるわよ!


25 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 16:19:14
K を実数体または複素数体とする。
U を K^n (r ≧ 1)の開集合とし、f: U → K をC^r (r ≧ 1)級写像
(過去スレ014の798と813)とする。

p ∈ U
v_i ∈ K^n, 1 ≦ i ≦ r とし、
v_i = (v_(i, 1), ..., v_(i, n)) とする。
x = (x_1, ..., x_n) は U の一般点を表すとする。

(d^r)f(p)(v_1, v_2, ..., v_r)
= Σ(∂^rf/∂x_(i_1)∂x_(i_2)...∂x_(i_r))(p)v_(1, i_1)...v_(r, i_r)
を r に関する帰納法により証明する。
ここで、Σ は 1 ≦ i_1, ..., i_r ≦ n となる組 (i_1, ..., i_r) 全体に渡る。

>>4と同様に、

df(p)v_1 = (∂f/∂x_1)(p)v_(1, 1) + ... + (∂f/∂x_n)(p)v_(1, n)
= Σ(∂f/∂x_(i_1))(p)v_(1, i_1)

よって、 r = 1 のときは成り立つ。

r ≧ 2 として、
(d^(r-1))f(p)(v_2, ..., v_r)
= Σ(∂^rf/∂x_(i_2)...∂x_(i_r)))(p)v_(2, i_2)...v_(r, i_r)
を仮定する。

(d^r)f(p)(v_1, v_2, ..., v_r)
= d((d^(r-1))f(x)(v_2, ..., v_r))(p)(v_1)
= d(Σ(∂^rf/∂x_(i_1)...∂x_(i_(r-1)))(p)v_(2, i_1)...v_(r, i_r)(p)(v_1)
= Σ(∂^rf/∂x_(i_1)∂x_(i_2)...∂x_(i_r))(p)v_(1, i_1)...v_(r, i_r)

よって、任意の r ≧ 1 に対して成り立つ。

26 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 16:23:42
>>25より、f が U 上でC^r級であるためには、
U 上で ∂^rf/∂x_(i_1)∂x_(i_2)...∂x_(i_r) が
1 ≦ i_1, ..., i_r ≦ n となるすべて組 (i_1, ..., i_r) に対して存在して
連続であることが必要十分である。

27 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 19:10:41
>>25への補足
>(d^r)f(p)(v_1, v_2, ..., v_r)
>= d((d^(r-1))f(x)(v_2, ..., v_r))(p)(v_1)

これは、説明不足であった。
これは次の補題から明らかになる。

補題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → L(E, F) を微分可能写像とする。

p ∈ U
v, w ∈ E のとき、
d(f(x)(w))(p)(v) = df(p)(v, w)

ここで、d(f(x)(w)) は w を固定したとき、関数 x → f(x)(w) の微分である。

証明
ψ: L(E, F) → F を T → T(w) により定義する。
ψ は線型写像であるから ψ は微分可能で、
S ∈ L(E, F), T ∈ L(E, F) のとき、
dψ(S)(T) = T(w) である。

合成関数の微分規則(過去スレ014の803)より、
p ∈ U
v ∈ E のとき、
d(ψf)(p)(v) = dψ(f(p))df(p)(v) = df(p)(v)(w) = df(p)(v, w)

一方、
d(ψf)(p)(v) = d(f(x)(w))(p)(v)
証明終

28 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 19:48:31
補題
R を実数体とする。
f: [0, 1] → R を連続写像とする。

∫[0, 1] f(t) dt = f(θ) となる θ ∈ [0, 1] がある。

証明
m = inf {f(x); x ∈ [0, 1]}
M = sup {f(x); x ∈ [0, 1]}
とおく。

f は連続だから m ∈ f([0, 1]), M ∈ f([0, 1]) である。

m ≦ ∫[0, 1] f(t) dt ≦ M
である。

中間値の定理から
∫[0, 1] f(t) dt = f(θ) となる θ ∈ [0, 1] がある。
証明終

29 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 21:33:58
補題
K を実数体または複素数体とする。
E, F, G を K 上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を2回微分可能とする。

p を U の点とし、T ∈ L(G, E) とする。
ψ: G → E を ψ(v) = p + T(v) により定義する。

このとき、v ∈ ψ^(-1)(U), (w, z) ∈ G^2 のとき、
d^2(fψ)(v)(w, z) = (d^2f(ψ(v))(T(w), T(z))

証明
v, u ∈ G のとき、
dψ(v)(u) = T(u) である。

よって、合成関数の微分法(過去スレ014の803)より、

v ∈ ψ^(-1)(U), z ∈ G のとき、
d(fψ)(v)(z) = df(ψ(v))dψ(v)(z) = df(ψ(v))T(z)

よって、

d^2(fψ)(v)(w, z) = d(d(fψ)(.)(z))(w)
= d(df(ψ(.))T(z))(v)(w)
= (d^2f(ψ(v))(T(w), T(z))

証明終

30 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 22:01:28
命題
K を実数体または複素数体とする。
E, Fを K 上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F をC^2級とする。

このとき、任意の p ∈ U に対して (d^2)f(p) は対称関数である。
即ち、任意の、v, w ∈ E に対して
(d^2)f(p)(v, w) = (d^2)f(p)(w, v)

証明
ψ: K^2 → E を ψ(x, y) = p + xv + yw で定義する。
e_1 と e_2 を K^2 の標準基底とする。
>>29より、
d^2(fψ)(0, 0)(e_1, e_2) = d^2f(p)(v, w)
d^2(fψ)(0, 0)(e_2, e_1) = d^2f(p)(w, v)

よって、d^2(fψ)(0, 0)(e_1, e_2) = d^2(fψ)(0, 0)(e_2, e_1) を証明すればよい。
よって、∂^2(fψ)/∂x∂y(0, 0) = ∂^2(fψ)/∂y∂x(0, 0) を証明すればよい。

Hahn-Banachの定理の系(過去スレ006の755)より、
任意の連続線形写像 h: F → K に対して、
h(∂^2(fψ)/∂x∂y(0, 0)) = h(∂^2(fψ)/∂y∂x(0, 0)) を証明すればよい。

即ち、
∂^2(hfψ)/∂x∂y(0, 0) = ∂^2(hfψ)/∂y∂x(0, 0) を証明すればよい。

K が実数体の場合は、これは微積分の教科書(例えば高木の解析概論)で
良く知られている。
K が複素数体の場合は、多変数複素関数論の初歩でよく知られているように、
hfψ は2変数のベキ級数に展開されるからやはりこの等式が成り立つ。
証明終

31 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 23:27:29
補題
K を実数体または複素数体とする。
E, Fを K 上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を r 回微分可能とする。
(v_1, ..., v_(r-1)) を固定して
g: U → F を g(x) = (d^(r-1))f(x)(v_1, ..., v_(r-1)) で定義する。

このとき、g は微分可能で、v ∈ E に対して、
dg(x)(v) = (d^r)f(x)(v, v_1, ..., v_(r-1))

証明
ψ: L(E^(r-1), F) → F を T → T(v_1, ..., v_(r-1)) により定義する。
ψ は線型写像であるから微分可能であり、
S ∈ L(E^(r-1), F), T ∈ L(E^(r-1), F) のとき、
dψ(S)(T) = T(v_1, ..., v_(r-1)) である。

h(x) = (d^(r-1))f(x) とおく。

合成関数の微分規則(過去スレ014の803)より、
x ∈ U
v ∈ E のとき、
d(ψh)(x)(v) = dψ(h(x))dh(x)(v)
= (d^r)f(x)(v, v_1, ..., v_(r-1))

一方、
d(ψh)(x)(v) = dg(x)(v)
証明終

32 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 23:50:20
命題
K を実数体または複素数体とする。
E, Fを K 上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F をC^r級(r ≧ 2)とする。

このとき、任意の p ∈ U に対して (d^r)f(p) は対称関数である。

証明
r に関する帰納法を使う。
r = 2 のときは>>30で証明されている。

よって、
(d^r)f(p)(v_1, v_2, v_3, ..., v_r) = d^2(d^(r-2)f)(p)(v_1, v_2)(v_3, ..., v_r)
= d^2(d^(r-2)f)(p)(v_2, v_1)(v_3, ..., v_r)
= (d^r)f(p)(v_2, v_1, v_3, ..., v_r)

他方、帰納法の仮定より、σ を {2, ..., r} の置換としたとき、
(d^(r-1))f(p)(v_2, ..., v_r) = (d^(r-1))f(p)(v_σ(2), ..., v_σ(r))

この両辺を p に関して微分すると、>>31より、
(d^r)f(x)(v_1, v_2, ..., v_r) = (d^r)f(x)(v_1, v_σ(2), ..., v_σ(r))

以上から、(d^r)f(p) は対称関数である。
証明終

33 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/15(木) 23:59:02
補題
K を実数体または複素数体とする。
E, F, G を K 上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を r 回微分可能とする。

p を U の点とし、T ∈ L(G, E) とする。
ψ: G → E を ψ(v) = p + T(v) により定義する。

このとき、v ∈ ψ^(-1)(U), (w_1, ..., w_r) ∈ G^r のとき、
(d^r)(fψ)(v)(w_1, ..., w_r) = ((d^r)f(ψ(v))(T(w_1), ..., T(w_r))

証明
r に関する帰納法を使う。
後は、>>29と同様である。

34 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 08:43:21
命題(部分積分の公式)
R を実数体とする。
E, F を R 上のノルム空間とする。
G を R 上のBanach空間とする。
U を R の開集合とし、[a, b] ∈ U とする。
f : U → E および g : U → F はC^1級とする。

B: E×F → G を連続な双線型写像とする。

このとき、

∫[a, b]B(f’(t)g(t))dt = ∫[a, b]B(f(t), g(t))’dt - ∫[a, b]B(f(t)g’(t))dt

証明
Leibnizの公式(過去スレ014の808)より、t ∈ U のとき、
d(B(f×g))(t)(1) = B(f(t), dg(t)(1)) + B(df(t)(1), g(t))

即ち、
B(f(t), g(t))’= B(f(t), g’(t)) + B(f’(t), g(t))

両辺の [a, b] における積分をとると、

∫[a, b]B(f(t), g(t))’dt = ∫[a, b]B(f(t)g’(t))dt + ∫[a, b]B(f’(t)g(t))dt

よって、
∫[a, b]B(f’(t)g(t))dt = ∫[a, b]B(f(t), g(t))’dt - ∫[a, b]B(f(t)g’(t))dt
証明終

35 :猫は珍獸 ◆qpfqB6kFcs :2009/10/16(金) 09:15:11
参考文献示してさっさと本題入らんかい

待ちくたびれた猫

36 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 11:03:45
補題
R を実数体とする。
E を R 上のノルム空間とし、
F を R 上のBanach空間とする。
U を E の開集合とし、f : U → F をC^(r+1)級とする。

p ∈ U
h ∈ E
とし、任意の t ∈ [0, 1] に対して p + th ∈ U とする。

このとき、

∫[0, 1](1 - t)^(r-1)/(r-1)!(d^r)f(p + th)h^r dt
= (1/r!)(d^r)f(p)h^r + ∫[0, 1]((1 - t)^r/r!) (d^(r+1))f(p + th)h^(r+1) dt

証明
f(t) = -(1 - t)^r/r!
g(t) = (d^r)f(p + th)h^r
とおく。
ここで、h^r = (h, ..., h) ∈ E^r である。

連続な双線型写像 B: R×F → F を (s, v) = sv により定義する。

B(f’(t), g(t)) = f’(t)g(t) = (1 - t)^(r-1)/(r-1)! (d^r)f(p + th)h^r
B(f(t), g’(t)) = f(t)g’(t) = -((1 - t)^r/r!) (d^(r+1))f(p + th)h^(r+1)

よって、部分積分の公式(>>34)より本補題の等式が得られる。
証明終

37 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 13:49:16
命題(Taylorの定理)
R を実数体とする。
E を R 上のノルム空間とし、
F を R 上のBanach空間とする。
U を E の開集合とし、f : U → E をC^r級とする。

p ∈ U
h ∈ E
任意の t ∈ [0, 1] に対して p + th ∈ U とする。

このとき、

f(p + h)
= f(p) + df(p)h + (1/2)d^2f(p)h^2 + ... + (1/r!)d^rf(p)h^r + R_r(p, h)h^r

ここで、h^r = (h, ..., h) ∈ E^r で、
R_r(p, h) = ∫[0, 1] (1 - t)^(r-1)/(r-1)! ((d^r)f(p + th) - (d^r)f(p)) dt

証明
r に関する帰納法による。

>>20より、
f(p + h) = f(p) + (∫[0, 1] df(p + th) dt)h
= f(p) + df(p)h + (∫[0, 1] (df(p + th) - df(p)) dt)h

よって、r = 1 のときは本命題は成り立つ。
(続く)

38 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 13:52:43
F_r(p, h) =
f(p+h) - (f(p) + df(p)h + (1/2)d^2f(p)h^2 + ... + (1/r!)d^rf(p)h^r)
とおく。

r のときに本命題が成り立つと仮定すると、

F_(r-1)(p, h) = (1/r!)d^rf(p)h^r + R_r(p, h)h^r
= ∫[0, 1] (1 - t)^(r-1)/(r-1)! (d^r)f(p + th)h^r dt

>>36より、これは、
(1/r!)(d^r)f(p)h^r + ∫[0, 1]((1 - t)^r/r!) (d^(r+1))f(p + th)h^(r+1) dt
に等しい。

よって、
F_r(p, h) = F_(r-1)(p, h) - (1/r!)(d^r)f(p)h^r =
∫[0, 1]((1 - t)^r/r!) (d^(r+1))f(p + th)h^(r+1) dt

よって、
F_(r+1)(p, h) = R_(r+1)(p, h)h^(r+1)
証明終

39 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 14:28:27
逆関数定理を証明するため
まず縮小写像の不動点定理(contraction mapping theorem)を証明する。


40 :132人目の素数さん:2009/10/16(金) 14:33:21
いい加減にしろよ

41 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 14:49:41
命題(縮小写像の不動点定理)
X を完備距離空間とする。
f: X → X を写像とする。

k を実数 0 ≦ k < 1 とし、任意の x, y ∈ X に対して、
d(f(x), f(y)) ≦ kd(x, y) とする。

このとき、f は不動点をただ一つ持つ。

証明
a_0 を X の任意の点とする。
a_(n+1) = f(a_n), n = 0, 1, . . .
とする。
d(a_n, a_(n+1)) ≦ k^nd(a_0, a_1), n = 0, 1, . . .

よって、n < m のとき、
d(a_n, a_m) ≦ (k^n + . . . + k^(m-1))d(a_0, a_1)

1 + k + k2 + k3 + . . . は収束するから
点列 (a_n) はCauchy列である。
X は完備だから lim a_n = a が存在する。

d(f(x), f(y)) ≦ kd(x, y) より f は連続だから
lim f(a_n) = f(a) である。
一方、a_(n+1) = f(a_n) より、lim f(a_n) = a
よって、f(a) = a である。

f(b) = b とすると、
d(a, b) = d(f(a), f(b)) ≦ kd(a, b)
0 ≦ k < 1 だから d(a, b) = 0 でなければならばい。
即ち a = b
証明終

42 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 14:52:45
縮小写像の不動点定理は逆写像定理の他に常微分方程式の解の存在定理などにも
応用される。


43 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 15:18:14
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
T を L(E, E) の元で |T| < 1 とする。

このとき、 S = I + T + T^2 + . . . + T^n + . . . は L(E, E) において収束し、
(I - T)S = S(I - T) = I である。

証明
過去スレ014の829より、L(E, E) は完備である。

|T| < 1 より、|I| + |T| + |T|^2 + . . . + |T|^n + . . . は収束する。
|T^n| ≦ |T|^n であるから、
I + T + T^2 + . . . + T^n + . . . は収束する。

(I - T)(I + T + T^2 + . . . + T^n) = I - T^(n+1)
n → +∞ とすれば (I - T)S = I である。

同様に S(I - T) = I である。
証明終

44 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 15:30:32
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
L(E, E) の可逆元全体を GL(E) とする。

このとき、GL(E) は L(E, E) の開集合である。

証明
T を GL(E) の任意の元とする。
S ∈ L(E, E) で |S - T| < 1/|T^(-1)| とする。

|T^(-1)(T - S)| ≦ |T^(-1)||S - T| < 1 だから
>>43より、I - T^(-1)(T - S) ∈ GL(E) である。

S = T(I - T^(-1)(T - S)) だから S ∈ GL(E) である。
よって、GL(E) は L(E, E) の開集合である。
証明終

45 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 16:27:27
補題(平均値の不等式)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間とし、F を K 上のBanach空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F をC^1級写像とする。
K を U に含まれるコンパクトな凸集合とする。
M = sup{|df(x)|; x ∈ K} とおく。
ここで、|df(x)| は L(E, F) における df(x) のノルムである。

このとき、任意の x, y ∈ K に対して、
|f(y) - f(x)| ≦ M|y - x|

証明
>>20より
f(y) - f(x) = (∫[0, 1] df(1 - t)x + ty) dt) (y - x)

よって、

|f(y) - f(x)| ≦ |∫[0, 1] df(1 - t)x + ty) dt||y - x|
≦ (∫[0, 1] |df(1 - t)x + ty)| dt) |y - x|
≦ M |y - x|
証明終

46 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 18:17:48
>>45において K はコンパクトである必要はなかった。
さらに K という文字は実数体または複素数体を表すために使っているので
別の文字を使うべきだった。

後の参照のために改めて補題を述べる。

補題(平均値の不等式)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間とし、F を K 上のBanach空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F をC^1級写像とする。
S を U に含まれる凸集合とする。
M = sup{|df(x)|; x ∈ S} とおく。
ここで、|df(x)| は L(E, F) における df(x) のノルムである。

このとき、任意の x, y ∈ K に対して、
|f(y) - f(x)| ≦ M|y - x|

証明
>>45と同じである。

47 :132人目の素数さん:2009/10/16(金) 19:40:54
いい加減にしろよ

48 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 19:45:16
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
L(E, E) の可逆元全体を GL(E) とする。
U を E の開集合で 0 を含むとする。
f : U → E をC^1級写像で f(0) = 0 とする。
さらに、df(0) = I (恒等写像)とする。

このとき、0 ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり、
f(V) は開集合で、f を V に制限した写像 f|V は V から f(V) への
位相同型となる。

証明
g(x) = x - f(x) とおく。
dg(0) = 0 である。

f はC^1級であるから dg は連続である。
よって、|x| ≦ δ なら |dg(x)| ≦ 1/2 となるような δ > 0 がある。
平均値の不等式(>>45)より、
|x| ≦ δ なら |g(x)| ≦ δ/2 である。

ε > 0 に対して B(ε) = {x ∈ E; |x| ≦ ε}, U(ε) = {x ∈ E; |x| < ε}
とおく。

y ∈ U(δ/2) に対して g_y(x) = y + g(x) とおく。
x ∈ B(δ) のとき、|g_y(x)| ≦ |y| + |g(x)| < δ/2 + δ/2 = δ
よって、g_y : B(δ) → U(δ) である。

x ∈ B(δ) のとき、|d(g_y)(x)| = |dg(x)| ≦ 1/2
平均値の不等式(>>46)より、
x, z ∈ B(δ) のとき、|g_y(x) - g_y(z)| ≦ (1/2)|x - z|
(続く)

49 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 19:45:59
B(δ) は完備だから縮小写像の不動点定理(>>41)より、
g_y は不動点を一意に持つ。
この不動点 x は f(x) = y の B(δ) における一意解である。
g_y(x) = x であり、g_y : B(δ) → U(δ) であるから x ∈ U(δ) である。

V = U(δ) ∩ f^(-1)(U(δ/2)) とおく。
f は U において連続だから V は E の開集合である。

f(V) ⊂ U(δ/2) であるが、任意の y ∈ U(δ/2) に対して f(x) = y となる
x ∈ U(δ) があるから f(V) = U(δ/2) である。
不動点の一意性より、f の V への制限 f|V は単射である。
即ち、f|V : V → U(δ/2) は全単射である。
f|V の逆写像を h とする。
h の連続性を証明することが残っている。

y ∈ U(δ/2) かつ x, z ∈ B(δ) のとき、|g_y(x) - g_y(z)| ≦ (1/2)|x - z|
であった。
V ⊂ B(δ) であるから、
y ∈ U(δ/2) かつ x, z ∈ V のとき、|g_y(x) - g_y(z)| ≦ (1/2)|x - z|

y = 0 とすれば、x, z ∈ V のとき、|g(x) - g(z)| ≦ (1/2)|x - z|
即ち、|x - f(x) - z + f(z)| ≦ (1/2)|x - z|
よって、
|x - z| - |f(x) - f(z)| ≦ (1/2)|x - z|
よって、
(1/2)|x - z| ≦ |f(x) - f(z)|
即ち、
|x - z| ≦ 2|f(x) - f(z)|
よって、
|h(f(x)) - h(f(x))| ≦ 2|f(x) - f(z)|
よって、h は連続である。
証明終

50 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 19:55:18
>>48の訂正
>平均値の不等式(>>45)より、
>|x| ≦ δ なら |g(x)| ≦ δ/2 である。

平均値の不等式(>>46)より、
|x| ≦ δ なら |g(x)| ≦ δ/2 である。

51 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 20:28:13
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
L(E, E) の可逆元全体を GL(E) とする。
Ψ: GL(E) → GL(E) を Ψ(T) = T^(-1) で定義する。

このとき、dΨ(S)(T) = -S^(-1)TS^(-1) である。

証明
T → -S^(-1)TS^(-1) は線型写像であるから、
T → S のとき、|T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)(T - S)S^(-1)|/|T - S| → 0 を
証明すればよい。

T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)(T - S)S^(-1)
= T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)TS^(-1) - S^(-1)
= T^(-1) - S^(-1) - S^(-1) + S^(-1)TS^(-1)
= T^(-1) - S^(-1) - S^(-1)(I - TS^(-1))
= T^(-1)(T - S)S^(-1)(T - S)S^(-1)

よって、
|T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)(T - S)S^(-1)| ≦ |T^(-1)||T - S|^2|S^(-1)|^2

よって、
|T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)(T - S)S^(-1)|/|T - S| ≦ |T^(-1)||T - S||S^(-1)|^2

よって、
T → S のとき、|T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)(T - S)S^(-1)|/|T - S| → 0
証明終

52 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/16(金) 21:10:37
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
L(E, E) の可逆元全体を GL(E) とする。
Ψ: GL(E) → GL(E) を Ψ(T) = T^(-1) で定義する。

このとき、Ψ は C^∞級である。

証明
>>51より、dΨ(S)(T) = -S^(-1)TS^(-1) である。

双線型写像 B: L(E, E)^2 → L(L(E, E), L(E, E)) を、
B(S_1, S_2)(T) = -(S_1)T(S_2) により定義する。

dΨ(S)(T) = B(S, S)(T) である。
即ち、
dΨ(S) = B(S, S) である。

|B(S_1, S_2)(T)| = |(S_1)T(S_2)| ≦ |S_1||T||S_2|
よって、B は連続である。
過去スレ014の807より、B はC^∞級である。
よって、Ψ は C^∞級である。
証明終

53 :132人目の素数さん:2009/10/16(金) 21:14:56
シっデ

54 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 10:45:16
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
U を E の開集合で 0 を含むとする。
f : U → E をC^r級(r ≧ 1)で f(0) = 0 とする。
さらに、df(0) = I (恒等写像)とする。

>>48より、0 ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり、
f(V) は開集合で、f を V に制限した写像 f|V は V から f(V) への
位相同型となる。

このとき、f|V の逆写像 h はC^r級である。

証明
>>48>>49の記号をそのまま使う。

L(E, E) の可逆元全体を GL(E) とする。
>>44より、GL(E) は L(E, E) の開集合である。

df : U → L(E, E) は連続で df(0) = I ∈ GL(E) であるから、
>>48 の δ > 0 を十分小さくとれば x ∈ U(δ) のとき df(x) ∈ GL(E) となる。

>>52の Ψ は連続であるから x → (df(x))^(-1) = Ψ(df(x)) は連続である。
よって、δ > 0 を十分小さくとれば、ある M > 0 に対して
x ∈ U(δ) のとき |(df(x))^(-1)| ≦ M と仮定してよい。

(続く)

55 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 10:46:01
y_1, y_2 ∈ U(δ/2) に対して x_1 = h(y_1), x_2 = h(y_2) とおく。
|h(y_1) - h(y_2) - df(x_2)^(-1)(y_1 - y_2)|
= |x_1 - x_2 - df(x_2)^(-1)(f(x_1) - f(x_2))|
= |df(x_2)^(-1)(df(x_2)(x_1 - x_2) - f(x_1) + f(x_2))|
≦ M|f(x_1) - f(x_2) - df(x_2)(x_1 - x_2)|

>>49より、|x_1 - x_2| ≦ 2|f(x_1) - f(x_2)|
よって、
|h(y_1) - h(y_2) - df(x_2)^(-1)(y_1 - y_2)|/|y_1 - y_2|
≦ M|f(x_1) - f(x_2) - df(x_2)(x_1 - x_2)|/|y_1 - y_2|
≦ 2M|f(x_1) - f(x_2) - df(x_2)(x_1 - x_2)|/|x_1 - x_2|

y_1 → y_2 のとき、x_1 → x_2 となり、
|f(x_1) - f(x_2) - df(x_2)(x_1 - x_2)|/|x_1 - x_2| → 0
よって、
|h(y_1) - h(y_2) - df(x_2)^(-1)(y_1 - y_2)|/|y_1 - y_2| → 0
即ち、dh(y_2) = df(x_2)^(-1)
よって、Ψ: GL(E) → GL(E) を Ψ(T) = T^(-1) で定義すれば、
dh = Ψ(df)h

r に関する帰納法により h がC^r級であることを証明する。
>>52より Ψ はC^∞級である。
>>48より h は連続である。
仮定より f はC^r級(r ≧ 1)だから df は連続である。
よって、dh は連続である。
即ち、h はC^1級である。

h が C^k級 (1 ≦ k < r)であると仮定する。
f は C^r級だから df は C^(r-1)級である。
よって、dh = Ψ(df)h はC^k級である。
よって、h はC^(k+1)級である。
証明終

56 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 11:18:38
定理(逆写像定理)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
L(E, E) の可逆元全体を GL(E) とする。
U を E の開集合とし、f : U → E をC^r級(r ≧ 1)とする。
ある p ∈ U において df(p) ∈ GL(E) とする。

このとき、p ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり、
f(V) は開集合で、f を V に制限した写像 f|V は V から f(V) への
位相同型となる。
さらに、f|V の逆写像 h はC^r級である。

さらに、x ∈ V において dh(f(x)) = (df(x))^(-1) となる。

証明
g(x) = df(p)^(-1)(f(p + x) - f(p)) とおく。
g(0) = 0 であり、dg(0) = I である。
よって、h の存在は>>54に帰着する。

x ∈ V のとき、h(f(x)) = x
よって、
dh(f(x))df(x) = I

x ∈ V, y = f(x) のとき、f(h(y)) = y
よって、
df(h(y))dh(y) = I

即ち、
df(x)dh(f(x))) = I

よって、dh(f(x)) = (df(x))^(-1)
証明終

57 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 13:18:24
>>56をやや一般にする。
定理(逆写像定理)
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のBanach空間とする。
E から F の線型写像で位相同型であるもの全体を GL(E, F) と書く。
U を E の開集合とし、f : U → F をC^r級(r ≧ 1)とする。
ある p ∈ U において df(p) ∈ GL(E, F) とする。

このとき、p ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり、
f(V) は開集合で、f を V に制限した写像 f|V は V から f(V) への
位相同型となる。
さらに、f|V の逆写像 h はC^r級である。
さらに、x ∈ V において dh(f(x)) = (df(x))^(-1) となる。

証明
g(x) = df(p)^(-1)(f(p + x) - f(p)) とおく。
g は 0 の開近傍から E へのC^r級写像である。
g(0) = 0 であり、dg(0) = I である。
よって、>>54より、g は 0 の近傍でC^r級の逆写像を持つ。
g は f と線型同型の合成であるから f は p の近傍でC^r級の逆写像 h を持つ。

x ∈ V のとき、h(f(x)) = x
よって、
dh(f(x))df(x) = I

x ∈ V, y = f(x) のとき、f(h(y)) = y
よって、
df(h(y))dh(y) = I
即ち、
df(x)dh(f(x))) = I
よって、dh(f(x)) = (df(x))^(-1)
証明終

58 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 14:30:47
補題
K を実数体または複素数体とする。
E, F, G を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ E×F を開集合とし、
f: U → G をC^r級(r ≧ 1)とする。
(a, b) ∈ U において第2偏微分(過去スレ014の833) (d_2)f(a, b): F → G が
位相同型とする。

h: U → E×G を h(x, y) = (x, f(x, y)) により定義する。

このとき、dh(a, b) : E×F → E×G は位相同型である。

証明
g: U → E を g(x, y) = x で定義する。
h = g×f である。
dh = dg×df
よって、
dh(a, b) = (dg×df)(a, b) = (dg(a, b), df(a, b))

よって、(v, w) ∈ E×F のとき、
dh(a, b)(v, w) = (dg(a, b)(v, w), df(a, b)(v, w)) = (v, df(a, b)(v, w))
= (v, (d_1)f(a, b)v + (d_2)f(a, b)w)

dh(a, b)(v, w) = (s, t) ∈ E×G とすると、
v = s
(d_1)f(a, b)s + (d_2)f(a, b)w = t
よって、(v, w) は (s, t) により一意に決まる。
よって、dh(a, b) は全単射である。

(d_1)f(a, b)と((d_2)f(a, b))^(-1) は連続であるから
dh(a, b) の逆写像も連続である。
証明終

59 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 16:23:34
定理(陰関数定理)
K を実数体または複素数体とする。
E, F, G を K 上のBanach空間とする。

U ⊂ E×F を開集合とし、
f: U → G をC^r級(r ≧ 1)とする。

(a, b) ∈ U において f(a, b) = 0 とし、
第2偏微分(過去スレ014の833) (d_2)f(a, b): F → G が位相同型とする。

このとき、(a, b) ∈ V×W ⊂ U となる a の開近傍 V と b の開近傍 W
及び C^r級の g: V → W が存在し、

1) g(a) = b
2) (x, y) ∈ V×W のとき f(x, y) = 0 ⇔ y = g(x)

証明
h: U → E×G を h(x, y) = (x, f(x, y)) により定義する。
>>58より、dh(a, b) : E×F → E×G は位相同型である。

>>57より、(a, b) ∈ V×W ⊂ U となる a の開近傍 V と b の開近傍 W が存在し、
h|V×W はC^r級の逆写像 ψ を持つ。

(続く)

60 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 16:24:18
h(a, b) = (a, f(a, b)) = (a, 0) である。
x ∈ V のとき、ψ(x, 0) = (x, g(x)) とおく。
σ: V → E×G を σ(x) = (x, 0) により定義する。
ρ: E×F → F を ρ(x, y) = y により定義する。
g = ρψσ である。
σ と ρ は連続な線型写像であるからC^∞級である。
よって、合成関数の微分規則(>>803)より、g はC^r級である。

ψh(a, b) = (a, b)
ψh(a, b) = ψ(a, 0) = (a, g(a))
よって、g(a) = b

h(ψ(x, 0)) = (x, 0)
h(ψ(x, 0)) = h(x, g(x)) = (x, f(x, g(x)))
よって、f(x, g(x)) = 0

(x, y) ∈ V×W のとき f(x, y) = 0 とする。
h(x, y) = (x, 0) となる。
この両辺に ψ を作用させて
ψh(x, y) = ψ(x, 0) = (x, g(x))

一方、ψh(x, y) = (x, y)
よって、y = g(x)

以上で 1) と 2) が示された。
証明終

61 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 16:55:10
複素数体上の逆写像定理(>>57)および陰関数定理(>>59)を実数体上と同様の方法で
述べている教科書(主に多変数複素関数論の教科書)は少ないように思う。
大抵は実数体上の逆写像定理または陰関数定理を援用して逆写像または陰関数の
存在を述べ、その関数の正則性はCauchy-Riemannの関係式を確かめることで
済ましている。

>>57>>59で示したように逆写像定理および陰関数定理は実数体上でも複素数体上でも
まったく同じ方法で得られる。
これの主な根拠は平均値の不等式(>>46)が複素数体上でも成り立つことであるが、
これは、>>17が複素数体上でも成り立つことに原因がある。
さらに、>>17はHahn-Banachの定理と>>16を使っている。
これ等は複素数体上でも成り立つ。

複素数体上の有限次元線型空間においてはC^1級写像は正則であるので
>>57>>59では逆写像または陰関数の正則性は直ちに得られる。

62 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 22:06:19
>>46を少し変える。

補題(平均値の不等式)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間とし、F を K 上のBanach空間とする。
U を E の凸開集合とし、f: U → F をC^1級写像とする。
M = sup{|df(x)|; x ∈ U} < +∞ とする。
ここで、|df(x)| は L(E, F) における df(x) のノルムである。

このとき、任意の x, y ∈ U に対して、
|f(y) - f(x)| ≦ M|y - x|

証明
>>45と同じである。

63 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 23:01:01
逆写像定理の証明としては、RudinのPrinciples of mathematical analysisのそれが
綺麗にまとまっているので紹介する。
>>48の証明と似ているがよりすっきりしている。
ただし、Rudinでは R^n を扱っているが、実数体または複素数体上のBanach空間に
おいて証明する。

64 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 23:21:22
補題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のBanach空間とする。
E から F への線型写像で位相同型であるもの全体を GL(E, F) と書く。
U を E の開集合とし、f : U → F をC^1級とする。
ある p ∈ U において df(p) ∈ GL(E, F) とする。

このとき、p ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり、
f(V) は開集合で、f は V 上で単射である。

証明
T = df(p) とおく。
T^(-1) が存在し連続であるから |T^(-1)| < +∞ である。
T^(-1) ≠ 0 であるから |T^(-1)| ≠ 0 である。
λ = 1/(2|T^(-1)|) とおく。

f はC^1級であるから df は p で連続である。
よって、p を中心とする開球 V ⊂ U があり
x ∈ V なら |df(x) - T| < λ となる。

y ∈ F に対して g_y(x) = x + T^(-1)(y - f(x)) とおく。
g_y(x) = x と y = f(x) は同値であることに注意する。

d(g_y)(x) = I - T^(-1)df(x) = T^(-1)(T - df(x))

よって、x ∈ V なら、
|d(g_y)(x)| = |T^(-1)(T - df(x))| ≦ |T^(-1)||T - df(x)| < 1/2

平均値の不等式(>>62)より、
x_1, x_2 ∈ V のとき、|g_y(x_1) - g_y(x_2)| ≦ (1/2)|x_1 - x_2|

(続く)

65 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 23:22:41
g_y(x_1) = x_1 かつ g_y(x_2) = x_2 とすると、
|x_1 - x_2| ≦ (1/2)|x_1 - x_2| となり x_1 = x_2 でなければならない。
即ち、g_y は V において不動点を高々1個しか持たない。
即ち、y = f(x) となる x ∈ V は高々1個である。
よって、f は V 上で単射である。
f(V) が開集合であることを示せばよい。

y_0 ∈ f(V) を任意に選ぶ。
y_0 = f(x_0) となる x_0 ∈ V がある。
B(x_0; δ) ⊂ V となるように δ > 0 を選ぶ。
U(y_0; λδ) ⊂ f(V) を示そう。

y ∈ U(y_0; λδ) を任意に選ぶ。

|g_y(x_0) - x_0| = |T^(-1)(y - y_0))| ≦ |T^(-1)||y - y_0)| < δ/2

x ∈ B(x_0; δ) のとき、
|g_y(x) - x_0| ≦ |g_y(x) - g_y(x_0)| + |g_y(x_0) - x_0|
< (1/2)|x - x_0| + δ/2 ≦ δ

よって、g_y(B(x_0; δ)) ⊂ B(x_0; δ)
B(x_0; δ) はBanach空間の閉集合であるから完備である。
よって、縮小写像の不動点定理(>>41)より、g_y は B(x_0; δ) において
不動点 x をもつ。
この x に対して y = f(x) となる。
よって、y ∈ f(B(x_0; δ)) ⊂ f(V)
よって、U(y_0; λδ) ⊂ f(V) である。
よって、f(V) は開集合である。
証明終

66 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/17(土) 23:27:02
>>65の補足

ノルム空間 E の点 p と ε > 0 に対して
U(p; ε) = {x ∈ E; |x - p| < ε}
B(p; ε) = {x ∈ E; |x - p| ≦ ε}
と書く。

67 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 01:40:48
定理(逆写像定理)
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のBanach空間とする。
E から F の線型写像で位相同型であるもの全体を GL(E, F) と書く。
U を E の開集合とし、f : U → F をC^r級(r ≧ 1)とする。
ある p ∈ U において df(p) ∈ GL(E, F) とする。

このとき、p ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり、
f(V) は開集合で、f は V 上で単射である。
さらに、f|V の逆写像 h はC^r級である。
さらに、x ∈ V において dh(f(x)) = (df(x))^(-1) となる。

証明
>>64の記号をそのまま使う。
>>64より、f(V) は開集合で、f は V 上で単射である。

>>64より、x ∈ V なら |df(x) - T| < λ = 1/(2|T^(-1)|) である。
よって、
|T^(-1)(T - df(x))| ≦ |T^(-1)||T - df(x)| < 1/2
>>43より、I - T^(-1)(T - df(x)) ∈ GL(E) である。

df(x) = T(I - T^(-1)(T - df(x))) であるから df(x) ∈ GL(E, F) である。
即ち、df(x)^(-1) が存在して |df(x)^(-1)| < +∞ である。

(続く)

68 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 01:46:24
y_1, y ∈ f(V) に対して x_1 = h(y_1), x = h(y) とおく。

>>64より、
|g_(y)(x_1) - g_(y)(x)| ≦ (1/2)|x_1 - x|

よって、
|x_1 - x - T^(-1)(y_1 - y))| ≦ (1/2)|x_1 - x|
よって、
|x_1 - x| - |T^(-1)(y_1 - y))| ≦ (1/2)|x_1 - x|
よって、
|T^(-1)(y_1 - y)| ≧ (1/2)|x_1 - x|
よって、
|x_1 - x| ≦ 2|T^(-1)||y_1 - y|

一方、
|h(y_1) - h(y) - df(x)^(-1)(y_1 - y)|
= |x_1 - x - df(x)^(-1)(f(x_1) - f(x))|
= |df(x)^(-1)(df(x)(x_1 - x) - f(x_1) + f(x))|

|x_1 - x| ≦ 2|T^(-1)||y_1 - y| より、

|h(y_1) - h(y) - df(x)^(-1)(y_1 - y)|/|y_1 - y|
≦ 2|T^(-1)||df(x)^(-1)||df(x)(x_1 - x) - f(x_1) + f(x))|/|x_1 - x|

|x_1 - x| ≦ 2|T^(-1)||y_1 - y| より、
y_1 → y のとき x_1 → x
よって上の不等式の右辺 → 0
よって、左辺 → 0
よって、dh(y) = df(x)^(-1)

(続く)

69 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 01:47:06
よって、Ψ: GL(E, F) → GL(F, E) を Ψ(S) = S^(-1) で定義すれば、
dh = Ψ(df)h

r に関する帰納法により h がC^r級であることを証明する。
>>52と同様に Ψ はC^∞級である。
h は微分可能だから過去スレ014の800より h は連続である。
仮定より f はC^r級(r ≧ 1)だから df は連続である。
よって、dh は連続である。
即ち、h はC^1級である。

h が C^k級 (1 ≦ k < r)であると仮定する。
f は C^r級だから df は C^(r-1)級である。
よって、dh = Ψ(df)h はC^k級である。
よって、h はC^(k+1)級である。
証明終

70 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 11:07:22
補題
R を実数体とする。
E を R 上の分離的な前Hilbert空間(過去スレ010の598)とする。
f: [a, b] → E を連続写像とし、
f は (a, b) で微分可能とする。

このとき、
|f(b) - f(a)| ≦ (b - a)|f’(c)| となる c ∈ (a, b) が存在する。

証明
v = f(b) - f(a) とおく。
ψ(t) = <v, f(t)> とおく。
ψ(t) は [a, b] 上の実数値連続関数であり、(a, b) で微分可能である。

平均値の定理より、
ψ(b) - ψ(a) = (b - a)ψ’(c) = (b - a)<v, f’(c)>
となる c ∈ (a, b) が存在する。

Cauchy-Schwarzの不等式(過去スレ010の594)より
|ψ(b) - ψ(a)| ≦ (b - a)|v||f’(c)|

他方、
ψ(b) - ψ(a) = <v, f(b) - f(a)> = <v, v>

よって、
|v|^2 ≦ (b - a)|v||f’(c)|

よって、
|v| ≦ (b - a)|f’(c)|
証明終

71 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 11:19:20
>>70は、RudinのPrinciples of mathematical analysisによる。
これは彼の本のロシア語訳の訳者Havinがオリジナル本に追加したものだという。

この補題により>>62における f は R 上の前Hilbert空間の場合に
単に微分可能写像と仮定出来る。


72 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 13:22:36
補題(平均値の不等式)
R を実数体とする。
E を R 上のノルム空間とし、
F を R 上の分離的な前Hilbert空間(過去スレ010の598)とする。
U を E の凸開集合とし、f: U → F を微分可能写像とする。
M = sup{|df(x)|; x ∈ U} < +∞ とする。
ここで、|df(x)| は L(E, F) における df(x) のノルムである。

このとき、任意の x, y ∈ U に対して、
|f(y) - f(x)| ≦ M|y - x|

証明
t ∈ [0, 1] のとき ψ(t) = (1 - t)x + ty とおく。
U は凸だから、t ∈ [0, 1] のとき ψ(t) ∈ U である。

f は微分可能だから過去スレ014の800より連続である。
よって、g(t) = fψ(t) は [0, 1] で連続である。
合成関数の微分規則(過去スレ014の803)より、t ∈ (0, 1) のとき
dg(t) = df(ψ(t))dψ(t)
よって、
dg(t)(1) = df(ψ(t))(dψ(t)(1))
即ち
g’(t) = df(ψ(t))(ψ’(t))
よって、
|g’(t)| = |df(ψ(t))||ψ’(t)| ≦ M(y - x)

>>70より、
|g(1) - g(0)| ≦ |g’(c)| となる c ∈ (0, 1) がある。
よって、|g(1) - g(0)| ≦ M(y - x)
g(1) = f(y), g(0) = f(x) であるから
|f(y) - f(x)| ≦ M|y - x|
証明終

73 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 13:33:16
>>64において E が R 上のBanach空間で、 F が R 上のHilbert空間であれば
f は微分可能で df は p で連続であればよい:

補題
R を実数体とする。
E を R 上のBanach空間とし、
F を R 上のHilbert空間(過去スレ010の600)とする。
E から F への線型写像で位相同型であるもの全体を GL(E, F) と書く。
U を E の開集合とし、f : U → F を微分可能とする。
ある p ∈ U において df は連続であり df(p) ∈ GL(E, F) とする。

このとき、p ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり、
f(V) は開集合で、f は V 上で単射である。

証明
>>64の証明において>>62の代わりに>>72を使えばよい。

74 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 13:47:18
>>73の訂正

>>64において E と F が R 上のHilbert空間であれば
f は微分可能で df は p で連続であればよい:

補題
R を実数体とする。
E と F を R 上のHilbert空間(過去スレ010の600)とする。
E から F への線型写像で位相同型であるもの全体を GL(E, F) と書く。
U を E の開集合とし、f : U → F を微分可能とする。
ある p ∈ U において df は連続であり df(p) ∈ GL(E, F) とする。

このとき、p ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり、
f(V) は開集合で、f は V 上で単射である。

証明
>>64の証明において>>62の代わりに>>72を使えばよい。

75 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 13:48:16
>>74により逆写像定理(>>67)における f の仮定を弱めた次の命題が得られる。

命題
R を実数体とする。
E と F を R 上のHilbert空間(過去スレ010の600)とする。
E から F の線型写像で位相同型であるもの全体を GL(E, F) と書く。
U を E の開集合とし、f : U → F を微分可能とする。
ある p ∈ U において df は連続であり df(p) ∈ GL(E, F) とする。

このとき、p ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり、
f(V) は開集合で、f は V 上で単射である。
さらに、f|V の逆写像 h は微分可能であり、
x ∈ V において dh(f(x)) = (df(x))^(-1) となる。

証明
>>74を使えば>>67>>68の証明がそのまま使える。

76 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 20:04:26
念のために、>>69におけるΨ がC^∞級であることを証明する。

まず。>>44を少し拡張する。

補題
K を実数体または複素数体とする。
E, F を K 上のBanach空間とする。
L(E, F) の可逆元全体を GL(E, F) とする。

このとき、GL(E, F) は L(E, F) の開集合である。

証明
T を GL(E, F) の任意の元とする。
S ∈ L(E, F) で |S - T| < 1/|T^(-1)| とする。

|T^(-1)(T - S)| ≦ |T^(-1)||S - T| < 1 だから
>>43より、I - T^(-1)(T - S) ∈ GL(E, E) である。

S = T(I - T^(-1)(T - S)) だから S ∈ GL(E, F) である。

よって、GL(E, F) は L(E, F) の開集合である。
証明終

77 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 20:06:00
補題
K を実数体または複素数体とする。
E, F を K 上のBanach空間とする。
L(E, F) の可逆元全体を GL(E, F) とする。
Ψ: GL(E, F) → GL(F, E) を Ψ(T) = T^(-1) で定義する。

このとき、dΨ(S)(T) = -S^(-1)TS^(-1) である。

証明
S ∈ GL(E, F) のとき、
T → -S^(-1)TS^(-1) は連続な線型写像 L(E, F) → L(F, E) である。
よって、
T → S のとき、|T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)(T - S)S^(-1)|/|T - S| → 0 を
証明すればよい。

T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)(T - S)S^(-1)
= T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)TS^(-1) - S^(-1)
= T^(-1) - S^(-1) - S^(-1) + S^(-1)TS^(-1)
= T^(-1) - S^(-1) - S^(-1)(I - TS^(-1))
= T^(-1)(T - S)S^(-1)(T - S)S^(-1)

よって、
|T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)(T - S)S^(-1)| ≦ |T^(-1)||T - S|^2|S^(-1)|^2

よって、
|T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)(T - S)S^(-1)|/|T - S| ≦ |T^(-1)||T - S||S^(-1)|^2

よって、
T → S のとき、|T^(-1) - S^(-1) + S^(-1)(T - S)S^(-1)|/|T - S| → 0
証明終

78 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 21:28:23
補題
K を実数体または複素数体とする。
E, F を K 上のBanach空間とする。
L(E, F) の可逆元全体を GL(E, F) とする。
Ψ: GL(E, F) → GL(F, E) を Ψ(T) = T^(-1) で定義する。

このとき、Ψ は C^∞級である。

証明
>>77より、dΨ(S)(T) = -S^(-1)TS^(-1) である。

双線型写像 B: L(F, E)^2 → L(L(E, F), L(F, E)) を、
B(S_1, S_2)(T) = -(S_1)T(S_2) により定義する。

dΨ(S)(T) = B(Ψ(S), Ψ(S))(T) である。
即ち、
dΨ(S) = B(Ψ(S), Ψ(S)) である。

|B(S_1, S_2)(T)| = |(S_1)T(S_2)| ≦ |S_1||S_2||T|
よって、|B(S_1, S_2)| ≦ |S_1||S_2|
よって、B は連続である。

Ψ は微分可能だから連続である(過去スレ014の800)。
よって、dΨ(S) = B(Ψ(S), Ψ(S)) は連続である。
よって、Ψ はC^1級である。
Ψ がC^r級(r ≧ 1)と仮定する。
dΨ(S) = B(Ψ(S), Ψ(S)) とLeibnizの公式(過去スレ014の808)より、
dΨ はC^r級である。
よって、Ψ はC^(r+1)級である。
よって、r に関する帰納法より Ψ はC^∞級である。
証明終

79 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/18(日) 21:30:44
>>52は間違っているので>>78をその訂正の替りとする。


80 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/19(月) 17:38:32
>>30
>即ち、
>∂^2(hfψ)/∂x∂y(0, 0) = ∂^2(hfψ)/∂y∂x(0, 0) を証明すればよい。
>
>K が実数体の場合は、これは微積分の教科書(例えば高木の解析概論)で
>良く知られている。

U を R^2 の開集合とし、f: R^2 → R を C^2級とする。

(a, b) ∈ U において ∂^2f/∂x∂y(a, b) ≠ ∂^2f/∂y∂x(a, b) とする。
必要なら f を -f で置き換えることにより、
∂^2f/∂x∂y(a, b) - ∂^2f/∂y∂x(a, b) > 0 と仮定してよい。

g(x, y) = ∂^2f/∂x∂y - ∂^2f/∂y∂x とおく。

g は連続だから、δ > 0 を十分小さくとり、
S = [a - δ, a + δ]×[b - δ, b + δ] とおいたとき、
S ⊂ U となり g|S > 0 となる。

よって、
∬[S] g(x, y) dydy > 0 となる。

他方、連続関数の積分の順序交換(過去スレ010の272)より、
∬[S] g(x, y) dydy = 0 である(簡単な計算)。

これは矛盾であるから ∂^2f/∂x∂y(a, b) = ∂^2f/∂y∂x(a, b) である。

81 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/19(月) 17:56:58
>>80

通常は、f(a + h, b + k) - f(Ia + h, b) - f(a, b + k) + f(a, b)
の (h, k) → (0, 0) のときの極限が ∂^2f/∂x∂y(a, b) = ∂^2f/∂y∂x(a, b)
に等しいことを平均値の定理を使って証明する。

しかし、この式が突然出てくるのがやや不自然に思える。
「微分のことは微分でせよ」というよく知られた洒落があるが、
この場合、積分を使った証明のほうが自然であろう。

82 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/19(月) 18:06:07
>>80
>∬[S] g(x, y) dydy

∬[S] g(x, y) dxdy

83 :132人目の素数さん:2009/10/19(月) 18:59:33
>>81
あほすぎる

84 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/19(月) 20:59:30
>>60
>x ∈ V のとき、ψ(x, 0) = (x, g(x)) とおく。

V×{0} ⊂ h(V×W) とは限らないので x ∈ V のとき、ψ(x, 0) が定義出来るとは
限らない。
よって以下のようにする。

>>57より、h(V×W) は開集合である。
h(a, b) = (a, f(a, b)) = (a, 0) ∈ h(V×W) であるから

(a, 0) ∈ (V_1)×(U_1) ⊂ h(V×W) となる開集合 V_1 ⊂ E, U_1 ⊂ G がある。
V_1×{0} ⊂ (V_1)×(U_1) ⊂ h(V×W) である。

必要なら V_1 を V ∩ V_1 で置き換えて V_1 ⊂ V と仮定してよい。
x ∈ V_1 のとき、ψ(x, 0) = (x, g(x)) とおく。

85 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/19(月) 21:47:53
>>84を考慮して改めて>>59を述べる。

定理(陰関数定理)
K を実数体または複素数体とする。
E, F, G を K 上のBanach空間とする。
U ⊂ E×F を開集合とし、
f: U → G をC^r級(r ≧ 1)とする。
(a, b) ∈ U において f(a, b) = 0 とし、
第2偏微分(過去スレ014の833) (d_2)f(a, b): F → G が位相同型とする。

このとき、(a, b) ∈ V×W ⊂ U となる a の開近傍 V と b の開近傍 W
及び C^r級の g: V → W が存在し、

1) g(a) = b
2) x ∈ V のとき f(x, g(x)) = 0
3) (x, y) ∈ V×W のとき f(x, y) = 0 なら y = g(x)

証明
h: U → E×G を h(x, y) = (x, f(x, y)) により定義する。
>>58より、dh(a, b) : E×F → E×G は位相同型である。

>>57より、(a, b) ∈ (V_1)×W ⊂ U となる a の開近傍 V_1 と b の開近傍 W が
存在し、h((V_1)×W) は開集合であり、h|(V_1)×W はC^r級の逆写像 ψ を持つ。
h(a, b) = (a, f(a, b)) = (a, 0) ∈ h((V_1)×W) である。
h((V_1)×W) は開集合であるから、
(a, 0) ∈ V×(W_1) ⊂ h((V_1)×W) となる開集合 V ⊂ E と W_1 ⊂ G がある。

V×{0} ⊂ V×(W_1) ⊂ h((V_1)×W) である。
z ∈ V のとき (z, 0) ∈ h((V_1)×W) であるから
(z, 0) = (x, f(x, y)) となる (x, y) ∈ (V_1)×W がある。
よって、z = x ∈ V_1 となり、V ⊂ V_1 であることがわかる。
(続く)

86 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/19(月) 21:48:38
x ∈ V のとき、(x, 0) ∈ h((V_1)×W) であるから ψ(x, 0) が意味をもつ。
ψ(x, 0) = (x, g(x)) とおく。
ψ(x, 0) ∈ (V_1)×W であるから g(x) ∈ W である。

σ: V → E×G を σ(x) = (x, 0) により定義する。
ρ: E×F → F を ρ(x, y) = y により定義する。
g = ρψσ である。
σ は連続な線型写像の V への制限であり、ρ は連続な線型写像であるから
両方ともC^∞級である。
よって、合成関数の微分規則(>>803)より、g はC^r級である。

ψh(a, b) = (a, b)
他方、ψh(a, b) = ψ(a, 0) = (a, g(a))
よって、g(a) = b

x ∈ V のとき、
h(ψ(x, 0)) = (x, 0)
他方、h(ψ(x, 0)) = h(x, g(x)) = (x, f(x, g(x)))
よって、f(x, g(x)) = 0

(x, y) ∈ V×W のとき f(x, y) = 0 とする。
h(x, y) = (x, 0) となる。
この両辺に ψ を作用させて
ψh(x, y) = (x, g(x))

他方、ψh(x, y) = (x, y)
よって、y = g(x)
証明終

87 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/19(月) 22:18:27
実数体 R 上の有限次空間における陰関数定理は、昔は逆写像定理からではなく
f: R^n → R の場合に中間値の定理を使って陰関数の存在を証明し、
f: (R^n)×(R^m) → R^m の場合は、m に関する帰納法により m = 1 の場合に
帰着させるという方法を使っていた。
そして、逆写像定理は陰関数定理から導いていた。

しかし、最近では、逆写像定理(不動点定理を使う) → 陰関数定理という流れの
教科書が多いように思う。
この方法は、ここでみたように無限次元にそのまま使える利点がある。
しかも複素数体上の線型空間にもそのまま適用できる。

しかし、昔の方法は誰でも思いつきそうな素直な方法であり捨てがたい。
復習のつもりで書いてみよう。

88 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/20(火) 11:28:53
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の有限次元ノルム空間とする。
このとき E は完備である。
即ち、E はBanach空間である。

証明
過去スレ014の144より、E は K^n と位相線型空間として同型である。
一方、K^n は位相線型空間として完備である。
よって、過去スレ014の143より、E は完備である。
証明終

89 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/20(火) 12:10:05
補題
K を実数体または複素数体とする。
n ≧ 1 を整数とし E = K^n とする。
E 上の任意のノルム(例えば |(x_1, ..., x_n)| = sup{|x_i|; i = 1, ..., n))
に関して E をノルム空間と見なす。

E の点 p と実数 r > 0 に対して U(p, r) = {x ∈ E; |x - p| < r} とおく。
f: U(p, r) → K をC^1級写像とする。

このとき、連続写像 h_i: U(p, r) → K があり、
任意の x ∈ U(p, r) に対して
f(x) = f(p) + Σh_i(x)(x_i - p_i)
ここで、x = (x_1, ..., x_n), p = (p_1, ..., p_n)

証明
>>88より E はBanach空間である。
x ∈ U(p, r) を固定して ψ(t) = (1 - t)p + tx おく。
>>18より、
f(x) - f(p) = ∫[0, 1] (d(fψ)/dt) dt

合成関数の微分公式より、

d(fψ)/dt = Σ(∂f/∂x_i)((1 - t)p + tx )(x_i - p_i)

よって、
f(x) - f(p) = Σh_i(x)(x_i - p_i)
ここで、
h_i(x) = (∂f/∂x_i)((1 - t)p + tx ) dt) とおいた。

(続く)

90 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/20(火) 12:10:54
f はC^1級であるから ∂f/∂x_i は U(p, r) で連続である。
よって、(∂f/∂x_i)((1 - t)p + tx ) は [0, 1]×U(p, r) で連続である。

a を U(p, r) の任意の点とする。
U(p, r) は開集合だから
B(a, s) ⊂ U(p, r) となる実数 s > 0 が存在する。
ここで、B(a, s) = {x ∈ E; |x - a| ≦ s} である。
B(a, s) はコンパクトである。

よって、(例えば、過去スレ010の253および259より)
h_i(x) は B(a, s) で連続である。
特に a で連続である。
よって、h_i(x) は U(p, r) で連続である。
証明終

91 :132人目の素数さん:2009/10/20(火) 12:52:13
 いい加減にしろよ

92 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/20(火) 12:52:38
補題
>>89において h_i(p) = ∂f/∂x_i(p), i = 1, ..., n である。

証明
f(x) = f(p) + Σh_i(x)(x_i - p_i) を変形して、
f(x) = f(p) + Σh_i(p)(x_i - p_i) + Σ(h_i(x) - h_i(p))(x_i - p_i)

H(x) = sup {|h_i(x) - h_i(p)|; i = 1, ..., n } とおく。
|Σ(h_i(x) - h_i(p))(x_i - p_i)|/Σ|x_i - p_i| ≦ H(x)
である。

h_i(x) は連続だから x → p のとき H(x) → 0
よって、|Σ(h_i(x) - h_i(p))(x_i - p_i)|/Σ|x_i - p_i| → 0

よって、df(p)(x - p) = Σh_i(p)(x_i - p_i) である。
よって、h_i(p) = ∂f/∂x_i(p), i = 1, ..., n である。
証明終

93 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/20(火) 13:44:29
>>92の前に次の補題を用意しておけばよかった。

補題
K を実数体または複素数体とする。
n ≧ 1 を整数とし E = K^n とする。
E 上の任意のノルム(例えば |(x_1, ..., x_n)| = sup{|x_i|; i = 1, ..., n))
に関して E をノルム空間と見なす。
p を E の点とし、U をその開近傍とする。
f: U → K をC^1級写像とする。
h_i: U → K を連続写像とし、
任意の x ∈ U に対して
f(x) = f(p) + Σh_i(x)(x_i - p_i)
とする。
ここで、x = (x_1, ..., x_n), p = (p_1, ..., p_n)

このとき、h_i(p) = ∂f/∂x_i(p), i = 1, ..., n である。

証明
f(x) = f(p) + Σh_i(x)(x_i - p_i) を変形して、
f(x) = f(p) + Σh_i(p)(x_i - p_i) + Σ(h_i(x) - h_i(p))(x_i - p_i)

H(x) = sup {|h_i(x) - h_i(p)|; i = 1, ..., n } とおく。
|Σ(h_i(x) - h_i(p))(x_i - p_i)|/Σ|x_i - p_i| ≦ H(x)
である。

h_i(x) は連続だから x → p のとき H(x) → 0
よって、|Σ(h_i(x) - h_i(p))(x_i - p_i)|/Σ|x_i - p_i| → 0

よって、df(p)(x - p) = Σh_i(p)(x_i - p_i) である。
よって、h_i(p) = ∂f/∂x_i(p), i = 1, ..., n である。
証明終

94 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/20(火) 13:57:05
>>93の各 h_i: U → K は p のみで連続であればよい。即ち:

補題
K を実数体または複素数体とする。
n ≧ 1 を整数とし E = K^n とする。
E 上の任意のノルム(例えば |(x_1, ..., x_n)| = sup{|x_i|; i = 1, ..., n))
に関して E をノルム空間と見なす。
p を E の点とし、U をその開近傍とする。
f: U → K をC^1級写像とする。
h_i: U → K を p で連続な写像とし、
任意の x ∈ U に対して
f(x) = f(p) + Σh_i(x)(x_i - p_i)
とする。
ここで、x = (x_1, ..., x_n), p = (p_1, ..., p_n)

このとき、h_i(p) = ∂f/∂x_i(p), i = 1, ..., n である。
さらに f は p で微分可能である。

証明
f(x) = f(p) + Σh_i(x)(x_i - p_i) を変形して、
f(x) = f(p) + Σh_i(p)(x_i - p_i) + Σ(h_i(x) - h_i(p))(x_i - p_i)

H(x) = sup {|h_i(x) - h_i(p)|; i = 1, ..., n } とおく。
|Σ(h_i(x) - h_i(p))(x_i - p_i)|/Σ|x_i - p_i| ≦ H(x)
である。

h_i(x) は p で連続だから x → p のとき H(x) → 0
よって、|Σ(h_i(x) - h_i(p))(x_i - p_i)|/Σ|x_i - p_i| → 0

よって、df(p)(x - p) = Σh_i(p)(x_i - p_i) である。
よって、h_i(p) = ∂f/∂x_i(p), i = 1, ..., n である。
証明終

95 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/20(火) 15:37:42
命題
R を実数体とする。
E を R 上の有限次元のノルム空間とする。
E の基底を任意にとり、E を R^n と同一視する。
U ⊂ E×R を開集合とし、
f: U → R をC^r級(r ≧ 1)とする。
(a, b) ∈ U において f(a, b) = 0 とし、
第2偏微分(過去スレ014の833) (d_2)f(a, b) ≠ 0 とする。

このとき、(a, b) ∈ V×W ⊂ U となる a の開近傍 V と b の開近傍 W
及び C^r級の g: V → W が存在し、
1) g(a) = b
2) x ∈ V のとき f(x, g(x)) = 0
3) (x, y) ∈ V×W のとき f(x, y) = 0 なら y = g(x)

証明
(d_2)f(a, b) は線型写像: R → R であるから、
(d_2)f(a, b)(1) = (∂f/∂y)(a, b) ≠ 0 である。

必要なら f を -f で置き換えることにより、
(∂f/∂y)(a, b) > 0 と仮定してよい。
∂f/∂y は U で連続であるから、
(a, b) ∈ (V_1)×W ⊂ U となる a の開近傍 V_1 と b の開近傍 W が
存在し、(V_1)×W において ∂f/∂y > 0 となる。
W は b を含む R の開区間とする。
δ > 0 を十分小さくとれば、[b - δ, b + δ] ⊂ W となる
ψ(y) = f(a, y) とおく。
W において、dψ/dy > 0 であるから ψ は W で狭義単調増加関数である。
よって、ψ(b - δ) < ψ(b) < ψ( b + δ)
即ち、f(a, b - δ) < 0 < f(a, b + δ)

(続く)

96 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/20(火) 15:38:55
f は連続であるから a ∈ V ⊂ V_1 となる開集合 V があり、
x ∈ V なら f(x, b - δ) < 0 < f(x, b + δ) となる。
V×W ⊂ (V_1)×W であるから V×W において ∂f/∂y > 0 である。
よって、x ∈ V を固定したとき、f(x, y) は y の関数として W において
狭義単調増加である。
したがって中間値の定理より f(x, y) = 0 となる y ∈ (b - δ, b + δ) が
一意に定まる。
この y を g(x) と書くことにする。
g(a) = b であり、x ∈ V のとき f(x, g(x)) = 0 である。

x ∈ V を固定したとき、f(x, y) は y の関数として W において
狭義単調増加であるから、
(x, y) ∈ V×W かつ f(x, y) = 0 なら y = g(x) である。

次に g が連続なことを証明する。
任意の c ∈ V に対して d = g(c) とおく。
(c, d) ∈ V×W で f(c, d) = 0 である。
δ_1 > 0 を十分小さくとれば、[d - δ_1, d + δ_1] ⊂ W となる
上の f(a, b - δ) < 0 < f(a, b + δ) と同様の理由により
f(c, d - δ_1) < 0 < f(c, d + δ_1) である。
任意の ε > 0 に対して ε_1 = inf(ε, δ_1) とおく。
f(c, d - ε_1) < 0 < f(c, d + ε_1) である。
f は連続であるから c ∈ V_2 ⊂ V となる開集合 V_2 があり、
x ∈ V_2 なら f(x, d - ε_1) < 0 < f(x, d + ε_1) となる。
したがって中間値の定理より f(x, y) = 0 となる y ∈ (d - ε_1, d + ε_1) が
一意に定まる。
上で示したように y = g(x) である。
よって d - ε_1 < g(x) < d + ε_1
よって、 |g(x) - d| < ε_1 ≦ ε
よって、g は c で連続である。
c は V の任意の点であるから g は V で連続である。
(続く)

97 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/20(火) 15:39:38
次に g が微分可能であることを示す。
任意の c ∈ V に対して d = g(c) とおく。
p = (c, d) とおく。
p ∈ V×W であるから、U(p, r) ⊂ V×W となる実数 r > 0 が存在する。
ここで、U(p, r) = {x ∈ E×R; |x - p| < r} である。

>>89より、
f(x, y) - f(c, d) = Σh_i(x, y)(x_i - c_i) + h_(n+1)(x, y)(y - d)
ここで、x = (x_1, ..., x_n), c = (c_1, ..., c_n) であり、
h_i(x, y), i = 1, ..., n+1 は U(p, r) で連続である。

y = g(x) のとき、
f(x, y) - f(c, d) = 0 - 0 = 0
よって、
Σh_i(x, g(x))(x_i - c_i) + h_(n+1)(x, g(x))(g(x) - g(c)) = 0
よって、
g(x) = g(c) - Σ(h_i(x, g(x))/h_(n+1)(x, g(x)))(x_i - c_i)

h_(n+1)(c, d) = ∂f/∂y(c, d) ≠ 0 である。
g は V で連続であるから (h_i(x, g(x))/h_(n+1)(x, g(x))) は c で連続である。

>>94より、g は c で微分可能で
∂g/∂x_i(c) = -(∂f/∂x_i)(c, g(c))/(∂f/∂y)(c, g(c))

c は V の任意の点であったから g は微分可能である。
さらに ∂g/∂x_i は連続であるから g は C^1 級である。
g が C^k 級(1 ≦ k < r)であるとする。
∂g/∂x_i(x) = -(∂f/∂x_i)(x, g(x))/(∂f/∂y)(x, g(x)) において、
∂f/∂x_i は C^(r-1) 級であるから、∂g/∂x_i は C^k 級である。
よって、g は C^(k+1) 級である。
帰納的に g は C^r 級である。
証明終

98 :132人目の素数さん:2009/10/20(火) 15:42:33
あほ

99 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/20(火) 15:44:06
>>96

g(x) が連続なことを高木の解析概論では数列を使って証明している。
小平の解析入門も数列を使って証明している(この部分は高木の真似だろう)。
個人的にはこの方法はあまり好きではない。


100 :132人目の素数さん:2009/10/20(火) 16:32:27
>>99
だからなんだよ

101 :132人目の素数さん:2009/10/20(火) 18:38:39
代数的整数論とは微積の本を写すことなのか?

102 :132人目の素数さん:2009/10/20(火) 18:46:38
>>101
あほすぎ。整数論を白名杉。

103 :132人目の素数さん:2009/10/20(火) 18:52:06
>>102=Kummerの負け惜しみ

104 :132人目の素数さん:2009/10/20(火) 18:56:43
代数的整数論といいながら微積の本を写すのが許されるわけがない。
下等つおしより非道い。


105 :132人目の素数さん:2009/10/20(火) 18:58:03
>>102=Kummer=微積すら知らないアホ

106 :132人目の素数さん:2009/10/20(火) 19:00:11
代数的数論では微積必要ないとか思ってるのか、話にならないなww

107 :132人目の素数さん:2009/10/20(火) 19:02:25
ポントリャーギン双対定理はどこで片づいたのか?

108 :132人目の素数さん:2009/10/20(火) 19:04:01
>>106
必要ないなんて誰が云ったんだよ
話にならないのはオマエの理解力だよ

109 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/20(火) 21:08:27
>>99
杉浦も数列を使って証明している(これも高木の影響だろう)。

数列を使った証明は回りくどい感じがする。

110 :132人目の素数さん:2009/10/21(水) 01:52:32
>>109
わたしも点列を使うのは好きじゃないんですけど、解析寄りの面倒な話になってくると、
証明の組み立て上、適当に構成した点列から収束する部分列を引っ張り出してきて、
というタイプの議論が増えるので、そのへんの習慣の影響なんですかね。

111 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/21(水) 07:56:50
>>110
よくわからないです。
他の箇所では ε-δ でやってるのにここだけ点列を使うのは違和感が
ありますね。
ここで点列を使うのは明らかに高木の影響ですね。

小平は解析入門の中でよく点列を使った証明をしてますが。

112 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/21(水) 08:24:17
因みに高木の解析概論における陰関数の証明は少し雑ですね。
m 個の n + m 変数の関数の場合の帰納法による関数行列式の計算は杉浦が
示しているように少々面倒です。
これを高木は2個の3変数の関数の場合に証明しただけで n 変数の場合も
同様であるの一言ですましている。

多変数の定理の証明を2変数とか3変数で代用するというのは解析入門の教科書で
多いですがあまり感心しません。
高校の教科書なら線型代数の定理の証明を2変数とか3変数で代用するというのは
しかたないでしょうが。

陰関数の定理は解析や幾何で重要なので力を入れてやってもらいたいです。

113 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/21(水) 10:31:28
話はがらっと変わりますが解析の入門でニュートン力学の話が出てこないのは
不思議とまでは言いませんが不自然ですね。
微積分は力学から出てきたということを故意に無視してるように見えますね。
大昔は物理と数学はほとんど一体だったわけですが19世紀に楕円関数論が
出てきたあたりから分かれるようになった。
しかし、数学それだけでは発展の原動力として足りないように思う。
例えば、リーマンがリーマン面の理論でモデルにしたのは当時発展途上の電磁気学
だったし、位相群の無限次元の表現は最初は物理的な要請から出てきた。

それから、これは私が前から言ってることですが解析の入門で微分方程式が
出てこないのはまずいでしょう。
微分方程式こそが解析の真髄、ハートなわけで、これをまったく取り上げない
のは不思議としか言いようがない。
指数関数とか三角関数というのは微分方程式の観点から扱うのが自然でしょう。

114 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/21(水) 11:08:55
高木批判のついでに。
彼の解析概論の複素関数論におけるCauchyの定理の証明はやや技巧的で
定理の本質が見えにくい。
確か Ahlfors も高木と同じような証明だったと記憶している。

条件をやや緩めて平面におけるStokesの定理、すなわちGreenの定理を使えば
わかりやすい。

115 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/21(水) 12:35:57
K を実数体または複素数体とする。
n を整数 ≧ 1 とし、K^n に任意のノルム関数を与えノルム空間と見なす。
U ⊂ K^n を開集合とし、
f: U → K^n を微分可能(過去スレ014の788)とする。
f の第 i 成分を f_i とする。
即ち、x ∈ K^n のとき f(x) = (f_1(x), ..., f_n(x)) である。
過去スレ014の817より、df の K^n の標準基底に関する行列は、
(∂f_i/∂x_j), 1 ≦ i, j ≦ n である。
この行列を f の Jacobi 行列(Jacobian matrix)と呼び、
J_f(x) または、∂(f_1, ..., f_n)/∂(x_1, ..., x_n) と書く。
x → J_f(x) は U 上の行列値関数である。
p ∈ K^n のとき p におけるこの行列は J_f(p) である。

この行列の行列式 det(∂(f_1, ..., f_n)/∂(x_1, ..., x_n)) を
f の Jacobi 行列式(Jacobian determinant)と呼ぶ。

Jacobi 行列式を ∂(f_1, ..., f_n)/∂(x_1, ..., x_n) と書く流儀もあるが、
それだと Jacobi 行列を表すのに別の記号が必要になる。

116 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/21(水) 12:39:47
>>115
>p ∈ K^n のとき p におけるこの行列は J_f(p) である。

p ∈ U のとき p におけるこの行列は J_f(p) である。

117 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/21(水) 13:04:28
>>115をやや拡張する。

K を実数体または複素数体とする。
n, m を整数 ≧ 1 とし、K^n と K^m にそれぞれ任意のノルム関数を与え
ノルム空間と見なす。

U ⊂ K^n を開集合とし、
f: U → K^m を微分可能とする。
f の第 i 成分を f_i とする。
即ち、x ∈ U のとき f(x) = (f_1(x), ..., f_m(x)) である。

過去スレ014の817より、df(x) の K^n と K^m の標準基底に関する行列は、
(∂f_i/∂x_j), 1 ≦ i ≦ m, 1 ≦ j ≦ n である。
この行列を f の Jacobi 行列(Jacobian matrix)と呼び、
J_f(x) または、∂(f_1, ..., f_m)/∂(x_1, ..., x_n) と書く。

----------------------------------------------------
U ⊂ (K^n)×(K^m) を開集合とし、
g: V → K^r を微分可能とする。
g の第 i 成分を g_i とする。
即ち、(x, y) ∈ V のとき g(x, y) = (g_1(x, y), ..., g_r(x, y)) である。

g の第2偏微分(過去スレ014の833) (d_2)g の K^m, K^r の標準基底に関する行列は、
(∂g_i/∂y_j), 1 ≦ i ≦ r, 1 ≦ j ≦ m である。
この行列を ∂(g_1, ..., g_r)/∂(y_1, ..., y_m) と書く。

118 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/21(水) 13:15:36
Spivakも書いているように偏微分の記号 ∂f/∂x は変数 x が不要のときも変数 x を
書く必要があるなど不都合な点がある。
そこで ∂f/∂x_i を (D_i)f と書くなどの流儀もある。
しかし、記号 ∂f/∂x も便利な場合があり、このあたり悩ましい。

119 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/21(水) 13:17:54
>>117
>U ⊂ (K^n)×(K^m) を開集合とし、

V ⊂ (K^n)×(K^m) を開集合とし、


120 :132人目の素数さん:2009/10/21(水) 13:52:50
こうなったら、一秒でも長生きしたもんの勝ちやで。 ほんま。(^o^)


121 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/21(水) 15:23:04
>>114
>条件をやや緩めて

条件をやや強めて

122 :132人目の素数さん:2009/10/21(水) 15:37:41

http://www.age.ne.jp/x/eurms/Honron-3.html#02-3

123 :132人目の素数さん:2009/10/24(土) 01:11:16
R=T sugoi

124 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/24(土) 13:27:54
定理(陰関数定理)
R を実数体とする。
n と m を整数 ≧ 1 とする。
R^n と R^m はそれぞれ任意のノルムによるノルム空間(過去スレ006の561)と見なす。
U ⊂ (R^n)×(R^m) を開集合とし、f: U → R^m をC^r級(r ≧ 1)とする。
(a, b) ∈ U において f(a, b) = 0 とし、
第2偏微分(過去スレ014の833) (d_2)f(a, b): R^m → R^m が全単射とする。

このとき、(a, b) ∈ V×W ⊂ U となる a の開近傍 V と b の開近傍 W
及び C^r級の g: V → W が存在し、

1) g(a) = b
2) x ∈ V のとき f(x, g(x)) = 0
3) (x, y) ∈ V×W のとき f(x, y) = 0 なら y = g(x)

証明
m に関する帰納法を使う。
m = 1 の場合は>>95で証明されている。
m ≧ 2 とし、m - 1 の場合は定理が成り立つとする。

f の第 i 成分を f_i とする。
即ち、(x, y) ∈ U のとき、
f(x, y) = (f_1(x, y), ..., f_m(x, y)) である。

(続く)

125 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/24(土) 13:28:53
>>124の続き

過去スレ014の817より、R^m の標準基底に関する (d_2)f(a, b) の行列は
((∂(f_i)/∂y_j)(a, b)), 1 ≦ i, j ≦ m である。
これは、>>117の記号で (∂(f_1, ..., f_m)/∂(y_1, ..., y_m))(a, b) である。
(d_2)f(a, b) は全単射であるから
det(∂(f_1, ..., f_m)/∂(y_1, ..., y_m))(a, b) ≠ 0 である。

よって、
(∂(f_m)/∂y_1)(a, b), ..., (∂(f_m)/∂y_m)(a, b) のどれかは 0 でない。
(∂(f_m)/∂y_m)(a, b) ≠ 0 と仮定して一般性を失わない。

>>95より、((a, b_1, ..., b_(m-1)), b_m) ∈ (V_1)×(W_1) ⊂ U となる
(a, b_1, ..., b_(m-1)) の開近傍 V_1 と
b_m の開近傍 W_1 及び C^r級の h: V_1 → W_1 が存在し、

1) h(a, b_1, ..., b_(m-1)) = b_m

2) (x, y_1, ..., y_(m-1)) ∈ V_1 のとき
f_m(x, y_1, ..., y_(m-1), h(x, y_1, ..., y_(m-1))) = 0

3) (x, y_1, ..., y_(m-1), y_m) ∈ (V_1)×(W_1) のとき
f_m(x, y_1, ..., y_(m-1), y_m) = 0 なら y_m = h(x, y_1, ..., y_(m-1))
となる。

(続く)

126 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/24(土) 13:30:09
>>125の続き

関数 G: V_1 → R^(m-1) を
その第 i 成分 G_i: V_1 → R, i = 1, ..., m-1 を
G_i(x, y_1, ..., y_(m-1)) = f_i(x, y_1, ..., y_(m-1), h(x, y_1, ..., y_(m-1))
として定義する。

G に対して帰納法の仮定を適用するため、
det(∂(G_1, ..., G_(m-1))/∂(y_1, ..., y_(m-1)))(a, b_1, ..., b_(m-1)) ≠ 0
を示そう。
これは、合成関数の微分公式と行列式の変形を使う。
行列を実際に書けば簡単だが、式だけだと分かりにくい。
式で説明するが読者は行列を書いて確かめてもらいたい。

1 ≦ i, j ≦ m - 1 のとき、
∂G_i/∂y_j = ∂f_i/∂y_j + (∂f_i/∂y_m)(∂h/∂y_j) である。

1 ≦ j ≦ m のとき、
縦ベクトル (∂f_1/∂y_j, ..., ∂f_(m-1)/∂y_j)^t を σ_j と書く。
ここで、^t は (1, m-1)行列の転置(transpose)を表す。
1 ≦ j ≦ m - 1 のとき、∂h/∂y_j = d_j と書く。

行列 ∂(G_1, ..., G_(m-1))/∂(y_1, ..., y_(m-1)) の j 列は
σ_j + d_jσ_m である。
よって、
∂(G_1, ..., G_(m-1))/∂(y_1, ..., y_(m-1))
= (σ_1 + d_1σ_m, ..., σ_(m-1) + d_(m-1)σ_m)

(続く)

127 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/24(土) 13:31:04
>>126の続き

行列式は列の多重線型写像であり、同じ列が二つあると行列式は 0 となる。
よって、
det(∂(G_1, ..., G_(m-1))/∂(y_1, ..., y_(m-1)))
= det(σ_1 + d_1σ_m, ..., σ_(m-1) + d_(m-1)σ_m)
= det(σ_1, ..., σ_(m-1))
+ (d_1)det(σ_m, σ_2, ..., σ_(m-1))
+ (d_2)det(σ_1, σ_m, σ_3, ..., σ_(m-1))
.
.
.
+ (d_k)det(σ_1, ..., σ_(k-1), σ_m, σ_(k-2), ..., σ_(m-1))
.
.
.
+ (d_(m-1))det(σ_1, ..., σ_(m-2), σ_m)

ここで、
(d_k)det(σ_1, ..., σ_(k-1), σ_m, σ_(k+1), ..., σ_(m-1)) の k 列を
(m-1) に移動すると、

(d_k)det(σ_1, ..., σ_(k-1), σ_m, σ_(k+1), ..., σ_(m-1))
= (-1)^(m+k-1)(d_k)det(σ_1, ..., σ_(k-1), σ_(k+1), ..., σ_(m-1), σ_m)

この右辺は
(-1)^(m+k-1)(d_k)det(∂(f_1, .., f_(m-1))/∂(y_1, .., y_(k-1), y_(k+1), ., y_m))である。

(続く)

128 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/24(土) 13:33:04
>>127の続き

det(∂(f_1, ..., f_(m-1))/∂(y_1, .., y_(k-1), y_(k+1), ., y_m)) を記述を
簡単にするため Δ(k)と書く。
よって、
det(∂(G_1, ..., G_(m-1))/∂(y_1, ..., y_(m-1)))
= det(σ_1, ..., σ_(m-1)) + Σ(-1)^(m+k-1)(∂h/∂y_k)Δ(k)

ここで Σ は k = 1, ..., m-1 に関する和である。

>>97より、(∂h/∂y_k) = -(∂f_m/∂y_k)/(∂f_m/∂y_m)

よって、
(∂f_m/∂y_m)det(∂(G_1, ..., G_(m-1))/∂(y_1, ..., y_(m-1)))
= det(σ_1, ..., σ_(m-1)) + Σ(-1)^(m+k)(∂f_m/∂y_k)Δ(k)

他方、det(∂(f_1, ..., f_m)/∂(y_1, ..., y_m)) を第 m 行で展開すると、

(∂f_m/∂y_m)det(σ_1, ..., σ_(m-1)) + Σ(-1)^(m+k)(∂f_m/∂y_k)Δ(k)

ここで Σ は k = 1, ..., m-1 に関する和である。

よって、
(∂f_m/∂y_m)det(∂(G_1, ..., G_(m-1))/∂(y_1, ..., y_(m-1)))
= det(∂(f_1, ..., f_m)/∂(y_1, ..., y_m))

仮定により、
det(∂(f_1, ..., f_m)/∂(y_1, ..., y_m))(a, b) ≠ 0
かつ
(∂(f_m)/∂y_m)(a, b) ≠ 0
である。
(続く)

129 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/24(土) 13:34:21
>>128の続き

よって、
det(∂(G_1, ..., G_(m-1))/∂(y_1, ..., y_(m-1)))(a, b_1, ..., b_(m-1)) ≠ 0
である。

よって、
帰納法の仮定より、V×(W_2) ⊂ V_1 となる a の開近傍 V と (b_1, ..., b_(m-1))
の開近傍 W_2 及び C^r級の ψ: V → W_2 が存在し、

@ ψ(a) = (b_1, ..., b_(m-1))
A x ∈ V のとき G(x, ψ(x)) = 0
B (x, z) ∈ V×(W_2) のとき G(x, z) = 0 なら z = ψ(x)

x ∈ V のとき、(x, ψ(x)) ∈ V×(W_2)
V×(W_2) ⊂ V_1 だから h(x, ψ(x)) が意味を持つ。
よって、W = (W_2)×(W_1) とおき、g : V → W を
g(x) = (ψ(x), h(x, ψ(x))) により定義する。

ψ と h はC^r級であるから g はC^r級である。

(続く)

130 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/24(土) 13:35:07
>>129の続き

1) の証明:
g(a) = (ψ(a), h(a, ψ(a))) = b

2) の証明:
x ∈ V のとき G(x, ψ(x)) = 0
よって、
G(x, y_1, ..., y_(m-1)) = f(x, y_1, ..., y_(m-1), h(x, y_1, ..., y_(m-1))
であったから
f(x, ψ(x), h(x, ψ(x))) = 0
よって、f(x, g(x)) = 0

3) の証明:
(x, y) ∈ V×W のとき f(x, y) = 0 とする。
f_m(x, y_1, ..., y_(m-1), y_m) = 0 であるから y_m = h(x, y_1, ..., y_(m-1))
よって、
G(x, y_1, ..., y_(m-1)) = f(x, y_1, ..., y_(m-1), h(x, y_1, ..., y_(m-1)) = 0
よって、
(y_1, ..., y_(m-1)) = ψ(x)
よって、
f(x, ψ(x), h(x, ψ(x)) = 0
よって、
y = (ψ(x), h(x, ψ(x)) = g(x)

証明終

131 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/24(土) 13:47:05
>>124から>>130は杉浦の解析入門を参考にした。
かなり長い。
高木が3変数の場合の証明で止めていたのがわかる気がする。


132 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/24(土) 17:52:41
次に積分の変数変換公式について述べる。

133 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/24(土) 18:06:37
定義
K を実数体または複素数体とする。
n ≧ 2 を整数とする。
i, j を 1 ≦ i < j ≦ n となる整数とする。

x = (x_1, ..., x_i, ..., x_j , ..., x_n) ∈ K^n に
(x_1, ..., x_j, ..., x_i , ..., x_n) ∈ K^n を対応させる写像を
R_(i, j) と書く。

R_(i, j) の形の写像を互換写像と呼ぶ。

134 :涼宮ハルヒコ:2009/10/24(土) 18:15:56
(x+5)²-2=0 の解X=

お願いします!


135 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/24(土) 19:26:02
定義
K を実数体または複素数体とする。
n を整数とする。
U を K^n の開集合とし、f: U → K^n を写像とする。
1 ≦ i ≦ n となる整数 i と関数 g: U → K が存在し、
f(x) = (x_1, ..., x_(i-1), g(x), x_(i+1), ..., x_n)
と書けるとき f を原始的な関数という。

136 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 01:02:42
補題(Principles of mathematical analysis by Rudin)
K を実数体または複素数体とする。
n ≧ 1 を整数とする。
K^n 上の任意のノルム(例えば |(x_1, ..., x_n)| = sup{|x_i|; i = 1, ..., n))
に関して K^n をノルム空間と見なす。
U を K^n の開集合で 0 ∈ U とする。
f: U → K^n をC^1級写像で、f(0) = 0 かつ df(0) は可逆であるとする。

このとき、0 のある開近傍上で
f = B_1...B_(n-1)G_n...G_1
と書ける。
ここで B_i は恒等写像または互換写像(>>133)であり、
G_i は、0 の開近傍 U_i で定義され K^n に値をとる原始的なC^1級写像で、
G_i(0) = 0 かつ d(G_i)(0) は可逆である。

証明
以下の 1) から 3) の条件を満たす関数 F_1, ..., F_n を i に関する帰納法で
定義する。

1) F_1 = f

2) 0 の開近傍 V_i があり、 F_i: V_i → K^n はC^1級であり、
F_i(0) = 0 かつ d(F_i)(0) は可逆である。

3) F_i = (x_1, ..., x_(i-1), h_i(x), ..., h_n(x)) と書ける。
ここで、h_k, k = i, ..., n は V_k 上の K に値をとる関数である。

(続く)

137 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 01:05:03
>>136の続き

F_1 は 2) と 3) を満たす。

1 ≦ i ≦ n - 1 のとき、F_i が 2) と 3) を満たすとする。

d(F_i)(0) は可逆であるから (∂h_k/∂x_i)(0) ≠ 0, i ≦ k ≦ n となる k がある。
G_i(x) = (x_1, ..., x_(i-1), h_k(x), x_(i+1), ..., x_n) とおく。
G_i(0) = 0 であり、det(dG_i(0)) = (∂h_k/∂x_i)(0) ≠ 0 である。
よって、逆写像定理(>>67)より、
0 ∈ U_i ⊂ V_i となる開集合 U_i があり、
V_(i+1) = f(U_i) は開集合で、G_i は U_i 上で単射である。
さらに、G_i|U_i の逆写像 H_i はC^1級である。

i = k のとき B_i を恒等写像とし、
i ≠ k のとき B_i = R_(i, k) (>>133) とする。
F_(i+1): V_(i+1) → K^n を
y ∈ V_(i+1) のとき F_(i+1)(y) = B_iF_iH_i(y)
により定義する。

F_(i+1) がC^1級であることは明らか。
F_(i+1)(0) = B_iF_iH_i(0) = B_iF_i(0) = B_i(0) = 0
d(F_(i+1))(0) = dB_i(0)dF_i(0)dH_i(0) ≠ 0
よって、F_(i+1) は 2) を満たす。
x ∈ U_i のとき
F_(i+1)G_i(x) = B_iF_i(x) = (x_1, ..., x_(i-1), h_k(x), ...)

(続く)

138 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 01:05:46
>>137の続き

y = G_i(x) とおく。
即ち、
(y_1, ..., y_n) = (x_1, ..., x_(i-1), h_k(x), x_(i+1), ..., x_n)
よって、
F_(i+1)(y) = (y_1, ..., y_(i-1), y_i, ...)
よって、F_(i+1) は 3) を満たす。

以上から 1) から 3) の条件を満たす関数 F_1, ..., F_n が定義された。

1 ≦ i ≦ n - 1 で、y ∈ V_(i+1) のとき
F_(i+1)(y) = B_iF_iH_i(y)
この等式の両辺に B_i を作用させ、B_iB_i = I に注意すると
B_iF_(i+1)(y) = F_i(x)H_i(y)

y = G_i(x), x ∈ U_i のとき
B_iF_(i+1)G_i(x) = F_i(x)

よって
F_1
= B_1F_2G_1
= B_1B_2F_3G_2G_1
.
.
.
= B_1B_2...B_(n-1)F_nG_(n-1)...G_2G_1
となる。
F_n は原始的であるから G_n = F_n とおけばよい。
証明終

139 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 09:56:55
>>136の証明は原始的な写像の逆写像定理のみを使っている。
実変数の原始的な写像の逆写像定理は>>95から直ちに得られる。
よって実変数の逆写像定理(>>67)は>>136>>95からも得られる。

140 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 10:58:19
命題
K を実数体または複素数体とする。
n を整数 ≧ 1 とする。
U ⊂ K^n を空でない開集合とし、ψ: U → K^n をC^r級(r ≧ 1)の単射で、
すべての p ∈ U で det(J_ψ(p)) ≠ 0 とする。
ここで、J_ψ(p) は ψ の Jacobi 行列(>>115)である。

このとき、ψ(U) は開集合であり、ψ^(-1) はC^r級である。

証明
任意の p ∈ U に対して J_ψ(p) は dψ(p) の K^n の標準基底に関する行列である。
よって、det(dψ(p)) = det(J_ψ(p)) ≠ 0 である。
よって、逆写像定理(>>67)より、p ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり、
ψ(V) は開集合であり、ψ^(-1) はψ(V)においてC^r級である。
ψ(p) ∈ ψ(V) ⊂ ψ(U) であり、p は U の任意の点であるから
ψ(U) は開集合でであり、ψ^(-1) はC^r級である。
証明終

141 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 12:09:04
次の命題をいくつかのステップに分けて証明する。

命題(積分の変数変換公式)
R を実数体とする。
n を整数 ≧ 1 とする。
U ⊂ R^n を空でない開集合とし、ψ: U → R^n をC^r級(r ≧ 1)の単射で、
すべての p ∈ U で det(J_ψ(p)) ≠ 0 とする。
ここで、J_ψ(p) は ψ の Jacobi 行列(>>115)である。
>>140より、ψ(U) は開集合であり、ψ^(-1) はC^r級である。

f: ψ(U) → R を連続写像で Supp(f) はコンパクトであるとする。
ψ は位相同型であるから Supp(fψ) はコンパクトである。

このとき、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
となる。

142 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 12:29:39
補題
R を実数体とする。
n を整数 ≧ 1 とする。
U ⊂ R^n を空でない開集合とし、Ψ: U → R^n をC^r級(r ≧ 1)の単射で、
すべての p ∈ U で det(J_Ψ(p)) ≠ 0 とする。
Φ: Ψ(U) → R^n をC^r級(r ≧ 1)の単射で、
すべての q ∈ Ψ(U) で det(J_Φ(q)) ≠ 0 とする。

>>141がΨとΦで成り立てば、ΦΨでも成り立つ。

証明
f: ΦΨ(U) → R を連続写像で Supp(f) はコンパクトであるとする。

∫[ΦΨ(U)] f(z) dz = ∫[Ψ(U)] f(Φ(y)) |det(J_Φ(y))| dy
= ∫[U] f(Φ(Ψ(x))) |det(J_Φ(Ψ(x)))||det(J_Ψ(x)))| dx

一方、合成関数の微分規則(過去スレ014の803)より、
J_ΦΨ(x) = J_Φ(Ψ(x))J_Ψ(x)

よって、
|det(J_Φ(Ψ(x)))||det(J_Ψ(x)))|
= |det(J_Φ(Ψ(x)))det(J_Ψ(x)))|
= |det(J_ΦΨ(x))|

よって、
∫[ΦΨ(U)] f(z) dz = ∫[U] f(ΦΨ(x)) |det(J_ΦΨ(x))| dx
証明終

143 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 13:29:50
補題
>>141は ψ が互換写像(>>133)であれば成り立つ。

証明
ψ が互換写像であれば det(J_ψ(x)) = -1 であるから |det(J_ψ(x))| = 1
よって、>>141
[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) dx
となる。
これは積分の順序交換(過去スレ010の272)より明らかである。
証明終

144 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 15:00:31
補題
>>141は ψ が原始的(>>135)であれば成り立つ。

証明
>>141において x ∈ R - ψ(U) のとき f(x) = 0 と定義することにより
f の定義域を R^n に広げても f は連続である。
よって、>>141の等式は
∫[R^n] f(y) dy = ∫[R^n] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
と書けることに注意する。

ψ(x) = (g(x), x_2, ..., x_n) として一般性を失わない。

det(J_ψ(x)) = ∂g/∂x_1 である。

積分の順序交換(過去スレ010の272)と1変数の積分の変数変換の公式より

∫ f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
= ∫ f(ψ(x))|∂g/∂x_1| dx
= ∫ f(ψ(x_1, ..., x_n))|∂g/∂x_1| dx_1...dx_n
= ∫dx_2...dx_n∫ f(ψ(x_1, ..., x_n))|∂g/∂x_1| dx_1
= ∫dx_2...dx_n∫ f(x_1, ..., x_n) dx_1
= ∫ f(x) dx
証明終

145 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 15:44:03
補題
R を実数体とする。
n を整数 ≧ 1 とする。
U ⊂ R^n を空でない開集合とし、ψ: U → R^n をC^r級(r ≧ 1)の単射で、
すべての p ∈ U で det(J_ψ(p)) ≠ 0 とする。
任意の y ∈ ψ(U) に対して y ∈ V_y ⊂ ψ(U) となる開集合 V_y があり、

∫[V_y] g(z) dz = ∫[U_y] g(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx

となるとする。
ここで、U_y = ψ^(-1)(V_y) であり、
g: V_y → R は Supp(g) がコンパクトな任意の連続関数である。

このとき、>>141が成り立つ。

証明
Supp(f) はコンパクトだから Supp(f) ⊂ V_y_1 ∪ . . . ∪ V_y_r となる
ψ(U) の点 y_1, . . ., y_r がある。
過去スレ010の102より、R^n から [0, 1] への連続関数 g_1, ..., g_r で
各i で Supp(g_i) ⊂ V_y_i
x ∈ Supp(f) のとき g_1(x) + ... + g_r(x) = 1 となるものが存在する。

f = Σfg_i であり、Supp(fg_i) ⊂ V_y_i である。

よって、
∫ f(y) dy = ∫f(x)g_i(x) dx = Σ ∫ f(x)g_i(x) dx
= Σ∫ f(ψ(x))g_i(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
= ∫ Σf(ψ(x))g_i(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
= ∫ f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
証明終

146 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 18:10:01
>>141の証明

>>136より、各点 a ∈ U に対して a ∈ U_a ⊂ U となる開集合があり、
x ∈ U_a に対して、
ψ(x) - ψ(a) = B_1...B_(n-1)G_n...G_1(x - a)

>>143, >>144, >>142より、Supp(f) ⊂ ψ(U_a) なら>>141が成り立つ。
よって、>>145より>>141が成り立つ。
証明終

147 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/25(日) 20:17:43
命題(Lebesgue積分の変数変換公式)
R を実数体とする。
n を整数 ≧ 1 とする。
U ⊂ R^n を空でない開集合とし、ψ: U → R^n をC^r級(r ≧ 1)の単射で、
すべての p ∈ U で det(J_ψ(p)) ≠ 0 とする。
ここで、J_ψ(p) は ψ の Jacobi 行列(>>115)である。

f : ψ(U) → [-∞, +∞] をLebesgue可積分な関数とすると、
f(ψ(x))|det(J_ψ(x))| もLebesgue可積分であり、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
となる。

証明
>>140より、ψ(U) は開集合であり、ψ^(-1) はC^r級である。
よって、ψ: U → ψ(U) は位相同型である。
よって、ψ は固有写像(過去スレ011の767)である。
μ を R^n におけるLebesgue測度とする。
μ|U を μ の U への制限(過去スレ010の110)とする。
ν = |det(J_ψ)|(μ|U) を μ|U と U 上の連続関数 |det(J_ψ)| の
積(過去スレ010の588)とする。
ψ(ν) を ψ による ν の像(過去スレ011の765)とする。
積分の変数変換公式(>>141)は、μ|ψ(U) = ψ(ν) を意味する。
過去スレ011の823より、
f : ψ(U) → [-∞, +∞] を(μ|ψ(U))可積分な関数とすると、
f(ψ(x)) はν可積分であり、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) dν(x) である。

過去スレ011の598より、f(ψ(x))|det(J_ψ(x))| は(μ|U)可積分であり、
∫ f(ψ(x)) dν(x) = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx となる。
よって、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx となる。
証明終

148 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/26(月) 09:10:16
>>138
B_iF_(i+1)G_i(x) = F_i(x)
において i = 1 のとき
f = B_1F_2G_1
となる。

これだけを利用して積分の変数変換公式(>>141)を証明してもいい。
つまり、G_1 は原始的であり、F_2 は (x_1, h_2(x), ..., h_n(x)) の形の
写像である。
G_1 の変数変換公式は1変数に帰着する。
F_2 の変数変換公式は n - 1 変数の場合に変数するので帰納法の仮定を適用できる。

同様に、実変数の逆写像定理(>>67)が得られる(>>139参照)。

149 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/26(月) 09:24:23
>>147の主張および証明は私が考えたものである。

今、思いついてSchwartzの解析学を見たらまったく同じ主張および証明がされていた。
ただし、像測度に関する ∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) dν(x) の証明は
なく、結果を無条件で認めるということだった。

150 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/26(月) 09:28:00
>>148
>F_2 の変数変換公式は n - 1 変数の場合に変数するので帰納法の仮定を適用できる。

F_2 の変数変換公式は n - 1 変数の場合に帰着するので帰納法の仮定を適用できる。

151 :132人目の素数さん:2009/10/26(月) 10:15:10
Kummerはプロないし、セミプロでしょ
えらく時間有るのね
本人のお勉強ノートなのか?

152 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/26(月) 11:04:45
>>147の訂正

命題(Lebesgue積分の変数変換公式)
R を実数体とする。
n を整数 ≧ 1 とする。
U ⊂ R^n を空でない開集合とし、ψ: U → R^n をC^r級(r ≧ 1)の単射で、
すべての p ∈ U で det(J_ψ(p)) ≠ 0 とする。
ここで、J_ψ(p) は ψ の Jacobi 行列(>>115)である。

f : ψ(U) → [-∞, +∞] を関数とする。
f がLebesgue可積分であるためには、f(ψ(x))|det(J_ψ(x))| が U で
Lebesgue可積分であることが必要十分である。
このとき、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
となる。

証明
>>140より、ψ(U) は開集合であり、ψ^(-1) はC^r級である。
よって、ψ: U → ψ(U) は位相同型である。
よって、ψ は固有写像(過去スレ011の767)である。
μ を R^n におけるLebesgue測度とする。
μ|U を μ の U への制限(過去スレ010の110)とする。
ν = |det(J_ψ)|(μ|U) を μ|U と U 上の連続関数 |det(J_ψ)| の
積(過去スレ010の588)とする。
ψ(ν) を ψ による ν の像(過去スレ011の765)とする。
積分の変数変換公式(>>141)は、μ|ψ(U) = ψ(ν) を意味する。

(続く)

153 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/26(月) 11:05:27
>>152の続き

過去スレ011の823と過去スレ011の829より、
f が(μ|ψ(U))可積分であるためには、f(ψ(x)) がν可積分
であることが必要十分である。

このとき、過去スレ011の823より、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) dν(x) である。

過去スレ011の598と過去スレ011の680より、f(ψ(x)) がν可積分であるためには、
f(ψ(x))|det(J_ψ(x))| は(μ|U)可積分であることが必要十分である。

このとき、過去スレ011の598より、
∫[U] f(ψ(x)) dν(x) = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx となる。

以上から、本命題の主張が得られる。
証明終

154 :132人目の素数さん:2009/10/26(月) 13:36:40
613 名前: 132人目の素数さん 投稿日: 2009/10/26(月) 00:37:48
あの…コピペ荒らしがキモクてすぐスレが流れてしまうのでもう一度書きますが、
(1) z^2 = -195/7 + 4i
(2) z^3 = -Sqrt[11] + 58i
を満たすzの解き方をおしえてください。
数学が得意だと自称している数ヲタの話しだと因数定理で解くそうなんですがわかりません。
本来因数定理は根(因数)を求める方法じゃないですよね。
実は(1)は連立方程式にして解けました。
ただの数式操作なので概念とか理論的なところはあまりないし自称数ヲタさんたちなら朝飯前ですよね。
特に(2)の解法をよろしくお願いします。

155 :132人目の素数さん:2009/10/26(月) 17:45:37
>>151
こんなバカなことをするプロがいるわけがない。

156 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/27(火) 03:19:55
命題(Sardの定理の特別な場合)
R を実数体とする。
n を任意の整数 ≧ 1 とする。
U ⊂ R^n を空でない開集合とし、f: U → R^n をC^1級とする。
S = {x ∈ U; det(df(x)) = 0} とおく。

このとき f(S) はLebesgue零集合である。

証明
n = 1 のときはほとんど自明であるから n ≧ 2 と仮定する。

R^n の点 x = (x_1, .., x_n) に対してそのノルムを
|x| = sup{|x_i|, i = 1, ..., n} と書く。

U は U に含まれる n 次元閉立方体の可算個の合併になる。
よって、U に含まれる任意の n 次元閉立方体 C に対して
f(C ∩ S) がLebesgue零集合であることを証明すればよい。

C の辺の長さを r とする。
各 x ∈ C に対して、ψ は x で微分可能であるから
任意の ε > 0 に対して δ_x > 0 があり、
y ∈ U, |y - x| < δ_x なら |f(y) - f(x) - df(x)(y - x)| < ε|y - x|
となる。
C はコンパクトであるから、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
x ∈ C, y ∈ U, |y - x| < δ なら
|f(y) - f(x) - df(x)(y - x)| < ε|y - x|
となる。

(続く)

157 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/27(火) 03:21:02
>>156の続き

δ を十分小さくとって、0 < δ < r と仮定してよい。
k - 1 ≦ r/δ < k となる整数 k ≧ 1 をとる。
r/k < δ ≦ r/(k - 1)

C の各辺を k 等分して C を k^n 個の小立方体 C_i (1 ≦ i ≦ k^n) に分割する。
C_i の辺の長さは r/k であり、その体積は (r/k)^n である。

x, y ∈ C_i のとき |x - y| < δ である。
C_i ∩ S ≠ φ となる各 C_i に対して x_i ∈ C_i ∩ S を選ぶ。

det(df(x_i)) = 0 であるから dim df(x_i)(R^n) ≦ n - 1 である。
よって、df(x_i)(R^n) ⊂ H_i となる R^n の部分空間 H_i で dim H_i = n - 1 と
なるものがある。
M = sup{|df(x)|; x ∈ C} とおく。
ここで、|df(x)| = sup{|df(x)(y)|; |y| ≦ 1, y ∈ R^n} である。
f は C^1級だから |df(x)| は x の連続関数であり、
C はコンパクトだから M < +∞ である。

x ∈ C_i のとき y = f(x_i) + df(x_i)(x - x_i) とおくと、
y ∈ f(x_i) + H_i であり、
|y - f(x_i)| = |df(x_i)(x - x_i)| ≦ M|x - x_i| < Mδ
よって、y は アフィン超平面 f(x_i) + H_i に含まれ、f(x_i) を中心とする
体積 (2Mδ)^(n-1) の(n-1)次元立方体 D_i に含まれる。

x ∈ C_i のとき |f(x) - y| < ε|x - x_i| < εδ
よって、f(C_i) は n 次元直方体 G_i = (D_i)×[-εδ, εδ] に含まれる。
この直方体の体積は εM^(n-1)(2δ)^n である。

(続く)

158 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/27(火) 03:21:48
>>157の続き

f(C ∩ S) = f(∪(C_i ∩ S)) ⊂ ∪f(C_i ∩ S) ⊂ ∪G_i

よって、
μ(f(C ∩ S)) ≦ μ(∪G_i) ≦ ε(k^n)M^(n-1)(2δ)^n
= ε2^nM^(n-1)(kδ)^n ≦ ε2^nM^(n-1)(2r)^n

ここで、μ はLebesgue測度である。

2^nM^(n-1)(2r)^n は ε に無関係な定数であり、ε はいくらでも小さくとれるから
μ(f(C ∩ S)) = 0 である。
証明終

159 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/27(火) 03:29:27
Sardの定理は U ⊂ R^m から R^n へのC^k級写像 f で、
S = {x ∈ U; df(x) が全射でない} とおいたとき、
f(S) がLebesgue零集合であることを主張するものである。
ここで、k > sup(0, m ? n) である。
m > n のときの証明が一番難しい。

160 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/27(火) 03:30:28
>>159
>ここで、k > sup(0, m ? n) である。

ここで、k > sup(0, m - n) である。

161 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/27(火) 12:06:28
命題(Lebesgue積分の変数変換公式: det(J_ψ(p)) = 0 を許す場合)
R を実数体とする。
n を任意の整数 ≧ 1 とする。
U ⊂ R^n を空でない開集合とし、ψ: U → R^n をC^1級の単射とする。
S = {x ∈ U; det(dψ(x)) = 0} とおく。

f : ψ(U) → [-∞, +∞] を関数とする。
f がLebesgue可積分であるためには、f(ψ(x))|det(J_ψ(x))| が U で
Lebesgue可積分であることが必要十分である。
このとき、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
となる。

証明
V = U - S とおく。
x → det(dψ(x)) は連続であるから S は U の閉集合である。
よって、V は U の開集合であるから R^n の開集合でもある。

>>152より
f が ψ(V) でLebesgue可積分であるためには、f(ψ(x))|det(J_ψ(x))| が V で
Lebesgue可積分であることが必要十分であり、
このとき、
∫[ψ(V)] f(y) dy = ∫[V] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
となる。

(続く)

162 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/27(火) 12:08:42
(続く)

>>161の続き

ψ は単射であるから
ψ(U) = ψ(V) ∪ ψ(S) (直和) である。

よって、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[ψ(V)] f(y) dy + ∫[ψ(S)] f(y) dy
である。

>>156より、ψ(S) はLebesgue零集合であるから、
∫[ψ(S)] f(y) dy = 0 であり、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[ψ(V)] f(y) dy

他方、
∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
= ∫[V] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx + ∫[S] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx

S 上で det(J_ψ(x)) = 0 であるから
∫[S] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx = 0 となり、

∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx = ∫[V] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx

よって、
∫[ψ(U)] f(y) dy = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
証明終

163 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/27(火) 19:57:51
Lebesgue積分の変数変換公式(>>152)の応用として
∫[0 +∞) exp(-x^2) dx を計算しよう。

x ≧ 0 のとき exp(x^2) ≧ 1 + x^2 であるから
exp(-x^2) ≦ 1/(1 + x^2)
よって、
∫[0 +∞) exp(-x^2) dx ≦ ∫[0 +∞) 1/(1 + x^2) dx = π/2 < +∞

よって、Fubiniの定理(過去スレ011の749)より、
∬(0 +∞)×(0 +∞) exp(-x^2 - y^2) dxdy
= ∫(0 +∞) exp(-x^2) dx ∫(0 +∞) exp(-x^2) dy < +∞
である。

Φ(r, θ) = (r cos(θ), r sin(θ)) とおく。

Φ は (0, +∞)×(0, π/2) から (0 +∞)×(0 +∞) への全単射である。
det(J_Φ) = r であるから
Lebesgue積分の変数変換公式(>>152)より、
∬(0 +∞)×(0 +∞) exp(-x^2 - y^2) dxdy
= ∬(0, +∞)×(0, π/2) exp(-r^2)r drdθ

再び、Fubiniの定理(過去スレ011の749)より、
∬(0, +∞)×(0, π/2) exp(-r^2)r drdθ
= ∫(0, π/2) dθ∫(0, +∞) exp(-r^2)r dr
= (π/2)∫(0, +∞) exp(-r^2)r dr

(続く)

164 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/27(火) 19:58:34
>>163の続き

一方、exp(-r^2)r の原始関数は -(1/2)exp(-r^2) だから
∫(0, +∞) exp(-r^2)r dr = 1/2

よって、
∬(0, +∞)×(0, π/2) exp(-r^2)r drdθ = π/4

よって、
∫(0 +∞) exp(-x^2) dx ∫(0 +∞) exp(-x^2) dy = π/4

よって、
∫[0 +∞) exp(-x^2) dx = ∫(0 +∞) exp(-x^2) dx = (√π)/2

165 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/27(火) 22:49:05
多様体上の微分形式の積分を定義するため、微分形式の引き戻し(pull-back)について述べる。

M と N を多様体とし、ψ: M → N を可微分写像とする(過去スレ014の659)。
ω を N 上の C^r 級(0 ≦ r ≦ ∞)の k 次の微分形式とする(過去スレ014の731)。

p ∈ M と (v_1, ..., v_k) ∈ (T_p(M))^k に対して、
ψ^*(ω)_p(v_1, ..., v_k) = ω_ψ(p)(dψ_p(v_1), ..., dψ_p(v_k))
とおく。
ψ^*(ω)_p は T_p(M) 上の k 次の交代的な多重線型形式である。

(x_1, ..., x_n) と (y_1, ..., y_m) をそれぞれ p と ψ(p) の近傍 U, V における
局所座標系とする。

dψ(∂/∂x_i) = Σ(∂y_j/∂x_i)∂/∂y_j
であるから、

q ∈ V のとき、
ψ^*(ω)_q(∂/∂x_i_1, ..., ∂/∂x_i_k)
= Σ(∂y_j_1/∂x_i_1)...(∂y_j_k/∂x_i_k)ω_ψ(q)(∂/∂y_j_1, ..., ∂/∂y_j_k)

これから、ψ^*(ω) は M 上のC^r 級の k 次の微分形式であることがわかる。

ψ^*(ω) を ω の ψ による引き戻し(pull-back)と呼ぶ。

166 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/27(火) 23:17:58
命題
M と N を多様体とし、ψ: M → N を可微分写像とする(過去スレ014の659)。
ω と θ をそれぞれ N 上の C^r 級(0 ≦ r ≦ ∞)の k 次と l 次の微分形式とする。
g: N → R を可微分関数とする。

このとき、次が成り立つ。

1) ψ^*(ωΛθ) = ψ^*(ω)Λψ^*(θ)

2) ψ^*(gω) = (gψ)ψ^*(ω)

証明
1) は過去スレ014の713から得られる。

2) は定義から明らかであるが、g を 0 次の微分形式とみて 1) の特殊な場合と
見なすこともできる。
証明終

167 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/28(水) 08:13:22
>>165の補足

g: N → R をC^r 級(0 ≦ r ≦ ∞)関数とする。
ψ^*(g) = gψ と書いて ψ^*(g) を g の ψ による引き戻し(pull-back)と呼ぶ。

168 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/28(水) 08:16:42
M と N を多様体とし、ψ: M → N を可微分写像とする。
p ∈ M に対して、(x_1, ..., x_n) と (y_1, ..., y_m) をそれぞれ p と ψ(p) の
近傍 U, V における局所座標系とする。

ψ^*(y_k) = (y_k)ψ = ψ_k, k = 1, ..., n とおく。

ψ^*(dy_i)(∂/∂x_j) = dy_i(dψ(∂/∂x_j)) = dy_i(Σ(∂ψ_k/∂x_j)∂/∂y_k)
= ∂ψ_i/∂x_j

よって、
ψ^*(dy_i) = Σ(∂ψ_i/∂x_j)dx_j

169 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/28(水) 08:21:23
M と N を多様体とし、ψ: M → N を可微分写像とする。
n = dim M = dim N とする。
p ∈ M に対して、(x_1, ..., x_n) と (y_1, ..., y_n) をそれぞれ p と ψ(p) の
近傍 U, V における局所座標系とする。

ω を N 上の C^r 級(0 ≦ r ≦ ∞)の n 次の微分形式とする。

V 上で ω = h(y_1, ..., y_n)dy_1Λ...Λdy_n とする。

>>166, >>168より、
ψ^*(ω) = (hψ)ψ^*(dy_1Λ...Λdy_n) = (hψ)ψ^*(dy_1)Λ...Λψ^*(dy_n)
= (hψ)Σ(∂ψ_1/∂x_j_1)...(∂ψ_n/∂x_j_n)dx_j_1Λ...Λdx_j_n
= (hψ)det(J_ψ)dx_1Λ...Λdx_n

ここで、J_ψ は ψ の Jacobi 行列(>>115)である。

170 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/28(水) 09:01:18
定義
M と N を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とし、
ψ: M → N を可微分写像とする。

ω と θ をそれぞれ M と N の体積要素(過去スレ014の734)とする。
ψ^*(θ) (>>165)が M の各点で 0 にならないとする。
ψ^*(θ) = fω となる関数 f: M → R がある。

f > 0 のとき ψ を向きを保存する写像と呼ぶ。
f < 0 のとき ψ を向きを逆にする写像と呼ぶ。

これは、体積要素 ω と θ の選び方によらない。

171 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/28(水) 10:25:12
定義
M と N を多様体とする。
可微分写像 ψ: M → N が全単射で ψ^(-1) が可微分であるとき
ψ を微分同相写像または略して微分同相という。

このとき、M と N は微分同相であると言う。

172 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/28(水) 10:30:13
>>171

M と N が微分同相であるとき、M と N は位相空間として同相である。
このとき位相幾何におけるホモロジー論より dim M = dim N となる。

173 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/28(水) 10:34:12
定義
M と N を多様体とし、ψ: M → N を可微分写像とする。
各点 p ∈ M に対して p の開近傍 U があり ψ|U: U → ψ(U) が微分同相(>>171)と
なるとき ψ を局所微分同相写像または略して局所微分同相という。

174 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/28(水) 10:43:58
命題
M と N を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とし、
ψ: M → N を可微分写像とする。
θ を N の体積要素(過去スレ014の734)とする。

ψ^*(θ) が M の体積要素であるためには ψ が局所微分同相(>>173)と
なることが必要十分である。

証明
p ∈ M に対して、(x_1, ..., x_n) と (y_1, ..., y_n) をそれぞれ p と ψ(p) の
近傍 U, V における局所座標系とする。

V 上で θ = g(y)dy_1Λ...Λdy_n とする。

>>169より、ψ^*(θ) = (gψ)det(J_ψ)dx_1Λ...Λdx_n となる。

ψ が局所微分同相であれば、det(J_ψ)(p) ≠ 0 であるから
ψ^*(θ)_p ≠ 0 である。

逆に ψ^*(θ)_p ≠ 0 であれば、det(J_ψ)(p) ≠ 0 となる。
逆写像定理(>>67)より ψ は局所微分同相である。
証明終

175 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/28(水) 10:52:22
定義
M を多様体とし、ω を M 上の微分形式とする。
集合 {p ∈ M; ω_p ≠ 0} の閉包を ω の台と呼び、
Supp(ω) と書く。


176 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/28(水) 10:56:10
定義
U ⊂ R^n を空でない開集合とし、ω を U 上の n 次の微分形式で
コンパクトな台(>>175)をもつとする。
(x_1, ..., x_n) を R^n の標準座標とする。
ω = f(x)dx_1Λ...Λdx_n としたとき、ω の積分 ∫[U] ω を

∫[U] ω = ∫[U] f(x) dx_1...dx_n

により定義する。
ここで、右辺は f(x) のLebesgue積分である。

177 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/10/28(水) 11:15:19
>>174は体積要素の定義(過去スレ014の734)をそのまま使うと間違いなので
次のように修正する。

命題
M と N を向き付け可能な n 次元多様体(過去スレ014の734)とし、
ψ: M → N を可微分写像とする。
θ を N 上の n 次微分形式で N の各点 p で θ_p ≠ 0 となるものとする。
M の各点 p で ψ^*(θ)_p ≠ 0 となるためには ψ が局所微分同相(>>173)と
なることが必要十分である。

証明は>>174と同じである。

178 :132人目の素数さん:2009/10/28(水) 18:41:15
世界初。整数列を関数に変換するプログラム
http://demo.logicalsoft.jp/function/

179 :132人目の素数さん:2009/10/28(水) 20:30:55
Supp(ω)
Supp(・ω・)
Supe(`・ω・´)
Super(`・ω・´) シャキーン

180 :132人目の素数さん:2009/10/29(木) 00:25:54
Kummerが望月新一先生とかだったらDoしよう

181 :132人目の素数さん:2009/10/29(木) 02:45:29
>>180
望月先生が好きなAV女優を調べればなにかわかるかも

182 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/03(火) 15:14:56
>>172
ホモロジー論を持ち出すまでもなく、接空間を考えれば dim M = dim N は
ほとんど自明であった。


183 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/03(火) 15:17:39
命題(合成写像の微分)
M と N と S を多様体とし、ψ: M → N, φ: N → S を可微分写像とする。

M の任意の点 p で
d(φψ)_p = (d(φ)_ψ(p))(dψ_p)
となる。

証明
v を p における M の接ベクトルとする。
f: U → R を φψ(p) の開近傍 U ⊂ S で定義されたC^∞級の関数とする。

d(φ)_ψ(p)(dψ_p(v))(f) = dψ_p(v)(fφ) = v(fφψ)
他方、
d(φψ)_p(v)(f) = v(fφψ)

よって、
d(φψ)_p(v) = d(φ)_ψ(p)(dψ_p(v))

よって、
d(φψ)_p = (d(φ)_ψ(p))(dψ_p)
証明終

184 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/03(火) 15:32:45
命題
M と N を微分同相な多様体とし、ψ: M → N を微分同相写像とする。

このとき、M の任意の点 p で dψ_p: T_p(M) → T_ψ(p)(N) は同型写像である。
特に、dim M = dim N である。

証明
φ: N → M を ψ の逆写像とする。
φψ = 1, ψφ = 1 とする。

>>183より、
d(φψ)_p = (d(φ)_ψ(p))(dψ_p) = 1
d(ψφ)_ψ(p) = (d(ψ)_p)(dφ_ψ(p)) = 1

よって、d(φ)_ψ(p) と dψ_p は互いに他の逆写像である。
証明終

185 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/03(火) 15:34:01
命題(R^n における微分形式の積分の変数変換公式)
U, V ⊂ R^n を空でない開集合とし ψ: U → V を向きを保存する(>>170)
微分同相(>>171)とする。
ω を V 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもつとする。

このとき、ψ^*(ω) もコンパクトな台をもち、

∫[V] ω = ∫[U] ψ^*(ω)

となる。

証明
V 上で ω = f(x)dx_1Λ...Λdx_n とする。
>>169より、U 上で ψ^*(ω) = (fψ)det(J_ψ)dx_1Λ...Λdx_n となる。

ψ は微分同相であるから U の各点 p で det(J_ψ(p)) ≠ 0 である。
よって、Supp(ψ^*(ω)) = Supp(fψ) = ψ^(-1)(Supp(f)) はコンパクトである。

>>176より、
∫[U] ψ^*(ω) = ∫[U] (fψ)det(J_ψ) dx_1...dx_n

一方、積分の変数変換公式(>>141)より
∫[ψ(U)] f(x) dx = ∫[U] f(ψ(x)) |det(J_ψ(x))| dx
となる。

一方、>>169より、U 上で ψ^*(dx_1Λ...Λdx_n) = det(J_ψ)dx_1Λ...Λdx_n
であり、ψ は向きを保存するから U 上で det(J_ψ) > 0 である。
よって、
∫[ψ(U)] f(x) dx = ∫[U] f(ψ(x)) det(J_ψ(x)) dx
即ち、
∫[V] ω = ∫[U] ψ^*(ω)
証明終

186 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/03(火) 15:35:50
命題
M と N と S を多様体とし、ψ: M → N, φ: N → S を可微分写像とする。
ω を N 上の C^r 級(0 ≦ r ≦ ∞)の k 次の微分形式とする。

このとき、

(φψ)^*(ω) = ψ^*((φ^*(ω)))

となる。

証明
p ∈ M に対して q = ψ(p), r = φ(q) とおく。
合成写像の微分公式(>>183)より、v_1, ..., v_k ∈ T_p(M) に対して

ψ^*((φ^*(ω)))_p(v_1, ..., v_k)
= φ^*(ω)_q(dψ(v_1), ..., dψ(v_k))
= ω_r(dφd(ψ(v_1)), ..., dφ(dψ(v_k)))
= ω_r(d(φψ)(v_1), ..., d(φψ)(v_1))
= (φψ)^*(ω)_p(v_1, ..., v_k)

よって、
ψ^*((φ^*(ω)))_p = (φψ)^*(ω)_p
よって、
(φψ)^*(ω) = ψ^*((φ^*(ω)))
証明終

187 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/03(火) 15:37:24
定義
M を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
(U, ψ) を M の正の局所座標系(過去スレ014の736)とする。
ω を M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもち、
Supp(ω) ⊂ U とする。

ω の (U, ψ) における積分 ∫[ψ] ω を
∫[ψ] ω = ∫[ψ(U)] (ψ^(-1))^*(ω|U) (>>176)で定義する。

188 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/03(火) 15:40:41
命題
M を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
(U, ψ) と (V, φ) を M の二つの正の局所座標(過去スレ014の736)とする。
ω を M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもち、
Supp(ω) ⊂ U ∩ V とする。

このとき、
∫[ψ] ω = ∫[φ] ω となる。

証明
φψ^(-1): ψ(U ∩ V) → φ(U ∩ V) は微分同相であることに注意する。

∫[φ] ω = ∫[φ(U)] (φ^(-1))^*(ω|U)
= ∫[φ(U ∩ V)] (φ^(-1))^*(ω|U ∩ V)
= ∫[ψ(U ∩ V)] (φψ^(-1))^*(φ^(-1))^*(ω|U ∩ V) ← >>185
= ∫[ψ(U ∩ V)] (ψ^(-1))^*φ^*(φ^(-1))^*(ω|U ∩ V) ← >>186
= ∫[ψ(U ∩ V)] (ψ^(-1))^*(ω|U ∩ V)
= ∫[ψ(U)] (ψ^(-1))^*(ω|U)
= ∫[ψ] ω
証明終

189 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/03(火) 15:42:04
定義
M を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
(U, ψ) を M の正の局所座標(過去スレ014の736)とする。
ω を M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもち、
Supp(ω) ⊂ U とする。

>>188 より ∫[ψ] ω は Supp(ω) ⊂ U となる正の局所座標 (U, ψ) のとり方によらない。
よって、∫[ψ] ω を ∫[M] ω または ∫ω と書く。


190 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/05(木) 08:50:33
定義
M をパラコンパクト(過去スレ014の757)な向き付けられた
n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
ω を M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもつとする。
(U_α, ψ_α), α ∈ A を M の正の座標近傍系で局所有限(過去スレ014の766)とする。
さらに各 U_α の閉包はコンパクトとする。
過去スレ014の770より、(U_α), α ∈ A に従属する1の分割(過去スレ014の761)
P = ((f_α), α ∈ A) が存在する。

ω_α = (f_α)ω とおく。
Supp(ω_α) はコンパクトであり、U_α に含まれる。
よって、>>189より ∫ ω_α が意味をもつ。

K = Supp(ω) はコンパクトであるから K ∩ U_α ≠ φ となる α ∈ A の個数は有限である。
よって、Σ∫ ω_α は有限和である。

そこで、ω の P に関する積分 ∫[P] ωを ∫[P] ω = Σ∫ ω_α と定義する。

191 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/05(木) 09:14:57
命題
M をパラコンパクト(過去スレ014の757)な向き付けられた
n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
(U_α, ψ_α), α ∈ A を M の正の座標近傍系で局所有限(過去スレ014の766)とする。
さらに各 U_α の閉包はコンパクトとする。
P = ((f_α), α ∈ A) を (U_α), α ∈ A に従属する1の分割(過去スレ014の761)
とする。

(V_β, φ_β), β ∈ B を M の正の座標近傍系で局所有限とする。
さらに各 V_β の閉包はコンパクトとする。
Q = ((g_β), β ∈ B) を (V_β), β ∈ B に従属する1の分割とする。

このとき、∫[P] ω = ∫[Q] ω である。

証明
∫[P] ω = Σ∫ f_αω
= (Σ g_β)Σ∫f_αω) ← Σg_β = 1 より
= ΣΣ∫ g_βf_αω)
= (Σ f_α)Σ∫g_βω)
= Σ∫ g_βω ← Σf_α = 1 より
= ∫[Q] ω
証明終

192 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/05(木) 09:17:34
>>191
ω は M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台(>>175)をもつとする。


193 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/05(木) 09:22:39
定義
M をパラコンパクトな向き付けられた n 次元多様体とする。
ω を M 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台をもつとする。
(U_α, ψ_α), α ∈ A を M の正の座標近傍系で局所有限とする。
さらに各 U_α の閉包はコンパクトとする。
過去スレ014の770より、(U_α), α ∈ A に従属する1の分割
P = ((f_α), α ∈ A) が存在する。

>>191より、∫[P] ω は P の選び方によらない。
よって ∫[P] ω を ∫[M] ω または ∫ω と書いて ω の積分と呼ぶ。

194 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/05(木) 13:03:44
補題
M と N を向き付けられた n 次元多様体(過去スレ014の734)とし、
σ: M → N を向きを保存する(>>170)微分同相(>>171)とする。
(U_α, ψ_α), α ∈ A を M の正の座標近傍系(過去スレ014の736)とする。

このとき、(σ(U_α), ψ_ασ^(-1)), α ∈ A は N の正の座標近傍系である。

証明
(σ(U_α), ψ_ασ^(-1)), α ∈ A が N の座標近傍系であることは明らかである。
よって、各 α ∈ A に対して (U_α, ψ_α) が正の座標近傍であることを証明すればよい。

p ∈ U_α のとき ψ_α(p) = (x_1(p), ..., x_n(p)) と書く。
q ∈ σ(U_α) のとき ψ_ασ^(-1)(q) = (y_1(q), ..., y_n(q)) と書く。

p ∈ U_α のとき (y_1(σ(p)), ..., y_n(σ(p))) = (x_1(p), ..., x_n(p))
である。

θ を N の体積要素(過去スレ014の734)とする。
σ(U_α) 上で θ = g(y)dy_1Λ...Λdy_n とする。
>>169より、U_α 上で σ^*(θ) = (gσ)det(J_σ)dx_1Λ...Λdx_n となる。

U_α 上で det(J_σ) = 1 であるから
σ^*(θ) = (gσ)dx_1Λ...Λdx_n となる。

仮定より、σ^*(θ) は M の体積要素であり、(x_1, ..., x_n) は正であるから
過去スレ014の736より、U_α 上で gσ > 0 である。
よって、σ(U_α) 上で g > 0 である。
よって、過去スレ014の736より、(y_1, ..., y_n) は正である。
証明終

195 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/05(木) 15:49:48
補題
X と Y を位相空間とし、f: X → Y を位相同型とする。
(S_α), α ∈ A を X の部分集合からなる族で局所有限(過去スレ014の766)とする。

このとき、(f(S_α)), α ∈ A は局所有限である。

証明
Y の任意の点 p に対して f^(-1)(p) = q とおく。
仮定より、q の近傍 V で V ∩ S_α ≠ φ となる α ∈ A の個数が
有限であるものが存在する。

f は単射であるから任意の α ∈ A に対して f(V ∩ S_α) = f(V) ∩ f(S_α) である。
よって、f(V) ∩ f(S_α) ≠ φ となる α ∈ A の個数は有限である。
f(V) は p の近傍であるから (f(S_α)), α ∈ A は局所有限である。
証明終

196 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/06(金) 00:41:08
命題(積分の変数変換公式)
M と N をパラコンパクト(過去スレ014の757)な向き付けられた
n 次元多様体(過去スレ014の734)とする。
σ: M → N を向きを保存する(>>170)微分同相(>>171)とする。

ω を N 上の n 次の連続な微分形式でコンパクトな台をもつとする。
このとき、
∫[N] ω = ∫[M] σ^*(ω)

証明
(U_i, ψ_i), i ∈ I を M の正の座標近傍系で局所有限とする。
さらに各 U_i の閉包はコンパクトとする。
過去スレ014の770より、(U_i), i ∈ I に従属する1の分割
P = ((f_i), i ∈ I) が存在する。
>>194より、(σ(U_i), ψ_iσ^(-1)), i ∈ I は N の正の座標近傍系である。
σ は位相同型であるから>>195より、これは局所有限である。
σ は位相同型であるから各 σ(U_i) の閉包はコンパクトである。

Q = ((f_i)σ^(-1), i ∈ I) は (σ(U_i), ψ_iσ^(-1)), i ∈ I に
従属する1の分割である。

記述を簡単にするため (ψ_i)^(-1) = φ_i とおく。

∫[M] σ^*(ω) = ∫[P] σ^*(ω) ← >>193
= Σ∫ f_iσ^*(ω) ← >>190
= Σ∫[ψ_i(U_i)] (φ_i)^*(f_iσ^*(ω)) ← >>187
= Σ∫[ψ_i(U_i)] (σφ_i)^*(f_iσ^(-1)ω) ← >>166, >>186
= ∫[Q] ω ← >>190
= ∫[N] ω ← >>193
証明終

197 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/06(金) 01:46:47
M をパラコンパクト(過去スレ014の757)な向き付けられた(過去スレ014の734)
n 次元多様体とする。
ω を M 上の体積要素(過去スレ014の734)とする。

f を M 上のコンパクトな台をもつ実数値連続関数とする。
fω は n 次の連続な微分形式でコンパクトな台をもつ。
よって、∫[M] fω が定義される(>>193)。

M は多様体であるから局所コンパクトである。
M 上のコンパクトな台をもつ実数値連続関数全体の集合を K(M, R) と書いた
(過去スレ009の21)。

f ∈ K(M, R) のとき、μ(f) = ∫[M] fω とおく。
μ は K(M, R) 上の正値線型形式(過去スレ009の731)である。
よって過去スレ009の734より、μ は実Radon測度(過去スレ009の729)であり、
従って、正値Radon測度(過去スレ009の730)である。

198 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/06(金) 17:46:10
ここで、テンソル場の定義を述べるため準備をする。

定義
E を実数体 R 上の有限次元線型空間とする。
E^* をその双対空間とする。

整数 r, s ≧ 0 に対して
T(r, s)(E) = L((E^*)^r, E^s, R) とおく。

ここで、L((E^*)^r, E^s, R) は r 個の E^* と s 個の E から R への
R-多重線型写像全体を表す。
ただし、T(0, 0)(E) = R とする。

T(r, s)(E) の元は (r, s) 型のテンソルと呼ばれる。

199 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/06(金) 17:57:20
定義
E を実数体 R 上の有限次元線型空間とする。

t ∈ T(p_1, q_1)(E), s ∈ T(p_2, q_2)(E) のとき
テンソル積 t※s ∈ T(p_1 + p_2, q_1 + q_2)(E) を

t※s(a^1, ..., a^(p_1), b^1, ..., b^(p_2), v_1, ..., v_(q_1), w_1, ..., w_(q_2))
= t(a^1, ..., a^(p_1), v_1, ..., v_(q_1)) s(b^1, ..., b^(p_2), w_1, ..., w_(q_2))

により定義する。

ここで、a^1, ..., a^(p_1), b^1, ..., b^(p_2) ∈ E^*
v_1, ..., v_(q_1), w_1, ..., w_(q_2) ∈ E
である。

200 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/06(金) 18:01:33
E を実数体 R 上の有限次元線型空間とする。

T(1, 0)(E) = L(E^*, R) は E と同一視できることに注意する。


201 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/06(金) 18:18:25
命題
E を実数体 R 上の有限次元線型空間とする。
e_1, ..., e_n をその基底とし、e^1, ..., e^n をその双対基底とする。

T(r, s)(E) の基底は
{e_(i_1)※...※e_(i_r)※e^(j_1)※...※e^(j_s); 1 ≦ i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s ≦ n}
である。
従って dim T(r, s)(E) = n^(r + s) である。

証明
ΣA(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s)e_(i_1)※...※e_(i_r)※e^(j_1)※...※e^(j_s) = 0
とする。
ここで、A(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s) ∈ R である。

この等式の左辺を t とする。
t(e^(k_1), ..., e^(k_r), e_(l_1), ..., e_(l_s))
= A(k_1, ..., k_r, l_1, ..., l_s)
= 0

よって、{e_(i_1)※...※e_(i_r)※e^(j_1)※...※e^(j_s)} は一次独立である。

他方、任意の t ∈ T(r, s)(E) は
Σt(e^(i_1), ..., e^(i_r), e_(j_1), ..., e_(j_s))e_(i_1)※...※e_(i_r)※e^(j_1)※...※e^(j_s)
と書ける。
証明終

202 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/06(金) 20:00:02
定義
E を実数体 R 上の有限次元線型空間とする。

t を T(0, s)(E) の元とする。
{1, ..., s} の任意の置換 σ と任意の v_1, ..., v_s ∈ E に対して

t(v_σ(1), ..., v_σ(s)) = t(v_1, ..., v_s)

となるとき、t を (0, s) 型の対称テンソルと呼ぶ。

t(v_σ(1), ..., v_σ(s)) = ε(σ)t(v_1, ..., v_s)
となるとき、t を (0, s) 型の交代テンソルと呼ぶ。
ここで、ε(σ) は σ の符号である。

同様に、(r, 0) 型の対称テンソルと交代テンソルが定義される。

203 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/06(金) 20:09:48
定義
M を n 次元多様体とする。
M の点 p に対して T_p(M) を p のおける M の接空間とする。
M の各点 p に T(r, s)(T_p(M)) (>>198) の元 t_p を対応させる写像 t を考える。

U を M の座標近傍で x_1, ..., x_n をその局所座標系とする。
p ∈ U のとき、(∂/∂x_1)_p, ..., (∂/∂x_n)_p は T_p(M) の基底である。
(dx_1)_p, ..., (dx_n)_p はその双対基底である。

>>201より、t は U 上で
Σt(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s)∂/∂x_(i_1)※...※∂/∂x_(i_r)※dx_(j_1)※...※dx_(j_s)
と一意に書ける。
各 t(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s) を t の座標 x_1, ..., x_n に関する成分と呼ぶ。

各 t(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s) が U 上で C^k 級のとき、t を C^k 級の
(r, s) 型テンソル場という。

特に断らない限りテンソル場は C^∞級とする。

(1, 0) 型テンソル場をベクトル場と呼ぶ。

(0, s) 型のテンソル場 t で M の各点 p で t_p が対称テンソル(>>202)のとき
t を (0, s) 型の対称テンソル場という。
同様に (0, s) 型の交代テンソル場、(r, 0) 型の対称テンソル場、
(r, 0) 型の交代テンソル場が定義される。

(0, s) 型の交代テンソル場は s 次の微分形式(過去スレ014の731)に他ならない。

204 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/06(金) 20:51:21
E を実数体 R 上の n 次元Hilbert空間(過去スレ010の600)とする。

E の元 x に対して ♭(x) ∈ E^* を ♭(x)(y) = <x, y> により定義する。
♭: E → E^* は線型空間としての同型である。
♭ の逆写像を♯と書く。

e_1, ..., e_n を E の基底とする。
e^1, ..., e^n をその双対基底とする。

g_(i, j) = <e_i, e_j>, 1 ≦ i, j ≦ n とおく。

♭(e_j)(e_i) = <e_j, e_i> = <e_i, e_j> = g_(i, j)

よって、♭ の (e_1, ..., e_n) と (e^1, ..., e^n) に関する表現行列は
(g_(i, j)) である。

(g_(i, j)) の逆行列を (g^(i, j)) と書く。

♯(e^j) = Σg^(i, j)e_i
よって、
♯(e^j)(e^i) = g^(i, j)

x を E の元とし、その (e_1, ..., e_n) に関する成分を (x^1, ..., x^n) とする。
即ち、x = Σx^ie_i である(添え字の上げ下げに注意)。

y を E^* の元とし、その (e^1, ..., e^n) に関する成分を (y_1, ..., y_n) とする。
即ち、y = Σy_ie^i である。

♭(x)_i = ♭(x)(e_i) = Σx^j♭(e_j)(e_i) = Σx^j<e_j, e_i> = Σg_(i, j)x^j
(添え字の上げ下げに注意)

♯(y)^i = Σy_j♯(e^j)(e^i) = Σg^(i, j)y_j

205 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/06(金) 23:06:14
E を実数体 R 上の n 次元Hilbert空間(過去スレ010の600)とする。
E^* をその双対空間とする。
e_1, ..., e_n を E の基底とする。
e^1, ..., e^n をその双対基底とする。
g_(i, j) = <e_i, e_j>, 1 ≦ i, j ≦ n とおく。
(g_(i, j)) の逆行列を (g^(i, j)) と書く。

♭: E → E^* と ♯: E^* → E を>>204で定義した写像とする。

R を T(1, 1)(E) (>>198)の元とする。
(v, w) ∈ E×E に R(♭(v), w) を対応させる写像 S は T(0, 2)(E) の元である。
S(e_i, e_j) = R(♭(e_i), e_j) = Σg_(i, k)R(e^k, e_j) である
(添え字の上げ下げに注意)。

(v^*, w^*) ∈ (E^*)×(E^*) に R(v^*, ♯(w^*)) を対応させる写像 U は
T(2, 0)(E) の元である。

U(e^i, e^j) = R(e^i, ♯(e^j)) = Σg^(k, j)R(e^i, e_k) である
(添え字の上げ下げに注意)。

S と U をそれぞれ R の随伴テンソルと呼ぶ。

(r, s) 型のテンソルに対しても同様に種々の随伴テンソルが定義される。

206 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 08:26:50
命題
E を実数体 R 上の n 次元線型空間とする。
T(r, s)(E) (>>198) は T = E※...※E※(E^*)※...※(E^*) と標準的に同型である。
ここで、T は r 個の E と s 個の E^* の R 上のテンソル積である。

証明
v_1, ..., v_r ∈ E, (w_1)^*, ..., (w_s)^* ∈ E^* に対して
v_1※...※v_r※(w_1)^*※...※(w_s)^* ∈ T(r, s)(E) を対応させる写像は
R 上の多重線型写像である。
よって、T から T(r, s)(E) への線型写像 f で
f(v_1※...※v_r※(w_1)^*※...※(w_s)^*) = v_1※...※v_r※(w_1)^*※...※(w_s)^*
となるものが一意に定まる。

>>201より、T(r, s)(E) の任意の元は v_1※...※v_r※(w_1)^*※...※(w_s)^* の
形の元の一次結合として表されるから f は全射である。

一方、dim T = dim T(r, s)(E) = n^(r + s) であるから
f は同型写像である。
証明終

207 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 08:48:33
定義
E を実数体 R 上の n 次元線型空間とする。
整数 r, s ≧ 1 が与えられたとき、1 ≦ i ≦ r, 1 ≦ j ≦ s となる
整数の組 (i, j) を一つ固定する。

v_1, ..., v_r ∈ E, (w_1)^*, ..., (w_s)^* ∈ E^* に対して T(r-1, s-1)(E) の元
<v_i, (w_j)^*> v_1※...(v_i)^...※v_r※(w_1)^*※...((w_j)^*)^...※(w_s)^*
を対応させる写像を考える。((w_j)^*)^
ここで、(v_i)^, ((w_j)^*)^ はそれぞれ v_i と (w_j)^* を積から省くことを意味する。
この写像は明らかに多重線型である。
よって、>>206より、線型写像 C(i, j): T(r, s)(E) → T(r-1, s-1)(E) で、

C(i, j)(v_1※...※v_r※(w_1)^*※...※(w_s)^*)
= <v_i, (w_j)^*> v_1※...(v_i)^...※v_r※(w_1)^*※...((w_j)^*)^...※(w_s)^*

となるものが一意に存在する。

C(i, j) を縮約(contraction)と呼ぶ。

208 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 10:06:50
命題
E を実数体 R 上の n 次元線型空間とする。
T(1, 1)(E) は標準的に Hom(E, E) に同型である。

証明
過去スレ014の288から明らかであるが、ここでは別証を述べる。

T(1, 1)(E) = L(E^*, E; R) である。
L(E^*, E; R) は標準的に Hom(E, Hom(E^*, R)) に同型である。
Hom(E^*, R) = E と見なせるから
L(E^*, E; R) は標準的に Hom(E, E) に同型である。
証明終

209 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 10:09:48
E を実数体 R 上の n 次元線型空間とする。
e_1, ..., e_n をその基底とし、e^1, ..., e^n をその双対基底とする。
A を T(r, s)(E) (>>198) の元とする。
>>201より、
A = ΣA(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s)e_(i_1)※...※e_(i_r)※e^(j_1)※...※e^(j_s)
と一意に書ける。

A(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s) を A の (e_1, ..., e_n) に関する成分と呼ぶ。
テンソル A はその成分により一意に定まる。

縮約(>>207)を成分で書いてみよう。

B = C(i, j)(A) とおく。
B(i_1, ..., i_(r-1), j_1, ..., j_(s-1))
= ΣA(i_1, ..., k, ..., i_(r-1), j_1, ..., k, ..., j_(r-1))
となる。

ここで、和は k = 1, ..., n に関する。
左の k は i 番目に位置し、右の k は j 番目に位置する。

特に A ∈ T(1, 1)(E) のとき、B = C(1, 1)(A) とおくと、
B = ΣA(k, k) となる。
>>208より、T(1, 1)(E) は標準的に Hom(E, E) に同型であるから
B は Hom(E, E) の元としての A のトレース(過去スレ014の289)である。
よって縮約はトレースの拡張と見ることが出来る。

210 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 12:58:25
定義
E を実数体 R 上の n 次元線型空間とする。

T(E) = ΣT(r, s)(E) (直和) とおく。
ここで (r, s) は (Z+)×(Z+) の元全体を動く。
ただし、 Z+ は整数 n ≧ 0 全体の集合である。

T(E) はテンソル積(>>199)を線型に拡張することにより R 上の結合的な代数となる。
T(E) を E 上のテンソル代数と呼ぶ。

ΣT(r, 0)(E) は T(E) の部分代数であるが、これを E 上の反変テンソル代数と呼ぶ。

211 :税務署:2009/11/07(土) 13:06:29


212 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 13:11:23
定義
A を可換体 K 上の必ずしも結合的とは限らない代数とする。
即ち、 A は K 上の線型空間であり、双線型写像 m: A×A → A が与えられている。
a, b ∈ A のとき m(a, b) = ab と書く。

A の微分(derivation) D とは線型写像 D: A → A で
任意の a, b ∈ A に対して D(ab) = D(a)b + aD(b) となるものをいう。

213 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 14:00:23
命題
A を可換体 K 上の必ずしも結合的とは限らない代数とする。
D_1, D_2 を A の微分(>>212)とする。
D = D_1D_2 - D_2D_1 とおく。

このとき D は A の微分である。

証明
D(ab) = D_1(D_2(ab)) - D_2(D_1(ab))
= D_1(D_2(a)b + aD_2(b)) - D_2(D_1(a)b + aD_1(b))

= (D_1D_2(a))b + D_2(a)D_1(b) + D_1(a)D_2(b) + aD_1D_2(b)
- (D_2D_1(a))b - D_1(a)D_2(b) - D_2(a)D_1(b) - aD_2D_1(b)

= (D_1D_2(a))b - (D_2D_1(a))b + aD_1D_2(b) - aD_2D_1(b)

= (D_1D_2(a) - D_2D_1(a))b + a(D_1D_2(b) - D_2D_1(b))

= D(a)b + aD(b)
証明終

214 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 14:04:45
>>212>>213において K は可換環と仮定してもよい。

215 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 14:32:06
>>198以降 T(r, s)(E) に関して述べたことは K が可換環で E が K 上の
有限生成自由加群としてもそのまま成り立つ。
もっと一般に E を可換環 K 上の有限生成射影加群としてもそのまま成り立つ。

216 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 14:46:49
命題
A を可換環 K 上の結合的な代数とする。
x, y ∈ A のとき [x, y] = xy - yx と書く。

このとき、A の任意の元 x, y, z に対して

[x, [y, z]] + [y, [z, x]] + [z, [x, y]] = 0

となる。

証明
[x, [y, z]] = x(yz - zy) - (yz - zy)x = xyz - xzy - yzx + zyx

[y, [z, x]] = y(zx - xz) - (zx - xz)y = yzx - yxz - zxy + xzy

[z, [x, y]] = z(xy - yx) - (xy - yx)z = zxy - zyx - xyz + yxz

よって、
[x, [y, z]] + [y, [z, x]] + [z, [x, y]] = 0
証明終

217 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 14:48:00
>>216の等式
[x, [y, z]] + [y, [z, x]] + [z, [x, y]] = 0
を Jacobiの等式と呼ぶ。


218 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 14:52:13
定義
A を可換体 K 上の必ずしも結合的とは限らない代数とする。
A の2元 x, y の積を [x, y] と書く。

A が次の条件を満たすとき A を K 上のLie代数と呼ぶ。

A の任意の元 x, y, z に対して

1) [x, x] = 0

2) [x, [y, z]] + [y, [z, x]] + [z, [x, y]] = 0

219 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 14:54:52
Lie代数の例

A を可換環 K 上の結合的な代数とする。
x, y ∈ A のとき [x, y] = xy - yx と書く。

>>216より、A は乗法 [x, y] により K 上のLie代数となる。

220 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 14:59:32
Lie代数の例

E を可換環 K 上の加群とする。
E の自己準同型環 End(E) は K 上の結合的な代数である。
よって、>>219より、End(E) は乗法 [x, y] = xy - yx により
K 上のLie代数となる。

このLie代数を gl(E) と書く。

E = K^n のとき gl(E) を gl(n, K) と書く。

221 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 15:04:40
Lie代数の例

A を可換環 K 上の必ずしも結合的とは限らない代数とする。
Der(A) を A の微分(>>212)全体の集合とする。

D_1, D_2 ∈ A のとき [D1, D2] = D_1D_2 - D_2D_1 と書く。
>>213より [D1, D2] ∈ Der(A) である。

よって、Der(A) は gl(A) (>>220) の部分代数である。
よって、Der(A) はLie代数である。

222 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/07(土) 15:51:33
定義
E を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
T(E) を E 上のテンソル代数(>>210, >>215)とする。

T(E) の微分(>>212) D で以下の条件を満たすもの全体を E 上のテンソル微分と呼ぶ。

1) 任意の整数 r, s ≧ 0 に対して D(T(r, s)(E)) ⊂ T(r, s)(E)

2) D は任意の縮約(>>207)と可換である。

E 上のテンソル微分全体を DerT(E) と書く。
これは Der(T(E)) (>>221) の部分代数であるからLie代数である。

223 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 10:32:19
E を可換環 K 上の加群とする。
E が有限生成の自由加群でなくてもテンソル代数 T(E) は定義できる。

T(r, s)(E) = E※...※E※(E^*)※...※(E^*) とおく。
ここで、右辺は r 個の E と s 個の E^* の K 上のテンソル積である。

T(E) = ΣT(r, s)(E) (直和) とおく。
ここで (r, s) は (Z+)×(Z+) の元全体を動く。
ただし、 Z+ は整数 n ≧ 0 全体の集合である。

T(E) はテンソル積により K 上の結合的な代数となる。
T(E) を E 上のテンソル代数と呼ぶ。

縮約も>>207と同様に定義出来る。

E 上のテンソル微分も>>222と同様に定義出来る。

224 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 11:24:59
補題
E を可換環 K 上加群とする。
T(E) を E 上のテンソル代数(>>223)とする。
D を E 上の任意のテンソル微分(>>222, >>223)とする。
D(E) ⊂ E であるから D は K 加群としての準同型 f: E → E を引き起こす。

このとき、D|E^* = -f^* である。
ここで、f^* は f の転置写像(transpose)である。

証明
D(1) = D(1)1 + 1D(1) = D(1) + D(1)
よって、D(1) = 0
よって、任意の a ∈ K に対して D(a) = aD(1) = 0 となる。

よって、v ∈ E, w^* ∈ E^* に対して D(<v, w^*>) = 0

他方、
D(<v, w^*>) = D(C(v※w^*)) = C(D(v※w^*))
= C(D(v)※w^* + v※D(w^*)) = <D(v), w^*> + <v, D(w^*)>

ここで、C は縮約(>>207)である。

よって、
<v, D(w^*)> = -<f(v), w^*> = <v, -f^*(w^*)>
よって、
D(w^*) = -f^*(w^*)
よって、
D|E^* = -f^* である。
証明終

225 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 14:36:48
補題
E を可換環 K 上加群とする。
T(E) を E 上のテンソル代数(>>223)とする。
f: E → E を K-加群としての E の任意の準同型とする。

このとき、E 上のテンソル微分(>>222, >>223) で E 上で f と一致するものが
一意に存在する。

証明
記述を簡単にするため T(E) の元 x, y の積 x※y を xy と
書くことにする。

D を E 上のテンソル微分とする。

t_1, t_2, ..., t_n を E または E^* の元とする。
D(t_1t_2...t_n) = Σt_1...t(i-1)D(t_i)t_(i+1)...t_n である。

T(E) は K 上 E と E^* で生成されるから、D は D|E 及び D|E^* により
一意に決まる。

v ∈ E に対して D(v) = f(v) とおき、
w^* ∈ E に対して D(w^*) = -f^*(w^*) とおく。

T(r, s)(E) の元 t に対して D(t) を上記の等式を線型に拡張することにより
定義する。

D が T(E) の微分で任意の整数 r, s ≧ 0 に対して D(T(r, s)(E)) ⊂ T(r, s)(E)
となることは明らかである。
よって、D が任意の縮約と可換であることを証明すればよい。

(続く)

226 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 14:37:32
>>225の続き

v ∈ E, w^* ∈ E^* に対して
CD(v(w^*)) = C(f(v)w^* - vf^*(w^*)) = <f(v), w^*> - <v, f^*(w^*)> = 0
他方、DC(v(w^*)) = D(<v, w^*>) = 0
よって、
CD(v(w^*)) = DC(v(w^*))

よって、D と C は T(1, 1)(E) 上で可換である。
r, s ≧ 1 のとき、

DC(i, j)(v_1...v_r(w_1)^*...(w_s)^*)
= D(<v_i, (w_j)^*> v_1...(v_i)^...v_r(w_1)^*...((w_j)^*)^...(w_s)^*)
= <v_i, (w_j)^*> D(v_1...(v_i)^...v_r(w_1)^*...((w_j)^*)^...(w_s)^*)

他方、
C(i, j)D(v_1...v_r(w_1)^*...(w_s)^*)
= C(i, j)(D(v_1)v_2...v_r(w_1)^*...(w_s)^*)
...
+ C(i, j)(v_1...f(v_i)...v_r(w_1)^*...(w_s)^*)
...
- C(i, j)(v_1...v_r(w_1)^*...f^*((w_j)^*)...(w_s)^*)
...
+ C(i, j)(v_1...v_r(w_1)^*...D((w_s)^*))

ここで、<f(v_i), (w_j)^*> = <v_i, f^*((w_j)^*)> であるから
DC(i, j)(v_1...v_r(w_1)^*...(w_s)^*) = C(i, j)D(v_1...v_r(w_1)^*...(w_s)^*)

よって、D と C は T(r, s)(E) 上で可換である。
証明終

227 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 14:42:16
命題
E を可換環 K 上の加群とする。
T(E) を E 上のテンソル代数(>>223)とする。
D を E 上の任意のテンソル微分(>>222, >>223)とする。
D(E) ⊂ E であるから D は K 加群としての準同型 f: E → E を引き起こす。
D に f を対応させる写像を ψ とする。

このとき、ψ は DerT(E) (>>222) から gl(E) (>>220) へのLie代数としての
同型である。

証明
ψ([D_1, D_2]) = ψ(D_1D_2 - D_2D_1) = ψ(D_1)ψ(D_2) - ψ(D_2)ψ(D_1)
= [ψ(D_1), ψ(D_2)]

よって、ψ はLie代数としての準同型である。
ψ が全単射であることを証明すればよい。

D を DerT(E) の任意の元とする。
f = D|E とおくと、>>224より、D|E^* = -f^* である。

T(E) は K 上の代数として E と E^* で生成される。
よって、f = 0 なら D = 0 である。
即ち、ψ は単射である。

逆に f: E → E を K-加群としての任意の準同型とする。
>>225より、ψ(D) = f となる D ∈ DerT(E) が存在する。
即ち、ψ は全射である。
証明終

228 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 15:41:46
E を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
このとき>>223の T(E) と>>210, >>215で定義したテンソル代数 T(E) が
一致することは (E^*)^* = E と次の命題から分かる。


229 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 15:42:52
命題
E と F を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
このとき、(E^*)※(F^*) と (E※F)^* は標準的に同型である。
ここで、※ は K 上のテンソル積をあらわす。

証明
L(E, F; K) を E×F から K への双線型写像全体のなす K-加群とする。
(E※F)^* と L(E, F; K) は標準的に同型である。
よって、(E^*)※(F^*) と L(E, F; K) が標準的に同型であることを証明すればよい。

f ∈ (E^*) と g ∈ (F^*) に対して τ(f, g) ∈ L(E, F; K) を
τ(f, g)(v, w) = f(v)g(w) により定義する。
(e_1, ..., e_n) を E の基底とし、(e^1, ..., e^n) をその双対基底とする。
(f_1, ..., f_m) を F の基底とし、(f^1, ..., f^m) をその双対基底とする。

Σa_(i, j)τ(e^i, f^j) = 0 とする。
ここで、a_(i, j) ∈ K であり、
和は {1, ..., n}×{1, ..., m} の元 (i, j) 全体を動く。
(k, l) ∈ {1, ..., n}×{1, ..., m} に対して、
Σa_(i, j)τ(e^i, f^j)(e_k, f_l) = a_(k, l) = 0
よって、τ(e^i, f^j), 1 ≦ i ≦ n, 1 ≦ j ≦ m は K 上一次独立である。

α を L(E, F; K) の任意の元とし、β = Σα(e_i, f_j)τ(e^i, f^j) とおく。
(k, l) ∈ {1, ..., n}×{1, ..., m} に対して、
β(e_k, f_l) = α(e_k, f_l) であるから β = α である。
よって、τ(e^i, f^j), 1 ≦ i ≦ n, 1 ≦ j ≦ m は L(E, F; K) の K 上の基底である。

τ は双線型であるから ψ: (E^*)※(F^*) → L(E, F; K) を引き起こす。
ψ は (E^*)※(F^*) の基底 (e^i)※(f^j), 1 ≦ i ≦ n, 1 ≦ j ≦ m を
L(E, F; K) の基底 τ(e^i, f^j), 1 ≦ i ≦ n, 1 ≦ j ≦ m に移すから
同型である。
証明終

230 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 16:41:14
定義
E と F を可換環 K 上の加群とする。
u: E → F を K-加群としての同型とする。
u^*: F^* → E^* を u の転置写像とする。
u^* の逆写像 (u^*)^(-1): E^* → F^* を u の反傾写像(contragredient)と呼び、
u^ と書く(岩波数学辞典第3版)。

231 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 17:04:00
E と F を可換環 K 上の加群とする。
u: E → F を K-加群としての同型とする。
u※u^: E※E^* → F※F^* は同型である。
ここで、u^ は u の反傾写像(>>230)である。

同様に、u(r, s) = u※...※u※u^※...※u^ は
同型 T(r, s)(E) → T(r, s)(F) である。
ここで、u(r, s) は r 個の u と s 個の u^ のテンソル積である。

v ∈ E, w^* ∈ E^* のとき
<u(v), u^(w^*)> = <v, u^*u^(w^*)> = <v, w^*>

よって、u(r, s) は縮約(>>207, >>223)と可換である。

従って u は同型 T(u) : T(E) → T(F) を引き起こす。
T(u) はテンソルの型を保存し(即ち T(u)(T(r, s)(E) ⊂ T(r, s)(F))、
テンソルの縮約と可換である。

232 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 19:33:45
命題
E と F を可換環 K 上の加群とする。
T(E)と T(F) を K 上のテンソル代数(>>223)とする。
ψ: T(E) → T(F) を K 上の代数としての同型とする。
さらに ψ はテンソルの型を保存し、縮約と可換であるとする。

このとき K-加群としての同型 σ: E → F で、ψ = T(σ) となるものが一意に存在する。
ここで、T(σ) は>>231で定義したものである。

証明
ψ(E) = F であるから ψ は K-加群としての同型 σ: E → F を引き起こす。

v ∈ E, w^* ∈ E^* のとき、
ψ(v※w^*) = ψ(v)※ψ(w^*) = σ(v)※ψ(w^*)
よって、
Cψ(v※w^*) = <σ(v), ψ(w^*)>

他方、
ψC(v※w^*) = ψ(<v, w^*>) = <v, w^*>

ψ は縮約と可換であるから、
<σ(v), ψ(w^*)> = <v, w^*>

よって、
<v, σ^*ψ(w^*)> = <v, w^*>

よって、ψ(w^*) = σ^(w^*) である。
即ち、ψは K-加群としての同型 σ^: E^* → F^* を引き起こす。
T(E) は K-代数として K 上 E と E^* で生成されるから
ψ = T(σ) である。
σ の一意性は明らかである。
証明終

233 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 19:55:12
定義
M を n 次元多様体とする。

T(r, s)(M) を M 上の (r, s) 型のテンソル場(>>203)全体の集合とする。

T(r, s)(M) は実数体 R 上の加群である。

T(M) = ΣT(r, s)(M) (直和) とおく。
ここで (r, s) は (Z+)×(Z+) の元全体を動く。
ただし、 Z+ は整数 n ≧ 0 全体の集合である。

A ∈ T(r, s)(M), B ∈ T(p, q)(M) のとき
A※B ∈ T(r+p, s+q)(M) を x ∈ M のとき、(A※B)_x = (A_x)※(B_x) で定義する。

A※B を A と B のテンソル積と呼ぶ。
テンソル積を線型に拡張して、T(M) は R 上の結合的な代数となる。

T(M) を M 上のテンソル代数と呼ぶ。

234 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 20:04:53
定義
M を n 次元多様体とする。
整数 r, s ≧ 1 が与えられたとき、1 ≦ i ≦ r, 1 ≦ j ≦ s となる
整数の組 (i, j) を一つ固定する。
T(r, s)(M) を M 上の (r, s) 型のテンソル場(>>203)全体の集合とする。

A ∈ T(r, s)(M) のとき A の縮約 C(i, j)A を
x ∈ M に対して (C(i, j)A)_x = C(i, j)A_x により定義する。
ここで、C(i, j)A_x は A_x の縮約(>>207)である。

235 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 20:10:42
定義
M を n 次元多様体とする。
T(M) を M 上のテンソル代数(>>233)とする。

T(M) の微分(>>212) D で以下の条件を満たすものを M 上のテンソル微分と呼ぶ。

1) D はテンソルの型を保存する。
即ち、任意の整数 r, s ≧ 0 に対して D(T(r, s)(E)) ⊂ T(r, s)(E)

2) D は任意の縮約(>>234)と可換である。

236 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 20:21:22
M を n 次元多様体とする。
M 上のテンソル微分(>>235)を決定することを当面の目標とする。

T(0, 0)(M) (>>234)は M 上の C^∞級の実数値関数全体である。
これを C^∞(M) とも書く。
C^∞(M) は 実数体 R 上の結合的な代数である。

D を M 上のテンソル微分とする。
D(C^∞(M)) ⊂ C^∞(M) であるから D は C^∞(M) の微分を引き起こす。
従って、まず C^∞(M) の微分を調べよう。

237 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 20:33:20
M を n 次元多様体とする。
>>233では M 上のテンソル代数を T(M) と書いたが、
これは後に述べる接束(tangent bundle)と紛らわしいので
T(*,*)(M) と書くことにする。

238 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 20:56:28
M を n 次元多様体とする。
T(1, 0)(M) (>>234)は M 上の C^∞級のベクトル場全体である。
これを X(M) とも書く。

X ∈ X(M) と f ∈ C^∞(M) (>>236) に対して、
Xf ∈ C^∞(M) を p ∈ M のとき (Xf)(p) = X_p(f) により定義する。
(U, ψ) を M の座標近傍とし、(x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。
X は U 上で X = Σξ(x_1, ..., x_n)∂/∂x_i と書ける。
よって、U 上で、Xf = Σξ(x_1, ..., x_n)∂f/∂x_i
よって、Xf ∈ C^∞(M) である。

f, g ∈ C^∞(M) に対して、明らかに、
X(fg) = X(f)g + fX(g)
となる。

即ち、f → Xf は C^∞(M) の微分(>>212)である。
この微分を D_X と書く。

239 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 21:26:53
補題
h を多様体 M の点 p の開近傍 U で定義されたC^∞級関数とする。
p の開近傍 V で V~ ⊂ U となるものと(V~ は V の閉包)、M 上のC^∞級関数 g で
次の条件を満たすものが存在する。

1) V 上で h = g

2) M - U で g = 0

証明
p の開近傍 W を W~ ⊂ U となるようにとる。
過去スレ014の748より、
p の開近傍 V で V~ ⊂ W となるものと、M 上のC^∞級関数 f で
以下の条件を満たすものが存在する。

a) 0 ≦ f ≦ 1

b) V~ 上で f = 1

c) M - W で f = 0

そこで、M 上の関数 g を
p ∈ U のとき g(p) = f(p)h(p)
p ∈ M - U のとき g(p) = 0
と定義する。

g は U 上で fh に等しいから U 上で C^∞級である。
g は M - W~ で 0 であるから M - W~ 上で C^∞級である。
よって、g は M 上で C^∞級である。
証明終

240 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 22:09:11
補題
M を n 次元多様体とする。
C^∞(M) は 実数体 R 上の結合的な代数である(>>236)。
C^∞(M) の微分(>>212)全体を Der(C^∞(M)) と書いた(>>221)

このとき、X ∈ X(M) (>>238) に D_X ∈ Der(C^∞(M)) を対応させる写像は単射である。

証明
D_X = 0 と仮定して X = 0 を証明すればよい。

p を M の任意の点とする。
f を p の任意の開近傍 U で定義された任意のC^∞級関数とする。

>>239より、p の開近傍 V で V~ ⊂ U となるものと、M 上のC^∞級関数 g で
V 上で f = g となるものが存在する。
よって、X_p(f) = X_p(g) である。

他方、X_p(g) = (Xg)(p) = 0 である。
仮定より、Xg = 0 であるから、X_p(g) = 0 である。
よって、X_p(f) = 0 である。
よって、X_p = 0 である。

p は M の任意の点であるから M 上で X = 0 である。
証明終

241 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 22:23:07
>>240
>他方、X_p(g) = (Xg)(p) = 0 である。

他方、X_p(g) = (Xg)(p) である。


242 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/08(日) 22:36:37
補題
M を n 次元多様体とする。
C^∞(M) は 実数体 R 上の結合的な代数である(>>236)。
D を C^∞(M) の微分(>>212)とする。
f を C^∞(M) の元で M の開集合 U 上で 0 とする。

このとき、D(f) も U 上で 0 である。

証明
p を U の任意の点とする。
過去スレ014の748より、
p の開近傍 V で V~ ⊂ U となるものと、M 上のC^∞級関数 h で
以下の条件を満たすものが存在する。

a) 0 ≦ h ≦ 1

b) V~ 上で h = 1

c) M - U で h = 0

g = 1 - h とおく。

gf は U 上で 0 であるから U 上で gf = f である。
g は M - U で 1 であるから M - U で gf = f である。
よって、M 上で gf = f である。

よって、D(f) = D(g)f + gD(f)

f(p) = g(p) = 0 であるから D(f)(p) = 0 である。

p は U の任意の点であるから D(f) は U 上で 0 である。
証明終

243 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 00:02:35
補題
M を n 次元多様体とする。
M の点 p に p における接ベクトル X_p を対応させる写像 X を考える。
f ∈ C^∞(M) (>>236) に対して M 上の実数値関数 Xf を (Xf)(p) = X_p(f) により
定義する。

このとき、任意の f ∈ C^∞(M) に対して Xf ∈ C^∞(M) であれば、
X はC^∞級ベクトル場である。

証明
p を M の任意の点とする。
U を p ∈ U となる M の座標近傍で (x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。
U 上で X = Σξ_i(∂/∂x_i) と書ける。

j を 1 ≦ j ≦ n となる任意の整数とする。

>>239より、p の開近傍 V で V~ ⊂ U となるものと(V~ は V の閉包)、
M 上のC^∞級関数 g_j で V 上で x_j = g_j となるものが存在する。

V 上で X(g_j) = Σξ_i(∂g_j/∂x_i) = ξ_j となる。
よって、ξ_j は V 上でC^∞級である。
j は任意であるから X は V 上でC^∞級である。

p は M の任意の点であるから X は M 上でC^∞級である。
証明終

244 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 00:21:44
命題
M を n 次元多様体とする。
D を C^∞(M) (>>236)の微分(>>212)とする。

このとき D_X = D となる M 上のC^∞級ベクトル場 X が一意に存在する。
ここで、D_X は>>238で定義したものである。

証明
p を M の任意の点とする。
h を p の開近傍 U で定義されたC^∞級の実数値関数とする。
>>239より、M 上のC^∞級関数 f で p のある開近傍上で h = f となるものが存在する。
X_p(h) = D(f)(p) とおく。
>>242より、X_p(h) は f のとり方によらない。
D は微分だから X_p は p における接ベクトルである。
>>243より X はC^∞級ベクトル場である。

f ∈ C^∞(M) のとき Xf(p) = X_p(f) = D(f)(p)
よって、Xf = D(f)
即ち D_X = D である。

X の一意性は>>240で証明されている。
証明終

245 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 00:34:34
定義
M を n 次元多様体とする。
X と Y を M 上のベクトル場とする。
D_X と D_Y (>>238) は C^∞(M) (>>236)の微分であるから
>>213より [D_X, D_Y] = D_XD_Y - D_YD_X も C^∞(M) (>>236)の微分である。
よって、>>244より、D_Z = [D_X, D_Y] となるベクトル場 Z が一意に存在する。

Z を [X, Y] と書き、X と Y のブラケット積という。

246 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 07:48:11
M を多様体とする。
>>244>>245より、X(M) (>>238) はブラケット積(>>245)により R 上のLie代数となる。
写像 X → D_X はLie代数としての X(M) と Der(C^∞(M)) の同型である。

247 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 08:19:29
M を多様体とする。
X を M 上のベクトル場とし、f を C^∞(M) (>>236) の元とする。
p ∈ M のとき f(p)X_p は p における接ベクトルである。
ベクトル場 p → f(p)X_p は明らかにC^∞級である。
これを fX と書く。

(f, X) → fX により X(M) (>>238) は可換環 C^∞(M) 上の加群になる。

248 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 08:37:49
定義
M を多様体とする。
A を (0, r) 型のテンソル場(>>203)とする。

X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して M 上の実数値関数 f を
f(p) = A_p((X_1)_p, ..., (X_r)_p) により定義する。
f を A(X_1, ..., X_r) と書く。
即ち、A(X_1, ..., X_r)(p) = A_p((X_1)_p, ..., (X_r)_p) である。

249 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 08:49:53
命題
M を多様体とする。
A を (0, r) 型のテンソル場(>>203)とする。
X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して A(X_1, ..., X_r) (>>248) はC^∞(M)級である。

証明
U を M の座標近傍で (x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。

ベクトル場 X_k は U 上で X_k = Σξ_k_i(∂/∂x_i) と書ける。
各ξ_k_i は U 上でC^∞(M)級である。

U 上で、
A(X_1, ..., X_r) = Σξ_k_(i_1)...ξ_k_(i_r)A(∂/∂x_(i_1), ..., ∂/∂x_(i_r))
ここで、和は添え字の組 (i_1, ..., i_r), 1 ≦ i_1, ..., i_r ≦ n 全体を動く。

A(∂/∂x_(i_1), ..., ∂/∂x_(i_r)) は U 上でC^∞(M)級であるから
A(X_1, ..., X_r) は U 上でC^∞(M)級である。
証明終

250 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 08:52:31
>>249
>X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して A(X_1, ..., X_r) (>>248) はC^∞(M)級である。

X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して A(X_1, ..., X_r) (>>248) はC^∞級である。

251 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 08:57:43
M を多様体とする。
>>247より、X(M) (>>238) は可換環 C^∞(M) 上の加群になる。

A を (0, r) 型のテンソル場(>>203)とする。

X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して A(X_1, ..., X_r) (>>248, >>249) を対応させる写像は、
X(M)^r から C^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像である。

逆に、X(M)^r から C^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像は (0, r) 型のテンソル場に
対応することを証明しよう。

252 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 11:16:08
補題
M を n 次元多様体とする。
A を X(M)^r から C^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。
X_1, ... X_r を M 上のベクトル場とする。
i を 1 ≦ i ≦ r となる整数とする。

このとき、X_i が M の開集合 U 上で 0 なら関数 A(X_1, ... X_r) も U 上で 0 である。

証明
p を U の任意の点とする。
過去スレ014の748より、
f ∈ C^∞(M) で f(p) = 0 かつ M - U 上で f = 1 となるものが存在する。

fX_i 及び X_i は U 上で 0 である。
M - U 上で f = 1 であるから M - U 上で fX_i = X_i である。
よって M 上で fX_i = X_i である。

よって、
A(X_1, ..., fX_i, ..., X_r) = fA(X_1, ... X_r) = A(X_1, ... X_r) となる。
よって、A(X_1, ... X_r)(p) = f(p)A(X_1, ... X_r)(p) = 0 である。

p は U の任意の点であるから A(X_1, ... X_r) は U 上で 0 である。
証明終

253 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 13:21:12
補題
M を n 次元多様体とする。
p を M の点とし、U を p の開近傍とする。
X を U 上のベクトル場とする。

このとき p の開近傍 V ⊂ U と M 上のベクトル場が存在し、
V 上で X = Y となる。

証明
p の開近傍 W で W~ ⊂ U となるものをとる。
過去スレ014の748より、
p の開近傍 V で V~ ⊂ W となるものと、M 上のC^∞級関数 f で
以下の条件を満たすものが存在する。

1) 0 ≦ f ≦ 1

2) V~ 上で f = 1

3) M - W で f = 0

M 上のベクトル場 Y を

a) p ∈ U のとき Y_p = f(p)X_p

b) p ∈ M - W~ のとき Y_p = 0

により定義する。

p ∈ U - W~ のとき f(p) = 0 であるから、上記の定義に矛盾はない。
Y は U 及び開集合 M - W~ でC^∞級であるから M 全体でC^∞級である。
V 上で f = 1 であるから V 上で X = Y となる。
証明終

254 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 18:12:43
補題
M を n 次元多様体とする。
A を X(M)^r から C^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。
X_1, ... X_r を M 上のベクトル場とする。
p を M の点とする。

このとき、(X_1)_p = 0 なら A(X_1, ... X_r)(p) = 0 である。

証明
(x_1, ..., x_n) を p の開近傍 U での局所座標とする。
U 上で X_1 = Σξ_i(∂/∂x_i) とする。

>>239>>253より、M 上のC^∞級関数 f_1, ..., f_n と
ベクトル場 Y_1, ..., Y_n で p のある開近傍 V (V ⊂ U) 上で

ξ_i = f_i, i = 1, ..., n
∂/∂x_i = Y_i, i = 1, ..., n

となるものが存在する。

よって、V 上で X_1 = Σf_iY_i となる。

よって、>>252より、V 上で A(X_1, ... X_r) = Σf_iA(Y_i, ... X_r)

一方、(X_1)_p = 0 だから ξ_i(p) = 0, i = 1, ..., n である。
よって、f_i(p) = 0, i = 1, ..., n である。
よって、A(X_1, ... X_r)(p) = 0 である。
証明終

255 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 18:19:01
>>253
>このとき p の開近傍 V ⊂ U と M 上のベクトル場が存在し、
>V 上で X = Y となる。

このとき p の開近傍 V ⊂ U と M 上のベクトル場 Y が存在し、
V 上で X = Y となる。

256 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 18:20:22
補題
M を n 次元多様体とする。
p を M の点とする。
v を p における任意の接ベクトルとする。

このとき M 上のベクトル場 X が存在し、X_p = v となる。

証明
(x_1, ..., x_n) を p の開近傍 U での局所座標とする。
v = Σa_i(∂/∂x_i)_p とする。ここで a_i, i = 1, ..., n は実数である。

Y = Σa_i(∂/∂x_i) は U における C^∞級ベクトル場である。
>>253より、p の開近傍 V (V ⊂ U) と M 上のベクトル場 X が存在し、
V 上で Y = X となる。

X_p = v である。
証明終

257 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 22:35:52
補題
M を n 次元多様体とする。
A を X(M)^r から C^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。
X_1, ... X_r と Y_1, ..., Y_r を M 上のベクトル場とする。
p を M の点とする。

(X_i)_p = (Y_i)_p, i = 1, ..., n なら
A(X_1, ... X_r)(p) = A(Y_1, ... Y_r)(p) である。

証明
(X_1 - Y_1)_p = 0 である。
よって、>>254より、
A(X_1 - Y_1, ... X_r)(p) = 0 となる。

一方、
A(X_1 - Y_1, ... X_r) = A(X_1, ... X_r) - A(Y_1, X_2, ... X_r)

よって、A(X_1, ... X_r)(p) = A(Y_1, X_2, ... X_r)(p)

(X_2 - Y_2)_p = 0 である。
よって、>>254と同様にして、
A(Y_1, X_2 - Y_2, ... X_r)(p) = 0 となる。

A(Y_1, X_2 - Y_2, ... X_r) = A(Y_1, X_2, ... X_r) - A(Y_1, Y_2, X_3, ... X_r)

よって、
A(Y_1, X_2, ... X_r)(p) = (Y_1, Y_2, X_3, ... X_r)(p)

同様にして、
A(X_1, ... X_r)(p) = A(Y_1, ... Y_r)(p) である。
証明終

258 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 23:22:37
補題
M を n 次元多様体とする。
A と B を (0, r) 型のテンソル場(>>203)とする。

任意のベクトル場 X_1, ... X_r に対して、
A(X_1, ... X_r) = B(X_1, ... X_r) であるなら A = B である。

ここで、A(X_1, ... X_r) と B(X_1, ... X_r) は>>248で定義したものである。

証明
p を M の任意の点とする。
v_1, ..., v_n を p における接ベクトルとする。

>>256より M 上のベクトル場 X_1, ..., X_n が存在し、
X_i = v_i, i = 1, ..., n となる。

仮定より、A(X_1, ... X_r) = B(X_1, ... X_r) であるから、
A_p((X_1)_p, ..., (X_r)_p) = B_p((X_1)_p, ..., (X_r)_p) となる。

即ち、
A_p(v_1, ..., v_n) = B_p(v_1, ..., v_n) となる。

よって、A_p = B_p である。
よって A = B である。
証明終

259 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 23:24:51
命題
M を n 次元多様体とする。
A を X(M)^r から C^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。

このとき、(0, r) 型のテンソル場 B が一意に存在し、
任意のベクトル場 X_1, ... X_r に対して、
B(X_1, ... X_r) = A(X_1, ... X_r) となる。

ここで、B(X_1, ... X_r) は>>248で定義したものである。

証明
B の一意性は>>258で証明されているので B の存在を証明すればよい。

p を M の任意の点とする。
v_1, ..., v_n を p における接ベクトルとする。

>>256より M 上のベクトル場 X_1, ..., X_n が存在し、
X_i = v_i, i = 1, ..., n となる。

B_p(v_1, ..., v_n) = A(X_1, ... X_r)(p) とおく。

>>257より、B_p(v_1, ..., v_n) は ベクトル場 X_1, ..., X_n の選び方によらない。

(v_1, ..., v_n) → B_p(v_1, ..., v_n) は明らかに T_p(M) 上の
(0, r) 型のテンソル(>>198)である。
ここで、T_p(M) は p における M の接空間である。

(続く)

260 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 23:25:54
>>259の続き

次に B がC^∞級のテンソル場であることを証明する。

(x_1, ..., x_n) を p の開近傍 U での局所座標とする。

>>253より、M 上のベクトル場 Y_1, ..., Y_n で p のある開近傍 V (V ⊂ U) 上で
∂/∂x_i = Y_i, i = 1, ..., n となるものが存在する。

V 上で、B_q((∂/∂x_1)_q, ..., (∂/∂x_n)_q) = B(Y_1, ... Y_r)(q) であるから
V 上で、関数 q → B_q((∂/∂x_1)_q, ..., (∂/∂x_n)_q) はC^∞級である。
よって、B はC^∞級のテンソル場である。

任意のベクトル場 X_1, ... X_r に対して、B の作り方から、
B_p((X_1)_p, ... (X_r)_p) = A(X_1, ... X_r)(p) となる。

よって、B(X_1, ... X_r) = A(X_1, ... X_r) となる。
これで B の存在が証明された。
証明終

261 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/09(月) 23:48:47
命題
K を可換環とする。
E を有限生成の自由 K-加群とする。

T(1, r)(E) (>>215) は標準的に L(E^r, E) と同型である。
ここで L(E^r, E) は E^r から E への K 上の多重線型写像全体のなす K-加群である。

証明
E の双対加群 E^* = Hom(E, K) の r 個のテンソル積 (E^*)※...※(E^*) を
F とおく。

>>228>>229より、T(1, r)(E) は標準的に E※F と同型である。

過去スレ014の288より、E※F と Hom(F^*, E) は標準的に同型である。
>>229より、F^* は E の r 個のテンソル積 E※...※E と標準的に同型である。
証明終

262 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 08:29:04
K を可換環とし、E を有限生成の自由 K-加群とする。
A を T(1, r)(E) (>>198, >>215) の元とする。
即ち、A は (E^*)×E^r から K へのK 上の多重線型写像である。

(v_1, ..., v_r) ∈ E^r に対して w^* → A(w^*, v_1, ..., v_r) は
(E^*)^* = E の元である。
この元を ψ(A)(v_1, ..., v_r) と書くことにする。
ψ(A) は L(E^r, E) の元である。

>>261より、A に ψ(A) を対応させる写像は
T(1, r)(E) から L(E^r, E) への同型である。

263 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 10:30:46
命題
M を多様体とする。
A を (1, r) 型のテンソル場(>>203)とする。

>>261より、各点 p ∈ M において A_p は
T_p(M)^r から T_p(M) への R 上の多重線型写像と見なせる。

X_1, ..., X_r ∈ X(M) と p ∈ M に対して
A(X_1, ..., X_n)_p = A_p((X_1)_p, ..., (X_r)_p) と書く。

A(X_1, ..., X_n) は M 上の(C^∞(M)級の)ベクトル場である。

証明
U を M の座標近傍で (x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。

ベクトル場 X_k は U 上で X_k = Σξ_k_i(∂/∂x_i) と書ける。
ここで、各ξ_k_i は U 上でC^∞(M)級である。

p ∈ U のとき、A_p(∂/∂x_(i_1), ..., ∂/∂x_(i_r)) ∈ T_p(M) であるから
A_p(∂/∂x_(i_1), ..., ∂/∂x_(i_r)) = Ση_(j, i_1, ..., i_r)(p)(∂/∂x_j)_p
と書ける。
ここで、各η_(j, i_1, ..., i_r) は U 上でC^∞(M)級である。

よって、
U 上で、
A(X_1, ..., X_r) = Σξ_k_(i_1)...ξ_k_(i_r)A(∂/∂x_(i_1), ..., ∂/∂x_(i_r))
= Σξ_k_(i_1)...ξ_k_(i_r)η_(j, i_1, ..., i_r)(∂/∂x_j)

ここで、和は添え字の組 (i_1, ..., i_r), 1 ≦ i_1, ..., i_r ≦ n 全体と
1 ≦ j ≦ n を動く。
よって、A(X_1, ..., X_r) は M 上でC^∞(M)級である。
証明終

264 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 10:35:26
M を多様体とする。
>>247より、X(M) (>>238) は可換環 C^∞(M) 上の加群になる。

A を (1, r) 型のテンソル場(>>203)とする。

X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して A(X_1, ..., X_r) (>>263) を対応させる写像は、
X(M)^r から X(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像である。

逆に、X(M)^r から X(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像は (1, r) 型のテンソル場に
対応することを証明しよう。

265 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 10:38:55
補題
M を n 次元多様体とする。
A を X(M)^r から X(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。
X_1, ... X_r を M 上のベクトル場とする。
i を 1 ≦ i ≦ r となる整数とする。

このとき、X_i が M の開集合 U 上で 0 ならベクトル場 A(X_1, ... X_r) も
U 上で 0 である。

証明
>>252と同様である。

266 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 10:40:38
補題
M を n 次元多様体とする。
A を X(M)^r から X(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。
X_1, ... X_r を M 上のベクトル場とする。
p を M の点とする。

このとき、(X_1)_p = 0 なら A(X_1, ... X_r)(p) = 0 である。

証明
>>254と同様である。

267 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 10:44:02
補題
M を n 次元多様体とする。
A を X(M)^r から X(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。
X_1, ... X_r と Y_1, ..., Y_r を M 上のベクトル場とする。
p を M の点とする。

(X_i)_p = (Y_i)_p, i = 1, ..., n なら
A(X_1, ... X_r)(p) = A(Y_1, ... Y_r)(p) である。

証明
>>257の証明において>>254の代わりに>>266を使用すればよい。

268 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 10:47:14
補題
M を n 次元多様体とする。
A と B を (1, r) 型のテンソル場(>>203)とする。

任意のベクトル場 X_1, ... X_r に対して、
A(X_1, ... X_r) = B(X_1, ... X_r) であるなら A = B である。

ここで、A(X_1, ... X_r) と B(X_1, ... X_r) は>>263で定義したものである。

証明
>>258と同様である。

269 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 11:03:39
命題
M を n 次元多様体とする。
A を X(M)^r から X(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。

このとき、(1, r) 型のテンソル場 B が一意に存在し、
任意のベクトル場 X_1, ... X_r に対して、
B(X_1, ... X_r) = A(X_1, ... X_r) となる。

ここで、B(X_1, ... X_r) は>>263で定義したものである。

証明
>>259と同様であるが一応証明する。

B の一意性は>>268で証明されているので B の存在を証明すればよい。

p を M の任意の点とする。
v_1, ..., v_n を p における接ベクトルとする。

>>256より M 上のベクトル場 X_1, ..., X_n が存在し、
X_i = v_i, i = 1, ..., n となる。

B_p(v_1, ..., v_n) = A(X_1, ... X_r)(p) とおく。

>>267より、B_p(v_1, ..., v_n) は ベクトル場 X_1, ..., X_n の選び方によらない。

(v_1, ..., v_n) → B_p(v_1, ..., v_n) は明らかに T_p(M) 上の
(1, r) 型のテンソル(>>203, >>261)である。
ここで、T_p(M) は p における M の接空間である。

(続く)

270 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 11:04:29
>>269の続き

次に B がC^∞級のテンソル場であることを証明する。

(x_1, ..., x_n) を p の開近傍 U での局所座標とする。

>>253より、M 上のベクトル場 Y_1, ..., Y_n で p のある開近傍 V (V ⊂ U) 上で
∂/∂x_i = Y_i, i = 1, ..., n となるものが存在する。

V 上で、B_q((∂/∂x_1)_q, ..., (∂/∂x_n)_q) = B(Y_1, ... Y_r)(q) であるから
V 上のベクトル場 q → B_q((∂/∂x_1)_q, ..., (∂/∂x_n)_q) はC^∞級である。
よって、B はC^∞級の(1, r)型テンソル場である。

任意のベクトル場 X_1, ... X_r に対して、B の作り方から、
B_p((X_1)_p, ... (X_r)_p) = A(X_1, ... X_r)(p) となる。

よって、B(X_1, ... X_r) = A(X_1, ... X_r) となる。
これで B の存在が証明された。
証明終

271 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 11:45:39
命題
M を n 次元多様体とする。
T(*,*)(M) を M 上のテンソル代数(>>233, >>237)とする。
D を T(*, *)(M) の微分(>>212)とする。
A を M 上の(r, s)型のテンソル場(>>203)とする。
A が M の開集合 U 上で 0 とする。

このとき、D(A) も U 上で 0 である。

証明
>>242と同様であるが念のために証明する。

p を U の任意の点とする。
過去スレ014の748より、
p の開近傍 V で V~ ⊂ U となるものと、M 上のC^∞級関数 g で
以下の条件を満たすものが存在する。

a) 0 ≦ g ≦ 1
b) V~ 上で g = 1
c) M - U で g = 0

f = 1 - g とおく。
fA は U 上で 0 であるから U 上で A = fA である。
f は M - U で 1 であるから M - U で A = fA である。
よって、M 上で A = fA である。

よって、D(A) = D(fA) = D(f)A + fD(A)

f(p) = 0 かつ A_p = 0 であるから D(A)_p = 0 である。

p は U の任意の点であるから D(A) は U 上で 0 である。
証明終

272 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 12:15:52
補題
M を n 次元多様体とする。
D をM 上のテンソル微分(>>235)とする。
D が C^∞(M) (>>236)及び X(M) (>>238) において 0 とする。

このとき D は T(1, 0)(M) においても 0 である。

証明
C : T(1, 1)(M) → T(0, 0)(M) = C^∞(M) を縮約(>>234)とする。

ω ∈ T(1, 0)(M) と Y ∈ T(0, 1)(M) = X(M) に対して
ω※Y ∈ T(1, 1)(M) であり、C(ω※Y) = ω(Y) ∈ C^∞(M) である。

D は C^∞(M) で 0 であるから、D(C(ω※Y)) = 0 である。
他方、D(C(ω※Y)) = C(D(ω※Y)) = C(D(ω)※Y) + C(ω※D(Y))

仮定より、D(Y) = 0 であるから、この右辺は C(D(ω)※Y) に等しい。
よって、C(D(ω)※Y) = 0
C(D(ω)※Y) = D(ω)(Y) であるから D(ω)(Y) = 0 である。

Y は任意であるから D(ω) = 0 である。
証明終

273 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 12:35:21
>>272
>このとき D は T(1, 0)(M) においても 0 である。

このとき D は T(0, 1)(M) においても 0 である。

>ω ∈ T(1, 0)(M) と Y ∈ T(0, 1)(M) = X(M) に対して

ω ∈ T(0, 1)(M) と Y ∈ T(1, 0)(M) = X(M) に対して

274 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 12:36:05
補題
M を n 次元多様体とする。
p を M の点とし、U を p の開近傍とする。
ω を U 上の (0, 1) 型のテンソル場、即ち1次微分形式とする。

このとき p の開近傍 V ⊂ U と M 上の1次微分形式θが存在し、
V 上で ω = θ となる。

証明
>>253と同様であるが念のため証明する。

p の開近傍 W で W~ ⊂ U となるものをとる。
過去スレ014の748より、
p の開近傍 V で V~ ⊂ W となるものと、M 上のC^∞級関数 f で
以下の条件を満たすものが存在する。

1) 0 ≦ f ≦ 1
2) V~ 上で f = 1
3) M - W で f = 0

M 上の1次微分形式 θ を

a) p ∈ U のとき θ_p = f(p)ω_p

b) p ∈ M - W~ のとき θ_p = 0

により定義する。

p ∈ U - W~ のとき f(p) = 0 であるから、上記の定義に矛盾はない。
θ は U 及び開集合 M - W~ でC^∞級であるから M 全体でC^∞級である。
V 上で f = 1 であるから V 上で ω = θ となる。
証明終

275 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 16:13:56
命題
M を n 次元多様体とする。
D をM 上のテンソル微分(>>235)とする。
D が C^∞(M) (>>236)及び X(M) (>>238) において 0 とする。

このとき D = 0 である。

証明
A を M 上の(r, s)型のテンソル場(>>203)とする。
p を M の任意の点とし、(x_1, ..., x_n) を p の開近傍 U での局所座標とする。

U 上で A は
ΣA(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s)(∂/∂x_(i_1))...(∂/∂x_(i_r))dx_(j_1)...dx_(j_s)
と書ける。
ここで、テンソル積の記号 ※ は省略した。

>>253>>274より、M 上のベクトル場 X_1, ..., X_n と
1次微分形式 ω_1, ..., ω_n が存在し、
p のある開近傍 V 上で ∂/∂x_i = X_i, dx_i = ω_i, i = 1, ..., n となる。

B = ΣA(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s)X_(i_1))...X_(i_r)ω_(j_1)...ω_(j_s)
とおく。
A - B は V 上で 0 であるから >>271より、V 上で D(A) = D(B) である。

>>272より D(B) = 0 である。

よって、V 上で D(A) = 0 である。
特に D(A)_p = 0 である。

p は M の任意の点であるから D(A) = 0 である。
よって、D = 0 である。
証明終

276 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 16:48:57
補題
M を n 次元多様体とする。
X を X(M) (>>238) の元とする。
任意の Y ∈ X(M) (>>238) に対して D(Y) = [X, Y] (>>245)とおく。

任意の f ∈ C^∞(M) と任意の Y ∈ X(M) に対して
D(fY) = X(f)Y + fD(Y) となる。

証明
任意の g ∈ C^∞(M) に対して、
[X, fY]g = X(fYg) - fY(Xg) = X(f)Yg + fXYg - fYXg = X(f)Yg + f[X, Y]g
= X(f)Yg + fD(Y)g

よって、>>240より、D(fY) = X(f)Y + fD(Y) である。
証明終

277 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/10(火) 17:32:21
M を n 次元多様体とする。
D を M 上のテンソル微分(>>235)とする。

>>275より、D は C^∞(M) 及び X(M) における作用により決まる。

C : T(1, 1)(M) → T(0, 0)(M) = C^∞(M) を縮約(>>234)とする。
ω ∈ T(0, 1)(M), Y ∈ X(M) とする。

D は C と可換だから
D(C(ω※Y)) = C(D(ω※Y)) = C(D(ω)※Y) + C(ω※D(Y))

よって、
D(ω(Y)) = D(ω)(Y) + ω(D(Y))

よって、
D(ω)(Y) = D(ω(Y)) - ω(D(Y))

即ち、D(ω) は D の C^∞(M) 及び X(M) における作用から具体的に決まる。

278 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 22:55:10
補題
M を n 次元多様体とする。
p を M の点とし、U を p の開近傍とする。
ω を U 上の一次微分形式とする。

このとき p の開近傍 V ⊂ U と M 上の一次微分形式 θ が存在し、
V 上で ω = θ となる。

証明
p の開近傍 W で W~ ⊂ U となるものをとる。
過去スレ014の748より、
p の開近傍 V で V~ ⊂ W となるものと、M 上のC^∞級関数 f で
以下の条件を満たすものが存在する。

1) 0 ≦ f ≦ 1

2) V~ 上で f = 1

3) M - W で f = 0

M 上の一次微分形式 θ を

a) x ∈ U のとき θ_x = f(x)ω_x

b) x ∈ M - W~ のとき θ_x = 0

により定義する。

x ∈ U - W~ のとき f(x) = 0 であるから、上記の定義に矛盾はない。
θ は U 及び開集合 M - W~ でC^∞級であるから M 全体でC^∞級である。
V 上で f = 1 であるから V 上で ω = θ となる。
証明終

279 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 22:56:20
補題
M を n 次元多様体とする。
p を M の点とする。
v を p における任意の余接ベクトル、即ち T_p(M)^* の元とする。

このとき M 上の一次微分形式 θ が存在し、θ_p = v となる。

証明
(x_1, ..., x_n) を p の開近傍 U での局所座標とする。
v = Σa_i(dx_i)_p とする。ここで a_i, i = 1, ..., n は実数である。

ω = Σa_idx_i は U における一次微分形式である。
>>278より、p の開近傍 V (V ⊂ U) と M 上の一次微分形式 θ が存在し、
V 上で ω = θ となる。

θ_p = v である。
証明終

280 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 22:58:57
M を n 次元多様体とする。
T(0, 1)(M) 即ち M 上の一次微分形式全体を Ω(M) と書く。

281 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 23:00:31
補題
M を n 次元多様体とする。
A を (Ω(M)^r)×(X(M)^s) からC^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。
ω_1, ... ω_r を M 上の一次微分形式とする。
X_1, ... X_s を M 上のベクトル場とする。
p を M の点とする。

このとき、(ω_i)_p = 0 または (X_j)_p = 0 なら
A(ω_1, ... ω_r, X_1, ... X_s)(p) = 0 である。

証明
>>278を考慮すれば>>254と同様である。

282 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 23:02:59
補題
M を n 次元多様体とする。
A を (Ω(M)^r)×(X(M)^s) からC^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。
ω_1, ... ω_r と θ_1, ..., θ_r を M 上の一次微分形式とする。
X_1, ... X_s と Y_1, ..., Y_s を M 上のベクトル場とする。
p を M の点とする。

(ω_i)_p = (θ_i)_p, i = 1, ..., n かつ
(X_i)_p = (Y_i)_p, i = 1, ..., n なら

A(ω_1, ... ω_r, X_1, ... X_s)(p) = A(θ_1, ..., θ_r, Y_1, ... Y_s)(p) である。

証明
>>281を使って>>257と同様に証明すればよい。

283 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 23:04:08
定義
M を多様体とする。
A を (r, s) 型のテンソル場(>>203)とする。
ω_1, ..., ω_r ∈ Ω(M) と X_1, ..., X_r ∈ X(M) に対して
M 上の実数値関数 f を
f(p) = A_p((ω_1)_p, ..., (ω_r)_p, (X_1)_p, ..., (X_r)_p) により定義する。

f を A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_r) と書く。

284 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 23:06:46
命題
M を多様体とする。
A を (r, s) 型のテンソル場(>>203)とする。
ω_1, ..., ω_r ∈ Ω(M) と X_1, ..., X_s ∈ X(M) に対して
A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s) (>>283) はC^∞級である。

証明
>>249と同様である。

285 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 23:17:09
補題
M を n 次元多様体とする。
A と B を (r, s) 型のテンソル場(>>203)とする。

任意の ω_1, ..., ω_r ∈ Ω(M) と任意の X_1, ..., X_s ∈ X(M) に対して
A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s) = B(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)
であるなら A = B である。

証明
p を M の任意の点とする。
(v_1)^*, ..., (v_r)^* を p における任意の余接ベクトルとする。

>>279より M 上の一次微分形式 ω_1, ..., ω_r が存在し、
ω_i = (v_1)^*, i = 1, ..., r となる。

w_1, ..., w_s を p における任意の接ベクトルとする。

>>256より M 上のベクトル場 X_1, ..., X_s が存在し、
X_i = w_i, i = 1, ..., s となる。

仮定より、
A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s) = B(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)
であるから、
A_p((v_1)^*, ..., (v_r)^*, w_1, ..., w_s)
= B_p((v_1)^*, ..., (v_r)^*, w_1, ..., w_s)
となる。
よって、A_p = B_p である。
よって A = B である。
証明終

286 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 23:27:04
>>285
>ω_i = (v_1)^*, i = 1, ..., r となる。

(ω_i)_p = (v_1)^*, i = 1, ..., r となる。

>X_i = w_i, i = 1, ..., s となる。

(X_i)_p = w_i, i = 1, ..., s となる。

287 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 23:41:27
259
命題
M を n 次元多様体とする。
A を (Ω(M)^r)×(X(M)^s) からC^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像とする。

このとき、(r, s) 型のテンソル場 B が一意に存在し、
任意の ω_1, ..., ω_r ∈ Ω(M) と任意の X_1, ..., X_s ∈ X(M) に対して
A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s) = B(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)
となる。

ここで、B(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s) は>>283で定義したものである。

証明
>>259と同様であるが一応証明する。

B の一意性は>>285で証明されているので B の存在を証明すればよい。

p を M の任意の点とする。
(v_1)^*, ..., (v_r)^* を p における任意の余接ベクトルとする。

>>279より M 上の一次微分形式 ω_1, ..., ω_r が存在し、
(ω_i)_p = (v_1)^*, i = 1, ..., r となる。

w_1, ..., w_s を p における任意の接ベクトルとする。

>>256より M 上のベクトル場 X_1, ..., X_s が存在し、
(X_i)_p = w_i, i = 1, ..., s となる。

B_p((v_1)^*, ..., (v_r)^*, w_1, ..., w_s)
= A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)(p) とおく。

(続く)

288 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 23:42:16
>>287の続き

>>282より、B_p((v_1)^*, ..., (v_r)^*, w_1, ..., w_s) は
ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s の選び方によらない。

((v_1)^*, ..., (v_r)^*, w_1, ..., w_s) → B_p((v_1)^*, ..., (v_r)^*, w_1, ..., w_s)
は明らかに T_p(M) 上の (r, s) 型のテンソル(>>198)である。
ここで、T_p(M) は p における M の接空間である。

次に B がC^∞級のテンソル場であることを証明する。

(x_1, ..., x_n) を p の開近傍 U での局所座標とする。

>>278>>253より、M 上の一次微分形式 θ_1, ..., θ_n と
ベクトル場 Y_1, ..., Y_n で p のある開近傍 V 上で
dx_i = θ_i, i = 1, ..., n
∂/∂x_i = Y_i, i = 1, ..., n
となるものが存在する。

V 上で、
B_q(dx_(i_1), ..., dx_(i_r), (∂/∂x_(j_1), ..., (∂/∂x_(j_s))
= A(θ_(i_1), ..., θ_(i_r), Y_(j_1), ..., Y_(j_s))(q) であるから
V 上で、
関数 q → B_q(dx_(i_1), ..., dx_(i_r), (∂/∂x_(j_1), ..., (∂/∂x_(j_s))
はC^∞級である。
よって、B はC^∞級のテンソル場である。

B が求めるものである。
証明終

289 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/11(水) 23:45:56
>>287より、(Ω(M)^r)×(X(M)^s) から C^∞(M) へのC^∞(M)上の多重線型写像を
(r, s) 型のテンソル場と同一視することにする。

290 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/12(木) 08:48:20
>>259
>v_1, ..., v_n を p における接ベクトルとする。
>
>>>256より M 上のベクトル場 X_1, ..., X_n が存在し、
>X_i = v_i, i = 1, ..., n となる。
>
>B_p(v_1, ..., v_n) = A(X_1, ... X_r)(p) とおく。
>
>>>257より、B_p(v_1, ..., v_n) は ベクトル場 X_1, ..., X_n の選び方によらない。
>
>(v_1, ..., v_n) → B_p(v_1, ..., v_n) は明らかに T_p(M) 上の
>(0, r) 型のテンソル(>>198)である。
>ここで、T_p(M) は p における M の接空間である。

v_1, ..., v_r を p における接ベクトルとする。

>>256より M 上のベクトル場 X_1, ..., X_r が存在し、
(X_i)_p = v_i, i = 1, ..., r となる。

B_p(v_1, ..., v_r) = A(X_1, ... X_r)(p) とおく。

>>257より、B_p(v_1, ..., v_r) は ベクトル場 X_1, ..., X_r の選び方によらない。

(v_1, ..., v_r) → B_p(v_1, ..., v_r) は明らかに T_p(M) 上の
(0, r) 型のテンソル(>>198)である。

291 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/12(木) 08:50:55
>>260
>V 上で、B_q((∂/∂x_1)_q, ..., (∂/∂x_n)_q) = B(Y_1, ... Y_r)(q) であるから
>V 上で、関数 q → B_q((∂/∂x_1)_q, ..., (∂/∂x_n)_q) はC^∞級である。
>よって、B はC^∞級のテンソル場である。

V 上で、B_q((∂/∂x_(i_1))_q, ..., (∂/∂x_(i_r))_q) = B(Y_(i_1), ... Y_(i_r))(q)
であるから V 上で、関数 q → B_q((∂/∂x_1)_q, ..., (∂/∂x_n)_q) はC^∞級である。
よって、B はC^∞級のテンソル場である。

292 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/12(木) 08:52:37
>>267
>(X_i)_p = (Y_i)_p, i = 1, ..., n なら
>A(X_1, ... X_r)(p) = A(Y_1, ... Y_r)(p) である。

(X_i)_p = (Y_i)_p, i = 1, ..., r なら
A(X_1, ... X_r)(p) = A(Y_1, ... Y_r)(p) である。

293 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/12(木) 08:54:42
>>269
>v_1, ..., v_n を p における接ベクトルとする。
>
>>>256より M 上のベクトル場 X_1, ..., X_n が存在し、
>X_i = v_i, i = 1, ..., n となる。
>
>B_p(v_1, ..., v_n) = A(X_1, ... X_r)(p) とおく。
>
>>>267より、B_p(v_1, ..., v_n) は ベクトル場 X_1, ..., X_n の選び方によらない。
>
>(v_1, ..., v_n) → B_p(v_1, ..., v_n) は明らかに T_p(M) 上の
>(1, r) 型のテンソル(>>203, >>261)である。

v_1, ..., v_r を p における接ベクトルとする。

>>256より M 上のベクトル場 X_1, ..., X_r が存在し、
(X_i)_p = v_i, i = 1, ..., r となる。

B_p(v_1, ..., v_r) = A(X_1, ... X_r)(p) とおく。

>>267より、B_p(v_1, ..., v_r) は ベクトル場 X_1, ..., X_n の選び方によらない。

(v_1, ..., v_r) → B_p(v_1, ..., v_r) は明らかに T_p(M) 上の
(1, r) 型のテンソル(>>203, >>261)である。

294 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/12(木) 09:00:24
>>270
>V 上で、B_q((∂/∂x_1)_q, ..., (∂/∂x_n)_q) = B(Y_1, ... Y_r)(q) であるから
>V 上のベクトル場 q → B_q((∂/∂x_1)_q, ..., (∂/∂x_n)_q) はC^∞級である。
>よって、B はC^∞級の(1, r)型テンソル場である。

V 上で、B_q((∂/∂x_(i_1))_q, ..., (∂/∂x_(i_r))_q) = B(Y_(i_1), ... Y_(i_r))(q)
であるから V 上のベクトル場 q → B_q((∂/∂x_(i_1))_q, ..., (∂/∂x_(i_r))_q) は
C^∞級である。
よって、B はC^∞級の(1, r)型テンソル場である。

295 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/13(金) 17:23:40
補題
E を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
E^* をその双対空間とする。
s を s ≧ 1 となる整数とする。

v ∈ E と A ∈ T(0, s)(E) に対して、v※A ∈ T(1, s) である。
C(1, 1): T(1, s)(E) → T(0, s-1)(E) を縮約(>>207. >>223)とする。

このとき、C(1, 0)(v※A) = B である。
ここで、任意の v_1, ..., v_s に対して
B(v_1, ..., v_s) = A(v, v_1, ..., v_s)
である。

証明
f_1, ..., f_s を E^* の元として
A = f_1※...※f_s のときは補題の主張は明らかである。

一般の A は f_1※...※f_s の形のテンソルの有限個の和であるから
この場合も補題の主張は明らかである。
証明終

296 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/13(金) 17:25:58
>>295
>このとき、C(1, 0)(v※A) = B である。

このとき、C(1, 1)(v※A) = B である。

297 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/13(金) 17:27:22
>>295
>ここで、任意の v_1, ..., v_s に対して
>B(v_1, ..., v_s) = A(v, v_1, ..., v_s)

ここで、任意の v_2, ..., v_s に対して
B(v_2, ..., v_s) = A(v, v_2, ..., v_s)

298 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/13(金) 17:32:17
補題
E を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
E^* をその双対空間とする。
s を s ≧ 1 となる整数とする。

v ∈ E と A ∈ T(r, s)(E) に対して、v※A ∈ T(r+1, s) である。

C(1, 1): T(r+1, s)(E) → T(r, s-1)(E) を縮約(>>207. >>223)とする。

このとき、C(1, 1)(v※A) = B である。
ここで、任意の (w_1)*, ..., (w_r)* ∈ E^*, v_2, ..., v_s ∈ E に対して
B((w_1)*, ..., (w_r)*, v_2, ..., v_s) = A((w_1)*, ..., (w_r)*, v, v_2, ..., v_s)
である。

証明
>>295と同様である。

299 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/13(金) 17:37:06
補題
E を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
E^* をその双対空間とする。
s を s ≧ 1 となる整数とする。

w^* ∈ E^* と A ∈ T(r, s)(E) に対して、(w^*)※A ∈ T(r, s+1) である。

C(1, 1): T(r, s+1)(E) → T(r-1, s)(E) を縮約(>>207. >>223)とする。

このとき、C(1, 1)((w^*)※A) = B である。
ここで、任意の (w_2)*, ..., (w_r)* ∈ E^*, v_1, ..., v_s ∈ E に対して
B(w^* , (w_2)*, ..., (w_r)*, v_1, ..., v_s) = A(w^*, (w_2)*, ..., (w_r)*, v_1, ..., v_s)
である。

証明
>>295と同様である。

300 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/13(金) 17:44:12
>>299
>s を s ≧ 1 となる整数とする。

r を r ≧ 1 となる整数とする。


301 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/13(金) 18:05:15
補題
E を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
E^* をその双対空間とする。
r, s を r ≧ 1, s ≧ 1 となる整数とする。

(w_1)*, ..., (w_r)* ∈ E^* と v_1, ..., v_s ∈ E, A ∈ T(r, s)(E) に対して、
v_1※...※v_s※(w_1)*※...※(w_r)*※A ∈ T(r+s, r+s)(E) である。

このとき、
C(r+s, r+s)...C(2, 2)C(1, 1)A = A((w_1)*, ..., (w_r)*, v_1, ..., v_s) ∈ K
となる。

証明
>>298>>299を繰り返し使えばよい。

302 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/14(土) 15:04:14
>>301
>このとき、
>C(r+s, r+s)...C(2, 2)C(1, 1)A = A((w_1)*, ..., (w_r)*, v_1, ..., v_s) ∈ K
>となる。

このとき、
C(r+s, r+s)...C(2, 2)C(1, 1)v_1※...※v_s※(w_1)*※...※(w_r)*※A
= A((w_1)*, ..., (w_r)*, v_1, ..., v_s) ∈ K
となる。

303 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/14(土) 15:24:16
命題
M を n 次元多様体とする。
A を (r, s) 型のテンソル場とする。

任意の ω_1, ..., ω_r ∈ Ω(M) と任意の X_1, ..., X_s ∈ X(M) に対して

C(r+s, r+s)...C(2, 2)C(1, 1)X_1※...※X_s※ω_1※...※ω_r※A

となる。

証明
>>301(と>>302)より明らかである。

304 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/14(土) 15:28:29
>>303の訂正
M を n 次元多様体とする。
A を (r, s) 型のテンソル場とする。

任意の ω_1, ..., ω_r ∈ Ω(M) と任意の X_1, ..., X_s ∈ X(M) に対して

C(r+s, r+s)...C(2, 2)C(1, 1)X_1※...※X_s※ω_1※...※ω_r※A
= A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)

となる。

証明
>>301(と>>302)より明らかである。

305 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/14(土) 15:32:20
命題
M を n 次元多様体とする。
D をM 上のテンソル微分(>>235)とする。
A を (r, s) 型のテンソル場とする。
任意の ω_1, ..., ω_r ∈ Ω(M) と任意の X_1, ..., X_s ∈ X(M) に対して

D(A)(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)
= D(A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s))
- ΣA(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., D(X_i), ..., X_s)
- ΣA(ω_1, ..., D(ω_j), ..., ω_r, X_1, ..., X_s)

証明
>>303より、
CX_1※...※X_s※ω_1※...※ω_r※A = A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)
となる。
ここで、C = C(r+s, r+s)...C(2, 2)C(1, 1) とおいた。

両辺に D を作用させると、
D(A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)) =
ΣCX_1※...※D(X_i)※...X_s※ω_1※...※ω_r※A
+ ΣCX_1※...※X_s※ω_1※...※D(ω_j)※...※ω_r※A
+ CX_1※...※X_s※ω_1※...※ω_r※D(A)
= ΣA(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., D(X_i), ..., X_s)
+ ΣA(ω_1, ..., D(ω_j), ..., ω_r, X_1, ..., X_s)
+ D(A)(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)

よって、
D(A)(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)
= D(A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s))
- ΣA(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., D(X_i), ..., X_s)
- ΣA(ω_1, ..., D(ω_j), ..., ω_r, X_1, ..., X_s)
証明終

306 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/14(土) 18:35:14
補題
M を n 次元多様体とする。
整数 r, s ≧ 1 が与えられたとき、1 ≦ i ≦ r, 1 ≦ j ≦ s となる
整数の組 (i, j) を一つ固定する。

C(i, j): T(r, s)(M) → T(r-1, s-1)(M) を縮約(>>234)とする。

A を M 上の(r, s)型のテンソル場(>>203)とする。
A が M の開集合 U 上で 0 とする。

このとき、C(i, j)(A) も U 上で 0 である。

証明
p を U の任意の点とする。
過去スレ014の748より、
p の開近傍 V で V~ ⊂ U となるものと、M 上のC^∞級関数 g で
以下の条件を満たすものが存在する。

a) 0 ≦ g ≦ 1
b) V~ 上で g = 1
c) M - U で g = 0

f = 1 - g とおく。
fA は U 上で 0 であるから U 上で A = fA である。
f は M - U で 1 であるから M - U で A = fA である。
よって、M 上で A = fA である。

よって、C(i, j)(A) = C(i, j)(fA) = fC(i, j)(A)

f(p) = 0 であるから C(i, j)(A)_p = 0 である。
p は U の任意の点であるから C(i, j)(A) は U 上で 0 である。
証明終

307 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/15(日) 00:41:28
命題
M を n 次元多様体とする。
X ∈ X(M) に対して M 上のテンソル微分(>>235) D で

f ∈ C^∞(M) のとき D(f) = Xf
Y ∈ X(M) のとき D(Y) = [X, Y]

となるものが一意に存在する。

証明
D の一意性は>>275で証明されているので D の存在を証明すればよい。

>>277を参考にして、
ω ∈ Ω(M) のとき、
D(ω)(Y) = D(ω(Y)) - ω(D(Y))
により、D(ω) ∈ Ω(M) を定義する。

A を (r, s) 型のテンソル場とする。
任意の ω_1, ..., ω_r ∈ Ω(M) と任意の X_1, ..., X_s ∈ X(M) に対して

D(A)(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)
= D(A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s))
- ΣA(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., D(X_i), ..., X_s)
- ΣA(ω_1, ..., D(ω_j), ..., ω_r, X_1, ..., X_s)
により、(r, s) 型のテンソル場 D(A) を定義する(>>289)。

(続く)

308 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/15(日) 00:42:33
>>307の続き

ω ∈ Ω(M) のときは D(ω) は最初の定義と一致する。

Y ∈ X(M) のときは ω ∈ Ω(M) に対して
D(ω)(Y) = D(ω(Y)) - ω(D(Y))
よって、
D(ω)(Y) = D(Y(ω)) - D(Y)(ω)
よって、
D(Y)(ω) = D(Y(ω)) - D(ω)(Y) = D(Y(ω)) - Y(D(ω))
よって、D(Y) は最初の定義と一致する。

A を (r, s) 型のテンソル場とし、B を (p, q) 型のテンソル場とする。
任意の ω_1, ..., ω_r θ_1, ..., θ_p ∈ Ω(M)
と任意の X_1, ..., X_s, Y_1, ..., Y_q ∈ X(M) に対して

D(A※B)(ω_1, ..., ω_r, θ_1, ..., θ_p, X_1, ..., X_s, Y_1, ..., Y_q)
= D(A※B(ω_1, ..., ω_r, θ_1, ..., θ_p, X_1, ..., X_s, Y_1, ..., Y_q))
- ΣA※B(ω_1, ..., ω_r, θ_1, ..., θ_p, X_1, ..., D(X_i), ..., X_s, Y_1, ..., Y_q)
- ΣA※B(ω_1, ..., ω_r, θ_1, ..., θ_p, X_1, ..., X_s, Y_1, ..., D(Y_j), ..., Y_s)
- ΣA※B(ω_1, ..., D(ω_k), ..., ω_r, θ_1, ..., θ_p, X_1, ..., X_s, Y_1, ..., Y_q)
- ΣA※B(ω_1, ..., ω_r, θ_1, ..., D(θ_l), ..., θ_p, X_1, ..., X_s, Y_1, ..., Y_q)

= D(A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s))B(θ_1, ..., θ_p, Y_1, ..., Y_q)
+ A(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)D(B(θ_1, ..., θ_p, Y_1, ..., Y_q))
- ΣA(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., D(X_i), ..., X_s)B(θ_1, ..., θ_p, Y_1, ..., Y_q)
- ΣA(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)B(θ_1, ..., θ_p, Y_1, ..., D(Y_j), ..., Y_s)
- ΣA(ω_1, ..., D(ω_k), ..., ω_r, X_1, ..., X_s)B(θ_1, ..., θ_p, Y_1, ..., Y_q)
- ΣA(ω_1, ..., ω_r, X_1, ..., X_s)B(θ_1, ..., D(θ_l), ..., θ_p, Y_1, ..., Y_q)
= D(A)※B + A※D(B)
よって D はテンソル代数 T(*,*)(M) の微分(>>212)である。
(続く)

309 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/15(日) 00:44:48
>>308の続き

D が縮約と可換なことの証明が残っている。

任意の ω_1, ..., ω_r ∈ Ω(M) と任意の X_1, ..., X_s ∈ X(M) に対して
B = X_1※...※X_r※ω_1※...※ω_s とおく。

C = C(1, 1) を縮約 T(r, s)(M) → T(r-1, s-1)(M) とする。

C(B) = <X_1, ω_1>X_2※...※X_r※ω_2※...※ω_s
よって、
DC(B)
= D(<X_1, ω_1>)X_2※...※X_r※ω_2※...※ω_s
+ Σ<X_1, ω_1>X_2※...※D(X_i)※...※X_r※ω_2※...※ω_s
+ Σ<X_1, ω_1>X_2※...※X_r※ω_2※...※D(ω_j)※...※ω_s
= <D(X_1), ω_1>X_2※...※X_r※ω_2※...※ω_s
+ <X_1, D(ω_1)>X_2※...※X_r※ω_2※...※ω_s
+ Σ<X_1, ω_1>X_2※...※D(X_i)※...※X_r※ω_2※...※ω_s
+ Σ<X_1, ω_1>X_2※...※X_r※ω_2※...※D(ω_j)※...※ω_s
= CD(B)

A を (r, s) 型のテンソル場とする。

p を M の任意の点とする。
U を p ∈ U となる M の座標近傍で (x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。

>>201より、A は U 上で
ΣA(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s)∂/∂x_(i_1)※...※∂/∂x_(i_r)※dx_(j_1)※...※dx_(j_s)
と一意に書ける。

(続く)

310 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/15(日) 00:45:55
>>309の続き

>>278>>253より、f(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s) ∈ C^∞(M) と
M 上の一次微分形式 ω_1, ..., ω_n と
ベクトル場 X_1, ..., X_n で p のある開近傍 V 上で

A(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s) = f(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s)
dx_i = ω_i, i = 1, ..., n
∂/∂x_i = X_i, i = 1, ..., n
となるものが存在する。

B =
Σf(i_1, ..., i_r, j_1, ..., j_s)X_(i_1)※...※X_(i_r)※ω_(j_1)※...※ω_(j_s)
とおく。

V 上で A = B である。

E(A) = DC(A) - CD(A) とおく。

V 上で A - B = 0 であるから
>>271>>306より、V 上で E(A - B) = 0 である。
よって、V 上で DC(A) - CD(A) = DC(B) - CD(B) である。
一方、DC(B) = CD(B) であるから
V 上で DC(A) = CD(A) である。

p は M の任意の点であるから M 上で DC(A) = CD(A) である。
証明終

311 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/15(日) 00:49:40
定義
>>307の D を X による Lie微分(Lie derivative) と呼び、L_X と書く。

312 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/15(日) 14:16:54
命題
M を n 次元多様体とする。
S を M 上の (1, 1) 型のテンソル場とする。
>>261より、各 p ∈ M に対して S_p : T_p(M) → T_p(M) は
R-線型写像と見なされる。
>>227より S_p は T_p(M)上のテンソル微分(>>222)に一意に拡張される。
A を M 上の (r, s) 型のテンソル場とする。
S(A)_p = S_p(A_p) とおく。
このとき、A → S(A) は M 上のテンソル微分(>>235)である。

証明
S がC^∞級であることを証明すればよい。
p を M の任意の点とし、U を p の座標近傍で (x_1, ..., x_n) を
その局所座標とする。

S_p(∂/∂x_j)_p = Σξ(i, j)(p)(∂/∂x_i)_p とおく。
ξ(i, j) は U 上で C^∞級である。

(dx_k)_p(S_p(∂/∂x_j)_p) = Σξ(i, j)(p)(dx_k)_p(∂/∂x_i)_p
= ξ(k, j)(p)

よって、
(S_p)^*(dx_k)_p = Σξ(k, j)(p)(dx_j)_p

>>224より、
S_p((dx_k)_p) = -Σξ(k, j)(p)(dx_j)_p

S((∂/∂x_(i_1))※...※(∂/∂x_(i_r))※dx_(j_1)※...※dx_(j_s)) =
Σ(∂/∂x_(i_1))※...※S(∂/∂x_(i_k))※...※(∂/∂x_(i_r))※dx_(j_1)※...※dx_(j_s)
+ Σ(∂/∂x_(i_1))※...※(∂/∂x_(i_r))※dx_(j_1)※...※S(dx_(j_l))※...※dx_(j_s)
よって S はC^∞級である。
証明終

313 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/15(日) 14:44:39
補題
M を n 次元多様体とする。
D を M 上のテンソル微分(>>235) で、任意の f ∈ C^∞(M) に対して
D(f) = 0 とする。
このとき (1, 1) 型のテンソル場 S で D = S となるものが一意に存在する。
ここで、S は>>312により M 上のテンソル微分と見なしている。

証明
X ∈ X(M) と f ∈ C^∞(M) に対して、D(f) = 0 であるから、
D(fX) = D(f)X + fD(X) = fD(X) である。

よって D は C^∞(M)-加群としての準同型 X(M) → X(M) を引き起こす。
>>269より (1, 1) 型のテンソル場 S で X(M) 上で D = S となるものが
一意に存在する。

>>275より M 上のテンソル微分として D = S である。
証明終

314 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/15(日) 14:47:45
命題
M を n 次元多様体とする。
M 上のテンソル微分(>>235) D は
D = L_X + S と一意に書ける。

ここで、L_X は M 上のベクトル場 X による Lie微分(>>311)であり、
S は M 上の (1, 1) 型のテンソル場である。
S は>>312により M 上のテンソル微分と見なしている。

証明
D は C^∞(M) の微分を引き起こすから>>244より M 上のベクトル場 X が一意に存在し、
C^∞(M) 上で D = D_X と書ける。

D - LX は C^∞(M) 上で 0 となる。
D - LX はテンソル微分であるから >>313より、(1, 1) 型のテンソル場 S が
一意に存在し、D - LX = S と書ける。
証明終

315 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 14:37:25
定義
M を n 次元多様体とする。
Ω^k(M) を M 上の k 次微分形式(過去スレ014の731)全体とする。
Ω^k(M) は R 上の線型空間である。

Ω^*(M) = ΣΩ^k(M), k = 0, 1, ..., n (直和)とおく。

ω ∈ Ω^k(M), θ ∈ Ω^l(M) のとき ωΛθ ∈ Ω^(k + l)(M) を
各点 p ∈ M に対して (ωΛθ)_p = ω_pΛθ_p により定義する。

ωΛθ を ω と θ の外積(exterior product)(または楔積(wedge product))と呼ぶ。

Ω^*(M) は外積により R 上の結合的な代数となる。
Ω^*(M) を M 上の外積代数と呼ぶ。

Ω^0(M) = C^∞(M) であるので Ω^*(M) は可換環 C^∞(M) 上の代数でもある。

Ω^*(M) は R 上(または C^∞(M) 上)の次数付き代数(過去スレ001の720)でもある。

316 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 14:55:50
定義
K を可換環とする。
A = ΣA_n, n = 0, 1, ... を K 上の必ずしも可換とは限らない次数付き代数とする。

A の微分(derivation) D とは K-線型写像 D: A → A で
任意の x, y ∈ A に対して D(xy) = D(x)y + xD(y) となるものをいう。

ある k に対して、D(A_p) ⊂ A_(p+k) が任意の p に対して成り立つとき
D を k 次の微分という。

A の歪微分(skew-derivation) E とは K-線型写像 E: A → A で
任意の x ∈ A_p, y ∈ A_q に対して
E(xy) = E(x)y + ((-1)^p)xE(y) となるものをいう。

ある k に対して、E(A_p) ⊂ A_(p+k) が任意の p に対して成り立つとき
E を k 次の歪微分という。

317 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 15:25:04
補題
M を n 次元多様体とする。
D を Ω^*(M) (>>315) の微分(>>316)または歪微分(>>316)とする。
ω ∈ Ω^k(M) (>>315) が M の開集合 U 上で 0 とする。

このとき、D(ω) も U 上で 0 である。

証明
p を U の任意の点とする。
過去スレ014の748より、
p の開近傍 V で V~ ⊂ U となるものと、M 上のC^∞級関数 g で
以下の条件を満たすものが存在する。

a) 0 ≦ g ≦ 1
b) V~ 上で g = 1
c) M - U で g = 0

f = 1 - g とおく。
fω は U 上で 0 であるから U 上で ω = fω である。
f は M - U で 1 であるから M - U で ω = fω である。
よって、M 上で ω = fω である。

よって、D(ω) = D(fω) = D(f)ω + fD(ω)

f(p) = 0 かつ ω_p = 0 であるから D(ω)_p = 0 である。

p は U の任意の点であるから D(ω) は U 上で 0 である。
証明終

318 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 15:52:32
補題
M を n 次元多様体とする。
D を Ω^*(M) (>>315) の微分(>>316)または歪微分(>>316)とする。

ω_1, ..., ω_k ∈ Ω^1(M) とする。

D が微分のとき
D(ω_1Λ...Λω_k) = Σω_1Λ...ΛD(ω_i)Λ...Λω_k

D が歪微分のとき
D(ω_1Λ...Λω_k) = Σ(-1)^(i-1)ω_1Λ...ΛD(ω_i)Λ...Λω_k

証明
ほとんど自明である。
厳密には数学的帰納法による。

319 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 16:00:09
命題
M を n 次元多様体とする。
D を Ω^*(M) (>>315) の微分(>>316)または歪微分(>>316)とする。
D は Ω^0(M) および Ω^1(M) への作用で完全に決定される。

証明
D|Ω^0(M) = 0 かつ D|Ω^1(M) と仮定して、D = 0 を証明すればよい。

ω ∈ Ω^k(M) (>>315) とする。
p を M の任意の点とし、(x_1, ..., x_n) を p の開近傍 U での局所座標とする。

U 上で ω は

Σg_(i_1, ..., i_k)dx_(i_1)※...※dx_(i_k)
g_(i_1, ..., i_k) ∈ C^∞(U)
1 ≦ i_1 < ... < i_k ≦ n

と書ける。

>>239>>274より、f_(i_1, ..., i_k) ∈ C^∞(M) と ω_1, ..., ω_n ∈ Ω^1(M)
が存在し、
p のある開近傍 V 上で g_(i_1, ..., i_k) = f_(i_1, ..., i_k)
dx_i = ω_i, i = 1, ..., n となる。

θ = Σf_(i_1, ..., i_k)ω_(i_1)Λ...Λω_(i_k)
とおく。
ω - θ は V 上で 0 であるから >>317より、V 上で D(ω) = D(θ) である。

一方、>>318より D(θ) = 0 であるから D(ω) = 0 である。
証明終

320 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 16:44:40
M を n 次元多様体とする。
Ω^*(M) (>>315) の次数1の歪微分(>>316) d で次の性質を満たすものが
一意に存在することを証明しよう。

1) f ∈ Ω^0(M) = C^∞(M) のとき df ∈ Ω^1(M) は f の通常の微分である。
即ち、任意の X ∈ X(M) (>>238) に対して df(X) = Xf である。

2) d^2 = 0

321 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 16:48:04
>>319
>Σg_(i_1, ..., i_k)dx_(i_1)※...※dx_(i_k)

Σg_(i_1, ..., i_k)dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k)


322 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 17:09:57
>>320を証明するためにもっと強い主張を証明することにする。
M を n 次元多様体とする。
M の任意の開集合 U に対して、
Ω^*(U) (>>315) の次数1の歪微分(>>316) d = d(U) で次の性質を満たすものが一意に存在する

1) f ∈ Ω^0(U) = C^∞(U) のとき df ∈ Ω^1(U) は f の通常の微分である。
即ち、任意の X ∈ X(U) (>>238) に対して df(X) = Xf である。

2) d^2 = 0

3) V ⊂ U を開集合としたとき d は制限写像 ρ(U, V): Ω^k(U) → Ω^k(V) と可換である。
即ち、任意の ω ∈ Ω^k(U) (>>315) に対して (dω)|V = d(ω|V) である。
ここで、θ ∈ Ω^k(U) のとき ρ(U, V)(θ) = θ|V と略記した。

323 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 19:46:51
>>322の d の一意性を証明しよう。

ω ∈ Ω^k(M) とする。
d と d’を>>322の条件を満たすものする。

U を M の任意の座標近傍とし、(x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。
ω|U = Σf_(i_1, ..., i_k)dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k) と書ける。

>>318及び d^2 = 0 より、d(dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k)) = 0 である。
よって、

d(ω|U) = Σdf_(i_1, ..., i_k)dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k)
である。

>>322の 1)より、
df_(i_1, ..., i_k) = d’f_(i_1, ..., i_k)
dx_i = d’x_i, i = 1, ..., n

よって、
>>318及び (d’)^2 = 0 より、d’(dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k)) = 0 である。

よって、
d’(ω|U) = Σdf_(i_1, ..., i_k)dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k)
即ち、d(ω|U) = d’(ω|U)

仮定より (dω)|U = d(ω|U), (d’ω)|U = d’(ω|U)であるから
(dω)|U = (d’ω)|U

U は任意の座標近傍であるから、dω = d’ω
よって、M の任意の開集合 V に対して
d(ω|V) = d’(ω|V)
証明終

324 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 20:50:57
>>322の d の存在を証明しよう。

U を M の任意の座標近傍とし、(x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。
ω ∈ Ω^k(U) とする。
ω = Σf_(i_1, ..., i_k)dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k) と書ける。
ここで、和は 1 ≦ i_1 < ... < i_p ≦ n となる組 (i_1, ..., i_p) 全体に
渡り、各 f_(i_1, ..., i_k) ∈ C^∞(U) である。

dω = Σdf_(i_1, ..., i_k)Λdx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k) と定義する。

ω ∈ Ω^p(U), θ ∈ Ω^q(U) のとき
d(ωΛθ) = dωΛθ + (-1)^pωΛdθ
を証明しよう。

ω = fdx_(i_1)Λ...Λdx_(i_p)
θ = gdx_(j_1)Λ...Λdx_(j_q)
として証明すればよい。
ここで、f, g ∈ C^∞(U) である。
1 ≦ i_1 < ... < i_p ≦ n, 1 ≦ j_1 < ... < j_q ≦ n
である。
集合 {i_1, ..., i_p} と集合 {j_1, ..., j_q} に共通要素があれば、
d(ωΛθ) = dωΛθ + (-1)^pωΛdθ の両辺は 0 である。
よって、{i_1, ..., i_p} と {j_1, ..., j_q} に共通要素がないと仮定してよい。

ωΛθ = (fg)dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_p)Λdx_(j_1)Λ...Λdx_(j_q)
よって
d(ωΛθ) = d(fg)Λdx_(i_1)Λ...Λdx_(i_p)Λdx_(j_1)Λ...Λdx_(j_q)
= ((df)g + fdg)dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_p)Λdx_(j_1)Λ...Λdx_(j_q)
= dωΛθ + f(dg)Λdx_(i_1)Λ...Λdx_(i_p)Λdx_(j_1)Λ...Λdx_(j_q)
= dωΛθ + (-1)^pωΛdθ

(続く)

325 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 20:52:05
>>324の続き

Ω^k(U) において d^2 = 0 を証明しよう。

f ∈ C^∞(U) のとき
df = Σ(∂f/∂x_i)dx_i である。

よって、
d(df) = Σd(∂f/∂x_i)Λdx_i = Σ(∂^2f/∂x_j∂x_i)dx_jΛdx_i
ここで、
i = j のとき dx_jΛdx_i = 0

i ≠ j のとき dx_jΛdx_i = -dx_iΛdx_j かつ
∂^2f/∂x_j∂x_i = ∂^2f/∂x_i∂x_j

よって、d(df) = 0 である。

ω ∈ Ω^k(U) とする。
ω = Σf_(i_1, ..., i_k)dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k) と書ける。

d の定義より
dω = Σdf_(i_1, ..., i_k)dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k)

今述べたことと >>318より
d(dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k)) = 0 である。

よって、
d(dω) = Σd(df_(i_1, ..., i_k))Λdx_(i_1)Λ...Λdx_(i_k) = 0

(続く)

326 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/16(月) 20:54:00
>>325の続き

V を U に含まれる任意の開集合とする。
ω ∈ Ω^k(V) に対して dω が同様に定義される。
ω ∈ Ω^k(U) に対して明らかに d(ω|V) = (dω)|V である。

よって、>>323を多様体 M の代わりに 多様体 U に適用して d の一意性が得られる。
よって、d は U の局所座標の取り方によらない。

ω ∈ Ω^k(M) とする。
U を M の任意の座標近傍とする。
(dω)|U = d(ω|U) と定義する。

V を別の座標近傍とする。
d の一意性より d は U∩V 上で一致する。

よって dω ∈ Ω^(k+1)(M) が矛盾なく定義される。

この d が>>322の条件を満たすことは明らかである。
証明終

327 :132人目の素数さん:2009/11/16(月) 22:12:33
test

328 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 10:04:48
M を n 次元多様体とする。
X を M 上のベクトル場とする。
Ω^*(M) (>>315) の次数 -1の歪微分(>>316) i(X) で次の性質を満たすものが
存在することを証明しよう。

1) 任意の f ∈ C^∞(M) に対して i(X)f = 0

2) 任意の ω ∈ Ω^1(M) に対して i(X)ω = ω(X)


>>319より i(X) は存在すればただ一つである。

329 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 10:14:12
定義
E を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
s を整数 s ≧ 1 とする。
v ∈ E と A ∈ T(0, s)(E) (>>198, >>215) に対して、
i(v)A ∈ T(0, s-1)(E) を
i(v)A(v_1, ..., v_(s-1)) = A(v, v_1, ..., v_(s-1))
により定義する。
ここで、v_1, ..., v_(s-1) は E の任意の元である。

A ∈ T(0, 1)(E) のときは i(v)A = A(v) である。

A ∈ K のときは i(v)A = 0 と定義する。

330 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 12:05:19
命題
K を標数 0 の可換体とする。
E を K 上の有限次元線型空間とする。
E^* を E の双対空間とする。

v を E の元、
f_1, ..., f_p を E^* の元とする。

i(v)(f_1Λ...Λf_p) = Σ(-1)^(i+1) i(v)f_i(f_1Λ...(f_i)^...Λf_p)

となる。
ここで、(f_i)^ は f_i を省くことを意味する。

証明
x_1, ..., x_p を E の元とする。

i(x_1)(f_1Λ...Λf_p)(x_2, ..., x_p)
= (f_1Λ...Λf_p)(x_1, ..., x_p)
= det(f_i(x_j)) ← 過去スレ014の691
= Σ(-1)^(i+1) f_i(x1)(f_1Λ...(f_i)^...Λf_p)(x_2, ..., x_p) ← 第1列で展開

v = x_1 とおくと

i(v)(f_1Λ...Λf_p) = Σ(-1)^(i+1) i(v)f_i(f_1Λ...(f_i)^...Λf_p)
証明終

331 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 12:18:08
定義
K を標数 0 の可換体とする。
E を K 上の n 次元線型空間とする。
E^* を E の双対空間とする。

Λ^*(E^*) = ΣΛ^p(E^*), p = 0, 1, ..., n (直和) とおく。

ここで、Λ^p(E^*) は過去スレ014の678で定義したもの。

Λ^*(E^*) は外積 Λ により K 上の次数付き代数となる。

Λ^*(E^*) を E^* 上の外積代数と呼ぶ。

332 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 12:33:25
定義
E を可換環 K 上の有限生成自由加群とする。
v ∈ E と A ∈ T(0, s)(E) (>>198, >>215) に対して、
i(v)A (>>329) を v と A の内部積(interior product)と呼ぶ。

333 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 12:45:02
命題
K を標数 0 の可換体とする。
E を K 上の n 次元線型空間とする。
E^* を E の双対空間とする。

v を E の元とする。
i(v) (>>329) は Λ^*(E^*) の次数 -1 の歪微分(>>316)である。

証明
ω ∈ Λ^p(E^*), θ ∈ Λ^q(E^*) のとき
i(v)(ωΛθ) = i(v)ωΛθ + (-1)^p(ωΛi(v)θ)
を証明すればよい。

f_1, ..., f_p を E^* の元として
Λ^p(E^*) は f_1Λ...Λf_p の形の元の一次結合であらわされるから
ω = f_1Λ...Λf_p と仮定してよい。

同様に、g_1, ..., g_q を E^* の元として
θ = g_1Λ...Λg_q と仮定してよい。

>>330より、
i(v)(ωΛθ) = Σ(-1)^(i+1) i(v)f_i(f_1Λ...(f_i)^...Λf_pΛθ)
+ Σ(-1)^(p+j+1) i(v)f_i(ωΛg_1Λ...(g_j)^...Λg_q)
= i(v)ωΛθ + (-1)^p(ωΛi(v)θ)
証明終

334 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 14:16:40
定義
M を n 次元多様体とする。
X を M 上のベクトル場とする。
A を M 上の (0, r) 型のテンソル場(>>203)とする。
(0, r-1) 型のテンソル場 i(X)A を
各点 p ∈ M に対して (i(X)A)_p = i(X_p)A_p により定義する。
ここで、(X_p)A_p は X_p と A_p の内部積(>>332)である。

ω ∈ Ω^r(M) (>>315) のとき、i(X)ω ∈ Ω^(r-1)(M) である。

335 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 14:22:57
命題
M を n 次元多様体とする。
X を M 上のベクトル場とする。
Ω^*(M) (>>315) の次数 -1の歪微分(>>316) i(X) で次の性質を満たすものが
一意に存在する。

1) 任意の f ∈ C^∞(M) に対して i(X)f = 0

2) 任意の ω ∈ Ω^1(M) に対して i(X)ω = ω(X)

証明
一意性は>>319よりわかる。

存在は>>334の i(X) が
ω ∈ Ω^p(M), θ ∈ Ω^q(M) のとき
i(v)(ωΛθ) = i(v)ωΛθ + (-1)^p(ωΛi(v)θ)
を満たすことを証明すればよい。

しかし、これは>>333より明らかである。
証明終

336 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 14:24:07
>>334の i(X)A を X と A の内部積と呼ぶ。

337 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 14:56:49
命題
M を n 次元多様体とする。
X と Y を M 上のベクトル場とする。
A を M 上の (0, r) 型のテンソル場(>>203)とする(r ≧ 1)。

このとき、
i([X, Y])A = L_X(i(Y)A) - i(Y)L_X(A)

即ち
i([X, Y]) = (L_X)i(Y) - i(Y)L_X

証明
X_1, ..., X_(r-1) を M 上のベクトル場とする。

L_X(i(Y)A)(X_1, ..., X_(r-1))
= i(Y)A(X_1, ..., X_(r-1)) - Σi(Y)A(X_1, ..., [X, X_i], ..., X_(r-1))
= A(Y, X_1, ..., X_(r-1)) - ΣA(Y, X_1, ..., [X, X_i], ..., X_(r-1))
= L_X(A)(Y, X_1, ..., X_(r-1)) + A([X, Y], X_1, ..., X_(r-1))
= i(Y)L_X(A)(X_1, ..., X_(r-1)) + i([X, Y])A(X_1, ..., X_(r-1))

よって、
i([X, Y])A = L_X(i(Y)A) - i(Y)L_X(A)
証明終

338 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 17:34:59
命題
M を n 次元多様体とする。
X と Y を M 上のベクトル場とする。

このとき、
L_[X, Y] = [L_X, L_Y]

ここで、[L_X, L_Y] は M 上のテンソル代数 T(*, *)(M) (>>233, >>237) の
微分(>>212) のブラケット積(>>221)である。

証明
f ∈ C^∞(M) のとき L_[X, Y]f = [X, Y]f および
[L_X, L_Y]f = XYf - YXf = [X, Y]f

よって、L_[X, Y]f = [L_X, L_Y]f

Z ∈ X(M) のとき、
L_[X, Y]Z = [[X, Y], Z] および
[L_X, L_Y]Z = [X, [Y, Z]] - [Y, [X, Z]]

一方、Jacobiの等式(>>217, >>218, >>221)より、
[X, [Y, Z]] + [Y, [Z, X]] + [Z, [X, Y]] = 0

即ち、
[[X, Y], Z] = [X, [Y, Z]] - [Y, [X, Z]]

よって、
L_[X, Y]Z = [L_X, L_Y]Z

>>275より、L_[X, Y] = [L_X, L_Y]
証明終

339 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 17:55:54
M を n 次元多様体とする。
M 上のテンソル微分(>>235)全体を DerT(M) と書く。
DerT(M) はブラケット積(>>221)により R 上の Lie 代数となる。

>>338により、X → L_X は R 上の Lie 代数 X(M) から DerT(M) への準同型である。

340 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 19:56:30
補題
K を可換環とする。
A = ΣA_n, n = 0, 1, ... を K 上の必ずしも可換とは限らない次数付き代数とする。
k と l を奇数とし、D_1 と D_2 をそれぞれ A の次数 k, l の歪微分(>>316)とする。

このとき、D = D_1D_2 + D_2D_1 は次数 k + l の微分(>>316)である。

証明
x ∈ A_p, y ∈ A_q とする。

D(xy)
= D_1D_2(xy) + D_2D_1(xy)
= D_1(D_2(x)y + (-1)^p xD_2(y)) + D_2(D_1(x)y + (-1)^p xD_1(y))
= D_1(D_2(x))y + (-1)^(p+l) D_2(x)D_1(y) + (-1)^p D_1(x)D_2(y) + xD_1(D_2(y))
+ D_2(D_1(x))y + (-1)^(p+k) D_1(x)D_2(y) + (-1)^p D_2(x)D_1(y) + xD_2(D_1(y))
= D(x)y + ((-1)^(p+l) + (-1)^p)D_2(x)D_1(y) + ((-1)^(p+k) + (-1)^p)D_1(x)D_2(y)
+ xDy
= D(x)y + xDy
証明終

341 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 20:02:32
>>340は Kobayashi & Nomizu の Foundations of differential geometry I から
拝借した。
しかし、彼らの本には k と l が奇数という条件が抜けている。
k と l が奇数でないと>>340は成り立たない。

342 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/17(火) 20:20:37
定義
>>320の d を外微分と呼ぶ。


343 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/21(土) 10:07:45
補題
M を n 次元多様体とする。
X と Y を M 上のベクトル場とし、f ∈ C^∞(M) とする。

このとき、
[fX, Y] = f[X, Y] - Y(f)X
[X, fY] = f[X, Y] + X(f)Y

証明
g ∈ C^∞(M) のとき、
[fX, Y]g = fXYg - Y(fXg) = fXYg - Y(f)Xg - fYXg = f[X, Y]g - Y(f)Xg
[X, fY]g = X(fYg) - fYXg = X(f)Yg + fXYg - fYXg = f[X, Y]g + X(f)Yg
証明終

344 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/21(土) 12:58:47
補題
M を n 次元多様体とする。
ω ∈ Ω^p(M) (>>315) とする。
X_1, ..., X_(p+1) ∈ X(M) (>>238) に対して、

F(ω)(X_1, ..., X_(p+1)) = Σ(-1)^(i+1)X_iω(X_1, ..., (X_i)^, ..., X_(p+1))
+ Σ[i < j](-1)^(i+j)X_iω([X_i, X_j], X_1, ..., (X_i)^, ..., (X_j)^, ..., X_(p+1))
とおく。
ここで2番目の Σ は i < j となる組 (i, j) 全体を動く。

このとき、F(ω) は X(M)^(p+1) から C^∞(M) への C^∞(M) 上の
交代的多重線型形式である。

証明
X_1, ..., X_(p+1) ∈ X(M) (>>238) に対して、
G(ω)(X_1, ..., X_(p+1)) = Σ(-1)^(i+1)X_iω(X_1, ..., (X_i)^, ..., X_(p+1))
H(ω)(X_1, ..., X_(p+1))
= Σ(-1)^(i+j)ω([X_i, X_j], X_1, ..., (X_i)^, ..., (X_j)^, ..., X_(p+1))
とおく。

f ∈ C^∞(M) のとき、
G(ω)(fX_1, ..., X_(p+1)) = fX_1ω(X_2, ..., X_(p+1))
+ Σ[1 < i](-1)^(i+1)X_i(fω(X_1, ..., (X_i)^, ..., X_(p+1)))
= fX_1ω(X_2, ..., X_(p+1))
+ Σ[1 < i](-1)^(i+1)X_i(f)ω(X_1, ..., (X_i)^, ..., X_(p+1))
+ Σ[1 < i](-1)^(i+1)fX_iω(X_1, ..., (X_i)^, ..., X_(p+1))
= fG(ω)(X_1, ..., X_(p+1))
+ Σ[1 < i](-1)^(i+1)X_i(f)ω(X_1, ..., (X_i)^, ..., X_(p+1))

(続く)

345 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/21(土) 13:01:15
>>344の続き

>>343を使って、

H(ω)(fX_1, ..., X_(p+1))
= Σ[1 < i](-1)^(1+j)ω([fX_1, X_i], ..., (X_i)^, ..., X_(p+1))
+ Σ[1 < i < j](-1)^(i+j)ω([X_i, X_j], fX_1, ..., (X_i)^, ..., (X_j)^, ..., X_(p+1))
= Σ[1 < i](-1)^(1+i)fω([X_1, X_i], X_2, ..., (X_i)^, ..., X_(p+1)))
- Σ[1 < i](-1)^(1+i)X_i(f)ω(X_1, ..., (X_j)^, ..., X_(p+1)))
+ Σ[1 < i < j](-1)^(i+j)fω([X_i, X_j], X_1, ..., (X_i)^, ..., (X_j)^, ..., X_(p+1))
= fH(ω)(X_1, ..., X_(p+1))
- Σ[1 < i](-1)^(1+i)X_i(f)ω(X_1, ..., (X_j)^, ..., X_(p+1)))

よって、
F(ω)(fX_1, ..., X_(p+1)) = G(ω)(fX_1, ..., X_(p+1)) + H(ω)(fX_1, ..., X_(p+1))
= fG(ω)(X_1, ..., X_(p+1)) + fH(ω)(X_1, ..., X_(p+1))
= fF(ω)(fX_1, ..., X_(p+1))

同様にして、
F(ω)(X_1, ..., fX_k, ..., X_(p+1)) = fF(ω)(X_1, ..., X_k, ..., X_(p+1))

よって、F(ω) は X(M)^(p+1) から C^∞(M) への C^∞(M) 上の
多重線型形式である。

(続く)

346 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/21(土) 13:02:07
>>345の続き

X_1 = X_2 のとき、
G(ω)(X_1, ..., X_(p+1)) = X_1ω(X_2, ..., X_(p+1)) - X_2ω(X_1, X_3, ..., X_(p+1))
+ Σ[i > 2](-1)^(i+1)X_iω(X_1, X_2, ..., (X_i)^, ..., X_(p+1))
= 0

H(ω)(X_1, X_2, ..., X_(p+1))
= Σ[i < j](-1)^(i+j)ω([X_i, X_j], X_1, ..., (X_i)^, ..., (X_j)^, ..., X_(p+1))
= Σ[1 < i](-1)^(1+i)ω([X_1, X_i], X_2, ..., (X_i)^, ..., X_(p+1))
+ Σ[2 < j](-1)^(2+j)ω([X_2, X_j], X_1, X_3, ..., (X_j)^, ..., X_(p+1))
+ Σ[2 < i < j](-1)^(i+j)ω([X_i, X_j], X_1, ..., (X_i)^, ..., (X_j)^, ..., X_(p+1))
= 0

よって、F(ω)(X_1, ..., X_(p+1)) = 0

同様に X_i = X_j (i ≠ j) のとき、F(ω)(X_1, ..., X_(p+1)) = 0

よって、F(ω) は交代的多重線型形式である。
証明終

347 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/21(土) 14:31:23
命題
M を n 次元多様体とする。
ω ∈ Ω^p(M) (>>315) とする。
X_1, ..., X_(p+1) ∈ X(M) (>>238) に対して、

dω(X_1, ..., X_(p+1)) = Σ(-1)^(i+1)X_iω(X_1, ..., (X_i)^, ..., X_(p+1))
+ Σ[i < j](-1)^(i+j)X_iω([X_i, X_j], X_1, ..., (X_i)^, ..., (X_j)^, ..., X_(p+1))

証明
F(ω)(X_1, ..., X_(p+1)) = Σ(-1)^(i+1)X_iω(X_1, ..., (X_i)^, ..., X_(p+1))
+ Σ[i < j](-1)^(i+j)X_iω([X_i, X_j], X_1, ..., (X_i)^, ..., (X_j)^, ..., X_(p+1))
とおく。

U を M の任意の座標近傍とし、(x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。
U において ω = fdx_1Λdx_2Λ...Λdx_p として一般性を失わない。
ここで、f ∈ C^∞(U) である。

>>344より、U において
F(ω) = ΣF(ω)(∂/∂x_(i_1), ..., ∂/∂x_(i_(p+1))dx_(i_1)Λ...Λdx_(i_(p+1)) と書ける。
ここで、Σ は 1 ≦ i_1 < ... < i_(p+1) ≦ n となる組 (i_1, ..., i_(p+1)) 全体にわたる。

ω(∂/∂x_(i_1), ..., ∂/∂x_(i_p)) は
(i_1, ..., i_p) が (1, ..., p) の順列以外のとき 0 になる。
任意の i, j に対して [∂/∂x_i, ∂/∂x_j] = 0 である。

よって、
F(ω)(∂/∂x_(i_1), ..., ∂/∂x_(i_(p+1)) は
p < j となる j に対して (i_1, ..., i_(p+1)) = (1, ..., p, j) となる場合以外は 0 である。
p < j のとき、
F(ω)(∂/∂x_1, ..., ∂/∂x_p, ∂/∂x_j) = (-1)^p∂f/∂x_j

(続く)

348 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/21(土) 14:32:03
>>347の続き

よって、U 上で
F(ω) = Σ[p < j](-1)^p∂f/∂x_jdx_1Λ...Λdx_pΛdx_j
= Σ[p < j](∂f/∂x_j)dx_jΛdx_1Λ...Λdx_p
= Σ[1 ≦ j ≦ n](∂f/∂x_j)dx_jΛdx_1Λ...Λdx_p
= dω
証明終

349 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/21(土) 16:43:09
命題
M を n 次元多様体とする。
X を M 上のベクトル場とし、ω ∈ Ω^p(M) (>>315) とする。

このとき、L_X(ω) = i(X)(dω) + d(i(X)ω)
ただし、p = 0 のとき i(X)ω = 0 とする。

証明
p = 0 のとき、L_X(ω) = Xf であり、i(X)(dω) = df(X) = Xf
よって、L_X(ω) = i(X)(dω)

p > 0 とし、X_1, ..., X_p ∈ X(M) (>>238) とする。
>>347, >>307, >>311より、

i(X)(dω)(X_1, ..., X_p) = dω(X, X_1, ..., X_p)
= X(ω(X_1, ..., X_p))
+ Σ(-1)^(i+2)X_iω(X, X_1, ..., (X_i)^, ..., X_p)
+ Σ[1 ≦ j ≦ p] (-1)^(1+j+1)ω([X, X_j], X^, ..., (X_j)^, ..., X_p)
+ Σ[i < j] (-1)^(i+1+j+1)X_iω([X_i, X_j], X, X_1, ..., (X_i)^, ..., (X_j)^, ..., X_p)
= L_X(ω)(X_1, ..., X_p) - d(i(X)ω)(X_1, ..., X_p)

証明終

350 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/21(土) 19:39:08
補題
M を n 次元多様体とする。
ω ∈ Ω^(p+1)(M) (>>315) とする。
M 上の任意のベクトル場 X に対して i(X)ω = 0 なら ω = 0 である。
ここで、i(X)ω は X と ω の内部積(>>336)である。

証明
仮定より、任意のベクトル場 X_1, ..., X_(p+1) に対して、
(i(X_1)ω)(X_2, ..., X_(p+1)) = ω(X_1, ..., X_(p+1)) = 0 である。

よって、ω = 0 である。
証明終

351 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/22(日) 11:31:15
補題
M を n 次元多様体とする。
X, Y ∈ X(M) (>>238), ω ∈ Ω^(p+1)(M) (>>315) に対して

d(L_X)i(Y)ω - (L_X)di(Y)ω = i(Y)(L_Xdω - dL_X(ω))

証明
>>337より、
L_X(i(Y)ω) = i(Y)L_X(ω) + i([X, Y])ω

この等式の両辺に d を作用させると

dL_X(i(Y)ω) = di(Y)L_X(ω) + di([X, Y])ω

dL_X(i(Y)ω) = di(Y)L_X(ω) + di([X, Y])ω
= dL_X(i(Y)ω) = -i(Y)dL_X(ω) + L_YL_X(ω) - i([X, Y])dω + L_[X, Y]ω ← >>349
= -i(Y)dL_X(ω) + L_XL_Y(ω) - i([X, Y])dω ← >>338

即ち、等式1: dL_X(i(Y)ω) = -i(Y)dL_X(ω) + L_XL_Y(ω) - i([X, Y])dω

他方、>>349より、
di(Y)ω = -i(Y)dω + L_Yω

この等式の両辺に L_X を作用させると

L_Xdi(Y)ω = -L_Xi(Y)dω + L_XL_Y(ω)
= -i(Y)L_Xdω - i([X, Y])dω + L_XL_Y(ω) ← >>337

この等式と 等式1を組合せて
dL_X(i(Y)ω) - L_Xdi(Y)ω = i(Y)(L_Xdω - dL_X(ω))
証明終

352 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/22(日) 11:48:02
命題
M を n 次元多様体とする。
X ∈ X(M) (>>238), ω ∈ Ω^p(M) (>>315) に対して

L_Xdω = dL_X(ω)

証明
p に関する帰納法。
p = 0 のとき、>>307より、L_Xdω(Y) = Xdω(Y) - dω([X, Y])
この右辺 = XY(ω) - [X, Y]ω = YXω = dL_X(ω)(Y)
よって、 p = 0 のときは L_Xdω = dL_X(ω) が成り立つ。

任意の ω ∈ Ω^p(M) に対して L_Xdω = dL_X(ω) が成り立つとする。
>>351より、
X, Y ∈ X(M) (>>238), ω ∈ Ω^(p+1)(M) (>>315) に対して
d(L_X)i(Y)ω - (L_X)di(Y)ω = i(Y)(L_Xdω - dL_X(ω))

i(Y)ω ∈ Ω^p(M) であるから仮定よりこの左辺は 0 である。
よって、
i(Y)(L_Xdω - dL_X(ω)) = 0

>>350より、L_Xdω - dL_X(ω) = 0
証明終

353 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/22(日) 14:10:37
命題
M を n 次元多様体とする。
D を Ω^*(M) (>>315) の次数 0 の微分(>>316)で外微分 d と可換とする。

このとき X ∈ X(M) (>>238) があり D = L_X となる。

証明
D は次数 0 の微分であるから C^∞(M) の微分を引き起こす。
>>244より、X ∈ X(M) (>>238) があり、任意の f ∈ C^∞(M) に対して
Df = Xf となる。
E = D - L_X とおく。
E は Ω^*(M) (>>315) の次数 0 の微分で、任意の f ∈ C^∞(M) に対して
Ef = 0 である。

>>319より、任意の ω ∈ Ω^1(M) に対して Eω = 0 を示せばよい。
p を M の任意の点とする。
U を p ∈ U となる M の座標近傍で (x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。
ω は U 上で ω = Σh_idx_i と書ける。
ここで h_i ∈ C^∞(U), i = 1, ..., n である。
>>239より、f_i, g_i ∈ C^∞(M), i = 1, ..., n があり、
p のある開近傍 V 上で h_i = f_i, x_i = g_i, i = 1, ..., n となるものがある。
θ = Σf_idg_i とおく。
U 上で ω = θ である。
>>271より、U 上で Eω = Eθ である。
一方、
E(dg_i) = dE(g_i) = 0 より、
Eθ = ΣE(f_idg_i) = Σ(E(f_i)dg_i + f_iE(dg_i))
= Σ(E(f_i)dg_i + f_idE(g_i)) = 0

よって、U 上で Eω = 0 である。
p は M の任意の点であるかるから M 上で Eω = 0 である。
証明終

354 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/22(日) 14:37:54
Lie微分(>>311) L_X を代数的に定義したが、これを幾何的に定義することも
出来る。
このため多様体上の流れ(flow)および局所流れ(local flow)の概念が必要になる。


355 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/22(日) 14:48:08
定義
M を n 次元多様体とする。
R を実数体とする。
ψ: R×M → M を C^r 級(r ≧ 0)の写像とする。
ψ が以下の条件を満たすとき ψ を M 上の C^r 級の流れ(flow)と呼ぶ。

任意の p ∈ M と任意の s, t ∈ R に対して

1) ψ(0, p) = p
2) ψ(s, ψ(t, p)) = ψ(s + t, p)

356 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/22(日) 14:49:06
特に断らない限り、多様体上の流れ(>>355)は C^∞ 級とする。


357 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/22(日) 15:06:08
M を n 次元多様体とする。
ψ: R×M → M を C^r 級(r ≧ 0)の流れ(>>355)とする。
t ∈ R に対して写像 p → ψ(t, p) を ψ_t と書く。

(t, p) ∈ R×M に対して
ψ(-t, ψ(t, p)) = ψ(0, p) = p
よって、ψ_(-t)ψ_t = 1 である。

同様に ψ(t, ψ(-t, p)) = ψ(0, p) = p
よって、ψ_tψ_(-t) = 1 である。

即ち、ψ_t は M の C^r 級変換であり、その逆写像は ψ_(-t) である。

ψ_(t+s) = ψ_tψ_s であるから
写像 t → ψ_t は R の加法群から M の C^r 級変換全体のなす群への準同型である。

358 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/22(日) 16:56:45
M を n 次元多様体とする。
M 上に仮想的な流体があるとする。
この流体の流れは時刻の変化によってその速さを変えないとする(これを定常流という)。

p を M の点とする。
時刻 0 において p ∈ M にあった粒子が時刻 t において ψ(t, p) ∈ M に
移動したとする。
写像 (t, p) → ψ(t, p) は M 上の流れ(>>355)を定めるであろう。
これが、「流れ」という名前の由来である。

359 :132人目の素数さん:2009/11/22(日) 17:10:28
松嶋れいなのお勧め作品を教えてください

360 :132人目の素数さん:2009/11/22(日) 22:27:14
スレ違い
アホは一つ覚えで困る

361 :132人目の素数さん:2009/11/23(月) 00:08:45
>>360 kumer乙

362 :132人目の素数さん:2009/11/23(月) 04:45:24
M を n 次元多様体とする。
ψ: R×M → M を C^r 級(r ≧ 1)の流れ(>>355)とする。
p を M の点とする。
X_p ∈ T_p(M) を X_p(f) = (df(ψ(t, p))/dt)(0) により定義する。
ここで、T_p(M) は p における M の接空間であり、
f は p のある開近傍における C^∞級の実数値関数である。

U を p ∈ U となる M の座標近傍で (x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。
ψ は連続で ψ(0, p) = p であるから ε > 0 と p ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり
ψ((-ε, ε)×V) ⊂ U となる。

(-ε, ε)×V から R への写像 ψ_i, i = 1, ..., n を
ψ_i(t, q) = x_iψ(t, q)
により定義する。

q ∈ V のとき、X_q(x_i) = (dψ_i(t, q)/dt)(0)である。

ψ_i は C^r 級であるから (dψ_i(t, q)/dt)(0) は q の関数として C^(r-1) 級である。
よって、X は C^(r-1) 級のベクトル場である。

X を流れ ψ の無限小変換(infinitesimal transformation)と呼ぶ。

363 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/23(月) 04:46:39
M を n 次元多様体とする。
ψ: R×M → M を C^r 級(r ≧ 1)の流れ(>>355)とする。
p を M の点とする。
X_p ∈ T_p(M) を X_p(f) = (df(ψ(t, p))/dt)(0) により定義する。
ここで、T_p(M) は p における M の接空間であり、
f は p のある開近傍における C^∞級の実数値関数である。

U を p ∈ U となる M の座標近傍で (x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。
ψ は連続で ψ(0, p) = p であるから ε > 0 と p ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり
ψ((-ε, ε)×V) ⊂ U となる。

(-ε, ε)×V から R への写像 ψ_i, i = 1, ..., n を
ψ_i(t, q) = x_iψ(t, q)
により定義する。

q ∈ V のとき、X_q(x_i) = (dψ_i(t, q)/dt)(0)である。

ψ_i は C^r 級であるから (dψ_i(t, q)/dt)(0) は q の関数として C^(r-1) 級である。
よって、X は C^(r-1) 級のベクトル場である。

X を流れ ψ の無限小変換(infinitesimal transformation)と呼ぶ。

364 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/23(月) 06:11:24
定義
M を n 次元多様体とする。
U を M の開集合とし ε > 0 を実数とする。
I_ε = (-ε, ε) とおく。

ψ: (I_ε)×U → M を C^r 級(r ≧ 1)の写像とする。
t ∈ I_ε に対して写像 p → ψ(t, p) を ψ_t と書く。

ψ が以下の条件を満たすとき、組 (U, ε, ψ) を局所流れ(local flow)という。

1) 任意の t ∈ I_ε に対して ψ_t(U) は M の開集合であり、
ψ_t は U から ψ_t(U) への C^r 級の微分同型である。

2) 任意の p ∈ U に対して ψ(0, p) = p

3) s, t, s + t ∈ I_ε かつ p ∈ U, ψ(t, p) ∈ U のとき
ψ(s, ψ(t, p)) = ψ(s + t, p)

365 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/23(月) 06:12:29
特に断らない限り、多様体上の局所流れ(>>364)は C^∞ 級とする。


366 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/23(月) 06:19:07
M を n 次元多様体とする。
(U, ε, ψ) をC^r 級(r ≧ 1)の局所流れ(>>364)とする。
>>362と同様にして U 上の C^(r-1) 級のベクトル場 X が定義される。


367 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/23(月) 10:08:08
M を n 次元多様体とする。
I = (a, b) を R の開区間とする。
ψ: I → M を C^r 級(r ≧ 1)の写像とする。
t_0 ∈ I のとき ψ(t_0) の近傍の C^∞ 級の実数値関数 f に
(d(fψ)/dt)(t_0) を対応させる写像は ψ(t_0) における M の接ベクトルである。
この接ベクトルを ψ’(t_0) と書く。

368 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/23(月) 10:22:18
定義
M を n 次元多様体とする。
X を M 上のベクトル場とする。
I = (a, b) を R の開区間とする。
ψ: I → M を C^r 級(r ≧ 1)の写像とする。
I の各点 t で X_ψ(t) = ψ’(t) (>>367) となるとき ψ を X の積分曲線と呼ぶ。

369 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/23(月) 10:48:33
M を n 次元多様体とする。
X を M 上のベクトル場とする。

I = (a, b) を R の開区間とする。
ψ: I → M を C^r 級(r ≧ 1)の写像で
ψ(I) は M の座標近傍 U に含まれるとする。
(x_1, ..., x_n) をその局所座標とする。

U 上で X = Σξ_i(∂/∂x_i) と書ける。

x_iψ = ψ_i, i = 1, ..., n とおく。

ψ’(t)(x_i) = d(ψ_i)/dt である。
よって、
ψ’(t) = Σ(d(ψ_i)/dt)(∂/∂x_i)(ψ(t))

よって、ψ が X の積分曲線であるためには

d(ψ_i)/dt = ξ_i(ψ(t)), i = 1, ..., n

となることが必要十分である。

370 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/24(火) 14:07:16
M を n 次元多様体とする。
ψ: R×M → M を M 上の流れ(>>355, >>356)とする。
X を ψ の無限小変換(>>362)とする。
p を M の任意の点とする。
t → ψ(t, p) は X の積分曲線(>>368)である。

>>369より X の積分曲線は、局所的には
微分方程式 d(ψ_i)/dt = ξ_i(ψ(t)), i = 1, ..., n
の解である。

よって、この微分方程式の解により、X から ψ が局所的に求まるのではないか
という推定が成り立つ。
この推定を確かめるため、微分方程式 d(ψ_i)/dt = ξ_i(ψ(t)), i = 1, ..., n
の解とその一意性について延べる。
我々は見通しの良さからBanach空間における微分方程式の問題としてこれを扱うことにする。

371 :132人目の素数さん:2009/11/26(木) 18:50:55
500 :132人目の素数さん:2009/02/15(日) 14:23:50


「猿」は結果がすぐに出ないのが嫌いである。
「猿」は与えられた物しか手に入れられない。
「猿」は待って、3分間である。
「猿」自分では努力しないが、それでいて結果だけは欲しがる。
「猿」は知識が好きである。
「猿」は「考える」事がない。考えていると思い込んでいるだけである。
「猿」はどこからどこまでも、物事を深くは考えない。
「猿」は数学が自分が「偉いと思える道具」だと思っている。
「猿」はこむずかしい「言葉」が好きである。
「猿」は想像力がない。
「猿」は文句しか言わない。

ああ、猿よ、猿よ、全ての何気ない「手触り」に
全ての謎の答えがある。

ああ、猿よ、猿よ、

君はどんな真理にも近ずく事はあるまい。



372 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/28(土) 01:12:44
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
t_0 ∈ R, a > 0 とし、I = {t ∈ R; |t - t_0| ≦ a} とおく。
x_0 ∈ E, b > 0 とし、B = {x ∈ E; |x - x_0| ≦ b} とおく。

f: I×B → E を次の性質を満たす連続写像とする。

1) M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×B に対して
|f(t, x)| ≦ M

2) K > 0 があり、任意の t ∈ I と 任意の x, y ∈ B に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ K|x - y|

このとき
C^1級写像 x: J → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) x(J) ⊂ B
b) x(t_0) = x_0
c) dx/dt = f(t, x)

ここで、J = {t ∈ R; |t - t_0| ≦ h} であり、
h は 0 < h < min(a, b/M, 1/K) となる任意の実数である。

証明
C(J, E) を J から E への連続関数全体のなす線型空間とする。
C(J, E) の元 x に対して |x| = sup{|x(t)|; t ∈ J} と定義する。
過去スレ009の668より、C(J, E) は K 上のBanach空間となる。
D = {x ∈ C(J, E); |x - x_0| ≦ Mh} とおく。
D は C(J, E) の閉集合であるから完備である。

(続く)

373 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/28(土) 01:13:25
>>372の続き

x ∈ D に対して t ∈ J のとき
T(x)(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds とおく。

Mh ≦ b であるから ∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds は意味をもつ。
|T(x)(t) - x_0| ≦ |∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds| ≦ M|t - t_0| ≦ Mh
よって、
|T(x) - x_0| ≦ Mh
よって、T(x) ∈ D である。

x, y ∈ D のとき
|T(x)(t) - T(y)(t)| = |∫[t_0, t] (f(s, x(s)) - f(s, y(s))) ds|
≦ K |t - t_0| |x - y| ≦ Kh|x - y|

よって、
|T(x) - T(y)| ≦ Kh|x - y|

Kh < 1 であるから縮小写像の不動点定理(>>41)より T(x) = x となる x が
一意に存在する。

この x が a), b), c) を満たすことは明らかである。
逆に y(t) が a), b), c) を満たせば

y(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, y(s)) ds であるから
T(y) = y となり x = y である。
証明終

374 ::2009/11/28(土) 01:52:53
まだやってたのかいくんまーくん

375 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/28(土) 02:11:22
>>372は次のようにパラメータ μ をもつ微分方程式に簡単に拡張される。


376 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/28(土) 02:16:01
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
F を K 上の有限次元ノルム空間とする。
t_0 ∈ R, a > 0 とし、I = {t ∈ R; |t - t_0| ≦ a} とおく。
x_0 ∈ E, b > 0 とし、B = {x ∈ E; |x - x_0| ≦ b} とおく。
μ_0 ∈ F, c > 0 とし、C = {μ ∈ F; |μ - μ_0| ≦ c} とおく。

f: I×B×C → E を次の性質を満たす連続写像とする。

1) M > 0 があり、任意の (t, x, μ) ∈ I×B×C に対して
|f(t, x, μ)| ≦ M

2) K > 0 があり、任意の t ∈ I と 任意の x, y ∈ B と 任意の μ ∈ C
に対して |f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ K|x - y|

このとき C^1級写像 x: J×C → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) x(J×C) ⊂ B
b) 任意の μ ∈ C に対して x(t_0, μ) = x_0
c) ∂x/∂t = f(t, x, μ)

ここで、J = {t ∈ R; |t - t_0| ≦ h} であり、
h は 0 < h < min(a, b/M, 1/K) となる任意の実数である。

証明
C(J×C, E) を J×C から E への連続関数全体のなす線型空間とする。
C(J×C, E) の元 x に対して |x| = sup{|x(t, μ)|; (t, μ) ∈ J×C} と定義する。
J×C はコンパクトであるから過去スレ009の668より、
C(J×C, E) は K 上のBanach空間となる。

(続く)

377 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/28(土) 02:21:04
>>376の続き

D = {x ∈ C(J×C, E); |x - x_0| ≦ Mh} とおく。
D は C(J×C, E) の閉集合であるから完備である。
x ∈ D に対して (t, μ) ∈ J×C のとき
T(x)(t, μ) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x(s, μ), μ) ds とおく。

Mh ≦ b であるから ∫[t_0, t] f(s, x(s, μ), μ) ds は意味をもつ。
|T(x)(t, μ) - x_0| ≦ |∫[t_0, t] f(s, x(s, μ), μ) ds| ≦ M|t - t_0| ≦ Mh
よって、
|T(x) - x_0| ≦ Mh
よって、T(x) ∈ D である。

x, y ∈ D のとき
|T(x)(t, μ) - T(y)(t, μ)|
= |∫[t_0, t] (f(s, x(s, μ), μ) - f(s, y(s, μ), μ)) ds|
≦ K |t - t_0| |x - y| ≦ Kh|x - y|

よって、
|T(x) - T(y)| ≦ Kh|x - y|

Kh < 1 であるから縮小写像の不動点定理(>>41)より T(x) = x となる x が
一意に存在する。

この x が a), b), c) を満たすことは明らかである。
逆に y: J×C → E が a), b), c) を満たせば

y(t, μ) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, y(s, μ), μ) ds であるから
T(y) = y となり x = y である。
証明終

378 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/28(土) 02:23:36
>>376
>このとき C^1級写像 x: J×C → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

このとき t について連続微分可能な連続写像: x: J×C → E で次の条件を満たすものが
一意に存在する。

379 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/30(月) 12:13:43
>>372における条件 2) は実用上やや使いにくい。
この代わりに f が C^1級であることを仮定したらどうなるかを見よう。
そのために縮小写像の不動点定理(>>41)に関連する補題を用意する。


380 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/30(月) 12:26:37
次の補題は Advanced calculus by Loomis and Sternberg から拝借した。
この本は internet から無料でダウンロード出来る。
"Shlomo Sternberg" を Google で検索して彼のサイトに行くとダウンロード出来る。

補題
X を完備距離空間とする。
p を X の点とし、r > 0 を実数とする。
D = {x ∈ X; d(x, p) ≦ r} とおく。
f: D → X を次の条件を満たす写像とする。

1) 0 < C < 1 となる実数 C があり、任意の x, y ∈ D に対して、
d(f(x), f(y)) ≦ C d(x, y) となる。

2) d(f(p), p) ≦ (1 - C)r

このとき、f(x) = x となる x ∈ D が一意に存在する。

証明
D は X の閉集合であるから完備である。
縮小写像の不動点定理(>>41)より、f(D) ⊂ D を示せばよい。

任意の x ∈ D に対して

d(f(x), p)
≦ d(f(x), f(p)) + d(f(p), p)
≦ C d(x, p) + (1 - C)r
≦ Cr + (1 - C)r = r

よって、 f(x) ∈ D
よって、f(D) ⊂ D
証明終

381 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/30(月) 13:20:40
補題(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
X を完備距離空間とする。
p を X の点とし、r > 0 を実数とする。
B = {x ∈ X; d(x, p) < r} とおく。
f: B → X を次の条件を満たす写像とする。

1) 0 < C < 1 となる実数 C があり、任意の x, y ∈ B に対して、
d(f(x), f(y)) ≦ C d(x, y) となる。

2) d(f(p), p) < (1 - C)r

このとき、f(x) = x となる x ∈ B が一意に存在する。

証明
最初に一意性を証明する。
f(x) = x, f(y) = y となる x, y ∈ B が存在したとする。
2) より、d(f(p), p)/(1 - C) < r である。

a = max(d(x, p), d(y, p), d(f(p), p)/(1 - C)) とおく。
a < r であるから a < t < r となる t がとれる。
E = {z ∈ X; d(z, p) ≦ t} とおく。
x, y ∈ E である。

d(f(p), p)/(1 - C) < t であるから d(f(p), p) < (1 - C)t である。
よって、>>380を E に適用できて x = y である。

次に f(x) = x となる x ∈ B の存在を証明する。
d(f(p), p)/(1 - C) < s < r となる s をとる。
D = {z ∈ X; d(z, p) ≦ s} とおく。
d(f(p), p) < (1 - C)s であるから、>>380より f(x) = x となる x ∈ D がある。
D ⊂ B であるから x ∈ B である。
証明終

382 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/30(月) 14:44:42
補題(微分可能 → 局所Lipschitz)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間とし、F を K 上のBanach空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F をC^1級写像とする。
p を U の任意の点とする。

このとき δ > 0 と M > 0 があり
任意の x, y ∈ U(p, δ) に対して |f(x) - f(y)| ≦ M|x - y| なる。

ここで、U(p, δ) = {z ∈ E; |z - p| < δ}

証明
df は p で連続だから、δ > 0 があり
x ∈ U(p, δ) のとき |df(x) - df(p)| < 1/2
よって、|df(x)| < |df(p)| + 1/2
M = |df(p)| + 1/2 とおく。

U(p, δ) は凸開集合であるから、平均値の不等式(>>62)より本補題が得られる。
証明終

383 :132人目の素数さん:2009/11/30(月) 15:41:52
ゆかいはん?

384 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/11/30(月) 16:07:50
>>382
>補題(微分可能 → 局所Lipschitz)

補題(連続微分可能 → 局所Lipschitz)

385 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 17:25:59
補題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のノルム空間とし、G を K 上のBanach空間とする。
U を E の開集合とし V を F の開集合とする。
f: U×V → G を連続写像とする。
さらに U×V 上で連続な (d_2)f が存在するとする。
(a, p) を U×V の任意の点とする。

このとき
δ > 0 と M > 0 があり
任意の t ∈ U(a, δ) と x, y ∈ V(p, δ) に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ M|x - y| なる。

ここで、
U(a, δ) = {z ∈ E; |z - a| < δ}
V(p, δ) = {z ∈ F; |z - p| < δ}

証明
(d_2)f は (a, p) で連続だから、δ > 0 があり
(t, x) ∈ U(a, δ)×V(p, δ) のとき |(d_2)f(t, x) - (d_2)f(a, p)| < 1/2
よって、このとき |(d_2)f(t, x)| < |(d_2)f(a, p)| + 1/2

M = |(d_2)f(a, p)| + 1/2 とおく。

平均値の不等式(>>62)より
このとき、任意の t ∈ U(a, δ) と x, y ∈ V(p, δ) に対して、
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ M|y - x|
証明終

386 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 21:10:43
補題(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。
(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき U(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
C^1級写像 x: J → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。
ここで、U(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| < r} である。

a) x(J) ⊂ U(x_0, r)
b) x(t_0) = x_0
c) J の各点 t で dx/dt = f(t, x(t))

証明
>>385より、r > 0 と C > 0 があり
任意の t ∈ I(t_0, r) と任意の x, y ∈ U(x_0, r) に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。
ここで、I(t_0, r) = {t ∈ R; |t - t_0| < r}
U(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| < r}

f: I×U → E は連続写像であるから
(t_0, x_0) の R×E における近傍 W で W ⊂ I×U となるものがあり、
任意の (t, x) ∈ W に対して |f(t, x) - f(t_0, x_0)| ≦ 1 となる。
よって、M = |f(t_0, x_0)| + 1 とおけば
任意の (t, x) ∈ W に対して |f(t, x)| ≦ M となる。

I(t_0, r)×U(x_0, r) ⊂ W となるように r を十分小さくとることにより
任意の (t, x) ∈ I(t_0, r)×U(x_0, r) に対して |f(t, x)| ≦ M と仮定してよい。
(続く)

387 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 21:12:26
>>386の続き

0 < δ < min(r, 1/C, r/(M + Cr)) となる δ を選ぶ。
J = I(t_0, δ) とおく。
ここで、I(t_0, δ) = {t ∈ R; |t - t_0| < δ}
δ < r であるから J ⊂ I(t_0, r) である。

BC(J, E) を J から E への有界な連続写像全体のなすノルム空間とする。
過去スレ007の174より、BC(J, E) はBanach空間である。

B = {x ∈ BC(J, E); |x - x_0| < r} とおく。
ここで、x_0 は定数写像と見なしている。

x ∈ B に対して t ∈ J のとき
T(x)(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds とおく。

T(x) は J から E への連続写像である。

s ∈ J のとき |x(s) - x_0| ≦ |x - x_0| < r であるから
∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds は意味をもつことに注意する。

|T(x)(t) - x_0| ≦ |∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds| ≦ M|t - t_0| ≦ Mδ
よって、T(x) は BC(J, E) に属し、|T(x) - x_0| ≦ Mδ である。

t ∈ J, x, y ∈ B のとき
|T(x)(t) - T(y)(t)| = |∫[t_0, t] (f(s, x(s)) - f(s, y(s))) ds|
≦ C |t - t_0| |x - y| ≦ Cδ|x - y|

よって、|T(x) - T(y)| ≦ Cδ|x - y|
δ < min(r, 1/C, r/(M + Cr)) より、Cδ < 1 かつ Mδ < (1 - Cδ)r
よって、>>381より、T(x) = x となる x ∈ B が一意に存在する。
(続く)

388 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 21:13:31
>>387の続き

この x が本命題の条件を満たすことは明らかである。

逆に x: J → E が本命題の条件を満たすとする。
条件 b), c) より、任意の t ∈ J に対して、
x(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds である。

条件 a) より、
|x(t) - x_0| ≦ |∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds| ≦ M|t - t_0| ≦ Mδ

Mδ < (1 - Cδ)r < r であるから x ∈ B である。
よって、T(x) = x となり>>381より x の一意性が出る。
証明終

389 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 21:55:29
補題(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。
(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

J_1 と J_2 を t_0 を含む開区間で I に含まれるとする。

C^1級写像 g_i: J_i → E (i = 1, 2) を
各 i =1, 2 に対して

1) g_i(t_0) = x_0
2) J_i の各点 t で dg_i/dt = f(t, g_i(t))

となる写像とする。

このとき J = J_1 ∩ J_2 の各点 t で g_1(t) = g_2(t) となる。

証明
g_1(s) ≠ g_2(s) となる s ∈ J があるとして矛盾を導く。
s > t_0 として一般性を失わない。
C = {t ∈ J; t > t_0 かつ g_1(t) ≠ g_2(t)} とおく。
s ∈ C だから C は空でない。
t_1 = inf C とおく。
g_1 と g_2 は連続だから C は開集合である。
よって、x は C に含まれない。

(続く)

390 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 21:56:37
>>389の続き

g_1(t_1) ≠ g_2(t_1) と仮定する。
t_1 ≧ t_0 であるが t_1 ≠ t_0 であるから
t_1 > t_0 となって t_1 ∈ C である。
これは矛盾であるから g_1(t_1) = g_2(t_2) である。
x_1 = g_1(t_1) とおき、(t_1, x_1) に>>386を適用する。

U(x_1, r) ⊂ U となる r > 0 と t_1 を含む開区間 L ⊂ I があり、
C^1級写像 g: L → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。
ここで、U(x_1, r) = {x ∈ E; |x - x_1| < r} である。

a) g(L) ⊂ U(x_1, r)
b) g(t_1) = x_1
c) L の各点 t で dg/dt = f(t, g(t))

x_1 = g_1(t_1) = g_2(t_2) であるから L の幅を十分小さくすれば
g_1(L) ⊂ U(x_1, r) かつ g_2(L) ⊂ U(x_1, r) となる。

このとき、g_1 と g_2 は L 上で a), b), c) を満たすから
L 上で g = g_1 = g_2 である。
これは t_1 = inf C に矛盾である。
証明終

391 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 21:57:19
>>389
>よって、x は C に含まれない。

よって、t_1 は C に含まれない。


392 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 22:06:45
>>389の訂正

補題(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。
(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

J_1 と J_2 を t_0 を含む開区間で I に含まれるとする。

C^1級写像 g_i: J_i → E (i = 1, 2) を
各 i =1, 2 に対して

1) g_i(J_i) ⊂ U
) g_i(t_0) = x_0
3) J_i の各点 t で dg_i/dt = f(t, g_i(t))

となる写像とする。

このとき J = J_1 ∩ J_2 の各点 t で g_1(t) = g_2(t) となる。

証明
>>389, >>390と同じである。

393 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 22:08:35
命題(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。
(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
C^1級写像 g: J → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J) ⊂ U
a) g(t_0) = x_0
b) J の各点 t で dg/dt = f(t, g(t))

証明
g の存在は>>386による。
g の一意性は>>392による。

394 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 22:53:40
>>393の訂正

命題(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。
(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
C^1級写像 g: J → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J) ⊂ U
b) g(t_0) = x_0
c) J の各点 t で dg/dt = f(t, g(t))

証明
g の存在は>>386による。
g の一意性は>>392による。

395 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 22:58:34
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。

J を I に含まれる開区間(有限区間とは仮定しない)とする。

C^1級写像 g: J → E で次の条件をみたすものを
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解と呼び、J をその定義域と呼ぶ。

1) g(J) ⊂ U
2) J の各点 t で dg/dt = f(t, g(t))

396 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 23:04:33
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。

J_1 と J_2 を I に含まれる開区間で J_1 ⊂ J_2 とする。

g_1 と g_2 をそれぞれ J_1 と J_2 を定義域とする
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解(>>395)で
J_1 において g_1 = g_2 とする。

このとき g_2 を g_1 の延長とよぶ。

397 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 23:09:01
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。

J を I に含まれる開区間とする。
g を J を定義域とする微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解(>>395)とする。

g の延長(>>396)が g 以外に存在しないとき g を延長不能な解または極大解と呼ぶ。

398 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/01(火) 23:43:30
命題(極大解の存在と一意性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。
(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の極大解(>>397) h で
その定義域が t_0 を含み g(t_0) = x_0 となるものが一意に存在する。

証明
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解(>>395)でその定義域が t_0 を含むもの全体を
Ψ とおく。
>>386より Ψ は空でない。
g ∈ Ψ のとき g の定義域を dom(g) と書く。
J = ∪{dom(g); g ∈ Ψ} とおく。

任意の t ∈ J に対して t ∈ dom(g) となる g ∈ Ψ がある。
h(t) = g(t) とおく。
>>392より h(t) は g のとり方によらない。
h が極大解であることは明らかである。

h_1 を dx/dt = f(t, x(t)) の極大解で、その定義域が t_0 を含むものとする。
h_1 ∈ Ψ であるから dom(h_1) ⊂ J である。
>>392より dom(h_1) において h = h_1 である。
即ち h は h_1 の延長である。
h_1 は極大解であるから dom(h_1) = J となり h = h_1 である。
証明終

399 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 00:04:51
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。

h を dx/dt = f(t, x(t)) の極大解(>>397)とする。
g を dx/dt = f(t, x(t)) の解で、ある点 t_0 ∈ I で g(t_0) = h(t_0) とする。

このとき h は g の延長(>>396)である。

証明
h の定義域を J とし、g の定義域を L とする。
>>398の証明より L ⊂ J である。
>>392より L 上で h = g である。
即ち、h は g の延長である。
証明終

400 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 00:10:43
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。

g と h を微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の極大解(>>397)とする。
J と L をそれぞれ g と h の定義域とする。
ある点 t_0 ∈ J ∩ L で g(t_0) = h(t_0) とする。

このとき J = L であり、g = h である。


証明
>>399より明らかである。

401 :132人目の素数さん:2009/12/02(水) 00:11:37
お前です

402 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 09:32:23
常微分方程式論で重要な Gronwall の不等式について述べる。
なお英語版の Wikipedia の Gronwall's inequality の項にも証明が載っている。


403 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 11:21:36
補題(微分版の Gronwall の不等式)
I = [a, b) を実数体における区間とする(-∞ < a < b ≦ +∞)。
h と g を I で連続な実数値関数とする。
さらに h は区間 (a, b) で微分可能で
(a, b) の各点 t で h’(t) ≦ g(t)h(t) とする。

このとき、全ての t ∈ I に対して、
h(t) ≦ h(a)∫[a, t] g(s) ds

証明
各 t ∈ I に対して、f(t) = exp(∫[a, t] g(s) ds) とおく。
f(a) = 1 であり、全ての t ∈ I に対して、f(t) > 0 である。
さらに全ての t ∈ (a, b) に対して f’(t) = f(t)g(t) である。

よって、全ての t ∈ (a, b) に対して
(h/f)’= (h’f - f’h)/f^2 ≦ (ghf - fgh)/f^2 = 0

よって、全ての t ∈ I に対して、
h(t)/f(t) ≦ h(a)/f(a) = h(a)

即ち、全ての t ∈ I に対して、
h(t) ≦ h(a)∫[a, t] g(s) ds
証明終

404 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 11:29:29
補題(積分版の Gronwall の不等式)
I = [a, b) を実数体における区間とする(-∞ < a < b ≦ +∞)。
f と g を I で連続な実数値関数で
I の各点 t で g(t) ≧ 0 かつ
f(t) ≦ A + ∫[a, t] f(s)g(s) ds とする。

このとき、I の各点 t で
f(t) ≦ A∫[a, t] g(s) ds

証明
I の各点 t で
h(t) = A + ∫[a, t] f(s)g(s) ds とおく。

I の各点 t で f(t) ≦ h(t) かつ g(t) ≧ 0 であるから
各点 t ∈ (a, b) において、
h’(t) = f(t)g(t) ≦ h(t)g(t)

>>403より、I の各点 t で
h(t) ≦ A∫[a, t] g(s) ds

I の各点 t で f(t) ≦ h(t) であるから
f(t) ≦ A∫[a, t] g(s) ds
証明終

405 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 11:56:18
>>403の修正

補題(微分版の Gronwall の不等式)
I = [a, b) を実数体における区間とする(-∞ < a < b ≦ +∞)。
h と g を I で連続な実数値関数とする。
さらに h は区間 (a, b) で微分可能で
(a, b) の各点 t で h’(t) ≦ g(t)h(t) とする。

このとき、全ての t ∈ I に対して、
h(t) ≦ h(a)exp(∫[a, t] g(s) ds)

証明
各 t ∈ I に対して、f(t) = exp(∫[a, t] g(s) ds) とおく。
f(a) = 1 であり、全ての t ∈ I に対して、f(t) > 0 である。
さらに全ての t ∈ (a, b) に対して f’(t) = f(t)g(t) である。

よって、全ての t ∈ (a, b) に対して
(h/f)’= (h’f - f’h)/f^2 ≦ (ghf - fgh)/f^2 = 0

よって、全ての t ∈ I に対して、
h(t)/f(t) ≦ h(a)/f(a) = h(a)

即ち、全ての t ∈ I に対して、
h(t) ≦ h(a)exp(∫[a, t] g(s) ds)
証明終

406 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 11:59:30
>>404の修正

補題(積分版の Gronwall の不等式)
I = [a, b) を実数体における区間とする(-∞ < a < b ≦ +∞)。
f と g を I で連続な実数値関数で
I の各点 t で g(t) ≧ 0 かつ
f(t) ≦ A + ∫[a, t] f(s)g(s) ds とする。

このとき、I の各点 t で
f(t) ≦ A exp(∫[a, t] g(s) ds)

証明
I の各点 t で
h(t) = A + ∫[a, t] f(s)g(s) ds とおく。

I の各点 t で f(t) ≦ h(t) かつ g(t) ≧ 0 であるから
各点 t ∈ (a, b) において、
h’(t) = f(t)g(t) ≦ h(t)g(t)

>>405より、I の各点 t で
h(t) ≦ A exp(∫[a, t] g(s) ds)

I の各点 t で f(t) ≦ h(t) であるから
f(t) ≦ A exp(∫[a, t] g(s) ds)
証明終

407 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 13:49:45
>>406への補足
>f(t) ≦ A + ∫[a, t] f(s)g(s) ds とする。

A は定数である。


408 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 17:05:06
次の補題の証明は>>386のそれとほとんど同じである。

補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
t_0 ∈ R, a > 0 とし、I = {t ∈ R; |t - t_0| < a} とおく。
x_0 ∈ E, r > 0 とし、U = {x ∈ E; |x - x_0| < r} とおく。

f: I×U → E を次の性質を満たす写像とする。

1) M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して
|f(t, x)| ≦ M

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と 任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y|

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
C^1級写像 x: J → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) x(J) ⊂ U
b) x(t_0) = x_0
c) dx/dt = f(t, x(t))

証明
0 < δ < min(a, 1/C, r/(M + Cr)) となる δ を選ぶ。
J = {t ∈ R; |t - t_0| < δ} とおく。
δ < a であるから J ⊂ I である。

(続く)

409 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 17:06:13
>>408の続き

BC(J, E) を J から E への有界な連続写像全体のなすノルム空間とする。
過去スレ007の174より、BC(J, E) はBanach空間である。

B = {x ∈ BC(J, E); |x - x_0| < r} とおく。
ここで、x_0 は定数写像と見なしている。

x ∈ B に対して t ∈ J のとき
T(x)(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds とおく。

T(x) は J から E への連続写像である。

s ∈ J のとき |x(s) - x_0| ≦ |x - x_0| < r であるから
∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds は意味をもつことに注意する。

|T(x)(t) - x_0| ≦ |∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds| ≦ M|t - t_0| ≦ Mδ
よって、T(x) は BC(J, E) に属し、|T(x) - x_0| ≦ Mδ である。

t ∈ J, x, y ∈ B のとき
|T(x)(t) - T(y)(t)| = |∫[t_0, t] (f(s, x(s)) - f(s, y(s))) ds|
≦ C |t - t_0| |x - y| ≦ Cδ|x - y|

よって、|T(x) - T(y)| ≦ Cδ|x - y|
δ < min(a, 1/C, r/(M + Cr)) より、Cδ < 1 かつ Mδ < (1 - Cδ)r
よって、>>381より、T(x) = x となる x ∈ B が一意に存在する。

(続く)

410 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 17:06:55
>>409の続き

この x が本命題の条件を満たすことは明らかである。

逆に x: J → E が本命題の条件を満たすとする。
条件 b), c) より、任意の t ∈ J に対して、
x(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds である。

条件 a) より、
|x(t) - x_0| ≦ |∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds| ≦ M|t - t_0| ≦ Mδ

Mδ < (1 - Cδ)r < r であるから x ∈ B である。
よって、T(x) = x となり>>381より x の一意性が出る。
証明終

411 :132人目の素数さん:2009/12/02(水) 17:42:28
猿だな

412 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 17:49:47
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。
(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 y ∈ V に対して J から U への写像 t → g(t, y) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, y) = y となるものが
一意に存在する。

証明
>>386の証明より a > 0, r > 0, C > 0, M > 0 があり
I = {t ∈ R; |t - t_0| < a}
U = {x ∈ E; |x - x_0| < r}
とおくと、次の条件が満たされる。

1) 任意の (t, x) ∈ I×U に対して
|f(t, x)| ≦ M

2) 任意の t ∈ I と 任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y|

V = {x ∈ E; |x - x_0| < r/2} とおく。
y を V の任意の点とする。
U(y, r/2) = {x ∈ E; |x - y| < r/2} とおく。

U(y, r/2) ⊂ U であるから
任意の (t, z) ∈ I×U(y, r/2) に対して |f(t, z)| ≦ M
(続く)

413 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 17:51:27
>>412の続き

従って、>>408より、t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
C^1級写像 x: J → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) x(J) ⊂ U(y, r/2)
b) x(t_0) = y
c) dx/dt = f(t, x(t))

>>392より a) の条件は x(J) ⊂ U としてもよい。

>>408の証明より開区間 J の幅は定数 a, r, C, M のみで決まり、
y の選び方によらない。

各 t ∈ J に対して g(t, y) = x(t) とおけば
t → g(t, y) が求める写像である。
証明終

414 :132人目の素数さん:2009/12/02(水) 17:51:36
猿だった

415 :132人目の素数さん:2009/12/02(水) 18:23:52
既知の内容やってるんだから全ての証明がオリジナルなんて無理だし
それを目指すのも頭悪い

416 :132人目の素数さん:2009/12/02(水) 18:56:26
頭悪い

417 :猫は珍獣 ◆ghclfYsc82 :2009/12/02(水) 19:22:17
ほお、自己申告かいな。正直でエエな。




418 :132人目の素数さん:2009/12/02(水) 20:59:37
Kummerは彼の知識とか知力を見せびらかすためにやってるわけではない
これを誤解してる奴が多すぎ
つーかどうやったらそういう誤解ができるか不思議w
存在しない敵を作ってるアホが多いな


419 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 23:27:23
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。
(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

>>412より、x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 y ∈ V に対して J から U への写像 t → g(t, y) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, y) = y となるものが
一意に存在する。

このとき、定数 C > 0 があり、任意の t ∈ J と任意の x, y ∈ V に対して
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ exp(C|t - t_0|)|x - y|

証明
任意の t ∈ J と任意の x, y ∈ V に対して
∫[t_0, t] (dg/ds)(s, x) ds = g(t, x) - x
∫[t_0, t] (dg/ds)(s, y) ds = g(t, y) - y

一方、
(dg/ds)(s, x) = f(s, g(s, x))
(dg/ds)(s, y) = f(s, g(s, y))

よって、
g(t, x) - g(t, y) - (x - y) = ∫[t_0, t] (f(s, g(s, x)) - f(s, g(s, y))) ds

(続く)

420 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 23:28:04
>>419の続き

一方、>>412より、C > 0 があり
任意の t ∈ J と 任意の x, y ∈ V に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y|

よって、
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, x)) - f(s, g(s, y))| ds| + |x - y|
≦ C |∫[t_0, t] |g(s, x) - g(s, y)| ds| + |x - y|

積分版の Gronwall の不等式(>>406)を t の関数 |g(t, x) - g(t, y)| と
C に適用して、

t ≧ t_0 のとき
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ |x - y|exp(C(t - t_0))

t < t_0 のとき
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ C∫[t, t_0] |g(s, x) - g(s, y)| ds + |x - y|
であるから
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ |x - y|exp(C(t_0 - t))

よって、いづれの場合も
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ |x - y|exp(C|t - t_0|)
証明終

421 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/02(水) 23:57:50
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するとする。
ここで、(d_2)f は第2偏微分(過去スレ014の833)である。
(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

>>412より、x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 x ∈ V に対して J から U への写像 t → g(t, x) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, x) = x となるものが
一意に存在する。

このとき、J×V から U への写像 (t, x) → g(t, x) は連続である。

証明
>>419より、定数 C > 0 があり、任意の t ∈ J と任意の x, y ∈ V に対して
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ exp(C|t - t_0|)|x - y|

(t, x) ∈ J×V を任意に固定する。
t の関数 g(t, x) は連続であるから、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり
s ∈ J かつ |t - s| < δ であれば |g(t, x) - g(s, x)| < ε

よって、J = {s ∈ R; |s - t_0| < h} であるとき、
s ∈ J かつ |t - s| < δ
y ∈ V かつ |x - y| < ε/exp(Ch)
であれば
|g(t, x) - g(s, y)| ≦ |g(t, x) - g(s, x)| + |g(s, x) - g(s, y)|
< ε + exp(C|s - t_0|)|x - y| ≦ ε + exp(Ch)|x - y| < 2ε

よって、(t, x) → g(t, x) は連続である。
証明終

422 :132人目の素数さん:2009/12/03(木) 14:10:36
>418
Kummer 他人のふりして書き込むなよ

423 :132人目の素数さん:2009/12/03(木) 14:32:17
>418
Kummer 猿人のふりして書き込むなよ

424 :132人目の素数さん:2009/12/03(木) 14:44:11
猫が味方について大いに力づけられた
猫は百人力だからな
しかもだらだらしたのが大好き
なんか論文のドラフトみたいの分厚いの見せびらかしていた
でも


中味が


あああ


そこから先は言えません

425 :132人目の素数さん:2009/12/03(木) 16:05:15
あまりに行き当たりばったりの展開で
何をやっているのかわからんで
表現論は決着ついたのか
コンパクト作用素のスペクトル分解はやったのか
一般のハウスドルフ空間の上の積分論はどうなった
それより相互法則はどこへ行ったのだ

426 :132人目の素数さん:2009/12/03(木) 16:21:39
頭悪いことに価値を見出していたのは猫じゃなかったのか

427 :132人目の素数さん:2009/12/03(木) 16:45:43
+++++++++
*********
`````````
'''''''''
{{{{{{{{{
}}}}}}}}}
(((((((((
)))))))))
_________
~~~~~~~~~
|||||||||
^^^^^^^^^
"""""""""

428 :猫は珍獣 ◆ghclfYsc82 :2009/12/03(木) 17:34:22
>>426
いや、そうではありません。頭の良し悪しは重要ではない、
と主張しただけです。学歴が無意味なのと同じですよ。




429 :132人目の素数さん:2009/12/03(木) 19:06:29
学歴が無意味という主張が無意味だが
猫につきあうのはもっと無意味だ

430 :132人目の素数さん:2009/12/04(金) 02:39:29
>>359-362 wwww

431 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/04(金) 11:53:59
>>425
コンパクト群の表現の一般論は終わっています。
今は多様体およびLie群の一般論への準備です。
Lie群の一般論といってもあまり深入りしないつもりですが。

多様体論は代数的整数論との関係でいうと少なくともリーマン面の理論つまり
代数関数論に必要です。
虚数乗法論をやろうとすると代数関数論が必要になります。

432 :132人目の素数さん:2009/12/04(金) 14:07:57
>>430
アホか
別に名前を隠してるわけじゃない
本論と区別してるだけ
本論と関係ないコメントにIDを入れると後で検索するときの邪魔になるからだよ
そのくらい理解しろって

433 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/06(日) 14:41:44
f(t, x, μ) を (t, x, μ) の連続関数で x に関する偏微分 (d_2)f が連続とする。
このときパラメータ μ に関する微分方程式 dx/dt = f(t, x, μ) の解 g(t, μ)
が (t, μ) の連続関数であることを証明しよう。

434 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/06(日) 14:52:55
補題(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
X を完備距離空間とする。
f: X → X を次の条件 (*) を満たす写像とする。

(*) K を実数 0 < K < 1 とし、任意の x, y ∈ X に対して、
d(f(x), f(y)) ≦ K d(x, y) となる。

このとき、縮小写像の不動点定理(>>41)より、f(q) = q となる q ∈ X が一意に存在する。

p を X の点とし d(f(p), p) = d とする。
このとき、d(p. q) ≦ d/(1 - K) である。

証明
D = {x ∈ X; d(x, p) ≦ d/(1 - K)} とおく。

>>380 より q ∈ D である。
証明終

435 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/06(日) 15:02:31
補題(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
X を完備距離空間とする。
S を距離空間とする。
f: S×X → X を次の条件を満たす写像とする。

1) K を実数 0 < K < 1 とし、任意の s ∈ S と任意の x, y ∈ X に対して、
d(f(s, x), f(s, y)) ≦ K d(x, y) となる。

2) 任意の x ∈ X に対して s → f(s, x) は連続である。

このとき、任意の s ∈ S に対して f(s, p(s)) = p(s) となる p(s) ∈ X が
一意に存在し、s → p(s) は S から X への連続写像である。

証明
p(s) の存在と一意性は縮小写像の不動点定理(>>41)による。

t ∈ S を任意にとり固定する。
2) より、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
d(s, t) < δ なら d(f(s, p(t)), f(t, p(t))) < ε となる。

f(t, p(t)) = p(t) であるから d(f(s, p(t)), p(t)) < ε となる。
よって、>>434より d(p(s), p(t)) < ε/(1 - K) となる。

以上をまとめて d(s, t) < δ なら d(p(s), p(t)) < ε/(1 - K) となる。
即ち s → p(s) は連続である。
証明

436 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/06(日) 15:52:54
補題(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
X を完備距離空間とする。
S を距離空間とする。

p を X の点とし、r > 0 を実数とする。
B = {x ∈ X; d(x, p) < r} とおく。
f: S×B → X を次の条件を満たす写像とする。

1) C を実数 0 < C < 1 とし、任意の s ∈ S と任意の x, y ∈ B に対して、
d(f(s, x), f(s, y)) ≦ C d(x, y) となる。

2) 任意の x ∈ B に対して s → f(s, x) は連続である。

3) 任意の s ∈ S に対して d(f(s, p), p) < (1 - C)r

このとき、任意の s ∈ S に対して
f(s, p(s)) = p(s) となる p(s) ∈ B が一意に存在し、s → p(s) は
S から B への連続写像である。

証明
p(s) の存在と一意性は>>381による。
t ∈ S を任意にとり固定する。
2) より、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
d(s, t) < δ なら d(f(s, p(t)), f(t, p(t))) < ε となる。
f(t, p(t)) = p(t) であるから d(f(s, p(t)), p(t)) < ε となる。

D = {x ∈ X; d(x, p(t)) ≦ ε/(1 - C)} とおく。
ε を十分小さくとれば D ⊂ B となる。
>>380 より p(s) ∈ D である。
即ち、d(p(s), p(t)) ≦ ε/(1 - C) である。
よって、s → p(s) は連続である。
証明終

437 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/06(日) 21:37:02
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間とする。
T と X を位相空間とする。
BC(X, E) を X から E への有界な連続写像全体のなすノルム空間とする。
ここで、BC(X, E) の元 ψ のノルムは |ψ| = sup{ψ(x); x ∈ X} で与えられる。

f: T → BC(X, E) を連続写像とする。
g: T×X → E を g(t, x) = f(t)(x) により定義する。

このとき g は連続である。

証明
(t, x) を T×X の任意の点とする。
ε > 0 を任意の正数とする。

f は連続だから t の近傍 V があり、
s ∈ V なら |f(s) - f(t)| < ε となる。
よって、任意の z ∈ X に対して |f(s)(z) - f(t)(z)| ≦ ε となる。

f(t) ∈ BC(X, E) は連続写像だから
x の近傍 U があり任意の z ∈ U に対して |f(t)(z) - f(t)(x)| ≦ ε となる。

よって、(s, z) ∈ V×U のとき、
|f(s)(z) - f(t)(x)| ≦ |f(s)(z) - f(t)(z)| + |f(t)(z) - f(t)(x)| ≦ 2ε となる。

即ち、|g(s, z) - g(t, x)| ≦ 2ε となる。
よって、g は連続である。
証明終

438 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/06(日) 22:31:09
補題(>>386の拡張)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
F を K 上の有限次元ノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U×V 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x, μ) ∈ I×U×V に対して
|f(t, x, μ)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ C|x - y| となる。

3) f(t, x, μ) は μ に関して一様連続である。
即ち、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の (t, x) ∈ I×U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| < ε となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
x_0 ∈ U であるから U(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 がある。
ここで、U(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| < r} である。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり
連続写像 g: J×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J×V) ⊂ U(x_0, r)
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。
(続く)

439 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/06(日) 22:32:14
>>438の証明

I(t_0, a) ⊂ I となる a > 0 をとる。
ここで、I(t_0, a) = {t ∈ R; |t - t_0| < a} である。
I = R のときは a = +∞ とする。

0 < d < min(a, 1/C, r/(M + Cr)) となる d を選ぶ。
J = {t ∈ R; |t - t_0| < d} とおく。
d < a であるから J ⊂ I である。

BC(J, E) を J から E への有界な連続写像全体のなすノルム空間とする。
過去スレ007の174より、BC(J, E) はBanach空間である。

B = {h ∈ BC(J, E); |h - x_0| < r} とおく。
ここで、x_0 は定数写像と見なしている。

h ∈ B, μ ∈ V, t ∈ J に対して
s ∈ [t_0, t] のとき |h(s) - x_0| ≦ |h - x_0| < r であるから
h(s) ∈ U(x_0, r) となり f(s, h(s), μ) が意味をもつ。
よって、このとき、
T(h, μ)(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, h(s), μ) ds とおく。

t ∈ J, μ ∈ V, g, h ∈ B のとき
|T(g, μ)(t) - T(h, μ)(t)| = |∫[t_0, t] (f(s, g(s), μ) - f(s, h(s), μ)) ds|
≦ C |t - t_0| |g - h| ≦ Cd|g - h|

よって、|T(g, μ) - T(h, μ)| ≦ Cd|g - h|
d < 1/C であるから Cd < 1 である。

(続く)

440 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/06(日) 22:32:55
>>439の続き

3) より任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の h ∈ B に対して、
|T(h, μ) - T(h, ν)| = |∫[t_0, t] (f(s, h(s), μ) - f(s, h(s), ν)) ds|
≦ ε|t - t_0| = εd

よって、任意の h ∈ B に対して、μ → T(h, μ) は連続である。

1) より任意の (t, h, μ) ∈ J×B×V に対して、
|T(h, μ)(t) - x_0| = |∫[t_0, t] f(s, h(s), μ) ds|
≦ M|t - t_0| < Md < (1 - Cd)r

よって、任意の (h, μ) ∈ B×V に対して、
|T(h, μ) - x_0| < (1 - Cd)r

以上から T(h, μ) は>>436の条件 1), 2), 3) を満たす。
よって、任意の μ ∈ V に対して
T(h(μ), μ) = h(μ) となる h(μ) ∈ B が一意に存在し、μ → h(μ) は
V から B への連続写像である。

g: J×V → E を g(t, μ) = h(μ)(t) により定義する。
>>437より g は連続である。
明らかに g が求めるものである。
証明終

441 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/06(日) 23:12:07
>>438の訂正
>F を K 上の有限次元ノルム空間とする。

F を K 上のノルム空間とする。


442 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 02:40:40
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
x_0 ∈ U であるから U(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 がある。
ここで、U(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| < r} である。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり
連続写像 g: J → E で次の条件を満たすものが一意に存在する。

a) g(J) ⊂ U(x_0, r)
b) g(t_0) = x_0
c) 写像 t → g(t) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の J における解である。

証明
I(t_0, a) ⊂ I となる a > 0 をとる。
ここで、I(t_0, a) = {t ∈ R; |t - t_0| < a} である。
I = R のときは a = +∞ とする。

(続く)

443 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 02:42:59
>>442の続き

0 < d < min(a, 1/C, r/(M + Cr)) となる d を選ぶ。
J = {t ∈ R; |t - t_0| < d} とおく。
d < a であるから J ⊂ I である。

BC(J, E) を J から E への有界な連続写像全体のなすノルム空間とする。
過去スレ007の174より、BC(J, E) はBanach空間である。
B = {h ∈ BC(J, E); |h - x_0| < r} とおく。
ここで、x_0 は定数写像と見なしている。

h ∈ B, t ∈ J に対して
s ∈ [t_0, t] のとき |h(s) - x_0| ≦ |h - x_0| < r であるから
h(s) ∈ U(x_0, r) となり f(s, h(s)) が意味をもつ。
このとき、T(h)(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, h(s)) ds とおく。

2) より、t ∈ J かつ g, h ∈ B のとき
|T(g)(t) - T(h)(t)| = |∫[t_0, t] (f(s, g(s)) - f(s, h(s))) ds|
≦ C |t - t_0| |g - h| ≦ Cd|g - h|

よって、|T(g) - T(h)| ≦ Cd|g - h|
d < 1/C であるから Cd < 1 である。

1) より任意の (t, h) ∈ J×B に対して、
|T(h)(t) - x_0| = |∫[t_0, t] f(s, h(s), μ) ds|
≦ M|t - t_0| < Md < (1 - Cd)r
よって、任意の h ∈ B に対して、|T(h) - x_0| < (1 - Cd)r

以上から T(h) は>>381の条件 1), 2) を満たす。
よって、T(g) = g となる g ∈ B が一意に存在する。
明らかに g が求めるものである。
証明終

444 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 08:15:26
補題
X を完備距離空間とし、S を距離空間とする。
p を X の点とし、r > 0 を実数とする。
B = {x ∈ X; d(x, p) < r} とおく。
f: S×B → X を次の条件を満たす写像とする。

1) C を実数 0 < C < 1 とし、任意の s ∈ S と任意の x, y ∈ B に対して、
d(f(s, x), f(s, y)) ≦ C d(x, y) となる。

2) f(s, x) は s に関して一様連続である。
即ち、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
d(s, t) < δ なら任意の x ∈ B に対して
d(f(s, x), f(t, x)) < ε となる。

3) 任意の s ∈ S に対して d(f(s, p), p) < (1 - C)r

このとき、任意の s ∈ S に対して
f(s, p(s)) = p(s) となる p(s) ∈ B が一意に存在し、s → p(s) は
S から B への一様連続写像である。

証明
p(s) の存在と一意性は>>381による。
2) より、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
d(s, t) < δ なら d(f(s, p(t)), f(t, p(t))) < ε となる。
f(t, p(t)) = p(t) であるから d(f(s, p(t)), p(t)) < ε となる。

D = {x ∈ X; d(x, p(t)) ≦ ε/(1 - C)} とおく。
ε を十分小さくとれば D ⊂ B となる。
>>380 より p(s) ∈ D である。
即ち、d(p(s), p(t)) ≦ ε/(1 - C) である。
よって、s → p(s) は一様連続である。
証明終

445 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 08:30:41
補題(>>438の改良)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上の有限次元ノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U×V 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x, μ) ∈ I×U×V に対して
|f(t, x, μ)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ C|x - y| となる。

3) f(t, x, μ) は μ に関して一様連続である。
即ち、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の (t, x) ∈ I×U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| < ε となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
x_0 ∈ U であるから U(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 がある。
ここで、U(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| < r} である。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり
連続写像 g: J×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J×V) ⊂ U(x_0, r)
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。
d) g(t, μ) は μ に関して一様連続である。
(続く)

446 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 08:31:23
>>445の証明

a), b), c) を満たす連続写像 g : J×V → E の存在は>>438で証明されている。
>>438の証明と>>444より、>>440の μ → h(μ) は一様連続である。
即ち、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり
μ, ν ∈ V かつ |μ - ν| < δ なら |h(μ) - h(ν)| < ε
よって、任意の t ∈ J に対して |h(μ)(t) - h(ν)(t)| < ε
即ち、|g(t, μ) - g(t, ν)| < ε
よって、g は d) を満たす。
証明終

447 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 08:57:00
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
F を K 上の有限次元ノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U×V 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x, μ) ∈ I×U×V に対して
|f(t, x, μ)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ C|x - y| となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

J_1 と J_2 を t_0 を含む開区間で I に含まれるとする。

g_i: (J_i)×V → U (i = 1, 2) を
各 i =1, 2 に対して g_i は次の条件を満たすとする。

a) 任意の μ ∈ V に対して g_i(t_0, μ) = x_0
b) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g_i(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J_i における解である。

このとき、J = J_1 ∩ J_2 とおくと
任意の (t, μ) ∈ J×V に対して g_1(t, μ) = g_2(t, μ) となる。

(続く)

448 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 09:46:32
>>447の証明

g_1(s, ν) ≠ g_2(s, ν) となる (s, ν) ∈ J×V があるとして矛盾を導く。
s > t_0 として一般性を失わない。
C = {t ∈ J; t > t_0 かつ g_1(t, ν) ≠ g_2(t, ν)} とおく。
s ∈ C だから C は空でない。
t_1 = inf C とおく。
g_1 と g_2 は連続だから C は開集合である。
よって、t_1 は C に含まれない。

g_1(t_1, ν) ≠ g_2(t_1, ν) と仮定する。
g_1(t_0, ν) = g_2(t_0, ν) = x_0 であるから
t_1 ≠ t_0 である。
t_1 ≧ t_0 であるから t_1 > t_0 となって t_1 ∈ C である。
これは矛盾であるから g_1(t_1, ν) = g_2(t_2, ν) である。
x_1 = g_1(t_1, ν) とおき、写像 (t, x) → f(t, x, ν) と
(t_1, x_1) に>>442を適用する。

U(x_1, r) ⊂ U となる r > 0 と t_1 を含む開区間 L ⊂ J があり、
連続写像 g: L → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。
ここで、U(x_1, r) = {x ∈ E; |x - x_1| < r} である。

a) g(L) ⊂ U(x_1, r)
b) g(t_1) = x_1
c) 写像 t → g(t) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), ν) の L における解である。

x_1 = g_1(t_1, ν) = g_2(t_2, ν) であるから L の幅を十分小さくすれば
任意の t ∈ L に対して g_1(t, ν) ∈ U(x_1, r) かつ g_2(t, ν) ∈ U(x_1, r) となる。
このとき、写像 t → g_1(t, ν) と写像 t → g_2(t, ν) は
L 上で a), b), c) を満たすから L 上で g(t) = g_1(t, ν) = g_2(t, ν) である。
これは t_1 = inf C に矛盾である。
証明終

449 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 09:48:01
命題(>>445の改良)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上の有限次元ノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U×V 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x, μ) ∈ I×U×V に対して
|f(t, x, μ)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ C|x - y| となる。

3) f(t, x, μ) は μ に関して一様連続である。
即ち、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の (t, x) ∈ I×U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| < ε となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
x_0 ∈ U であるから U(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 がある。
ここで、U(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| < r} である。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり
連続写像 g: J×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J×V) ⊂ U
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。
d) g(t, μ) は μ に関して一様連続である。
(続く)

450 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 09:48:42
>>449の証明

g の存在は>>445による。
g の一意性は>>447による。


451 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 10:11:26
>>445の訂正
>E を K 上のBanach空間とし、F を K 上の有限次元ノルム空間とする。

E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。

452 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 10:12:09
>>447の訂正
>F を K 上の有限次元ノルム空間とする。

F を K 上のノルム空間とする。

453 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 10:12:50
>>449の訂正
>E を K 上のBanach空間とし、F を K 上の有限次元ノルム空間とする。

E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。

454 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 10:23:29
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
F を K 上のノルム空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

J_1 と J_2 を t_0 を含む開区間で I に含まれるとする。
各 i = 1, 2 に対して g_i: J_i → U は次の条件を満たすとする。

a) g_i(t_0) = x_0
b) g_i(t) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の J_i における解である。

このとき、J = J_1 ∩ J_2 とおくと
任意の t ∈ J に対して g_1(t) = g_2(t) となる。

証明
g_1(s) ≠ g_2(s) となる s ∈ J があるとして矛盾を導く。
s > t_0 として一般性を失わない。
C = {t ∈ J; t > t_0 かつ g_1(t) ≠ g_2(t)} とおく。
s ∈ C だから C は空でない。
t_1 = inf C とおく。

(続く)

455 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 10:24:11
>>454の続き

g_1 と g_2 は連続だから C は開集合である。
よって、t_1 は C に含まれない。

g_1(t_1) ≠ g_2(t_1) と仮定する。
g_1(t_0) = g_2(t_0) = x_0 であるから
t_1 ≠ t_0 である。
t_1 ≧ t_0 であるから t_1 > t_0 となって t_1 ∈ C である。
これは矛盾であるから g_1(t_1) = g_2(t_2) である。
x_1 = g_1(t_1) とおき、(t_1, x_1) に>>442を適用する。

U(x_1, r) ⊂ U となる r > 0 と t_1 を含む開区間 L ⊂ J があり、
連続写像 g: L → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。
ここで、U(x_1, r) = {x ∈ E; |x - x_1| < r} である。

a) g(L) ⊂ U(x_1, r)
b) g(t_1) = x_1
c) 写像 t → g(t) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の L における解である。

x_1 = g_1(t_1) = g_2(t_2) であるから L の幅を十分小さくすれば
任意の t ∈ L に対して g_1(t) ∈ U(x_1, r) かつ g_2(t) ∈ U(x_1, r) となる。
このとき、写像 t → g_1(t) と写像 t → g_2(t) は
L 上で a), b), c) を満たすから L 上で g(t) = g_1(t) = g_2(t) である。
これは t_1 = inf C に矛盾である。
証明終

456 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 11:04:51
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
x_0 ∈ U であるから U(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 がある。
ここで、U(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| < r} である。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり
連続写像 g: J → E で次の条件を満たすものが一意に存在する。

a) g(J) ⊂ U
b) g(t_0) = x_0
c) 写像 t → g(t) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の J における解である。

証明
g の存在は>>442による。
g の一意性は454による。

457 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 11:10:26
>>456
>x_0 ∈ U であるから U(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 がある。
>ここで、U(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| < r} である。

この2行は不要である。


458 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 11:20:54
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 y ∈ V に対して J から U への写像 t → g(t, y) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, y) = y となるものが
一意に存在する。

証明
x_0 ∈ U であるから U(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 がある。
ここで、U(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| < r} である。

V = {x ∈ E; |x - x_0| < r/2} とおく。
y を V の任意の点とする。
U(y, r/2) = {x ∈ E; |x - y| < r/2} とおく。

(続く)

459 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 13:50:00
>>458の続き

U(y, r/2) ⊂ U であるから
>>442より、t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
連続写像 h: J → E で次の条件を満たすものが一意に存在する。

a) h(J) ⊂ U(y, r/2)
b) h(t_0) = y
c) 写像 t → h(t) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の J における解である。

>>456より a) の条件は h(J) ⊂ U としてもよい。

>>442の証明より開区間 J の幅は定数 a, r/2, C, M のみで決まり、
y の選び方によらない。

各 t ∈ J に対して g(t, y) = h(t) とおけば
t → g(t, y) が求める写像である。
証明終

460 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 14:03:38
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

>>458より、x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 y ∈ V に対して J から U への写像 t → g(t, y) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, y) = y となるものが
一意に存在する。

このとき、定数 C > 0 があり、任意の t ∈ J と任意の x, y ∈ V に対して
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ exp(C|t - t_0|)|x - y|

証明
任意の t ∈ J と任意の x, y ∈ V に対して
∫[t_0, t] (dg/ds)(s, x) ds = g(t, x) - x
∫[t_0, t] (dg/ds)(s, y) ds = g(t, y) - y

一方、
(dg/ds)(s, x) = f(s, g(s, x))
(dg/ds)(s, y) = f(s, g(s, y))

(続く)

461 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 14:04:59
>>460の続き

よって、
g(t, x) - g(t, y) - (x - y) = ∫[t_0, t] (f(s, g(s, x)) - f(s, g(s, y))) ds

一方、2) より、C > 0 があり
任意の t ∈ J と 任意の x, y ∈ V に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y|

よって、
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, x)) - f(s, g(s, y))| ds| + |x - y|
≦ C |∫[t_0, t] |g(s, x) - g(s, y)| ds| + |x - y|

積分版の Gronwall の不等式(>>406)を t の関数 |g(t, x) - g(t, y)| と
C に適用して、

t ≧ t_0 のとき
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ |x - y|exp(C(t - t_0))

t < t_0 のとき
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ C∫[t, t_0] |g(s, x) - g(s, y)| ds + |x - y|
であるから
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ |x - y|exp(C(t_0 - t))

よって、いづれの場合も
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ |x - y|exp(C|t - t_0|)
証明終

462 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 14:13:21
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

>>458より、x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 x ∈ V に対して J から U への写像 t → g(t, x) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, x) = x となるものが
一意に存在する。

このとき、J×V から U への写像 (t, x) → g(t, x) は連続かつ
x に関して一様連続である。

証明
>>460より、任意の t ∈ J と任意の x, y ∈ V に対して
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ exp(C|t - t_0|)|x - y|

(t, x) ∈ J×V を任意に固定する。
t の関数 g(t, x) は連続であるから、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり
s ∈ J かつ |t - s| < δ であれば |g(t, x) - g(s, x)| < ε

(続く)

463 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 14:14:15
>>462の続き

よって、J = {s ∈ R; |s - t_0| < h} であるとき、
s ∈ J かつ |t - s| < δ
y ∈ V かつ |x - y| < ε/exp(Ch)
であれば
|g(t, x) - g(s, y)| ≦ |g(t, x) - g(s, x)| + |g(s, x) - g(s, y)|
< ε + exp(C|s - t_0|)|x - y| ≦ ε + exp(Ch)|x - y| < 2ε

よって、(t, x) → g(t, x) は連続である。

また、任意の t ∈ J と任意の x, y ∈ V に対して
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ exp(Ch)|x - y|

よって g(t, x) はx に関して一様連続である。
証明終

464 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/07(月) 14:15:49
>>460
>このとき、定数 C > 0 があり、任意の t ∈ J と任意の x, y ∈ V に対して
>|g(t, x) - g(t, y)| ≦ exp(C|t - t_0|)|x - y|

このとき、任意の t ∈ J と任意の x, y ∈ V に対して
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ exp(C|t - t_0|)|x - y|

465 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/08(火) 16:40:50
次の命題を証明しよう。
これはかなり難しいのでいくつかのステップに分けて証明する。

命題(正規型微分方程式の解の初期値に関する微分可能性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U 上で有界である。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

3) I×U の各点 (t, x) で (d_2)f(t, x) が存在し、I×U 上で一様連続である。
ここで、(d_2)f(t, x) は x に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

4) (d_2)f(t, x) は I×U 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して |(d_2)f(t, x)| ≦ M となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

>>458より、x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 x ∈ V に対して J から U への写像 t → g(t, x) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, x) = x となるものが
一意に存在する。

>>462より、J×V から U への写像 (t, x) → g(t, x) は連続かつ
x に関して一様連続である。

このとき、J×V の各点 (t, x) で (d_2)g(t, x) が存在し、
(d_2)g(t, x) は J×V 上で連続である。

466 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/08(火) 23:00:40
定義
E, F, G をそれぞれ実数体または複素数体上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし V を F の開集合とする。
f: U×V → G を写像とする。

任意の点 (t_0, x_0) ∈ U×V に対して
t_0 の開近傍 P ⊂ U と x_0 の開近傍 Q ⊂ V と、
定数 M > 0 があり、任意の t ∈ P と任意の x, y ∈ Q に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ M|x - y| となるとき、
写像 f(t, x) を x に関して局所的に一様にLipschitzであるという。

467 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/08(火) 23:09:04
命題(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)とする。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
C^1級写像 g: J → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J) ⊂ U
b) g(t_0) = x_0
c) J の各点 t で dg/dt = f(t, g(t))

証明
本命題は>>394の命題の I×U 上 で連続な (d_2)f が存在するという条件を
f が局所的に一様にLipschitzという条件に置き換えただけであり、
証明は>>394と同じである。

468 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/08(火) 23:12:30
次の定義は>>395に対応する。

定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)とする。

J を I に含まれる開区間(有限区間とは仮定しない)とする。

C^1級写像 g: J → E で次の条件をみたすものを
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解と呼び、J をその定義域と呼ぶ。

1) g(J) ⊂ U
2) J の各点 t で dg/dt = f(t, g(t))

469 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/08(火) 23:15:37
次の定義は>>396に対応する。

定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)とする。

J_1 と J_2 を I に含まれる開区間で J_1 ⊂ J_2 とする。

g_1 と g_2 をそれぞれ J_1 と J_2 を定義域とする
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解(>>468)で
J_1 において g_1 = g_2 とする。

このとき g_2 を g_1 の延長とよぶ。

470 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/09(水) 14:15:46
次の定義は>>397に対応する。

定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)とする。

J を I に含まれる開区間とする。
g を J を定義域とする微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解(>>395)とする。

g の延長(>>396)が g 以外に存在しないとき g を延長不能な解または極大解と呼ぶ。

471 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/09(水) 14:18:02
>>470の訂正

次の定義は>>397に対応する。

定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)とする。

J を I に含まれる開区間とする。
g を J を定義域とする微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解(>>468)とする。

g の延長(>>469)が g 以外に存在しないとき g を延長不能な解または極大解と呼ぶ。

472 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/09(水) 14:20:21
次の命題は>>398に対応する。

命題(極大解の存在と一意性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)とする。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の極大解(>>471) h で
その定義域が t_0 を含み g(t_0) = x_0 となるものが一意に存在する。

証明
>>398の証明と同様である。

473 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/09(水) 14:22:48
次の命題は>>399に対応する。

命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f(t, x): I×U → E を連続写像で
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)とする。

h を dx/dt = f(t, x(t)) の極大解(>>470)とする。
g を dx/dt = f(t, x(t)) の解で、ある点 t_0 ∈ I で g(t_0) = h(t_0) とする。

このとき h は g の延長(>>469)である。

証明
>>399と同様である。

474 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/09(水) 14:24:22
次の命題は>>400に対応する。

命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f(t, x): I×U → E を連続写像で
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)とする。

g と h を微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の極大解(>>471)とする。
J と L をそれぞれ g と h の定義域とする。
ある点 t_0 ∈ J ∩ L で g(t_0) = h(t_0) とする。

このとき J = L であり、g = h である。


証明
>>473より明らかである。

475 :132人目の素数さん:2009/12/09(水) 14:33:29
クンマさん、なにがしたいの?

476 :132人目の素数さん:2009/12/09(水) 15:17:53
>>475

>>465

477 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/09(水) 15:22:03
補題
>>381は C = 0 の場合も成り立つ。

証明
>>381の 1) より、任意の x, y ∈ B に対して、
d(f(x), f(y)) ≦ C d(x, y) = 0 となる。
よって、f(x) = f(y) となる。

>>381の 2) より、d(f(p), p) < (1 - C)r = r
よって、f(p) ∈ B である。
p ∈ B であるから f(f(p)) = f(p)
よって、x = f(p) とおけばよい。
証明終

478 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/09(水) 15:32:08
>>472の訂正

次の命題は>>398に対応する。

命題(極大解の存在と一意性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)とする。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の極大解(>>471) g で
その定義域が t_0 を含み g(t_0) = x_0 となるものが一意に存在する。

証明
>>398の証明と同様である。

479 :132人目の素数さん:2009/12/09(水) 18:15:12
なにしてんの?

480 :132人目の素数さん:2009/12/09(水) 18:32:17
 な に し て ん の ?

481 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/10(木) 14:24:55
>>442の改良

補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像で
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)とする。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
f は x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)であるから
t_0 ∈ L ⊂ I となる開区間 L と x_0 ∈ V ⊂ U となる開集合 V および、
定数 C > 0 があり、任意の t ∈ L と任意の x, y ∈ V に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

t → f(t, x_0) は連続だから L を十分小さくとって
sup{f(t, x_0); t ∈ L} = M は有限と仮定してよい。

L = {t ∈ R; |t - t_0| < a| と仮定する。
V = {x ∈ E; |x - x_0| < r| と仮定する。

0 < d < min(a, 1/C, r/(M + Cr)) となる d を任意に選ぶ。
J = {t ∈ R; |t - t_0| < d} とおく。

このとき写像 g: J → E で次の条件を満たすものが一意に存在する。

a) g(J) ⊂ V
b) g(t_0) = x_0
c) 写像 t → g(t) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の J における解(>>468)である。

(続く)

482 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/10(木) 14:25:57
>>481の証明

BC(J, E) を J から E への有界な連続写像全体のなすノルム空間とする。
過去スレ007の174より、BC(J, E) はBanach空間である。
B = {h ∈ BC(J, E); |h - x_0| < r} とおく。
ここで、x_0 は定数写像と見なしている。

h ∈ B, t ∈ J に対して
s ∈ [t_0, t] のとき |h(s) - x_0| ≦ |h - x_0| < r であるから
h(s) ∈ V となり f(s, h(s)) が意味をもつ。
このとき、T(h)(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, h(s)) ds とおく。

t ∈ J かつ g, h ∈ B のとき
|T(g)(t) - T(h)(t)| = |∫[t_0, t] (f(s, g(s)) - f(s, h(s))) ds|
≦ C |t - t_0| |g - h| ≦ Cd|g - h|

よって、|T(g) - T(h)| ≦ Cd|g - h|
d < 1/C であるから Cd < 1 である。

任意の t ∈ J に対して、
|T(x_0)(t) - x_0| = |∫[t_0, t] f(s, x_0) ds|
≦ M|t - t_0| < Md < (1 - Cd)r
よって、|T(x_0) - x_0| < (1 - Cd)r

以上から T(h) は>>381の条件 1), 2) を満たす。
よって、T(g) = g となる g ∈ B が一意に存在する。
明らかに g が求めるものである。
証明終

483 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/10(木) 19:20:56
補題(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、I を R の開区間とする。
h: I → R を連続写像で任意の t ∈ I に対して h(t) ≧ 0 とする。

f: I×E → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) 任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ E に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ h(t)|x - y|

このとき、任意の (t_0, x_0) ∈ I×E に対して
微分方程式 dg/dt = f(t, g(t)) の解 g で g(t_0) = x_0 となり
定義域が I となるものが一意に存在する。

証明
h(t) は連続であるから t_0 のある近傍で h(t) は有界である。
よって、条件 1) より f(t, x) は
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)である。

>>478より、微分方程式 dg/dt = f(t, g(t)) の極大解(>>471) g で
その定義域 J が t_0 を含み g(t_0) = x_0 となるものが一意に存在する。
J ≠ I と仮定して矛盾を導けばよい。
J = (a, b) とする。
b < t となる t ∈ I または t < a となる t ∈ I がある。
b < t となる t ∈ I があると仮定して一般性を失わない。
b を含む有限開区間 L = {t ∈ R; |t - b| < k} で L~ ⊂ I となるものがある。
ここで、L~ は L の閉包である。
L~ はコンパクトであるから C = sup{h(t); t ∈ L~} は有限である。
よって、条件 1) より
任意の t ∈ L と任意の x, y ∈ E に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y|
(続く)

484 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/10(木) 19:21:38
>>483の続き

δ = (1/2)min(k, 1/C) とおき、
t_1 ∈ L ∩ J かつ b - t_1 < δ となる t_1 をとる。
x_1 = g(t_1) とおく。
t → f(t, x_1) は連続だから M = sup{f(t, x_1); t ∈ L~} は有限である。

α = t_1 - b + k とおく。
t_1 < b だから α < k である。
b - t_1 < δ ≦ k/2 だから -k/2 < t_1 - b
よって、k/2 < α < k である。特に 0 < α< k である。
よって、S = {t ∈ R; |t - t_1| < α} は L に含まれる開区間である。
>>481を (t_1, x_1) と S ⊂ L に適用する。
>>481の V として E をとれるから r > 0 はいくらでも大きくとれる。
r → +∞ のとき r/(M + Cr) = 1/(M/r + C) → 1/C となる。
よって、r を十分大きくとれば δ = (1/2)min(k, 1/C) < min(α, 1/C, r/(M + Cr))
よって、T = {t ∈ R; |t - t_1| < δ} とおくと、
h: T → E で次の条件を満たすものが一意に存在する。

h) h(T) ⊂ V
b) h(t_1) = x_1
c) 写像 t → h(t) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の T における解(>>468)である。

よって、>>473より、g の定義域は T を含む。
よって、t_1 + δ ≦ b である。
これは b - t_1 < δ と矛盾する。
証明終

485 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/10(木) 19:42:49
命題(線型微分方程式の解の存在範囲)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、I を R の開区間とする。
a: I → L(E, E) と b: I → E を連続写像とする。
ここで L(E, E) は E から E への連続な線型写像全体である。

このとき、任意の (t_0, x_0) ∈ I×E に対して
微分方程式 dg/dt = a(t)g(t) + b(t) の解 g で g(t_0) = x_0 となり
定義域が I となるものが一意に存在する。

証明
f: I×E → E を f(t, x) = a(t)x + b(t) により定義する。
f は明らかに連続である。

任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ E に対して
|f(t, x) - f(t, y)| = |a(t)(x - y)| ≦ |a(t)||x - y|

よって f(t, x) に>>483が適用できる。
証明終

486 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/11(金) 13:17:31
>>438において解の定義域の幅は 0 < d < min(a, 1/C, r/(M + Cr)) であったが、
これはもっと改良できる。
この改良は線形常微分方程式の解の定義域を定めるときに重要である。

487 :132人目の素数さん:2009/12/11(金) 14:08:43
位相空間の問題です
実数R上で
U={ ( a,∞) (= { x∈R)|a<x} ) | a∈R } ∪ {0, R}

1、位相空間(R.U)において、集合(0,1)={ x∈R | 0<x<1} は開集合であるか?

2、位相空間(R.U)において、集合[0,1]={ x∈R | 0≦x≦1} は閉集合であるか?

3、また、( 0,1 ]の内部、閉包を求めよ

4、また、(-∞,0)の内部、閉包を求めよ

です、よろしくお願いしますmm

488 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/11(金) 17:56:25
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U×V 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x, μ) ∈ I×U×V に対して
|f(t, x, μ)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ C|x - y| となる。

3) f(t, x, μ) は μ に関して一様連続である。
即ち、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の (t, x) ∈ I×U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| < ε となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
I(t_0, a) ⊂ I となる a > 0 を任意にとる。
ここで、I(t_0, a) = {t ∈ R; |t - t_0| < a} である。

B(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 を任意にとる。
ここで、B(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| ≦ r} である。

(続く)

489 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/11(金) 17:57:29
>>488の続き

d = min(a, r/M) とおく。
J = {t ∈ R; |t - t_0| < d} とおく。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり
連続写像 g: J×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J×V) ⊂ B(x_0, r)
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

なお、a) の代わりに g(J×V) ⊂ U としてもよい。

証明
BC(J×V, E) を J から E への有界な連続写像全体のなすノルム空間とする。
過去スレ007の174より、BC(J, E) はBanach空間である。

x_0 を定値写像と見て x_0 ∈ BC(J×V, E) と見なす。

x_n ∈ BC(J×V, E), n = 0, 1, 2, ... を帰納的に
x_n(t, μ) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x_(n-1)(s, μ), μ) ds
で定義する。
この定義が意味をもつためには
任意の (t, μ) ∈ J×V に対して x_n(t, μ) ∈ U であることが必要である。

(続く)

490 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/11(金) 17:58:33
>>489の続き

x_n(t, μ) ∈ B(x_0, r), n = 0, 1, 2, ... を n に関する帰納法で証明しよう。
n = 0 のときは x_0 ∈ B(x_0, r) である。
n > 0 のとき x_(n-1)(t, μ) ∈ B(x_0, r) と仮定する。

|x_n(t, μ) - x_0| ≦ |∫[t_0, t] f(s, x_(n-1)(s, μ), μ) ds|
≦ M|t - t_0| < Md ≦ r

よって、x_n(t, μ) ∈ B(x_0, r)


次に各 x_n(t, μ) が J×V 上で一様連続であることを
n に関する帰納法で証明する。
x_(n-1)(s, μ) についてはこれが成り立つと仮定する。
特に、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の t ∈ J に対して
|x_(n-1)(t, μ) - x_(n-1)(t, ν)| < √ε

このとき、δ を十分小さくとり、3) より |μ - ν| < δ なら
任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| < √ε と仮定してよい。

(続く)

491 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/11(金) 17:59:27
>>490の続き

|x_n(t_1, μ) - x_n(t_2, ν)| ≦
|∫[t_0, t_1]f(s, x_(n-1)(s, μ), μ)ds - ∫[t_0, t_2]f(s, x_(n-1)(s, ν), ν) ds|
≦ |∫[t_1, t_2] |f(s, x_(n-1)(s, μ), μ) - f(s, x_(n-1)(s, ν), ν)| ds|

≦ |∫[t_1, t_2] |f(s, x_(n-1)(s, μ), μ) - f(s, x_(n-1)(s, μ), ν)| ds|
+ |∫[t_1, t_2] |f(s, x_(n-1)(s, μ), ν) - f(s, x_(n-1)(s, ν), ν)| ds|

≦ ε|∫[t_1, t_2] ds| + C|∫[t_1, t_2] |x_(n-1)(s, μ) - x_(n-1)(s, ν)| ds|
≦ √ε|t_1 - t_2| + C√ε|t_1 - t_2| = (C + 1)√ε|t_1 - t_2|

よって、|μ - ν| < δ かつ |t_1 - t_2| < √ε なら
|x_n(t_1, μ) - x_n(t_2, ν)| ≦ (C + 1)ε

よって、x_n(t, μ) は J×V 上で一様連続である。

次に |x_n(t, μ) - x_(n-1)(t, μ)| を上から評価する。

|x_n(t, μ) - x_(n-1)(t, μ)|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, x_(n-1)(s, μ), μ) - f(s, x_(n-2)(s, μ), μ)| ds|
≦ C|∫[t_0, t] |x_(n-1)(s, μ) - x_(n-2)(s, μ)| ds|

よって、|x_1(t, μ) - x_0| ≦ |∫[t_0, t] f(s, x_0, μ) ds| ≦ M|t - t_0|

|x_2(t, μ) - x_1(t, μ)|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, x_1(t, μ), μ) - f(s, x_0, μ)| ds|
≦ C|∫[t_0, t] |x_1(s, μ) - x_0)| ds|
≦ MC|∫[t_0, t] |s - t_0| ds|
≦ MC|t - t_0|^2/2

(続く)

492 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/11(金) 18:00:29
>>491の続き

一般に、
|x_n(t, μ) - x_(n-1)(t, μ)| ≦ MC^(n-1)|t - t_0|^n/n!
を n に関する帰納法で証明する。

1 ≦ k ≦ n - 1 のとき
|x_k(t, μ) - x_(k-1)(t, μ)| ≦ MC^(k-1)|t - t_0|^k/k!
と仮定する。

|x_n(t, μ) - x_(n-1)(t, μ)|
≦ C|∫[t_0, t] |x_(n-1)(s, μ) - x_(n-2)(s, μ)| ds|
≦ MC^(n-1)|∫[t_0, t] |s - t_0|^(n-1)/(n-1)! ds|
≦ MC^(n-1)|t - t_0|^n/n!

よって、任意の n ≧ 0 に対して、
|x_n(t, μ) - x_(n-1)(t, μ)| ≦ MC^(n-1)|t - t_0|^n/n!

次に、x_n(t, μ) が n → +∞ のとき J×V で一様に収束することを証明する。

x_n(t, μ) = x_0 + Σ[1, n](x_k(t, μ) - x_(k-1)(t, μ))

|x_0 + Σ[1, n](x_k(t, μ) - x_(k-1)(t, μ))|
≦ Σ[1, n]MC^(k-1)|t - t_0|^k/k!

一方、
Σ[1, +∞]MC^(k-1)|t - t_0|^k/k! = (M/C)(exp(C|t - t_0|) - 1)

よって、
級数 x_0 + Σ[1, +∞](x_k(t, μ) - x_(k-1)(t, μ)) は一様に絶対収束する。
この級数の値を x(t, μ) とおく。
(続く)

493 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/11(金) 18:01:20
>>492の続き

一様に lim x_n(t, μ) = x(t, μ) である。
各 x_n(t, μ) は J×V 上で(一様)連続であるから、
x(t, n) は J×V 上で連続である。

x_n(t, μ) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x_(n-1)(s, μ), μ) ds において、
n → +∞ としたときの両辺の極限をとると、

x(t, μ) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x(s, μ), μ) ds

よって、x(t, μ) は b) と c) を満たす。
B(x_0, r) は E の閉集合で x_n(t, μ) ∈ B(x_0, r) であったから
x(t, μ) ∈ B(x_0, r) となり、x(t, μ) は a) を満たす。

次に解の一意性を証明する。
>>447からも解の一意性は出るが、ここでは別の証明を行う。

g(t, μ) と h(t, μ) がそれぞれ b), c) を満たし、
g(J×V) ⊂ U かつ h(J×V) ⊂ U とする。

|g(t, μ) - h(t, μ)| = |∫[t_0, t] (f(s, g(t, μ), μ) - f(s, h(t, μ), μ)) ds|
≦ C|∫[t_0, t] |g(s, μ) - h(s, μ)| ds|

Gronwall の不等式(>>406)より、|g(t, μ) - h(t, μ)| = 0
よって、g(t, μ) = h(t, μ)
証明終

494 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/11(金) 18:39:24
>>489
>BC(J×V, E) を J から E への有界な連続写像全体のなすノルム空間とする。

BC(J×V, E) を J×V から E への有界な連続写像全体のなすノルム空間とする。


495 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/11(金) 18:42:18
>>489
>過去スレ007の174より、BC(J, E) はBanach空間である。

過去スレ007の174より、BC(J×V, E) はBanach空間である。


496 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/11(金) 21:08:54
>>490
>特に、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
>|μ - ν| < δ なら任意の t ∈ J に対して
>|x_(n-1)(t, μ) - x_(n-1)(t, ν)| < √ε
>
>このとき、δ を十分小さくとり、3) より |μ - ν| < δ なら
>任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| < √ε と仮定してよい。

特に、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の t ∈ J に対して
|x_(n-1)(t, μ) - x_(n-1)(t, ν)| < ε

このとき、δ を十分小さくとり、3) より |μ - ν| < δ なら
任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| < ε と仮定してよい。

497 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/11(金) 21:16:08
>>491の |x_n(t_1, μ) - x_n(t_2, ν)| の評価を次のように修正する。

|x_n(t_1, μ) - x_n(t_2, ν)| ≦
|∫[t_0, t_1]f(s, x_(n-1)(s, μ), μ)ds - ∫[t_0, t_2]f(s, x_(n-1)(s, ν), ν) ds|
≦ |∫[t_0, t_1]f(s, x_(n-1)(s, μ), μ)ds - ∫[t_0, t_1]f(s, x_(n-1)(s, ν), ν) ds|
+ |∫[t_1, t_2] |f(s, x_(n-1)(s, ν), ν)| ds|

≦ |∫[t_0, t_1] |f(s, x_(n-1)(s, μ), μ) - f(s, x_(n-1)(s, ν), ν)| ds|
+ |∫[t_1, t_2] |f(s, x_(n-1)(s, μ), ν)| ds|

≦ |∫[t_0, t_1] |f(s, x_(n-1)(s, μ), μ) - f(s, x_(n-1)(s, μ), ν)| ds|
+ |∫[t_0, t_1] |f(s, x_(n-1)(s, μ), ν) - f(s, x_(n-1)(s, ν), ν)| ds|
+ |∫[t_1, t_2] |f(s, x_(n-1)(s, ν), ν)| ds|

≦ ε|∫[t_0, t_1] ds| + C|∫[t_0, t_2] |x_(n-1)(s, μ) - x_(n-1)(s, ν)| ds|
+ M|∫[t_1, t_2] ds|

≦ ε|t_1 - t_0| + Cε|t_1 - t_0| + M|t_1 - t_2|
= (C + 1)ε|t_1 - t_0| + M|t_1 - t_2|
≦ (C + 1)dε + M|t_1 - t_2|

よって、|μ - ν| < δ かつ |t_1 - t_2| < ε なら
|x_n(t_1, μ) - x_n(t_2, ν)| < ((C + 1)d + M)ε

よって、x_n(t, μ) は J×V 上で一様連続である。

498 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/12(土) 14:44:57
>>488の別証を述べる。
こちらの方がわかりやすいかもしれない。
その前に次の命題を用意する。

499 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/12(土) 14:46:26
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して
|f(t, x)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
I(t_0, a) ⊂ I となる a > 0 を任意にとる。
ここで、I(t_0, a) = {t ∈ R; |t - t_0| < a} である。

B(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 を任意にとる。
ここで、B(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| ≦ r} である。

d = min(a, r/M) とおく。
J = {t ∈ R; |t - t_0| < d} とおく。
このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり
連続写像 g: J → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J) ⊂ B(x_0, r)
b) g(t_0) = x_0
c) g(t) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の J における解である。

なお、a) の代わりに g(J) ⊂ U としてもよい。
(続く)

500 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/12(土) 14:47:13
>>499の証明
>>488の証明と同様だが念のため一応述べる。

BC(J, E) を J から E への有界な連続写像全体のなすノルム空間とする。
過去スレ007の174より、BC(J, E) はBanach空間である。

x_0 を定値写像と見て x_0 ∈ BC(J, E) と見なす。

x_n ∈ BC(J, E), n = 0, 1, 2, ... を帰納的に
x_n(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x_(n-1)(s)) ds
で定義する。
この定義が意味をもつためには
任意の t ∈ J に対して x_n(t) ∈ U であることが必要である。

x_n(t) ∈ B(x_0, r), n = 0, 1, 2, ... を n に関する帰納法で証明しよう。
n = 0 のときは x_0 ∈ B(x_0, r) である。
n > 0 のとき x_(n-1)(t) ∈ B(x_0, r) と仮定する。

|x_n(t) - x_0| ≦ |∫[t_0, t] f(s, x_(n-1)(s)) ds|
≦ M|t - t_0| < Md ≦ r

よって、x_n(t) ∈ B(x_0, r)

次に各 x_n(t) が J 上で C^1級であることを
n に関する帰納法で証明する。
x_(n-1)(t) は J 上で C^1級であると仮定する。

x_n(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x_(n-1)(s)) ds より、
dx_n/dt = f(t, x_(n-1)(t))
よって、x_n(t) は J 上で C^1級である。

(続く)

501 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/12(土) 14:48:01
>>500の続き

次に |x_n(t) - x_(n-1)(t)| を上から評価する。

|x_n(t) - x_(n-1)(t)|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, x_(n-1)(s)) - f(s, x_(n-2)(s))| ds|
≦ C|∫[t_0, t] |x_(n-1)(s) - x_(n-2)(s)| ds|

よって、|x_1(t) - x_0| ≦ |∫[t_0, t] f(s, x_0) ds| ≦ M|t - t_0|

|x_2(t) - x_1(t)|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, x_1(t)) - f(s, x_0)| ds|
≦ C|∫[t_0, t] |x_1(s) - x_0)| ds|
≦ MC|∫[t_0, t] |s - t_0| ds|
≦ MC|t - t_0|^2/2

一般に、
|x_n(t) - x_(n-1)(t)| ≦ MC^(n-1)|t - t_0|^n/n!
を n に関する帰納法で証明する。

1 ≦ k ≦ n - 1 のとき
|x_k(t) - x_(k-1)(t)| ≦ MC^(k-1)|t - t_0|^k/k!
と仮定する。

|x_n(t) - x_(n-1)(t)|
≦ C|∫[t_0, t] |x_(n-1)(s) - x_(n-2)(s)| ds|
≦ MC^(n-1)|∫[t_0, t] |s - t_0|^(n-1)/(n-1)! ds|
≦ MC^(n-1)|t - t_0|^n/n!

よって、任意の n ≧ 0 に対して、
|x_n(t) - x_(n-1)(t)| ≦ MC^(n-1)|t - t_0|^n/n!
(続く)

502 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/12(土) 14:48:43
>>501の続き

次に、x_n(t) が n → +∞ のとき J で一様に収束することを証明する。

x_n(t) = x_0 + Σ[1, n](x_k(t) - x_(k-1)(t))

|x_0 + Σ[1, n](x_k(t) - x_(k-1)(t))|
≦ Σ[1, n]MC^(k-1)|t - t_0|^k/k!

一方、
Σ[1, +∞]MC^(k-1)|t - t_0|^k/k! = (M/C)(exp(C|t - t_0|) - 1)

よって、
級数 x_0 + Σ[1, +∞](x_k(t) - x_(k-1)(t)) は J において一様に絶対収束する。
この級数の値を x(t) とおく。

即ち、一様に lim x_n(t) = x(t) である。
各 x_n(t) は J 上で連続であるから、x(t) は J 上で連続である。

x_n(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x_(n-1)(s)) ds において、
n → +∞ としたときの両辺の極限をとる。
lim x_n(t) = x(t) は一様収束だから ∫ と lim の順序交換が出来て、

x(t) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds

よって、x(t) は b) と c) を満たす。
B(x_0, r) は E の閉集合で x_n(t) ∈ B(x_0, r) であったから
x(t) ∈ B(x_0, r) となり、x(t) は a) を満たす。

(続く)

503 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/12(土) 14:49:28
>>502の続き

次に解の一意性を証明する。
>>454から解の一意性は直ちに出るが、ここでは別の証明を行う。

g(t) と h(t) がそれぞれ b), c) を満たし、
g(J) ⊂ U かつ h(J) ⊂ U とする。

|g(t) - h(t)| = |∫[t_0, t] (f(s, g(t)) - f(s, h(t))) ds|
≦ C|∫[t_0, t] |g(s) - h(s)| ds|

Gronwall の不等式(>>406)より、|g(t) - h(t)| = 0
よって、g(t) = h(t)
証明終

504 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/12(土) 19:13:53
>>488の別証

任意の μ ∈ V に対して (t, x) → f(t, x, μ) は
>>499の条件 1) と 2) を満たす。
よって、>>499より、

@) h(J) ⊂ B(x_0, r)
A) h(t_0) = x_0

となる微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の解が一意に存在する。
h(J) ⊂ B(x_0, r) の代わりに h(J) ⊂ U としてもよい。

h(t) を g(t, μ) と書く。
g(t, μ) が J×V で連続なことを証明すればよい。
以下の証明でわかるように g(t, μ) は J×V で一様連続である。

dg(t, μ))/dt = f(t, g(t, μ), μ) および g(t_0, μ) = x_0 より、
g(t, μ) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, g(s, μ), μ) ds

一方、>>488の 1) より、f は I×U×V 上で有界であるから、
μ, ν ∈ V のとき、f(t, x, μ) - f(t, x, ν) は I×U 上で有界である。
よって、
ρ(μ, ν) = sup{|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)|; (t, x) ∈ I×U} < +∞ である。

(続く)

505 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/12(土) 19:14:41
>>504の続き

よって、
|g(t, μ) - g(t, ν)|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ), μ) - f(s, g(s, ν), ν)| ds|

≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ), μ) - f(s, g(s, μ), ν)| ds|
+ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ), ν) - f(s, g(s, ν), ν)| ds|

≦ ρ(μ, ν)|t - t_0| + C|∫[t_0, t] |g(s, μ) - g(s, ν)| ds| ← 式 (A)

@) より、(s, μ) ∈ J×V のとき |g(s, μ) - x_0| ≦ r であるから

任意の s ∈ J と任意の μ, ν ∈ V に対して
|g(s, μ) - g(s, ν)| ≦ 2r

よって、
|g(t, μ) - g(t, ν)| ≦ 2rC|t - t_0| + ρ(μ, ν)|t - t_0|

これを式 (A) に代入すると
|g(t, μ) - g(t, ν)|
≦ 2rC^2|t - t_0|^2/2 + ρ(μ, ν)(|t - t_0| + C|t - t_0|^2/2)

これを繰り返すと(n に関する数学的帰納法により)
|g(t, μ) - g(t, ν)|
≦ 2rC^n|t - t_0|^n/n! + ρ(μ, ν)(Σ[1, n] C^(k-1)|t - t_0|^k/k!)

右辺の n → +∞ とすると |t - t_0|^n/n! → 0 に注意して、
|g(t, μ) - g(t, ν)| ≦ (1/C)ρ(μ, ν)(exp(C|t - t_0|) - 1)
≦ (1/C)ρ(μ, ν)(exp(Cd - 1)

(続く)

506 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/12(土) 19:15:26
>>505の続き

一方、g(t, μ) = x_0 + ∫[t_0, t] f(s, g(s, μ), μ) ds より、

|g(t, ν) - g(s, ν)|
= |∫[t_0, t] f(s, g(s, ν), ν) ds - ∫[t_0, s] f(s, g(s, ν), ν) ds|
= |∫[s, t] f(s, g(s, ν), ν) ds|
≦ M|t - s|

よって、
|g(t, μ) - g(s, ν)| ≦ |g(t, μ) - g(t, ν)| + |g(t, ν) - g(s, ν)|
≦ (1/C)ρ(μ, ν)(exp(Cd - 1) + M|t - s|

>>488の 3) より、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら ρ(μ, ν) ≦ ε となる。

よって、g(t, μ) は J×V で一様連続である。
証明終

507 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/13(日) 09:17:35
命題(線型常微分方程式の解のパラメータに関する連続性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
V を F の開集合とする。

a(t, μ): I×V → L(E, E) と b(t, μ): I×V → E を連続写像とする。
ここで L(E, E) は E から E への連続な線型写像全体である。
a(t, μ) と b(t, μ) は次の条件を満たすとする。

1) a(t, μ) は I×V 上で有界である。

2) b(t, μ) は I×V 上で有界である。

3) a(t, μ) は μ に関して一様連続である。
即ち、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の t ∈ I に対して
|a(t, μ) - a(t, ν)| < ε となる。

4) b(t, μ) は μ に関して一様連続である。

(t_0, x_0) を I×E の任意の点とする。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり
連続写像 g: J×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J×V) ⊂ U
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = a(t, μ)x + b(t, μ) の J における解である。

(続く)

508 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/13(日) 09:18:18
>>507の証明

I(t_0, a) ⊂ I となる a > 0 を任意にとる。
ここで、I(t_0, a) = {t ∈ R; |t - t_0| < a} である。

B(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 を任意にとる。
ここで、B(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| ≦ r} である。

1) より M > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V に対して
|a(t, μ)| ≦ M となる。

2) より N > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V に対して
|b(t, μ)| ≦ N となる。

(t, x, μ) ∈ I×U×V に対して f(t, x, μ) = a(t, μ)x + b(t, μ) とおく。

任意の (t, x, μ) ∈ I×B(x_0, r)×V に対して
|f(t, x, μ)| = |a(t, μ)x + b(t, μ)| ≦ M(|x_0| + r) + N

任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| = |a(t, μ)(x - y)| ≦ M|x - y|

任意の (t, x) ∈ I×B(x_0, r) と任意の μ,ν ∈ V に対して
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| ≦ |a(t, μ) - a(t, ν)||x| + |b(t, μ) - b(t, ν)|
≦ |a(t, μ) - a(t, ν)|(|x_0| + r) + |b(t, μ) - b(t, ν)|

よって、3) と 4) より f(t, x, μ) は μ に関して一様連続である。

以上から f(t, x, μ) は I×B(x_0, r)×V において>>488の条件を満たす。
よって>>488より本命題の主張が得られる。
証明終

509 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/18(金) 12:11:38
>>507の修正

命題(線型常微分方程式の解のパラメータに関する連続性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
V を F の開集合とする。

a(t, μ): I×V → L(E, E) と b(t, μ): I×V → E を連続写像とする。
ここで L(E, E) は E から E への連続な線型写像全体である。
a(t, μ) と b(t, μ) は次の条件を満たすとする。

1) a(t, μ) は I×V 上で有界である。
2) b(t, μ) は I×V 上で有界である。
3) a(t, μ) は μ に関して一様連続である。
即ち、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の t ∈ I に対して
|a(t, μ) - a(t, ν)| < ε となる。
4) b(t, μ) は μ に関して一様連続である。

(t_0, x_0) を I×E の任意の点とする。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり
連続写像 g: J×V → E で次の条件を満たすものが一意に存在する。

a) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
b) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = a(t, μ)x + b(t, μ) の J における解である。

(続く)

510 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/18(金) 12:12:19
>>509の証明
I(t_0, a) ⊂ I となる a > 0 を任意にとる。
ここで、I(t_0, a) = {t ∈ R; |t - t_0| < a} である。

B(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 を任意にとる。
ここで、B(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| ≦ r} である。

1) より M > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V に対して
|a(t, μ)| ≦ M となる。

2) より N > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V に対して
|b(t, μ)| ≦ N となる。

(t, x, μ) ∈ I×E×V に対して f(t, x, μ) = a(t, μ)x + b(t, μ) とおく。

任意の (t, x, μ) ∈ I×B(x_0, r)×V に対して
|f(t, x, μ)| = |a(t, μ)x + b(t, μ)| ≦ M(|x_0| + r) + N

任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| = |a(t, μ)(x - y)| ≦ M|x - y|

任意の (t, x) ∈ I×B(x_0, r) と任意の μ,ν ∈ V に対して
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| ≦ |a(t, μ) - a(t, ν)||x| + |b(t, μ) - b(t, ν)|
≦ |a(t, μ) - a(t, ν)|(|x_0| + r) + |b(t, μ) - b(t, ν)|

よって、3) と 4) より f(t, x, μ) は μ に関して一様連続である。

以上から f(t, x, μ) は I×B(x_0, r)×V において>>488の条件を満たす。
よって>>488より連続写像 g: J×V → B(x_0, r) で
本命題の a), b) を満たすものが一意に存在する。
この g の値域を B(x_0, r) の代わりに E と出来ることは>>392より出る。
証明終

511 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/18(金) 16:18:50
補題(Gronwallの不等式(>>406)の変種)
I = [a, b] を実数体における有限区間とする。
f を I で連続な実数値関数で I の各点 t で f(t) ≧ 0 とする。
A > 0, B ≧ 0 を定数とする。

I の各点 t で
f(t) ≦ ∫[a, t] (Af(s) + B) ds とする。

このとき、I の各点 t で
f(t) ≦ (B/A) (exp(A(t - a)) - 1)

証明
M = sup{f(s); s ∈ I} とおく。
f はコンパクト区間 I で連続だから M < +∞ である。
t を I の任意の点とする。

f(t) ≦ ∫[a, t] (Af(s) + B) ds ≦ (t - a)(AM + B)

この不等式を f(t) ≦ ∫[a, t] (Af(s) + B) ds の右辺の f(s) に適用して、
f(t) ≦ ∫[a, t] ((s - a)A(AM + B) + B) ds = ((t - a)^2/2)A(AM + B) + B(t - a)

この不等式を f(t) ≦ ∫[a, t] (Af(s) + B) ds の右辺の f(s) に適用して、
f(t) ≦ ((t - a)^3/3!)A^2(AM + B) + AB(t - a)^2/2 + B(t - a)

以下同様にして
f(t) ≦ ((t - a)^n/n!)A^(n-1)(AM + B) + BΣ[1, n-1]A^(k-1)(t - a)^k/k!
≦ ((t - a)^n/n!)A^(n-1)(AM + B) + (B/A)(exp(A(t - a)) - 1)

n → +∞ のとき、
f(t) ≦ (B/A)(exp(A(t - a)) - 1)
証明終

512 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/18(金) 20:38:39
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) C > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ C|x - y| となる。

2) f(t, x, μ) は μ に関して一様連続である。
即ち、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の (t, x) ∈ I×U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| < ε となる。

g: I×V → U を写像として任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の I における解とする。

このとき、g は I×V 上で連続である。

証明
(t_0, ν) を I×V の任意の点とする。
I(t_0, a) ⊂ I となる a > 0 をとる。
ここで、I(t_0, a) = {t ∈ R; |t - t_0| ≦ a} である。

2) より、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
μ ∈ V(ν, δ) なら任意の (t, x) ∈ I×U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| < ε となる。
ここで、V(ν, δ) = {μ ∈ V; |μ - ν| < δ} である。

(続く)

513 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/18(金) 20:39:21
>>512の続き

よって、このとき任意の (t, μ) ∈ I×V(ν, δ) に対して

|f(t, g(t, μ), μ) - f(t, g(t, ν), ν)|
≦ |f(t, g(t, μ), μ) - f(t, g(t, ν), μ)|
+ |f(t, g(t, ν), μ) - f(t, g(t, ν), ν)|
≦ M| g(t, μ) - g(t, ν)| + ε

一方、任意の (t, μ) ∈ I×V に対して
g(t, μ) - g(t, ν) = ∫[t_0, t] (f(s, g(s, μ), s) - f(s, g(s, ν), s)) ds

よって、(t, μ) ∈ I×V(ν, δ) に対して

|g(t, μ) - g(t, ν)|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ), s) - f(s, g(s, ν), s)| ds|
≦ |∫[t_0, t] (M| g(t, μ) - g(t, ν)| + ε) ds|

よって、>>511より、任意の (t, μ) ∈ I(t_0, a)×V(ν, δ) に対して
|g(t, μ) - g(t, ν)| ≦ (ε/M)(exp(M|t - t_0|) - 1) ≦ (ε/M)(exp(Ma) - 1)

よって、任意の (t, μ) ∈ I(t_0, a)×V(ν, δ) に対して
|g(t, μ) - g(t_0, ν)| ≦ |g(t, μ) - g(t, ν)| + |g(t, ν) - g(t_0, ν)|
≦ (ε/M)(exp(Ma) - 1) + |g(t, ν) - g(t_0, ν)|

t → g(t, ν) は微分可能であるから連続である。
よって、|t - t_0| を十分小さくすれば |g(t, ν) - g(t_0, ν)| < ε となる。

よって、g(t, μ) は (t_0, ν) において連続である。
(t_0, ν) は I×V の任意の点であるから、g(t, μ) は I×V 上で連続である。
証明終

514 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/18(金) 20:55:32
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) C > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ C|x - y| となる。

g: I×V → U を写像として任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の I における解とする。

このとき、g は I×V 上で連続である。

証明
>>512の証明より f(t, x, μ) は μ に関して連続であればよい。
この条件は f が連続であるから満たされている。
証明終

515 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/18(金) 21:24:16
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f(t, x, μ): I×U×V → E を連続写像で
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)とする。

g: I×V → U を写像として任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の I における解とする。

このとき、g は I×V 上で連続である。

証明
>>512の証明は f が局所的に一様にLipschitzであれば成り立つ。
さらに>>512の証明より f(t, x, μ) は μ に関して連続であればよい。
この条件は f が連続であるから満たされている。
証明終

516 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/18(金) 21:35:38
>>509の改良

命題(線型常微分方程式の解のパラメータに関する連続性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
V を F の開集合とする。

a(t, μ): I×V → L(E, E) と b(t, μ): I×V → E を連続写像とする。
ここで L(E, E) は E から E への連続な線型写像全体である。
さらに a(t, μ) は I×V 上で有界であるとする。
(t_0, x_0) を I×E の任意の点とする。
このとき連続写像 g: I×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
b) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = a(t, μ)x + b(t, μ) の I における解である。

証明
μ ∈ V を固定する。
t → a(t, μ) および t → b(t, μ) は共に I で連続である。
よって、>>485より、微分方程式 dx/dt = a(t, μ)x(t) + b(t, μ) の解 g(t, μ) で
g(t_0, μ) = x_0 となり定義域が I となるものが一意に存在する。

(t, x, μ) ∈ I×E×V に対して f(t, x, μ) = a(t, μ)x + b(t, μ) とおく。
a(t, μ) は I×V 上で有界であるから M > 0 があり、
任意の (t, μ) ∈ I×V に対して |a(t, μ)| ≦ M となる。
よって、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| = |a(t, μ)(x - y)| ≦ M|x - y|

よって、>>514より g(t, μ) は I×V 上で連続である。
証明終

517 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/18(金) 21:51:15
>>516はPontryaginの常微分方程式の本を参考にした.
この結果は E と F が有限次であってもあまり知られてないのではないか?
この結果を得るために色々と常微分方程式の本を調べたんですが、私の知る限り
Pontryagin以外は載ってないみたいです。
微分方程式 dx/dt = a(t, μ)x + b(t, μ) の解の定義域を I に制限しなければ
簡単ですが。

518 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/18(金) 22:16:42
>>516において F が有限次であれば a(t, μ) は有界でなくてもよい。
即ち、次の命題が得られる。

命題(線型常微分方程式の解のパラメータに関する連続性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上の有限次ノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
V を F の開集合とする。

a(t, μ): I×V → L(E, E) と b(t, μ): I×V → E を連続写像とする。
ここで L(E, E) は E から E への連続な線型写像全体である。
(t_0, x_0) を I×E の任意の点とする。
このとき連続写像 g: I×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
b) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = a(t, μ)x + b(t, μ) の I における解である。

証明
I×V は有限次ノルム空間の開集合であるから局所コンパクトである。
よって、a(t, μ) は局所的に有界である。
よって、f(t, x, μ) = a(t, μ)x + b(t, μ) は
x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)である。
よって、>>516の証明において>>514の代わりに>>515が使える。
証明終

519 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/19(土) 12:39:46
>>465の命題の証明の方針を述べる。

K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像とする。
(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

f が>>458の条件を満たせば>>458より、
x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 x ∈ V に対して J から U への写像 t → g(t, x) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, x) = x となるものが
一意に存在する。

ここで、g(t, x) の x に関する偏微分可能性を問題にしよう。
I×U の各点 (t, x) で (d_2)f(t, x) と、(d_2)g(t, x) が存在すると仮定する。
ここで、(d_2)f(t, x) および (d_2)g(t, x) は x に関する偏微分である
(過去スレ014の833)。

dg/dt = f(t, g(t, x)) の両辺を x に関して偏微分すると
d_2(dg(t, x)/dt) = (d_2)f(t, g(t, x))(d_2)g(t, x)
この左辺は後に示すように d((d_2)g(t, x))/dt に等しい。
よって、d((d_2)g(t, x))/dt = (d_2)f(t, g(t, x))(d_2)g(t, x)

即ち、(d_2)g(t, x) は微分方程式 dT/dt = (d_2)f(t, g(t, x))T の解である。
ここで T(t) は t ∈ J から L(E, E) への写像であり、
(d_2)f(t, g(t, x))T は L(E, E) における線型写像の合成である。

g(t_0, x) = x であるから (d_2)g(t_0, x) = 1_E である。
ここで 1_E は L(E, E) における恒等写像である。

(続く)

520 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/19(土) 12:49:20
>>519の続き

>>465を証明するため、>>519をヒントとして
まずパラメータ付き微分方程式 dT/dt = (d_2)f(t, g(t, x))T を考える。
この解 T(t) で初期条件 T(t_0) = 1_E を満たすものを ψ(t, x) とする。
ψ(t, x) の定義域が g(t, x) と同じであることと、ψ(t, x) の連続性を
>>483>>515を使って証明する。

次に (d_2)g(t, x) が存在し ψ(t, x) と一致することを証明する。

521 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/19(土) 14:59:47
>>465の命題の代わりにその仮定を弱めた次の命題を証明しよう。


522 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/19(土) 15:00:30
命題(正規型常微分方程式の解の初期値に関する微分可能性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

3) I×U の各点 (t, x) で (d_2)f(t, x) が存在し、I×U 上で連続である。
ここで、(d_2)f(t, x) は x に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき、x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I で次の条件を満たすものが存在する。

a) 各 x ∈ V に対して J から U への写像 t → g(t, x) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, x) = x となるものが
一意に存在する。

b) J×V から U への写像 (t, x) → g(t, x) は連続かつ
x に関して一様連続である。

c) J×V の各点 (t, x) で (d_2)g(t, x) が存在し、
(d_2)g(t, x) は J×V 上で連続である。

(続く)

523 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/19(土) 15:01:35
>>522の証明

>>458より、x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 x ∈ V に対して J から U への写像 t → g(t, x) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, x) = x となるものが
一意に存在する。

>>462より、J×V から U への写像 (t, x) → g(t, x) は連続かつ
x に関して一様連続である。

(t, x) ∈ J×V に対し (d_2)f(t, g(t, x)) ∈ L(E, E) である。
ここで、L(E, E) は E から E への連続線型写像を表す。

T ∈ L(E, E) に対して T と (d_2)f(t, g(t, x)) の合成写像
(d_2)f(t, g(t, x))T は L(E, E) の元である。
よって、T → (d_2)f(t, g(t, x))T は L(E, E) から L(E, E) への写像である。

パラメータ x を持った微分方程式 dT/dt = (d_2)f(t, g(t, x))T を考える。
任意の (t, x) ∈ J×V と任意の T, S ∈ L(E, E) に対して
|(d_2)f(t, g(t, x))T - (d_2)f(t, g(t, x))S| ≦ |(d_2)f(t, g(t, x))||T - S|

x ∈ V を固定したとき、3) より t → (d_2)f(t, g(t, x)) は I で連続である。
>>483より、微分方程式 dT/dt = (d_2)f(t, g(t, x))T の解 ψ(t, x) で
ψ(t_0, x) = 1_E となるものが一意に存在する。

I は局所コンパクトであるから t → (d_2)f(t, g(t, x)) は I で局所有界である。
よって、上の不等式から (t, x, T) → (d_2)f(t, g(t, x))T は
T に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)である。
よって、>>515より、ψ(t, x) は J×V 上で連続である。

(続く)

524 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/19(土) 15:02:40
>>523の続き

(t, x) を J×V の任意の点とし、これを固定する。
h ∈ E を 0 に十分近い元で x + h ∈ V とする。

∫[t_0, t] (dg/ds)(s, x + h) ds = g(t, x + h) - g(t_0, x + h)
= g(t, x + h) - (x + h)

∫[t_0, t] (dg/ds)(s, x) ds = g(t, x) - g(t_0, x) = g(t, x) - x

∫[t_0, t] (dψ/ds)(s, x)h ds = ψ(t, x)h - ψ(t_0, x)h = ψ(t, x)h - h

よって、
g(t, x + h) - g(t, x) - ψ(t, x)h
= ∫[t_0, t] ((dg/ds)(s, x + h) - (dg/ds)(s, x)) ds
- ∫[t_0, t] (dψ/ds)(s, x)h ds

= ∫[t_0, t] f(s, g(s, x + h)) - f(s, g(s, x)) ds
- ∫[t_0, t] (d_2)f(s, g(s, x))ψ(s, x)h ds

= ∫[t_0, t] (d_2)f(s, g(s, x))(g(s, x + h) - g(s, x) - ψ(s, x)h) ds
+ ∫[t_0, t] (f(s, g(s, x + h)) - f(s, g(s, x))
- (d_2)f(s, g(s, x))(g(s, x + h) - g(s, x))) ds

f(s, g(s, x + h)) - f(s, g(s, x)) - (d_2)f(s, g(s, x))(g(s, x + h) - g(s, x))
= ρ(h)(g(s, x + h) - g(s, x))
とおく。

(続く)

525 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/19(土) 15:04:15
>>524の続き

h → 0 のとき g(s, x + h) - g(s, x) → 0 であるから
ρ(h) → 0 である。
よって、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、|h| < δ なら
|f(s, g(s, x + h)) - f(s, g(s, x)) - (d_2)f(s, g(s, x))(g(s, x + h) - g(s, x))|
< ε|g(s, x + h) - g(s, x)|

よって、
|g(t, x + h) - g(t, x) - ψ(t, x)h|
≦ |∫[t_0, t] (d_2)f(s, g(s, x))(g(s, x + h) - g(s, x) - ψ(s, x)h) ds|
+ |∫[t_0, t] ε|g(s, x + h) - g(s, x)| ds|

>>460より、
このとき、任意の t ∈ J と任意の x, y ∈ V に対して
|g(t, x) - g(t, y)| ≦ exp(C|t - t_0|)|x - y|

|g(t, x + h) - g(t, x) - ψ(t, x)h|
≦ |∫[t_0, t] |(d_2)f(s, g(s, x)||(g(s, x + h) - g(s, x) - ψ(s, x)h)| ds
+ ∫[t_0, t] εexp(C|s - t_0|)|h| ds

≦ |∫[t_0, t] |(d_2)f(s, g(s, x)||(g(s, x + h) - g(s, x) - ψ(s, x)h)| ds
+ Aε|h|

ここで、A = ∫[t_0, t] exp(C|s - t_0|) ds

よって、Gronwall の不等式より、
|g(t, x + h) - g(t, x) - ψ(t, x)h| ≦ Aε|h| |∫[t_0, t] exp(|(d_2)f(s, g(s, x)|) ds|
よって、|h| → 0 のとき |g(t, x + h) - g(t, x) - ψ(t, x)h|/|h| → 0

よって、(d_2)g(t, x) = ψ(t, x) である。
証明終

526 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/19(土) 15:19:45
私見によれば>>522が常微分方程式論の基礎における最大の難関であろう。
ちょうど微積分における最大の難関が多変数の積分の変数変換公式(>>141)であるように。

527 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 00:19:11
補題(Gronwallの不等式(>>406)の変種その2)
I = [a, b] を実数体における有限区間とする。
f を I で連続な実数値関数で I の各点 t で f(t) ≧ 0 とする。
A > 0, B ≧ 0, C を定数とする。
I の各点 t で
f(t) ≦ ∫[a, t] (Af(s) + B) ds + C とする。

このとき、I の各点 t で
f(t) ≦ ((AC + B)/A)(exp(A(t - a)) - 1) + C

証明
M = sup{f(s); s ∈ I} とおく。
f はコンパクト区間 I で連続だから M < +∞ である。
t を I の任意の点とする。

f(t) ≦ ∫[a, t] (Af(s) + B) ds + C ≦ (t - a)(AM + B) + C

この不等式を f(t) ≦ ∫[a, t] (Af(s) + B) ds + C の右辺の f(s) に適用して、
f(t) ≦ ∫[a, t] ((s - a)A(AM + B) + AC + B) ds + C
= ((t - a)^2/2)A(AM + B) + (AC + B)(t - a) + C

この不等式を f(t) ≦ ∫[a, t] (Af(s) + B) ds + C の右辺の f(s) に適用して、
f(t) ≦ ∫[a, t]((s - a)^2/2)A^2(AM + B) + A(AC + B)(s - a) + (AC + B))ds + C
≦ ((t - a)^3/3!)A^2(AM + B) + A(AC + B)(t - a)^2/2 + (AC + B)(t - a) + C

以下同様にして
f(t) ≦ ((t - a)^n/n!)A^(n-1)(AM + B) + (AC + B)Σ[1, n-1]A^(k-1)(t - a)^k/k! + C
≦ ((t - a)^n/n!)A^(n-1)(AM + B) + ((AC + B)/A)(exp(A(t - a)) - 1) + C

n → +∞ のとき、
f(t) ≦ ((AC + B)/A)(exp(A(t - a)) - 1) + C
証明終

528 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 09:02:08
命題(正規型常微分方程式の解の初期値とパラメータに関する連続性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U×V 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x, μ) ∈ I×U×V に対して
|f(t, x, μ)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の (x, μ), (y, ν) ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, ν)| ≦ C|x - y| となる。

3) f(t, x, μ) は μ に関して一様連続である。
即ち、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の (t, x) ∈ I×U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| < ε となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I と x_0 の近傍 W ⊂ Uがあり
連続写像 g: J×W×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J×W×V) ⊂ U
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, x, μ) = x
c) 任意の (x, μ) ∈ W×V に対して写像 t → g(t, x, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

(続く)

529 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 09:03:32
>>528の証明

I(t_0, a) ⊂ I となる a > 0 を任意にとる。
ここで、I(t_0, a) = {t ∈ R; |t - t_0| < a} である。

U(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 を任意にとる。
ここで、U(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| < r} である。

W = {x ∈ E; |x - x_0| < r/2} とおく。
y を W の任意の点とする。

μ ∈ V を固定し、写像 (t, x) → f(t, x, μ) に>>499を適用する。
U(y, r/2) = {x ∈ E; |x - y| < r/2} とおく。
U(y, r/2) ⊂ U であるから
>>499より、t_0 を含む開区間 J = {t ∈ R; |t - t_0| < d} ⊂ I があり、
写像 h: J → E で次の条件を満たすものが一意に存在する。

a) h(J) ⊂ U
b) h(t_0) = y
c) 写像 t → h(t) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

>>499の証明より開区間 J の幅 d は定数 a, r, M のみで決まり、
y および μ の選び方によらない。
よって、写像 g: J×W×V → E を g(t, y, μ) = h(t) で定義する。

g が連続であることを証明すればよい。

1) より、f は I×U×V 上で有界であるから、
μ, ν ∈ V のとき、f(t, x, μ) - f(t, x, ν) は I×U 上で有界である。
よって、
ρ(μ, ν) = sup{|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)|; (t, x) ∈ I×U} < +∞ である。
(続く)

530 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 09:04:30
>>529の証明

任意の t ∈ J と任意の (x, μ), (y, ν) ∈ W×V と任意の μ ∈ V に対して、
∫[t_0, t] f(s, g(s, x, μ), μ) ds = g(t, x, μ) - x
∫[t_0, t] f(s, g(s, y, ν), ν) ds = g(t, y, ν) - y

よって、
g(t, x, μ) - g(t, y, ν) - (x - y)
= ∫[t_0, t] f(s, g(s, x, μ), μ) ds - ∫[t_0, t] f(s, g(s, y, ν), ν) ds

よって、
|g(t, x, μ) - g(t, y, ν)|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ), μ) - f(s, g(s, ν), ν)| ds| + |x - y|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, x, μ), μ) - f(s, g(s, x, μ), ν)| ds|
+ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, x, μ), ν) - f(s, g(s, y, ν), ν)| ds| + |x - y|
≦ ρ(μ, ν)|t - t_0| + C|∫[t_0, t] |g(s, x, μ) - g(s, y, ν)| ds| + |x - y|

>>527より、
|g(t, x, μ) - g(t, y, ν)|
≦ ((C|x - y| + ρ(μ, ν))/C)(exp(C|t - t_0|) - 1) + |x - y|

一方、任意の t, s ∈ J と任意の (y, ν) ∈ W×V に対して
|g(t, y, ν) - g(s, y, ν)|
≦ |∫[t_0, t] f(s, g(s, y, ν), ν) ds - ∫[t_0, s] f(s, g(s, y, ν), ν) ds|
≦ |∫[s, t] f(s, g(s, y, ν), ν) ds|
≦ M|t - s|

(続く)

531 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 09:06:35
>>530
>>>529の証明

>>529の続き


532 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 09:07:18
>>530の続き

よって、任意の (t, x, μ), (s, y, ν) ∈ J×W×V に対して、
|g(t, x, μ) - g(s, y, ν)|
≦ |g(t, x, μ) - g(t, y, ν)| + |g(t, y, ν) - g(s, y, ν)|
≦ ((C|x - y| + ρ(μ, ν))/C)(exp(C|t - t_0|) - 1) + |x - y| + M|t - s|
≦ ((C|x - y| + ρ(μ, ν))/C)(exp(Cd) - 1) + |x - y| + M|t - s|
≦ A|x - y| + Bρ(μ, ν) + M|t - s|

ここで、d は J の幅であり、
A = C(exp(Cd) - 1) + 1
B = (1/C)(exp(Cd) - 1)
である。

f(t, x, μ) は連続であるから、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら ρ(μ, ν) ≦ ε となる。

よって上の不等式から g(t, x, μ) は J×W×V で一様連続である。
証明終

533 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 13:46:45
>>527への補足

f(t) ≦ ((AC + B)/A)(exp(A(t - a)) - 1) + C の右辺は
C exp(A(t - a)) + (B/A)(exp(A(t - a)) - 1) に等しい。

よって、
f(t) ≦ C exp(A(t - a)) + (B/A)(exp(A(t - a)) - 1)

534 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 15:16:20
>>525
>h → 0 のとき g(s, x + h) - g(s, x) → 0 であるから
>ρ(h) → 0 である。
>よって、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、|h| < δ なら
>|f(s, g(s, x + h)) - f(s, g(s, x)) - (d_2)f(s, g(s, x))(g(s, x + h) - g(s, x))|
>< ε|g(s, x + h) - g(s, x)|

この部分は飛躍があった。
δ > 0 が s に無関係に選べることを示さなければならない。
これを証明するため補題を用意する。

535 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 15:19:08
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間とする。
X と Y を位相空間とし、Y はコンパクトとする。
f: X×Y → E を連続写像とする。
x_0 を X の点とする。

このとき、任意の ε > 0 に対して x_0 の開近傍 U があり、
任意の x ∈ U と任意の y ∈ Y に対して
|f(x, y) - f(x_0, y)| < ε となる。

証明
f は連続であるから、各 y ∈ Y に対して
y の開近傍 V_y と x_0 の開近傍 U_y があり、
任意の (x, z) ∈ (U_y)×(V_y) に対して
|f(x, z) - f(x_0, y)| < ε/2 となる。

Y はコンパクトだから Y の有限個の点 y_1, ..., y_n があり
V_(y_1), ..., V_(y_n) は Y の被覆となる。
U = U_(y_1)∩...∩U_(y_n) とおく。

任意の z ∈ Y に対して z ∈ V_(y_i) となる i がある。
任意の x ∈ U に対して x ∈ U_(y_i) であるから
|f(x, z) - f(x_0, y_i)| < ε/2 となる。

x_0 ∈ U であるから |f(x_0, z) - f(x_0, y_i)| < ε/2 である。

よって、
|f(x, z) - f(x_0, z)|
≦ |f(x, z) - f(x_0, y_i)| + |f(x_0, z) - f(x_0, y_i)| < ε
証明終

536 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 15:53:33
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像とする。
さらに I×U の各点 (t, x) で (d_2)f(t, x) が存在し、I×U 上で連続であるとする。
ここで、(d_2)f(t, x) は x に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

J ⊂ I を有限開区間で J~ ⊂ I とする。
ここで、J~ は J の R における閉包である。

x を U の任意の点とする。
U(x, r) ⊂ U となる r > 0 をとる。
ここで、U(x, r) = {y ∈ E; |y - x| < r} である。

任意の ε > 0 に対して r > δ > 0 となる δ があり
任意の t ∈ J と |h| < δ となる任意の h ∈ E に対して
|f(t, x + h) - f(t, x) - (d_2)f(t, x)h| ≦ ε|h| となる。

証明
J~ はコンパクトであるから>>535より、
任意の ε > 0 に対して r > δ > 0 となる δ があり
任意の t ∈ J と |h| < δ となる任意の h ∈ E と
任意の s ∈ [0, 1] に対して、
|(d_2)f(t, x + sh) - (d_2)f(t, x)| < ε となる。

(続く)

537 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 15:55:03
>>536の続き

任意の t ∈ J と |h| < δ となる任意の h ∈ E を固定する。
s ∈ [0, 1] に対して、ψ(s) = f(t, x + sh) とおく。
dψ/ds = (d_2)f(t, x + sh)h である。

よって、任意の s ∈ [0, 1] に対して
f(t, x + sh) - f(t, x) = ∫[0, 1] (d_2)f(t, x + sh)h ds

よって、任意の t ∈ J と |h| < δ となる任意の h ∈ E に対して
|f(t, x + sh) - f(t, x) - (d_2)f(t, x)h|
≦ ∫[0, 1] |(d_2)f(t, x + sh)h - (d_2)f(t, x)h| ds
≦ ε|h|
証明終

538 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 16:09:03
>>534で述べたことを証明する。

>>458の証明より、J は有限開区間で J~ ⊂ I と仮定してよい。

>>538より、任意の ε > 0 に対して σ > 0 があり
任意の t ∈ J と |h| < σ となる任意の h ∈ E に対して
|f(t, x + h) - f(t, x) - (d_2)f(t, x)h| ≦ ε|h| となる。

>>462より、J×V から U への写像 (t, x) → g(t, x) は
x に関して t に無関係に一様連続である。
よtって、δ > 0 があり、|h| < δ なら
任意の s ∈ J に対して |g(s, x + h)) - f(s, g(s, x)| < σ
よって、
|f(s, g(s, x + h)) - f(s, g(s, x)) - (d_2)f(s, g(s, x))(g(s, x + h) - g(s, x))|
< ε|g(s, x + h) - g(s, x)|

539 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 18:44:40
命題(>>522の変種)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

3) I×U の各点 (t, x) で (d_2)f(t, x) が存在し、I×U 上で連続である。
ここで、(d_2)f(t, x) は x に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I が与えられ、
g: J×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

a) g(J×V) ⊂ U
b) g(t_0, x) = x
c) 任意の x ∈ V に対して写像 t → g(t, x) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の I における解である。

このとき、J×V の各点 (t, x) で (d_2)g(t, x) が存在し、
(d_2)g(t, x) は J×V 上で連続である。

証明
>>522の証明と同様である。

540 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 18:45:54
>>522の前に>>539を証明したほうがよかったかもしれない。

541 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 18:50:07
>>539の修正

命題(>>522の変種)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x) ∈ I×U に対して |f(t, x)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

3) I×U の各点 (t, x) で (d_2)f(t, x) が存在し、I×U 上で連続である。
ここで、(d_2)f(t, x) は x に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
J を t_0 を含む開区間でその閉包 J~ ⊂ I とする。
V ⊂ U を x_0 の開近傍とする。
g: J×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

a) g(J×V) ⊂ U
b) g(t_0, x) = x
c) 任意の x ∈ V に対して写像 t → g(t, x) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の I における解である。

このとき、J×V の各点 (t, x) で (d_2)g(t, x) が存在し、
(d_2)g(t, x) は J×V 上で連続である。

証明
>>522の証明と同様である。

542 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 19:06:31
>>532
>f(t, x, μ) は連続であるから、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
>|μ - ν| < δ なら ρ(μ, ν) ≦ ε となる。

>>528の 3) より、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら ρ(μ, ν) ≦ ε となる。

543 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 19:08:13
>>541
>J を t_0 を含む開区間でその閉包 J~ ⊂ I とする。

J を t_0 を含む有限開区間でその閉包 J~ ⊂ I とする。

544 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 19:32:45
命題(正規型常微分方程式の解の初期値とパラメータに関する微分可能性)
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U×V 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x, μ) ∈ I×U×V に対して
|f(t, x, μ)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の (x, μ), (y, ν) ∈ U×V に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, ν)| ≦ C(|x - y| + |μ - ν|)となる。

4) I×U×V の各点 (t, x, μ) で (d_2)f(t, x, μ) が存在し、
I×U×V 上で連続である。
ここで、(d_2)f(t, x, μ) は x に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

5) I×U×V の各点 (t, x, μ) で (d_3)f(t, x, μ) が存在し、
I×U×V 上で連続である。
ここで、(d_3)f(t, x, μ) は μ に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

(続く)

545 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 19:34:08
>>544の続き

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I と x_0 の近傍 W ⊂ Uがあり
連続写像 g: J×W×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J×W×V) ⊂ U
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, x, μ) = x
c) 任意の (x, μ) ∈ W×V に対して写像 t → g(t, x, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

d) J×W×V の各点 (t, x, μ) で (d_2)g(t, x, μ) が存在し、
(d_2)g(t, x, μ) は J×W×V 上で連続である。

e) J×W×V の各点 (t, x, μ) で (d_3)g(t, x, μ) が存在し、
(d_3)g(t, x, μ) は J×W×V 上で連続である。

証明
>>528より、t_0 を含む開区間 J ⊂ I と x_0 の近傍 W ⊂ Uがあり
連続写像 g: J×W×V → E で a), b), c) を満たすものが存在する。
>>528の証明から J は有限開区間でその閉包 J~ ⊂ I と仮定してよい。

写像 h(t, x, μ): I×U×V → E×F を
h(t, x, μ) = (f(t, x, μ), 0) により定義する。

>>541において E を E×F で置き換えれば、h(t, x, μ) は
>>541の 1), 2), 3) を満たしている。

(続く)

546 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 19:34:50
>>545の続き

写像 G(t, x, μ): J×W×V → E×F を
G(t, x, μ) = (g(t, x, μ), μ) により定義する。
G(t_0, x, μ) = (x, μ) である。

写像 t → G(t, x, μ) は
微分方程式 dy/dt = h(t, y(t)) の J における解である。

よって、>>541より、J×W×V の各点 (t, x, μ) で
(d_2)G(t, x, μ) 及び (d_3)G(t, x, μ) が存在し、
それぞれ J×W×V 上で連続である。
よって、d). e) が成り立つ。
証明終

547 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/21(月) 22:25:43
補題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のノルム空間とし、G を K 上のBanach空間とする。
U を E の開集合とし V を F の開集合とする。
f(t, x): U×V → G を写像とし、
U×V の各点 (t, x) で (d_2)f(t, x) が存在し、
(d_2)f(t, x) は U×V 上で連続であるとする。

このとき f は x に関して局所的に一様にLipschitz(>>466)である。

証明
(t_0, x_0) を U×V の任意の点とする。
(d_2)f は (t_0, x_0) で連続だから
δ > 0 があり、(t, x) ∈ P×Q のとき
|(d_2)f(t, x) - (d_2)f(t_0, x_0)| < 1/2 となる。

ここで、
P = {t ∈ E; |t - t_0| < δ}
Q = {x ∈ E; |x - x_0| < δ}
である。

よって、|(d_2)f(t, x)| < |(d_2)f(t_0, x_0)| + 1/2
M = |df(p)| + 1/2 とおく。

平均値の不等式(>>62)より
このとき、任意の t ∈ P と任意の x, y ∈ Q に対して、
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ M|x - y|
証明終

548 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/22(火) 08:45:19
命題(>>544の変種)
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U×V 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x, μ) ∈ I×U×V に対して
|f(t, x, μ)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の (x, μ), (y, ν) ∈ U×V に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, ν)| ≦ C(|x - y| + |μ - ν|)となる。

4) I×U×V の各点 (t, x, μ) で (d_2)f(t, x, μ) が存在し、
I×U×V 上で連続である。
ここで、(d_2)f(t, x, μ) は x に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

5) I×U×V の各点 (t, x, μ) で (d_3)f(t, x, μ) が存在し、
I×U×V 上で連続である。
ここで、(d_3)f(t, x, μ) は μ に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

(続く)

549 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/22(火) 08:46:01
>>548の続き

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
J を t_0 を含む有限開区間でその閉包 J~ ⊂ I とする。
W ⊂ U を x_0 の開近傍とする。
g: J×W×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

a) g(J×W×V) ⊂ U
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, x, μ) = x
c) 任意の (x, μ) ∈ W×V に対して写像 t → g(t, x, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

このとき、g は次の条件を満たす。

d) J×W×V の各点 (t, x, μ) で (d_2)g(t, x, μ) が存在し、
(d_2)g(t, x, μ) は J×W×V 上で連続である。

e) J×W×V の各点 (t, x, μ) で (d_3)g(t, x, μ) が存在し、
(d_3)g(t, x, μ) は J×W×V 上で連続である。

証明
>>544と同様。

550 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/22(火) 10:41:33
>>541において条件 1) は不要である。そこで改めて命題を述べる。

命題(>>522の変種)
K を実数体または複素数体とし、E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

2) I×U の各点 (t, x) で (d_2)f(t, x) が存在し、I×U 上で連続である。
ここで、(d_2)f(t, x) は x に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
J を t_0 を含む開区間でその閉包 J~ ⊂ I とし、V ⊂ U を x_0 の開近傍とする。
g: J×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

a) g(J×V) ⊂ U
b) g(t_0, x) = x
c) 任意の x ∈ V に対して写像 t → g(t, x) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の I における解である。

このとき、J×V の各点 (t, x) で (d_2)g(t, x) が存在し、
(d_2)g(t, x) は J×V 上で連続である。

証明
>>522の証明と同様であるが、g: J×V → E の存在を仮定しているので
f は有界である必要はない。
>>534で使っている補題(>>536)でも f の有界性を仮定していない。
>>525>>460を使っているが g: J×V → E の存在を仮定しているので
やはり f の有界性を必要としない。
証明終

551 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/22(火) 10:54:59
>>541を使っている>>548においても条件 1) は不要である。

552 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/23(水) 13:37:20
次の補題は>>460の変種であるが f の有界性を仮定しない利点がある。

補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x) - f(t, y)| ≦ C|x - y| となる。

t_0 を I の任意の点とし、J ⊂ I を t_0 を含む開区間とする。

x(t) と y(t) を微分方程式 dψ/dt = f(t, ψ(t)) の解で J を定義域とする。

このとき、任意の t ∈ J に対して
|x(t) - y(t)| ≦ exp(C|t - t_0|)|x(t_0) - y(t_0)|

証明
任意の t ∈ J に対して
x(t) - x(t_0) = ∫[t_0, t] dx/ds ds = ∫[t_0, t] f(s, x(s)) ds
y(t) - y(t_0) = ∫[t_0, t] dy/ds ds = ∫[t_0, t] f(s, y(s)) ds

よって、
|x(t) - y(t)| ≦ |x(t_0) - y(t_0)| + |∫[t_0, t] |f(s, x(s)) - f(s, y(s))| ds|
≦ |x(t_0) - y(t_0)| + C |∫[t_0, t] |x(s) - y(s)| ds|

積分版の Gronwall の不等式(>>406)を t の関数 |x(t) - y(t)| と
C に適用して、

|x(t) - y(t)| ≦ exp(C|t - t_0|)|x(t_0) - y(t_0)|
証明終

553 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/23(水) 14:24:36
>>550の訂正
>>>525>>460を使っているが g: J×V → E の存在を仮定しているので
>やはり f の有界性を必要としない。

>>460の代わりに>>552が使えるので f の有界性を仮定しないでよい。

554 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/23(水) 14:39:48
>>548の条件 1) は不要であるので改めて述べる。

命題(>>544の変種)
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) C > 0 があり、任意の t ∈ I と任意の (x, μ), (y, ν) ∈ U×V に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, ν)| ≦ C(|x - y| + |μ - ν|)となる。

2) I×U×V の各点 (t, x, μ) で (d_2)f(t, x, μ) および
(d_3)f(t, x, μ) が存在し、それぞれ I×U×V 上で連続である。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
J を t_0 を含む有限開区間でその閉包 J~ ⊂ I とする。
W ⊂ U を x_0 の開近傍とする。
g: J×W×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

a) g(J×W×V) ⊂ U
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, x, μ) = x
c) 任意の (x, μ) ∈ W×V に対して写像 t → g(t, x, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

このとき、g は次の条件を満たす。
d) J×W×V の各点 (t, x, μ) で (d_2)g(t, x, μ) および
(d_3)g(t, x, μ)が存在し、それぞれ J×W×V 上で連続である。

証明
>>544と同様であるが>>550で述べたように、>>541において条件 1) は不要である。
よって、>>541を使っている>>548においても条件 1) は不要である。

555 :132人目の素数さん:2009/12/23(水) 22:39:05
このスレの内容って代数的整数論とどう関係あるの?

556 :132人目の素数さん:2009/12/24(木) 01:02:14
卒論として
x^4+y^4=z^4が自然数解を持たないことをやろうと思うんだがどうよ?

557 :132人目の素数さん:2009/12/24(木) 02:07:18
たとえ卒論程度だとしても楽すぎるだろ。
ちょっとテキストを調べればいいだけ。

558 :132人目の素数さん:2009/12/24(木) 02:10:48
http://j.pic.to/u4zkz
http://r.pic.to/u5464
http://p.pic.to/zkvzp
http://c.pic.to/s8rjj
http://m.pic.to/xon6l
http://o.pic.to/y2kq7


559 :132人目の素数さん:2009/12/24(木) 02:14:23
>>558
天才

560 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 16:55:32
次の命題の証明は長いが考え方は>>522の証明と同じである。


561 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 16:56:43
命題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) C > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ C|x - y| となる。

2) I×U×V の各点 (t, x, μ) で (d_2)f(t, x, μ) および
(d_3)f(t, x, μ) が存在し、それぞれ I×U×V 上で連続である。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
J を t_0 を含む開区間でその閉包 J~ ⊂ I とする。
g: J×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

a) g(J×V) ⊂ U
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の J における解である。

このとき、J×V の各点 (t, μ) で (d_2)g(t, μ) が存在し、
任意の μ ∈ V に対して t → (d_2)g(t, μ) は
次の微分方程式の解 Ψ(t): J → L(F, E) である。

dΨ/dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)

562 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 16:57:50
>>561の証明

任意の μ ∈ V と任意の (t, T) ∈ J×L(F, E) に対して
h_μ(t, T) = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)T + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)
とおく。
h_μ: J×L(F, E) → L(F, E) である。

任意の t ∈ J と任意の T, S ∈ L(F, E) に対して
|h_μ(t, T) - h_μ(t, S)| ≦ |(d_2)f(t, g(t, μ), μ)||T - S|

よって、>>483より、任意の μ ∈ V に対して微分方程式
dΨ/dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)
の解 Ψ_μ(t): J → L(F, E) で Ψ_μ(t_0) = 0 となるものが一意に存在する。
ψ(t, μ) = Ψ_μ(t) と書く。

J×V の各点 (t, μ) で (d_2)g(t, μ) = ψ(t, μ) を証明すればよい。

J×V の任意の点 (t, μ) を固定する。
h ∈ V を 0 に十分近い元とする。

∫[t_0, t] (dg/ds)(s, μ + h) ds
= g(t, μ + h) - g(t_0, μ + h)
= g(t, μ + h) - x_0

∫[t_0, t] (dg/ds)(s, μ) ds
= g(t, μ) - g(t_0, μ)
= g(t, μ) - x_0

よって、
∫[t_0, t] ((dg/ds)(s, μ + h) - (dg/ds)(s, μ)) ds = g(t, μ + h) - g(t, μ)

(続く)

563 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 16:58:52
>>562の続き

一方、
(dg/ds)(s, μ + h) = f(s, g(s, μ + h), μ + h)
(dg/ds)(s, μ) = f(s, g(s, μ), μ)

よって、
g(t, μ + h) - g(t, μ)
= ∫[t_0, t] (f(s, g(s, μ + h), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ)) ds ← (1)

同様に
∫[t_0, t] (dψ/ds)(s, μ)h ds = ψ(t, μ)h - ψ(t_0, μ)h = ψ(t, μ)h

(dψ/ds)(s, μ) = (d_2)f(s, g(s, μ), μ)ψ(s, μ) + (d_3)f(s, g(s, μ), μ)

よって、
ψ(t, μ)h = ∫[t_0, t] (d_2)f(s, g(s, μ), μ)ψ(s, μ)h ds
+ ∫[t_0, t] (d_3)f(s, g(s, μ), μ)h ds ← (2)

(1) と (2) より

g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h
= ∫[t_0, t] (f(s, g(s, μ + h), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ)) ds
- ∫[t_0, t] (d_2)f(s, g(s, μ), μ)ψ(s, μ)h ds
- ∫[t_0, t] (d_3)f(s, g(s, μ), μ)h ds ← (3)

(続く)

564 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 16:59:51
>>563の続き

ここで
α(s, h) = f(s, g(s, μ + h), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ + h)
- (d_2)f(s, g(s, μ), μ)(g(s, μ + h) - g(s, μ))

β(s, h) = f(s, g(s, μ), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ)
- (d_3)f(s, g(s, μ), μ)h

γ(s, h) = (d_2)f(s, g(s, μ), μ)(g(s, μ + h) - g(s, μ) - ψ(s, μ)h)
とおく。

(3) より
g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h
= ∫[t_0, t] α(s, h) ds
+ ∫[t_0, t] β(s, h) ds
+ ∫[t_0, t] γ(s, h) ds ← (4)

ρ(s, h) = f(s, g(s, μ), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ)
とおく。

>>535より、任意の δ_1 > 0 に対して δ > 0 があり、|h| < δ なら
任意の s ∈ J に対して |g(s, μ + h) - g(s, μ)| < δ_1

よって、>>536より、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、|h| < δ なら
任意の s ∈ J に対して
|α(s, h)| ≦ ε|g(s, μ + h) - g(s, μ)| ← (5)
かつ
|β(s, h)| ≦ ε|h| ← (6)
かつ
|ρ(s, h)| ≦ ε|h| ← (7)
(続く)

565 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 17:00:43
>>564の続き

(1) より、
|g(t, μ + h) - g(t, μ)|
≦ |∫[t_0, t] (f(s, g(s, μ + h), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ)) ds|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ + h), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ + h)| ds|
+ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ)| ds|
≦ C|∫[t_0, t] |g(s, μ + h) - g(s, μ)| ds|
+ |∫[t_0, t] |ρ(s, h)| ds|

(7) より、
|g(t, μ + h) - g(t, μ)|
≦ C|∫[t_0, t] |g(s, μ + h) - g(s, μ)| ds|
+ ε|h|L

ここで L は区間 J の長さである。

>>527より、
|g(s, μ + h) - g(s, μ)| ≦ (ε|h|L)exp(C|s - t_0|)

よって、(5) より、
|α(s, h)| ≦ (ε^2|h|L)exp(C|s - t_0|) ← (8)

(続く)

566 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 17:01:31
>>565の続き

(4), (8), (6) より、
|g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h|
≦ |∫[t_0, t] α(s, h) ds|
+ |∫[t_0, t] β(s, h) ds|
+ |∫[t_0, t] γ(s, h) ds|
≦ (ε^2|h|L/C)exp(C|t - t_0|)
+ ε|h||t - t_0|
+ |∫[t_0, t] |(d_2)f(s, g(s, μ), μ)||g(s, μ + h) - g(s, μ) - ψ(s, μ)h| ds|
≦ (ε^2|h|L/C)exp(C|t - t_0|)
+ ε|h||t - t_0|
+ |∫[t_0, t] |(d_2)f(s, g(s, μ), μ)||g(s, μ + h) - g(s, μ) - ψ(s, μ)h| ds|

M = sup{|(d_2)f(s, g(s, μ), μ)|; s ∈ J} とおく。

|g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h|
≦ (ε^2|h|L/C)exp(CL) + ε|h|L
+ M|∫[t_0, t] |g(s, μ + h) - g(s, μ) - ψ(s, μ)h| ds|

>>527より、
|g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h|
≦ ε|h|((εL/C)exp(CL) + L)exp(M|t - t_0|)
≦ ε|h|((εL/C)exp(CL) + L)exp(ML)

よって、
|h| → 0 のとき、
|g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h|/|h| → 0

よって、
(d_2)g(t, μ) = ψ(t, μ)
証明終

567 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 17:08:05
>>561
>c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
>微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の J における解である。

c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

568 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 17:11:51
>>561の微分方程式
dΨ/dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)
は、次のように考えると自然に出てくる。

(dg/dt)(t, μ) = f(t, g(t, μ), μ) の両辺を μ に関して偏微分すると、
d((d_2)g(t, μ))dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)(d_2)g(t, μ) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)

569 :132人目の素数さん:2009/12/25(金) 17:15:01
これって解析的数論じゃないの?

570 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 19:25:37
>>564
>|β(s, h)| ≦ ε|h| ← (6)

これは>>536からではなく次の補題から得られる。

571 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 19:32:06
>>537の訂正
>よって、任意の s ∈ [0, 1] に対して
>f(t, x + sh) - f(t, x) = ∫[0, 1] (d_2)f(t, x + sh)h ds
>
>よって、任意の t ∈ J と |h| < δ となる任意の h ∈ E に対して
>|f(t, x + sh) - f(t, x) - (d_2)f(t, x)h|
>≦ ∫[0, 1] |(d_2)f(t, x + sh)h - (d_2)f(t, x)h| ds
>≦ ε|h|

よって、
f(t, x + h) - f(t, x) = ∫[0, 1] (d_2)f(t, x + sh)h ds

よって、任意の t ∈ J と |h| < δ となる任意の h ∈ E に対して
|f(t, x + h) - f(t, x) - (d_2)f(t, x)h|
≦ ∫[0, 1] |(d_2)f(t, x + sh)h - (d_2)f(t, x)h| ds
≦ ε|h|

572 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/25(金) 19:49:03
>>561の証明は間違いがある。
現在、修正案を考慮中。


573 :通りすがり:2009/12/25(金) 20:01:47
>>572
面白いですね。旧帝大の方ですか?

574 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/26(土) 14:09:57
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間する。
I を R の開区間とし、U を F の開集合とする。
f: I×U → E を連続写像とする。
さらに I×U の各点 (t, x) で (d_2)f(t, x) が存在し、I×U 上で連続であるとする。
ここで、(d_2)f(t, x) は x に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

J ⊂ I を有限開区間で J~ ⊂ I とする。
ここで、J~ は J の R における閉包である。

x_0 を U の任意の点とする。

U(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 をとる。
ここで、U(x_0, r) = {x ∈ F; |x - x_0| < r} である。

このとき、任意の ε > 0 に対して r > δ > 0 となる δ があり
任意の t ∈ J と |h| < δ となる任意の h ∈ F に対して
|f(t, x_0 + h) - f(t, x_0) - (d_2)f(t, x_0)h| ≦ ε|h| となる。

証明
J~ はコンパクトであるから>>535より、
任意の ε > 0 に対して r > δ > 0 となる δ があり
任意の t ∈ J と |h| < δ となる任意の h ∈ E と
任意の s ∈ [0, 1] に対して、
|(d_2)f(t, x_0 + sh) - (d_2)f(t, x_0)| < ε となる。

(続く)

575 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/26(土) 14:10:38
>>574の続き

任意の t ∈ J と |h| < δ となる任意の h ∈ E を固定する。
s ∈ [0, 1] に対して、ψ(s) = f(t, x_0 + sh) とおく。
dψ/ds = (d_2)f(t, x_0 + sh)h である。

f(t, x_0 + h) - f(t, x_0) = ∫[0, 1] (d_2)f(t, x_0 + sh)h ds
よって、
|f(t, x_0 + h) - f(t, x_0) - (d_2)f(t, x_0)h|
≦ ∫[0, 1] |(d_2)f(t, x_0 + sh)h - (d_2)f(t, x_0)h| ds
≦ ε|h|
証明終

576 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/26(土) 19:44:17
命題(>>561の修正)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間する。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
I を実数体 R の開区間とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) C > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ C|x - y| となる。

2) I×U×V の各点 (t, x, μ) で (d_2)f(t, x, μ) および
(d_3)f(t, x, μ) が存在し、それぞれ I×U×V 上で連続である。
ここで、(d_2)f(t, x, μ), (d_3)f(t, x, μ) は
それぞれ x, μ に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
J を t_0 を含む有限開区間でその閉包 J~ ⊂ I とする。
g: J×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

a) g(J×V) ⊂ U
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

このとき、J×V の各点 (t, μ) で (d_2)g(t, μ) が存在し、
任意の μ ∈ V に対して t → (d_2)g(t, μ) は
次の微分方程式の解 Ψ(t): J → L(F, E) である。

dΨ/dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)

(続く)

577 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/26(土) 19:45:45
>>576の証明

過去スレ014の829より、L(F, E) はBanach空間である。

任意の μ ∈ V と任意の (t, T) ∈ J×L(F, E) に対して
h_μ(t, T) = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)T + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)
とおく。
h_μ: J×L(F, E) → L(F, E) である。

任意の μ ∈ V と任意の t ∈ J と任意の T, S ∈ L(F, E) に対して
|h_μ(t, T) - h_μ(t, S)| ≦ |(d_2)f(t, g(t, μ), μ)||T - S|

よって、>>483より、任意の μ ∈ V に対して微分方程式
dΨ/dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)
の解 Ψ_μ(t): J → L(F, E) で Ψ_μ(t_0) = 0 となるものが一意に存在する。
ψ(t, μ) = Ψ_μ(t) と書く。

J×V の各点 (t, μ) で (d_2)g(t, μ) = ψ(t, μ) を証明すればよい。

J×V の任意の点 (t, μ) を固定する。
W(μ, r) ⊂ V となる r > 0 をとる。
ここで、W(μ, r) = {ν ∈ F; |ν - μ| < r}
h を W(μ, r) の任意の元とする。

(続く)

578 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/26(土) 19:46:56
>>577の続き

∫[t_0, t] (dg/ds)(s, μ + h) ds
= g(t, μ + h) - g(t_0, μ + h)
= g(t, μ + h) - x_0

∫[t_0, t] (dg/ds)(s, μ) ds
= g(t, μ) - g(t_0, μ)
= g(t, μ) - x_0

よって、
∫[t_0, t] ((dg/ds)(s, μ + h) - (dg/ds)(s, μ)) ds = g(t, μ + h) - g(t, μ)

一方、
(dg/ds)(s, μ + h) = f(s, g(s, μ + h), μ + h)
(dg/ds)(s, μ) = f(s, g(s, μ), μ)

よって、
g(t, μ + h) - g(t, μ)
= ∫[t_0, t] (f(s, g(s, μ + h), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ)) ds ← (1)

同様に
∫[t_0, t] (dψ/ds)(s, μ)h ds = ψ(t, μ)h - ψ(t_0, μ)h = ψ(t, μ)h

(dψ/ds)(s, μ) = (d_2)f(s, g(s, μ), μ)ψ(s, μ) + (d_3)f(s, g(s, μ), μ)

よって、
ψ(t, μ)h = ∫[t_0, t] (d_2)f(s, g(s, μ), μ)ψ(s, μ)h ds
+ ∫[t_0, t] (d_3)f(s, g(s, μ), μ)h ds ← (2)

(続く)

579 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/26(土) 19:48:00
>>578の続き

(1) と (2) より

g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h
= ∫[t_0, t] (f(s, g(s, μ + h), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ)) ds
- ∫[t_0, t] (d_2)f(s, g(s, μ), μ)ψ(s, μ)h ds
- ∫[t_0, t] (d_3)f(s, g(s, μ), μ)h ds ← (3)

ここで
α(s, h) = f(s, g(s, μ + h), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ + h)
- (d_2)f(s, g(s, μ), μ + h)(g(s, μ + h) - g(s, μ))

β(s, h) = f(s, g(s, μ), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ)
- (d_3)f(s, g(s, μ), μ)h

γ(s, h) = (d_2)f(s, g(s, μ), μ + h)(g(s, μ + h) - g(s, μ) - ψ(s, μ)h)

λ(s, h) = ((d_2)f(s, g(s, μ), μ + h) - (d_2)f(s, g(s, μ), μ))ψ(s, μ)h
とおく。

(3) より
g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h
= ∫[t_0, t] α(s, h) ds
+ ∫[t_0, t] β(s, h) ds
+ ∫[t_0, t] γ(s, h) ds
+ ∫[t_0, t] λ(s, h) ds ← (4)

(続く)

580 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/26(土) 19:49:20
>>579の続き

>>535より、任意の δ_1 > 0 に対して δ > 0 があり、|h| < δ なら
任意の s ∈ J に対して |g(s, μ + h) - g(s, μ)| < δ_1

よって、>>574より、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、|h| < δ なら
任意の s ∈ J に対して
|α(s, h)| ≦ ε|g(s, μ + h) - g(s, μ)| ← (5)
かつ
|β(s, h)| ≦ ε|h| ← (6)

>>535より、δ を十分小さくとれば |h| < δ のとき任意の s ∈ J に対して
|(d_2)f(s, g(s, μ), μ + h) - (d_2)f(s, g(s, μ), μ)| < ε
よって、
|λ(s, h)| ≦ ε|h|M ← (7)
ここで、M = sup{|ψ(s, μ)|; s ∈ J} である。

ρ(s, h) = f(s, g(s, μ), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ) とおく。

|ρ(s, h)| ≦ |∫[0, 1] (d_3)f(s, g(s, μ), μ + τh)h dτ|

>>535より、|h| < δ なら、任意の τ ∈ [0, 1] に対して
|(d_3)f(s, g(s, μ), μ + τh) - (d_3)f(s, g(s, μ), μ)| < 1
と仮定してよい。
よって、任意の τ ∈ [0, 1] に対して
|(d_3)f(s, g(s, μ), μ + τh)| ≦ A
ここで、A = 1 + sup{|(d_3)f(s, g(s, μ), μ)|; s ∈ J} とおいた。

よって、
|ρ(s, h)| ≦ A|h| ← (8)

(続く)

581 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/26(土) 19:50:18
>>580の続き

(1) より、
|g(t, μ + h) - g(t, μ)|
≦ |∫[t_0, t] (f(s, g(s, μ + h), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ)) ds|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ + h), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ + h)| ds|
+ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ), μ + h) - f(s, g(s, μ), μ)| ds|
≦ C|∫[t_0, t] |g(s, μ + h) - g(s, μ)| ds|
+ |∫[t_0, t] |ρ(s, h)| ds|

(8) より、
|g(t, μ + h) - g(t, μ)|
≦ C|∫[t_0, t] |g(s, μ + h) - g(s, μ)| ds|
+ AL|h|

ここで L は区間 J の長さである。

>>527より、
|g(s, μ + h) - g(s, μ)| ≦ (AL|h|)exp(C|s - t_0|)

よって、(5) より、
|α(s, h)| ≦ (εAL|h|)exp(C|s - t_0|) ← (9)

(続く)

582 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/26(土) 19:51:51
>>581の続き

(4), (9), (6), (7) より、
|g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h|
≦ |∫[t_0, t] α(s, h) ds|
+ |∫[t_0, t] β(s, h) ds|
+ |∫[t_0, t] γ(s, h) ds|
+ |∫[t_0, t] λ(s, h) ds|

≦ (ε|h|AL/C)exp(C|t - t_0|)
+ ε|h||t - t_0|
+ ε|h|M|t - t_0|
+ |∫[t_0, t] |(d_2)f(s, g(s, μ), μ + h)||g(s, μ + h) - g(s, μ) - ψ(s, μ)h| ds|

≦ (ε|h|AL/C)exp(C|t - t_0|)
+ ε|h||t - t_0|
+ ε|h|M|t - t_0|
+ |∫[t_0, t] |(d_2)f(s, g(s, μ), μ + h)||g(s, μ + h) - g(s, μ) - ψ(s, μ)h| ds|

>>535より、任意の |h| < δ なら
任意の s ∈ J に対して |(d_2)f(s, g(s, μ), μ + h) - (d_2)f(s, g(s, μ), μ)| < 1
と仮定してよい。

よって、任意の s ∈ J に対して |(d_2)f(s, g(s, μ), μ + h)| ≦ B
ここで、B = 1 + sup{|(d_2)f(s, g(s, μ), μ)|; s ∈ J}

よって、
|g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h|
≦ (ε|h|AL/C)exp(CL) + ε|h|L + ε|h|ML
+ B|∫[t_0, t] |g(s, μ + h) - g(s, μ) - ψ(s, μ)h| ds|

(続く)

583 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/26(土) 19:53:41
>>582の続き

>>527より、
|g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h|
≦ ε|h|((AL/C)exp(CL) + L + ML)exp(B|t - t_0|)
≦ ε|h|((AL/C)exp(CL) + L + ML)exp(BL)

よって、
h ≠ 0, |h| → 0 のとき、
|g(t, μ + h) - g(t, μ) - ψ(t, μ)h|/|h| → 0

よって、
(d_2)g(t, μ) = ψ(t, μ)
証明終

584 :132人目の素数さん:2009/12/26(土) 20:36:44
証明間違っているよ

585 :132人目の素数さん:2009/12/26(土) 21:01:07
ほんとだw

586 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/26(土) 23:12:56
>>584
そうですね。
有難うございます。


587 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/27(日) 14:28:16
次の補題とその証明は英語版WikipediaのGronwall's inequalityから
ほとんどそのまま借りた。

588 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/27(日) 14:28:59
補題(拡張されたGronwall の不等式)
I = [a, b) を実数体における区間とする(-∞ < a < b ≦ +∞)。
α(t) と β(t) と f(t) を I で連続な実数値関数で
I の各点 t で β(t) ≧ 0 かつ
f(t) ≦ α(t) + ∫[a, t] β(s)f(s) ds とする。

このとき、I の各点 t で
f(t) ≦ α(t) + ∫[a, t]α(s)β(s)exp(∫[s, t] β(r) dr)ds

証明
s ∈ I に対して、
g(s) = exp(-∫[a, s] β(r) dr)∫[a, s] β(r)f(r) dr とおく。

dg/ds = -β(s)exp(-∫[a, s] β(r) dr)∫[a, s] β(r)f(r) dr
+ β(s)f(s)exp(-∫[a, s] β(r) dr)
= (f(s) - ∫[a, s] β(r)f(r) dr)β(s)exp(-∫[a, s] β(r) dr)

ここで、f(s) - ∫[a, s] β(r)f(r) dr ≦ α(s) で β(s) ≧ 0 だから
dg/ds ≦ α(s)β(s)exp(-∫[a, s] β(r) dr)

g(a) = 0 であるから両辺を [a, t] において積分すると
g(t) = ∫[a, t] dg/ds ds ≦ ∫[a, t] α(s)β(s)exp(-∫[a, s] β(r) dr) ds
g(t) = exp(-∫[a, t] β(r) dr)∫[a, t] β(r)f(r) dr であったから

∫[a, t] β(s)f(s) ds = exp(∫[a, t] β(r) dr)g(t)
≦ exp(∫[a, t] β(r) dr)∫[a, t] α(s)β(s)exp(-∫[a, s] β(r) dr) ds
= ∫[a, t] α(s)β(s)exp(∫[a, t] β(r) -∫[a, s] β(r) dr) ds
= ∫[a, t] α(s)β(s)exp(∫[s, t] β(r) dr) ds

仮定より、f(t) ≦ α(t) + ∫[a, t] β(s)f(s) ds
よって、f(t) ≦ α(t) + ∫[a, t] α(s)β(s)exp(∫[s, t] β(r) dr) ds
証明終

589 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/27(日) 15:07:02
補題(拡張されたGronwall の不等式の系1)
I = [a, b) を実数体における区間とする(-∞ < a < b ≦ +∞)。
α(t) と β(t) と f(t) を I で連続な実数値関数で
I の各点 t で β(t) ≧ 0 かつ
f(t) ≦ α(t) + ∫[a, t] β(s)f(s) ds とする。

さらに α(t) は I において単調増加とする。
即ち、t_1, t_2 ∈ I で t_1 ≦ t_2 のとき α(t_1) ≦ α(t_2) とする。

このとき、I の各点 t で
f(t) ≦ α(t)exp(∫[a, t] β(s) ds)

証明
>>588より、
f(t) ≦ α(t) + ∫[a, t]α(s)β(s)exp(∫[s, t] β(r) dr)ds

α(t) は I において単調増加であり、I の各点 s で β(s) ≧ 0 であるから
f(t) ≦ α(t) + α(t)∫[a, t]β(s)exp(∫[s, t] β(r) dr)ds

ψ(s) = -exp(-∫[t, s] β(r) dr) を s で微分すると
dψ/ds = β(s)exp(-∫[t, s] β(r) dr) = β(s)exp(∫[s, t] β(r) dr)

よって、
∫[a, t]β(s)exp(∫[s, t] β(r) dr)ds = ∫[a, t] dψ/ds ds
= ψ(t) - ψ(a) = -1 + exp(-∫[t, a] β(r) dr)

よって、
f(t) ≦ α(t) + α(t)(-1 + exp(-∫[t, a] β(r) dr)) = α(t)exp(∫[a, t] β(s) ds)
証明終

590 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/27(日) 15:25:12
>>527の別証が次のように>>589より得られる。

>>527の((AC + B)/A)(exp(A(t - a)) - 1) + C は
C exp(A(t - a)) + (B/A)exp(A(t - a) - 1) に等しいことに注意。


591 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/27(日) 15:25:58
補題(拡張されたGronwall の不等式の系2)
I = [a, b) を実数体における区間とする(-∞ < a < b ≦ +∞)。
f(t) を I で連続な実数値関数で
A, B, C を実定数で A > 0 とする。

I の各点 t で
f(t) ≦ ∫[a, t] (Af(s) + B) ds + C とする。

このとき、I の各点 t で
f(t) ≦ C exp(A(t - a)) + (B/A)exp(A(t - a) - 1)

証明
I の各点 t で
g(t) = f(t) + B/A とおく。

I の各点 t で
g(t) ≦ ∫[a, t] Ag(s) ds + C + B/A である。

>>589より、
g(t) ≦ (C + B/A)exp(∫[a, t] A ds) = (C + B/A)exp(A(t - a))

よって、
f(t) ≦ (C + B/A)exp(A(t - a)) - B/A = C exp(A(t - a)) + (B/A)exp(A(t - a) - 1)
証明終

592 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/27(日) 16:17:10
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間とし、F を Banach空間する。
U を E の開集合とする。
I = [a, b] を有限閉区間とする。
f: I×U → F を連続写像とする。

任意の x ∈ U に対して
g(x) = ∫[a, b] f(t, x) dt とおく。

このとき g(x): U → F は連続である。

証明
x_0 を U の任意の点とする。
>>535より、任意の ε > 0 に対して x_0 の開近傍 V ⊂ U があり、
任意の x ∈ V と任意の t ∈ I に対して
|f(t, x) - f(t, x_0)| < ε となる。

よって、任意の x ∈ V に対して
|g(x) - g(x_0)| = |∫[a, b] (f(t, x) - f(t, x_0)) dt|
≦ ∫[a, b] |f(t, x) - f(t, x_0)| dt
≦ ε(b - a)

よって、g は x_0 で連続である。
証明終

593 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/27(日) 21:28:56
補題
K を実数体または複素数体とする。
X を位相空間とし、E を K 上のBanach空間する。
I = [a, b] を有限閉区間とする。
f: I×X → E を連続写像とする。

任意の x ∈ X に対して
g(x) = ∫[a, b] f(t, x) dt とおく。

このとき g: X → F は連続である。

証明
x_0 を X の任意の点とする。
>>535より、任意の ε > 0 に対して x_0 の開近傍 U があり、
任意の x ∈ U と任意の t ∈ I に対して
|f(t, x) - f(t, x_0)| < ε となる。

よって、任意の x ∈ U に対して
|g(x) - g(x_0)| = |∫[a, b] (f(t, x) - f(t, x_0)) dt|
≦ ∫[a, b] |f(t, x) - f(t, x_0)| dt
≦ ε(b - a)

よって、g は x_0 で連続である。
証明終

594 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/27(日) 22:07:01
補題
(X, d) を距離空間とする。
A を X の空でない部分集合とする。
x ∈ X のとき d(x, A) = inf {d(x, a); a ∈ A} と定義する。

このとき、x → d(x, A) は X 上で連続である。

証明
x, y ∈ X とする。

任意の a ∈ A に対して d(x, a) ≦ d(x, y) + d(y, a)
両辺の inf をとれば d(x, A) ≦ d(x, y) + d(y, A)

同様に d(y, A) ≦ d(x, y) + d(x, A)

よって、|d(x, A) - d(y, A)| ≦ d(x, y)
よって、x → d(x, A) は連続である。
証明終

595 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/27(日) 22:12:03
補題
(X, d) を距離空間とする。
A を X の閉集合とする。

x ∈ X - A のとき d(x, A) = inf{d(x, a); a ∈ A} > 0 である。

証明
d(x, A) = 0 とする。
A の元からなる点列 (a_n), n = 1, 2, ... があり lim a_n = x となる。
A は閉集合だから x ∈ A となり矛盾である。
証明終

596 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/27(日) 22:58:49
補題
(X, d) を距離空間とする。
A を X の空でない閉集合とする。
C を X のコンパクト集合とする。
A ∩ C = φ とする。

このとき実数 r > 0 があり、
U = {x ∈ X; d(x, C) < r} とおくと U は C を含む開集合であり、
U ∩ A = φ となる。
ここで、d(x, C) = inf {d(x, y); y ∈ C} である。

証明
x ∈ X に対して d(x, A) = inf {d(x, a); a ∈ A} とおく
>>594より、x → d(x, A) は X 上で連続である。
C はコンパクトだから x → d(x, A) は C 上で最小値 d(x_0, A) をとる。
>>595より d(x_0, A) > 0 である。
0 < r < d(x_0, A) となる r をとり、U = {x ∈ X; d(x, C) < r} とおく。

>>594より、U は開集合である。
C ⊂ U は明らかである。

U ∩ A ≠ φ と仮定して矛盾を導く。
a ∈ U ∩ A とする。
C はコンパクトだから d(a, C) = d(a, x_1) となる x_1 ∈ C がある。
d(x_0, A) ≦ d(x_1, A) ≦ d(a, x_1) = d(a, C) < r

これは r < d(x_0, A) に矛盾。
証明終

597 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 08:13:46
命題(>>561および>>576の修正)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間する。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
I を実数体 R の開区間とする。
f: I×U×V → E を次の条件 (C) を満たす連続写像とする。

(C) I×U×V の各点 (t, x, μ) で (d_2)f(t, x, μ) および
(d_3)f(t, x, μ) が存在し、それぞれ I×U×V 上で連続である。
ここで、(d_2)f(t, x, μ), (d_3)f(t, x, μ) は
それぞれ x, μ に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
J を t_0 を含む開区間で J ⊂ I とする。
g: J×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

a) g(J×V) ⊂ U
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

このとき、J×V の各点 (t, μ) で (d_2)g(t, μ) が存在し、
任意の μ ∈ V に対して t → (d_2)g(t, μ) は
次の微分方程式の解 Ψ(t): J → L(F, E) である。

dΨ/dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)

(続く)

598 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 08:15:04
>>597の証明

過去スレ014の829より、L(F, E) はBanach空間である。

任意の μ ∈ V と任意の (t, T) ∈ J×L(F, E) に対して
h_μ(t, T) = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)T + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)
とおく。
h_μ: J×L(F, E) → L(F, E) である。

任意の μ ∈ V と任意の t ∈ J と任意の T, S ∈ L(F, E) に対して
|h_μ(t, T) - h_μ(t, S)| ≦ |(d_2)f(t, g(t, μ), μ)||T - S|

よって、>>483より、任意の μ ∈ V に対して微分方程式
dΨ/dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)
の解 Ψ_μ(t): J → L(F, E) で Ψ_μ(t_0) = 0 となるものが一意に存在する。
ψ(t, μ) = Ψ_μ(t) と書く。

J×V の各点 (t, μ) で (d_2)g(t, μ) = ψ(t, μ) を証明すればよい。

J×V の任意の点 (t_1, p) を固定する。
W(p, b) ⊂ V となる b > 0 をとる。
ここで、W(p, b) = {μ ∈ F; |μ - p| < b} である。
h を W(0, b) = {μ ∈ F; |μ| < b} の任意の元とする。

∫[t_0, t_1] (dg/dt)(t, p + h) dt
= g(t_1, p + h) - g(t_0, p + h)
= g(t_1, p + h) - x_0

∫[t_0, t_1] (dg/dt)(t, p) dt
= g(t_1, p) - g(t_0, p)
= g(t_1, p) - x_0
(続く)

599 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 08:16:01
>>598の続き

よって、
∫[t_0, t_1] ((dg/dt)(t, p + h) - (dg/dt)(t, p)) dt = g(t_1, p + h) - g(t_1, p)

一方、
(dg/dt)(t, p + h) = f(t, g(t, p + h), p + h)
(dg/dt)(t, p) = f(t, g(t, p), p)

よって、
g(t_1, p + h) - g(t_1, p)
= ∫[t_0, t_1] (f(t, g(t, p + h), p + h) - f(t, g(t, p), p)) dt ← (1)

同様に
∫[t_0, t_1] (dψ/dt)(t, p)h dt = ψ(t_1, p)h - ψ(t_0, p)h = ψ(t_1, p)h

(dψ/dt)(t, p) = (d_2)f(t, g(t, p), p)ψ(t, p) + (d_3)f(t, g(t, p), p)

よって、
ψ(t_1, p)h = ∫[t_0, t_1] (d_2)f(t, g(t, p), p)ψ(t, p)h dt
+ ∫[t_0, t_1] (d_3)f(t, g(t, p), p)h dt ← (2)

(1) と (2) より

g(t_1, p + h) - g(t_1, p) - ψ(a, p)h
= ∫[t_0, t_1] (f(t, g(t, p + h), p + h) - f(t, g(t, p), p)) dt
- ∫[t_0, t_1] (d_2)f(t, g(t, p), p)ψ(t, p)h dt
- ∫[t_0, t_1] (d_3)f(t, g(t, p), p)h dt ← (3)

(続く)

600 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 08:16:56
>>599の続き

t_0, t_1 ∈ J であるから r_1 < t_0, t_1 < r_2 かつ [r_1, r_2] ⊂ J となる
有限区間 [r_1, r_2] がある。

[r_1, r_2] はコンパクトで t → g(t, p) は連続さから
Δ = {g(t, p); t ∈ [r_1, r_2]} はコンパクトで Δ ⊂ U である。
E - U は閉集合であるから>>596より実数 a > 0 があり、
Γ = {x ∈ E; d(x, Δ) < a} とおくと Γ は Δ を含む開集合であり、
Γ ⊂ U となる。
ここで、d(x, Δ) = inf {|x - y|; y ∈ Δ} である。
Δ はコンパクトだから d(x, Δ) = |y - x| となる y ∈ Δ がある。
よって、Γ = {x ∈ E; |x - y| < a となる y ∈ Δ がある}

Γ ⊂ U であるから [r_1, r_2]×Γ×W(p, b) ⊂ J×U×V である。

>>535より、b > 0 を十分小さくとって、|h| < b なら
任意の t ∈ [r_1, r_2] に対して |g(t, p + h) - g(t, p)| < a と出来る。
よって、s ∈ [0, 1] のとき任意の t ∈ [r_1, r_2] に対して
g(t, p) + s(g(t, p + h) - g(t, p)) ∈ Γ

よって、任意の (s, t, h) ∈ [0, 1]×[r_1, r_2]×W(0, b) に対して、
(t, g(t, p) + s(g(t, p + h) - g(t, p), p + h) ∈ J×U×V となる。
よって、φ(s) = f(t, g(t, p) + s(g(t, p + h) - g(t, p), p + h) が
よって、
f(t, g(t, p + h), p + h) - f(t, g(t, p), p)
= ∫[0, 1] dφ/ds ds
= ∫[0, 1](d_2)f(t, g(t, p) + s(g(t, p + h) - g(t, p)), p + h)(g(t, p + h) - g(t, p))ds

(続く)

601 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 08:17:39
>>600の続き

α(t, h) = ∫[0, 1](d_2)f(t, g(t, p) + s(g(t, p + h) - g(t, p)), p + h)ds
とおけば、

f(t, g(t, p + h), p + h) - f(t, g(t, p), p)
= α(t, h)(g(t, p + h) - g(t, p)) ← (4)

(s, t, h) → (d_2)f(t, g(t, p) + s(g(t, p + h) - g(t, p)), p + h) は
[0, 1]×[r_1, r_2]×W(0, b) から L(E, E) への連続写像である。
よって、>>593より、α(t, h): [r_1, r_2]×W(0, b) → L(E, E) は連続であり、
α(t, 0) = (d_2)f(t, g(t, p), p) である。

同様に任意の (s, t, h) ∈ [0, 1]×[r_1, r_2]×W(0, b) に対して
(t, g(t, p), p + sh) ∈ J×U×V となる。
よって、ω(s) = f(t, g(t, p), p + sh) が s ∈ [0, 1] で定義される。

よって、
f(t, g(t, p), p + h) - f(t, g(t, p), p)
= ∫[0, 1] dω/ds ds
= ∫[0, 1] (d_3)f(t, g(t, p), p + sh)h ds

β(t, h) = ∫[0, 1] (d_3)f(t, g(t, p), p + sh) ds
とおけば、

f(t, g(t, p), p + h) - f(t, g(t, p), p) = β(t, h)h ← (5)

>>593より、
β(t, h): [r_1, r_2]×W(0, b) → L(F, E) は連続であり、
β(t, 0) = (d_3)f(t, g(t, p), p) である。

(続く)

602 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 08:18:37
>>601の続き

一方、任意の t ∈ [r_1, r_2] に対して
f(t, g(t, p + h), p + h) - f(t, g(t, p), p)
= f(t, g(t, p + h), p + h) - f(t, g(t, p), p + h)
+ f(t, g(t, p), p + h) - f(t, g(t, p), p)

よって、(3), (4), (5) より
g(t_1, p + h) - g(t_1, p) - ψ(t_1, p)h
= ∫[t_0, t_1] α(t, h)(g(t, p + h) - g(t, p)) dt
+ ∫[t_0, t_1] β(t, h)h dt
- ∫[t_0, t_1] (d_2)f(t, g(t, p), p)ψ(t, μ)h dt
- ∫[t_0, t_1] (d_3)f(t, g(t, p), p)h dt

= ∫[t_0, t_1] α(t, h)(g(t, p + h) - g(t, p) - ψ(t, p)h) dt
+ ∫[t_0, t_1] (α(t, h) - α(t, 0))ψ(t, p)h dt
+ ∫[t_0, t_1] (β(t, h) - β(t, 0))h dt

よって、
|g(t_1, p + h) - g(t_1, p) - ψ(t_1, p)h|
≦ |∫[t_0, t_1]|α(t, h)||g(t, p + h) - g(t, p) - ψ(t, p)h|dt|
+ |∫[t_0, t_1]|α(t, h) - α(t, 0)||ψ(t, p)||h| dt|
+ |∫[t_0, t_1]|β(t, h) - β(t, 0)||h| dt|

>>535より、1 > ε > 0 となる任意の ε に対して
b > δ > 0 となる δ があり、|h| < δ なら
任意の t ∈ [r_1, r_2] に対して |α(t, h) - α(t, 0)| ≦ ε
および |β(t, h) - β(t, 0)| ≦ ε

(続く)

603 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 08:19:18
>>602の続き

ε < 1 であるから、A = 1 + sup{|α(t, 0)|; t ∈ [r_1, r_2]} とおけば、
|h| < δ なら任意の t ∈ [r_1, r_2] に対して |α(t, h)| ≦ A

B = sup{|ψ(t, p)|; t ∈ [r_1, r_2]} とおく。

以上から、|h| < δ のとき
|g(t_1, p + h) - g(t_1, p) - ψ(t_1, p)h|
≦ |∫[t_0, t_1] A|g(t, p + h) - g(t, p) - ψ(t, p)h| dt|
+ εB|h||t_1 - t_0|
+ ε|h||t_1 - t_0|

拡張されたGronwall の不等式の系1(>>589)より、|h| < δ のとき
|g(t_1, p + h) - g(t_1, p) - ψ(t_1, p)h|
≦ ε|h|(B + 1)|t_1 - t_0|exp(A|t_1 - t_0|)

よって、
h ≠ 0, |h| → 0 のとき、
|g(t_1, p + h) - g(t_1, p) - ψ(t_1, p)h|/|h| → 0

よって、
(d_2)g(t_1, p) = ψ(t_1, p)
証明終

604 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 11:20:47
>>603
>拡張されたGronwall の不等式の系1(>>589)より、|h| < δ のとき
>|g(t_1, p + h) - g(t_1, p) - ψ(t_1, p)h|
>≦ ε|h|(B + 1)|t_1 - t_0|exp(A|t_1 - t_0|)

これはGronwall の不等式の系2(>>591)からも出る。
つまり、
|g(t_1, p + h) - g(t_1, p) - ψ(t_1, p)h|
≦ |∫[t_0, t_1] (A|g(t, p + h) - g(t, p) - ψ(t, p)h| + ε(B + 1)|h|) dt|

よって、>>591で A = A, B = ε(B + 1)|h|, C = 0 として、
|g(t_1, p + h) - g(t_1, p) - ψ(t_1, p)h|
≦ (ε(B + 1)|h|/A) exp(A|t_1 - t_0| - 1)
= ε|h|(B + 1)|t_1 - t_0|exp(A|t_1 - t_0|)

605 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 11:32:31
>>591の修正
補題(拡張されたGronwall の不等式の系2)
I = [a, b) を実数体における区間とする(-∞ < a < b ≦ +∞)。
f(t) を I で連続な実数値関数で
A, B, C を実定数で A > 0 とする。

I の各点 t で
f(t) ≦ ∫[a, t] (Af(s) + B) ds + C とする。

このとき、I の各点 t で
f(t) ≦ C exp(A(t - a)) + (B/A)(exp(A(t - a)) - 1))

証明
I の各点 t で
g(t) = f(t) + B/A とおく。

I の各点 t で
g(t) ≦ ∫[a, t] Ag(s) ds + C + B/A である。

>>589より、
g(t) ≦ (C + B/A)exp(∫[a, t] A ds) = (C + B/A)exp(A(t - a))

よって、
f(t) ≦ (C + B/A)exp(A(t - a)) - B/A = C exp(A(t - a)) + (B/A)(exp(A(t - a)) - 1)
証明終

606 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 11:34:09
>>590
>C exp(A(t - a)) + (B/A)exp(A(t - a) - 1) に等しいことに注意。

C exp(A(t - a)) + (B/A)(exp(A(t - a)) - 1)) に等しいことに注意。

607 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 11:35:50
>>604
>≦ (ε(B + 1)|h|/A) exp(A|t_1 - t_0| - 1)

≦ (ε(B + 1)|h|/A) (exp(A|t_1 - t_0|) - 1)

608 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 13:59:49
命題(正規型常微分方程式の解の存在と一意性およびパラメータに関する微分可能性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
R を実数体とする。
Ω を R×E×F の開集合とする。
f: Ω → E を次の条件 (C) を満たす連続写像とする。

(C) Ω の各点 (t, x, μ) で (d_2)f(t, x, μ) および
(d_3)f(t, x, μ) が存在し、それぞれ Ω 上で連続である。
ここで、(d_2)f(t, x, μ), (d_3)f(t, x, μ) は
それぞれ x, μ に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

(t_0, x_0, μ_0) を Ω の任意の点とする。

このとき (t_0, x_0, μ_0) の開近傍 J×U×V ⊂ Ω
及び連続写像 g: J×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。
ここで、J は開区間であり、U, V はそれぞれ E, F の開集合である。

a) g(J×V) ⊂ U

b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0

c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

d) J×V の各点 (t, μ) で (d_2)g(t, μ) が存在し、
任意の μ ∈ V に対して t → (d_2)g(t, μ) は
次の微分方程式の解 Ψ(t): J → L(F, E) である。

dΨ/dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)

(続く)

609 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 14:00:53
>>608の証明

(d_2)f(t, x, μ) 及び (d_3)f(t, x, μ) は (t_0, x_0, μ_0) で連続であるから
t_0 を含む開区間 I, x_0 の凸開近傍 U, μ_0 の凸開近傍 V があり、
(d_2)f(t, x, μ) 及び (d_3)f(t, x, μ) は I×U×V で有界となる。
よって、A > 0, B > 0 があり I×U×V の各点 (t, x, μ) で
|(d_2)f(t, x, μ)| ≦ A
|(d_3)f(t, x, μ)| ≦ B
となる。

U は凸だから任意の s ∈ [0, 1] 及び任意の (t, μ) ∈ I×V と
任意の x, y ∈ U に対して、
φ(s) = f(t, x + s(y - x), μ) が定義出来る。

dφ/ds = (d_2)f(t, x + s(y - x), μ)(y - x)

よって、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して、
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| = |∫[0, 1] (d_2)f(t, x + s(y - x), μ)(y - x) ds|
≦ ∫[0, 1] |(d_2)f(t, x + s(y - x), μ)||y - x| ds
≦ A|y - x| ← (1)

V は凸だから任意の s ∈ [0, 1] 及び任意の (t, x) ∈ I×U と
任意の μ, ν ∈ V に対して
ψ(s) = f(t, x, μ + s(ν - μ)) が定義出来る。
dψ/ds = (d_3)f(t, x, μ + s(ν - μ))(ν - μ)

よって、任意の (t, x) ∈ I×U と任意の μ, ν ∈ V に対して
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)|
= |∫[0, 1] (d_3)f(t, x, μ + s(ν - μ))(ν - μ) ds|
≦ B|ν - μ| ← (2)

(続く)

610 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 14:01:46
>>609の証明

任意の μ ∈ V に対して (t, x) → f(t, x, μ) は>>499の条件を満たす。
>>499の証明より>>499の区間 J は μ に無関係に定まる。
よって、写像 g: J×V → E で本命題の a), b), c) を満たすものが一意に存在する。
g が連続であることを証明すれば>>597より d) が出る。

任意の t ∈ J と任意の μ, ν ∈ V に対して

∫[t_0, t] dg/ds(s, μ) ds
= g(t, μ) - g(t_0, μ)
= g(t, μ) - x_0

同様に
∫[t_0, t] dg/ds(s, ν) ds = g(t, ν) - x_0

よって、
g(t, μ) - g(t, ν)
= ∫[t_0, t] (dg/ds(s, μ) - dg/ds(s, ν)) ds
= ∫[t_0, t] (f(s, g(s, μ), μ) - f(s, g(s, ν), ν)) ds

よって、(1), (2) より
|g(t, μ) - g(t, ν)|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ), μ) - f(s, g(s, ν), ν)| ds|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ), μ) - f(s, g(s, ν), μ)|
+ |f(s, g(s, ν), μ) - f(s, g(s, μ), ν)| ds|
≦ |∫[t_0, t] (A|g(s, μ) - g(s, ν)| + B|μ - ν|) ds|

(続く)

611 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 14:02:43
>>610の続き

Gronwall の不等式の系2(>>591)より、

|g(t, μ) - g(t, ν)|≦ (B/A)|μ - ν|(exp(A|t - t_0|) - 1)

区間 J の幅を L とすれば
|g(t, μ) - g(t, ν)|≦ (B/A)|μ - ν|(exp(AL) - 1)

任意の s ∈ J に対して

|g(t, μ) - g(s, ν)| ≦ |g(t, μ) - g(t, ν)| + |g(t, ν) - g(s, ν)|
≦ (B/A)|μ - ν|(exp(AL) - 1) + |g(t, ν) - g(s, ν)| ← (3)

ν を固定したとき t → g(t, ν) は微分可能、従って連続であるから
t → s のとき |g(t, ν) - g(s, ν)| → 0

よって、(s, ν) を固定し、(t, μ) → (s, ν) とすれば
(3) より |g(t, μ) - g(s, ν)| → 0

よって、g: J×V → E は連続である。
証明終

612 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/28(月) 14:03:33
>>610
>>>609の証明

>>609の続き

613 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 09:49:10
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。

f(t, x, μ): I×U×V → E を連続写像として次の条件 (*L) を満たすとする。

(*L) 任意の (t_1, ν_1) ∈ I×V に対して t_1 の開近傍 I_1 ⊂ I と
の開近傍 V_1 ⊂ V と定数 M > 0 があり、
任意の (t, μ) ∈ (I_1)×(V_1) と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ M|x - y| となる。

(t_0, x_0) を I×U の点とし、g: I×V → U を次の条件を満たす写像とする。

a) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0 となる。
b) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の I における解で、

このとき、g は I×V 上で連続である。

証明
(t_1, ν_1) を I×V の任意の点とする。
t_0, t_1 ∈ I であるから r_1 < t_0, t_1 < r_2 かつ [r_1, r_2] ⊂ I となる
有限閉区間 [r_1, r_2] がある。
[r_1, r_2] はコンパクトであるから条件 (*L) より次の条件 (**L) が得られる。

(**L) 任意の ν_1 ∈ V に対して ν_1 の開近傍 V_1 ⊂ V と定数 M > 0 があり、
任意の (t, μ) ∈ [r_1, r_2]×(V_1) と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ M|x - y| となる。

(続く)

614 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 09:50:45
>>613の続き

さて、(t_1, ν_1) を I×V の任意の点とする。
(*LL) より、ν_1 の開近傍 V_1 ⊂ V と定数 M > 0 があり、
任意の (t, μ) ∈ [r_1, r_2]×(V_1) と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ M|x - y| となる。

t → g(t, ν_1) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の I における解であるから、
I 上で連続である。
よって、(t, μ) → f(t, g(t, ν_1), μ) は [r_1, r_2]×(V_1) 上で連続である。
よって、>>535より、任意の ε > 0 に対して V(ν_1, δ) ⊂ V_1 となる
δ > 0 があり、μ ∈ V(ν_1, δ) なら任意の t ∈ [r_1, r_2] に対して
|f(t, g(t, ν_1), μ) - f(t, g(t, ν_1), ν_1)| < ε となる。
ここで、V(ν_1, δ) = {μ ∈ F; |μ - ν_1| < δ} である。

よって、任意の (t, μ) ∈ [r_1, r_2]×V(ν_1, δ) に対して
|f(t, g(t, μ), μ) - f(t, g(t, ν_1), ν_1)|
≦ |f(t, g(t, μ), μ) - f(t, g(t, ν_1), μ)|
+ |f(t, g(t, ν_1), μ) - f(t, g(t, ν_1), ν_1)|
≦ M| g(t, μ) - g(t, ν_1)| + ε ← (1)

一方、任意の (t, μ) ∈ (r_1, r_2)×V(ν_1, δ) に対して

∫[t_0, t] (dg/ds)(s, μ) ds = g(t, μ) - g(t_0, μ) = g(t, μ) - x_0
∫[t_0, t] (dg/ds)(s, ν_1) ds = g(t, ν_1) - g(t_0, ν_1) = g(t, ν_1) - x_0

よって、
g(t, μ) - g(t, ν_1) = ∫[t_0, t] ((dg/ds)(s, μ) - (dg/ds)(s, ν_1)) ds
= ∫[t_0, t] (f(s, g(s, μ), μ) - f(s, g(s, ν_1), ν_1)) ds

(続く)

615 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 09:51:26
>>614の続き

よって、(1) より、任意の (t, μ) ∈ (r_1, r_2)×V(ν_1, δ) に対して
|g(t, μ) - g(t, ν_1)|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ), μ) - f(s, g(s, ν_1), ν_1)| ds|
≦ |∫[t_0, t] (M| g(t, μ) - g(t, ν_1)| + ε) ds|

よって、>>511より、任意の (t, μ) ∈ (r_1, r_2)×V(ν_1, δ) に対して
|g(t, μ) - g(t, ν_1)|
≦ (ε/M)(exp(M|t - t_0|) - 1) ≦ (ε/M)(exp(M(r_2 - r_1)) - 1)

よって、任意の (t, μ) ∈ (r_1, r_2)×V(ν_1, δ) に対して
|g(t, μ) - g(t_1, ν_1)|
≦ |g(t, μ) - g(t, ν_1)| + |g(t, ν_1) - g(t_1, ν_1)|
≦ (ε/M)(exp(M(r_2 - r_1)) - 1) + |g(t, ν_1) - g(t_1, ν_1)|

t → g(t, ν_1) は連続であるから、
|t - t_1| を十分小さくすれば |g(t, ν_1) - g(t_1, ν_1)| < ε となる。

よって、g(t, μ) は (t_1, ν_1) において連続である。
(t_1, ν_1) は I×V の任意の点であるから、g(t, μ) は I×V 上で連続である。
証明終

616 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 09:58:25
命題(線型常微分方程式の解のパラメータに関する連続性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
I を R の開区間とする。
V を F の開集合とする。
a(t, μ): I×V → L(E, E) と b(t, μ): I×V → L(F, E) を連続写像とする。

t_0 を I の任意の点とし、T_0 を L(F, E) の任意の元とする。
このとき連続写像 g: I×V → L(F, E) で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = T_0
b) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dψ/dt = a(t, μ)ψ(t) + b(t, μ) の I における解である。

証明
μ ∈ V を固定する。
t → a(t, μ) および t → b(t, μ) は共に I で連続である。
(t, T) ∈ I×L(F, E) に対して
f(t, T) = a(t, μ)T + b(t, μ) とおく。
f(t, T): I×L(F, E) → L(F, E) は連続である。

任意の t ∈ I と任意の T, S ∈ L(F, E) に対して
|f(t, T) - f(t, S)| ≦ |a(t, μ)||T - S|

よって、>>483より、微分方程式 dψ/dt = a(t, μ)ψ(t) + b(t, μ) の解 g(t, μ) で
g(t_0, μ) = T_0 となり定義域が I となるものが一意に存在する。

a(t, μ) は I×V 上で連続であるから局所的に有界である。
よって、(t, T, μ) → a(t, μ)T + b(t, μ) は>>613の条件 (*L) を満たす。
よって、>>613より、g: I×V → L(F, E) は連続である。
証明終

617 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 10:25:12
命題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間する。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
I を実数体 R の開区間とする。
f: I×U×V → E を C^k 級(1 ≦ k ≦ ∞)の写像とする。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。
J を t_0 を含む開区間で J ⊂ I とする。
g: J×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

a) g(J×V) ⊂ U
b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0
c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

このとき、g は J×V 上で C^k 級である。

証明
k < ∞ として本命題を証明すれば k = ∞ のときも本命題は成り立つ。
よって k < ∞ として、k に関する帰納法で証明する。
まず k = 1 とする。
>>597より、J×V の各点 (t, μ) で (d_2)g(t, μ) が存在し、
任意の μ ∈ V に対して t → (d_2)g(t, μ) は
次の微分方程式の解 Ψ(t): J → L(F, E) である。

dΨ/dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)

さらに任意の μ ∈ V に対して (d_2)g(t_0, μ) = 0 である。
よって、>>616より (d_2)g(t, μ) は J×V 上で連続である。
即ち、g(t, μ) は J×V 上で μ に関して C^1 級である。
(続く)

618 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 10:26:22
>>617の続き

一方、J×V 上で (dg/dt)(t, μ) = f(t, g(t, μ), μ) であるから、
g(t, μ) は J×V 上で t に関して C^1 級である。

よって、g(t, μ) は J×V 上で C^1 級である。

次に k ≧ 2 として k - 1 のときに本命題が成り立つと仮定する。

>>597より、J×V の各点 (t, μ) で (d_2)g(t, μ) が存在し、
任意の μ ∈ V に対して t → (d_2)g(t, μ) は
次の微分方程式の解 Ψ(t): J → L(F, E) である。

dΨ/dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)

さらに任意の μ ∈ V に対して (d_2)g(t_0, μ) = 0 である。
f(t, x, μ) は C^k 級だから
(d_2)f(t, g(t, μ), μ) と (d_3)f(t, g(t, μ), μ) は
それぞれ C^(k-1) 級である。
微分方程式 dΨ/dt = (d_2)f(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)f(t, g(t, μ), μ)
に帰納法の仮定を適用すると (d_2)g(t, μ) は C^(k-1) 級である。
よって、g(t, μ) は μ に関して C^k 級である。

一方、J×V 上で (dg/dt)(t, μ) = f(t, g(t, μ), μ) であるから、
(dg/dt)(t, μ) は C^k 級である。
よって、g(t, μ) は t に関して C^(k+1) 級である。

以上から g(t, μ) は C^k 級である。
証明終

619 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 11:01:15
命題(正規型常微分方程式の解の存在と一意性およびパラメータに関する C^k 級性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
R を実数体とする。
Ω を R×E×F の開集合とする。
f: Ω → E を C^k 級(1 ≦ k ≦ ∞)の写像とする。

(t_0, x_0, μ_0) を Ω の任意の点とする。

このとき (t_0, x_0, μ_0) の開近傍 J×U×V ⊂ Ω
及び C^k 級写像 g: J×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。
ここで、J は開区間であり、U, V はそれぞれ E, F の開集合である。

a) g(J×V) ⊂ U

b) 任意の μ ∈ V に対して g(t_0, μ) = x_0

c) 任意の μ ∈ V に対して写像 t → g(t, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

証明
>>608>>617より明らかである。

620 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 13:57:44
命題(>>550の改良)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を次の条件 (C) を満たす連続写像とする。

(C) I×U の各点 (t, x) で (d_2)f(t, x) が存在し、I×U 上で連続である。
ここで、(d_2)f(t, x) は x に関する偏微分である(過去スレ014の833)。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I が与えられ、
g: J×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

a) g(J×V) ⊂ U
b) g(t_0, x) = x
c) 任意の x ∈ V に対して写像 t → g(t, x) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の I における解である。

このとき、J×V の各点 (t, x) で (d_2)g(t, x) が存在し、
(d_2)g(t, x) は J×V 上で連続である。

証明
まず証明のアイデアを述べる。
μ ∈ V を任意にとり定数とみなし、y を新しい変数として、x = y + μ とおく。
微分方程式 dx/dt = f(t, x) より
パラメータ付き微分方程式 dy/dt = f(t, y + μ) が得られる。
初期条件 x(t_0) = μ は、初期条件 y(t_0) = 0 となる。
以上のアイデアをもとにして厳密に証明しよう。

(続く)

621 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 13:58:28
>>620の続き

μ_0 ∈ V を任意にとり固定する。
φ: E×V → E を φ(x, y) = x + y により定義する。
φ は連続であり、φ(0, μ_0) = μ_0 ∈ U であるから
0 の開近傍 U_0 ⊂ E と μ_0 の開近傍 W ⊂ V があり
φ((U_0)×W) ⊂ U となる。

よって、
連続写像 h(t, y, μ): I×(U_0)×W → E を h(t, y, μ) = f(t, y + μ)
により定義出来る。

合成写像の微分法から、I×(U_0)×W の各点 (t, y, μ) で (d_2)h(t, y, μ) および
(d_3)f(t, y, μ) が存在し、それぞれ I×(U_0)×W 上で連続である。

μ ∈ W のとき、J の各点 t で (dg/dt)(t, μ) = f(t, g(t, μ))
よって、ψ(t, μ) = g(t, μ) - μ は dy/dt = f(t, y + μ) の解で
初期条件 ψ(t_0, μ) = 0 を満たす。

よって、>>597より、J×W の各点 (t, μ) で (d_2)ψ(t, μ) が存在し、
任意の μ ∈ W に対して t → (d_2)ψ(t, μ) は
次の微分方程式の解 Ψ(t): J → L(F, E) である。

dΨ/dt = (d_2)h(t, g(t, μ), μ)Ψ(t) + (d_3)h(t, g(t, μ), μ)

よって、>>616より (d_2)ψ(t, μ) は J×W 上で連続である。
よって、(d_2)g(t, x) は J×W 上で連続である。

μ_0 は V の任意の点であり、W ⊂ V は μ_0 の近傍であるから
J×V の各点 (t, x) で (d_2)g(t, x) が存在し、
(d_2)g(t, x) は J×V 上で連続である。
証明終

622 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 14:26:38
命題(正規型常微分方程式の解の初期値に関する C^k 級性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
I を R の開区間とし、U を E の開集合とする。
f: I×U → E を C^k 級(1 ≦ k ≦ ∞)の写像とする。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I が与えられ、
g: J×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

a) g(J×V) ⊂ U
b) g(t_0, x) = x
c) 任意の x ∈ V に対して写像 t → g(t, x) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の I における解である。

このとき、g は J×V 上で C^k 級である。

証明
μ_0 ∈ V を任意にとり固定する。
φ: E×V → E を φ(x, y) = x + y により定義する。
φ は連続であり、φ(0, μ_0) = μ_0 ∈ U であるから
0 の開近傍 U_0 ⊂ E と μ_0 の開近傍 W ⊂ V があり
φ((U_0)×W) ⊂ U となる。

よって、連続写像 h(t, y, μ): I×(U_0)×W → E を h(t, y, μ) = f(t, y + μ)
により定義出来る。
明らかに h(t, y, μ) は C^k 級である。

(続く)

623 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 14:27:20
>>622の続き

μ ∈ W のとき、J の各点 t で (dg/dt)(t, μ) = f(t, g(t, μ))
よって、ψ(t, μ) = g(t, μ) - μ は dy/dt = f(t, y + μ) の解で
初期条件 ψ(t_0, μ) = 0 を満たす。

よって、>>617より ψ(t, μ) は J×W 上で C^k 級である。
よって、g(t, x) は J×W 上で C^k 級である。

μ_0 は V の任意の点であり、W ⊂ V は μ_0 の近傍であるから
g は J×V 上で C^k 級である。
証明終

624 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 15:00:46
>>610
>任意の μ ∈ V に対して (t, x) → f(t, x, μ) は>>499の条件を満たす。

f(t, x, μ) は (t_0, x_0, μ_0) で連続であるから
初めから I×U×V を十分小さくとっておき f は I×U×V 上で有界と仮定してよい。
よって、>>609と合わせて、任意の μ ∈ V に対して (t, x) → f(t, x, μ) は
>>499の条件を満たす。

625 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 15:16:34
定理(正規型常微分方程式の解の存在と一意性および初期値に関する C^k 級性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
R を実数体とする。
Ω を R×E の開集合とする。
f: Ω → E を C^k 級(1 ≦ k ≦ ∞)の写像とする。

(t_0, x_0) を Ω の任意の点とする。

このとき (t_0, x_0) の開近傍 J×V ⊂ Ω
及び C^k 級写像 g: J×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。
ここで、J は開区間であり、V はそれぞれ E の開集合である。

a) g(J×V) ⊂ Ω

b) 任意の x ∈ V に対して g(t_0, x) = x

c) 任意の x ∈ V に対して写像 t → g(t, x) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の J における解である。

証明
f(t, x, μ) は (t_0, x_0) で連続であるから
t_0 を含む開区間 I と x_0 の凸開近傍 U があり、f は I×U 上で有界である。

さらに f は少なくとも C^1 級であるから
(d_2)f(t, x) は (t_0, x_0, μ_0) で連続である。
よって、初めから I×U を十分小さくとっておき、
(d_2)f(t, x) は I×U 上で有界と仮定してよい。
即ち C > 0 があり I×U の各点 (t, x) で
|(d_2)f(t, x)| ≦ C

(続く)

626 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 15:17:17
>>625の続き

U は凸だから任意の s ∈ [0, 1] 及び任意の t ∈ I と
任意の x, y ∈ U に対して、
φ(s) = f(t, x + s(y - x)) が定義出来る。

dφ/ds = (d_2)f(t, x + s(y - x))(y - x)

よって、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して、
|f(t, x) - f(t, y)| = |∫[0, 1] (d_2)f(t, x + s(y - x))(y - x) ds|
≦ ∫[0, 1] |(d_2)f(t, x + s(y - x))||y - x| ds
≦ C|y - x|

よって、f(t, x): I×U → E は>>462の条件を満たす。
よって、>>462より、x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 x ∈ V に対して J から U への連続写像 t → g(t, x) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, x) = x となるものが
一意に存在する。

よって、>>622より g: J×V → E は C^k 級である。
証明終

627 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 15:26:25
>>625の定理の証明が当面の目標であった。
これをBanach空間上で証明するのは意外に難しい。
無限次元のBanach空間は局所コンパクトでないので
コンパクト集合上で定義された連続関数の有界性や一様連続性が使えないのが
その一因である。


628 :132人目の素数さん:2009/12/29(火) 18:20:06
結局どこが間違ってたの?

489 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.00 2017/10/04 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)