5ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

代数的整数論 016

1 :132人目の素数さん:2009/12/29(火) 20:16:13
代数的整数論 016
Kummer ◆g2BU0D6YN2 が代数的整数論を語るスレです。

現在は代数的整数論の準備をしています。
代数的整数論のみに興味ある方はこのスレは必要になった段階で
参照することをお勧めします。
ただし、このスレが終了すると見れなくなる恐れがあるので、
適時チェックして内容をセーブしたほうが良いでしょう。

内容についてわからないことがあったら遠慮なく
質問してください。
その他、内容についてのご意見は歓迎します。
例えば、誤りの指摘、証明の改良など。
なお、このスレの主題に直接関係のないコメントについては
原則としてレスはしません(たとえそれが励ましの言葉であっても)。

過去スレ
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1126510231
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1132643310
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1185363461/l50
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1187904318/l50
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1189335756/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1195560105/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1208646742/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1212143770/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1246160488/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1247494646/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1251012346/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1255385658/l50

2 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 20:26:06
過去スレ015の512は微分方程式の解の初期条件が抜けているので間違いである。
つまり、過去スレ015の513の式
g(t, μ) - g(t, ν) = ∫[t_0, t] (f(s, g(s, μ), s) - f(s, g(s, ν), s)) ds
はそのままでは成り立たない。
過去スレ015の512に解の初期条件を追加すれば成り立つ。

3 :132人目の素数さん:2009/12/29(火) 21:50:03
うんこ

4 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 22:29:04
過去スレ015の625に誤記があったので改めて述べる。

定理(正規型常微分方程式の解の存在と一意性および初期値に関する C^k 級性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
R を実数体とする。
Ω を R×E の開集合とする。
f: Ω → E を C^k 級(1 ≦ k ≦ ∞)の写像とする。

(t_0, x_0) を Ω の任意の点とする。

このとき (t_0, x_0) の開近傍 J×V ⊂ Ω
及び C^k 級写像 g: J×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。
ここで、J は開区間であり、V はそれぞれ E の開集合である。

a) g(J×V) ⊂ Ω
b) 任意の x ∈ V に対して g(t_0, x) = x
c) 任意の x ∈ V に対して写像 t → g(t, x) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の J における解である。

証明
f(t, x, μ) は (t_0, x_0) で連続であるから
t_0 を含む開区間 I と x_0 の凸開近傍 U があり、f は I×U 上で有界である。

さらに f は少なくとも C^1 級であるから
(d_2)f(t, x) は (t_0, x_0, μ_0) で連続である。
よって、初めから I×U を十分小さくとっておき、
(d_2)f(t, x) は I×U 上で有界と仮定してよい。
即ち C > 0 があり I×U の各点 (t, x) で
|(d_2)f(t, x)| ≦ C

(続く)

5 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 22:30:12
>>4の続き

U は凸だから任意の s ∈ [0, 1] 及び任意の t ∈ I と
任意の x, y ∈ U に対して、
φ(s) = f(t, x + s(y - x)) が定義出来る。

dφ/ds = (d_2)f(t, x + s(y - x))(y - x)

よって、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して、
|f(t, x) - f(t, y)| = |∫[0, 1] (d_2)f(t, x + s(y - x))(y - x) ds|
≦ ∫[0, 1] |(d_2)f(t, x + s(y - x))||y - x| ds
≦ C|y - x|

よって、f(t, x): I×U → E は>>462の条件を満たす。
よって、過去スレ015の462より、x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 x ∈ V に対して J から U への連続写像 t → g(t, x) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, x) = x となるものが
一意に存在する。

よって、過去スレ015の622より g: J×V → E は C^k 級である。
証明終

6 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 22:33:43
>>4
>(d_2)f(t, x) は (t_0, x_0, μ_0) で連続である。

(d_2)f(t, x) は (t_0, x_0) で連続である。


7 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/29(火) 22:34:25
>>5
>よって、f(t, x): I×U → E は>>462の条件を満たす。

よって、f(t, x): I×U → E は過去スレ015の462の条件を満たす。


8 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/30(水) 08:29:48
過去スレ015の625を再度改めて述べる。

定理(正規型常微分方程式の解の存在と一意性および初期値に関する C^k 級性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とする。
R を実数体とする。
Ω を R×E の開集合とする。
f: Ω → E を C^k 級(1 ≦ k ≦ ∞)の写像とする。

(t_0, x_0) を Ω の任意の点とする。

このとき (t_0, x_0) の開近傍 J×V ⊂ Ω
及び C^k 級写像 g: J×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。
ここで、J は開区間であり、V はそれぞれ E の開集合である。

a) g(J×V) ⊂ Ω
b) 任意の x ∈ V に対して g(t_0, x) = x
c) 任意の x ∈ V に対して写像 t → g(t, x) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の J における解である。

証明
f(t, x) と (d_2)f(t, x) は (t_0, x_0) で連続であるから
(t_0, x_0) の開近傍 I×U ⊂ Ω があり、両者は I×U 上で有界である。
ここで、I は t_0 を含む開区間であり、U は x_0 の開近傍である。

よって、C > 0 があり I×U の各点 (t, x) で
|(d_2)f(t, x)| ≦ C

(続く)

9 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/30(水) 08:30:29
>>8の続き

U は凸と仮定してよいから任意の (s, t) ∈ [0, 1]×I と
任意の x, y ∈ U に対して、
s の関数 φ(s) = f(t, x + s(y - x)) が定義出来る。

dφ/ds = (d_2)f(t, x + s(y - x))(y - x)

よって、任意の t ∈ I と任意の x, y ∈ U に対して、
|f(t, x) - f(t, y)| = |∫[0, 1] (d_2)f(t, x + s(y - x))(y - x) ds|
≦ ∫[0, 1] |(d_2)f(t, x + s(y - x))||y - x| ds
≦ C|y - x|

よって、f(t, x): I×U → E は過去スレ015の462の条件を満たす。
よって、過去スレ015の462より、x_0 の近傍 V ⊂ U と t_0 を含む開区間 J ⊂ I があり、
各 x ∈ V に対して J から U への連続写像 t → g(t, x) で
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t)) の解であり g(t_0, x) = x となるものが
一意に存在する。

よって、過去スレ015の622より g: J×V → E は C^k 級である。
証明終

10 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/30(水) 10:32:45
過去スレ015の528にはいくつか不具合があるので改めて述べる。

命題(正規型常微分方程式の解の初期値とパラメータに関する連続性)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のBanach空間とし、F を K 上のノルム空間とする。
I を実数体 R の開区間とする。
U を E の開集合とし、V を F の開集合とする。
f: I×U×V → E を次の条件を満たす連続写像とする。

1) f は I×U×V 上で有界である。
即ち、M > 0 があり、任意の (t, x, μ) ∈ I×U×V に対して
|f(t, x, μ)| ≦ M となる。

2) C > 0 があり、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| ≦ C|x - y| となる。

3) f(t, x, μ) は μ に関して一様連続である。
即ち、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら任意の (t, x) ∈ I×U に対して
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| < ε となる。

(t_0, x_0) を I×U の任意の点とする。

このとき t_0 を含む開区間 J ⊂ I と x_0 の近傍 W ⊂ Uがあり
連続写像 g: J×W×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。

a) g(J×W×V) ⊂ U
b) 任意の (x, μ) ∈ W×V に対して g(t_0, x, μ) = x
c) 任意の (x, μ) ∈ W×V に対して写像 t → g(t, x, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

(続く)

11 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/30(水) 10:33:52
>>10の証明

I(t_0, a) ⊂ I となる a > 0 を任意にとる。
ここで、I(t_0, a) = {t ∈ R; |t - t_0| < a} である。

U(x_0, r) ⊂ U となる r > 0 を任意にとる。
ここで、U(x_0, r) = {x ∈ E; |x - x_0| < r} である。

W = {x ∈ E; |x - x_0| < r/2} とおく。
y を W の任意の点とする。

μ ∈ V を固定し、写像 (t, x) → f(t, x, μ) に過去スレ015の499を適用する。
U(y, r/2) = {x ∈ E; |x - y| < r/2} とおく。
U(y, r/2) ⊂ U であるから
過去スレ015の499より、t_0 を含む開区間 J = {t ∈ R; |t - t_0| < d} ⊂ I があり、
写像 h: J → E で次の条件を満たすものが一意に存在する。

a) h(J) ⊂ U
b) h(t_0) = y
c) 写像 t → h(t) は微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

過去スレ015の499の証明より開区間 J の幅 d は定数 a, r, M のみで決まり、
y および μ の選び方によらない。
よって、写像 g: J×W×V → E を g(t, y, μ) = h(t) で定義する。

g が連続であることを証明すればよい。

1) より、f は I×U×V 上で有界であるから、
μ, ν ∈ V のとき、f(t, x, μ) - f(t, x, ν) は I×U 上で有界である。
よって、
ρ(μ, ν) = sup{|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)|; (t, x) ∈ I×U} < +∞ である。
(続く)

12 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/30(水) 10:34:42
>>11の続き

任意の t ∈ J と任意の x, y ∈ W と任意の μ, ν ∈ V に対して、
∫[t_0, t] f(s, g(s, x, μ), μ) ds = g(t, x, μ) - x
∫[t_0, t] f(s, g(s, y, ν), ν) ds = g(t, y, ν) - y

よって、
g(t, x, μ) - g(t, y, ν) - (x - y)
= ∫[t_0, t] f(s, g(s, x, μ), μ) ds - ∫[t_0, t] f(s, g(s, y, ν), ν) ds

よって、
|g(t, x, μ) - g(t, y, ν)|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, μ), μ) - f(s, g(s, ν), ν)| ds| + |x - y|
≦ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, x, μ), μ) - f(s, g(s, x, μ), ν)| ds|
+ |∫[t_0, t] |f(s, g(s, x, μ), ν) - f(s, g(s, y, ν), ν)| ds| + |x - y|
≦ ρ(μ, ν)|t - t_0| + C|∫[t_0, t] |g(s, x, μ) - g(s, y, ν)| ds| + |x - y|

過去スレ015の527(Gronwallの不等式の変種)より、
|g(t, x, μ) - g(t, y, ν)|
≦ ((C|x - y| + ρ(μ, ν))/C)(exp(C|t - t_0|) - 1) + |x - y|

一方、任意の t, s ∈ J と任意の (y, ν) ∈ W×V に対して
|g(t, y, ν) - g(s, y, ν)|
≦ |∫[t_0, t] f(s, g(s, y, ν), ν) ds - ∫[t_0, s] f(s, g(s, y, ν), ν) ds|
≦ |∫[s, t] f(s, g(s, y, ν), ν) ds|
≦ M|t - s|

(続く)

13 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/30(水) 10:35:24
>>12の続き

よって、任意の (t, x, μ), (s, y, ν) ∈ J×W×V に対して、
|g(t, x, μ) - g(s, y, ν)|
≦ |g(t, x, μ) - g(t, y, ν)| + |g(t, y, ν) - g(s, y, ν)|
≦ ((C|x - y| + ρ(μ, ν))/C)(exp(C|t - t_0|) - 1) + |x - y| + M|t - s|
≦ ((C|x - y| + ρ(μ, ν))/C)(exp(Cd) - 1) + |x - y| + M|t - s|
≦ A|x - y| + Bρ(μ, ν) + M|t - s|

ここで、
A = C(exp(Cd) - 1) + 1
B = (1/C)(exp(Cd) - 1)
である。

条件 3) より、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|μ - ν| < δ なら ρ(μ, ν) ≦ ε となる。

よって上の不等式から g(t, x, μ) は J×W×V で一様連続である。
証明終

14 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/30(水) 11:34:05
次の定理の有限次元版はしばしば微分幾何の入門書において証明抜きで引用される。

定理(正規型常微分方程式の解の存在と一意性及び初期値とパラメータに関する C^k 級性)
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のBanach空間とする。
I を実数体 R の開区間とする。
Ω を R×E×F の開集合とする。
f: Ω → E を C^k 級(1 ≦ k ≦ ∞)の写像とする。

(t_0, x_0, μ_0) を Ω の任意の点とする。

このとき (t_0, x_0, μ_0) の開近傍 J×W×V ⊂ Ω
及び C^k 級写像 g: J×W×V → E で次の条件をみたすものが一意に存在する。
ここで、J は R の開区間であり、W と V はそれぞれ E と F の開集合である。

a) g(J×W×V) ⊂ Ω
b) 任意の (x, μ) ∈ W×V に対して g(t_0, x, μ) = x
c) 任意の (x, μ) ∈ W×V に対して写像 t → g(t, x, μ) は
微分方程式 dx/dt = f(t, x(t), μ) の J における解である。

証明
f(t, x, μ) と (d_2)f(t, x, μ) と (d_3)f(t, x, μ) は
(t_0, x_0, μ_0) で連続であるから
t_0 を含む開区間 I と x_0 の開近傍 U と μ_0 の開近傍 V があり、
f(t, x, μ) と (d_2)f(t, x, μ) と (d_3)f(t, x, μ) は I×U×V 上で有界である。

よって、C > 0 と D > 0 があり I×U×V の各点 (t, x, μ) で
|(d_2)f(t, x, μ)| ≦ C
|(d_3)f(t, x, μ)| ≦ D
となる。

(続く)

15 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/30(水) 11:35:17
>>14の続き

U は凸と仮定してよいから任意の s ∈ [0, 1] 及び任意の (t, μ) ∈ I×V と
任意の x, y ∈ U に対して、
φ(s) = f(t, x + s(y - x), μ) が定義出来る。

dφ/ds = (d_2)f(t, x + s(y - x), μ)(y - x)

よって、任意の (t, μ) ∈ I×V と任意の x, y ∈ U に対して、
|f(t, x, μ) - f(t, y, μ)| = |∫[0, 1] (d_2)f(t, x + s(y - x), μ)(y - x) ds|
≦ ∫[0, 1] |(d_2)f(t, x + s(y - x), μ)||y - x| ds
≦ C|y - x|

同様に、任意の (t, x) ∈ I×W と任意の μ, ν ∈ V に対して、
|f(t, x, μ) - f(t, x, ν)| ≦ C|μ - ν|

>>10より、t_0 を含む開区間 J ⊂ I と x_0 の近傍 W ⊂ U があり
連続写像 g: J×W×V → E で a), b), c) を満たすものが一意に存在する。

(続く)

16 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/30(水) 11:36:08
>>15の続き

写像 H(t, x, μ): I×U×V → E×F を
H(t, x, μ) = (f(t, x, μ), 0) により定義する。

E と F は K 上のBanach空間であるから E×F も K 上のBanach空間である。
H は I×U×V 上で C^k 級である。

写像 G(t, x, μ): J×W×V → E×F を
G(t, x, μ) = (g(t, x, μ), μ) により定義する。
G(t_0, x, μ) = (x, μ) である。

写像 t → G(t, x, μ) は J において
微分方程式 (dG/dt)(t, x, μ) = H(t, G(t, x, μ))
を満たす。

よって、過去スレ015の622より、G は J×W×V 上で C^k 級である。
よって、g も J×W×V 上で C^k 級である。
証明終

17 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/31(木) 08:44:35
定義
K を実数体または複素数体とする。
E_1, E_2, F を K 上のノルム空間とする。
E = (E_1)×(E_2) とおく。

U を E の開集合とし、f(x, y): U → F を写像とする。
k ≧ 0 を整数とする。
f が第1変数 x に関して C^k 級ということを次のように帰納的に定義する。

1) f が連続なとき f を x に関して C^0 級という。

2) k ≧ 1 のとき f が次の条件 a), b) を満たすとき f を x に関して C^k 級という。
 a) f は連続である。
 b) U の各点 (x, y) で (d_1)f(x, y) が存在し
  写像 (x, y) → (d_1)f(x, y) は x に関して C^(k-1) 級である。

同様に f が第2変数 y に関して C^k 級ということも定義される。
変数の数が3以上でも同様である。

18 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/31(木) 08:48:44
定義
K を実数体または複素数体とする。
E_1, E_2, F を K 上のノルム空間とする。
E = (E_1)×(E_2) とおく。

U を E の開集合とし、f(x, y): U → F を写像とする。
f が任意の整数 k ≧ 0 に対して第1変数 x に関して C^k 級(>>17)のとき、
f は第1変数 x に関して C^∞ 級という。

同様に f が第2変数 y に関して C^∞ 級ということも定義される。
変数の数が3以上でも同様である。

19 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/31(木) 13:51:19
定義
K を実数体または複素数体とする。
E_1, ..., E_n および F を K 上のノルム空間とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
p を U の点とする。
1 ≦ i_1, ..., i_m ≦ n となる任意の整数 i_1, ..., i_m に対して
f の高階偏微分 d_(i_1)...d_(i_m)f(p) ∈ L(E_(i_1),...,E_(i_m); F)
を次のように帰納的に定義する。

d_(i_2)...d_(i_m)f(x) が任意の点 x ∈ U で存在するとする。
d_(i_1)...d_(i_m)f(p) を次の式で定義する。

d_(i_1)...d_(i_m)f(p)(h_1, ..., h_n)
= (d_(i_1)(d_(i_2)...d_(i_m)f)(p)(h_1))(h_2, ..., h_n)

20 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/31(木) 16:10:28
>>19の修正

定義
K を実数体または複素数体とする。
E_1, ..., E_n および F を K 上のノルム空間とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
p を U の点とする。
1 ≦ i_1, ..., i_m ≦ n となる任意の整数 i_1, ..., i_m に対して
f の高階偏微分 d_(i_1)...d_(i_m)f(p) ∈ L(E_(i_1),...,E_(i_m); F)
を次のように帰納的に定義する。

d_(i_2)...d_(i_m)f(x) が任意の点 x ∈ U で存在するとする。
d_(i_1)...d_(i_m)f(p) を次の式で定義する。

d_(i_1)...d_(i_m)f(p)(h_1, ..., h_m)
= (d_(i_1)(d_(i_2)...d_(i_m)f)(p)(h_1))(h_2, ..., h_m)

ここで、h_k ∈ E_(i_k), k = 1, ..., m

21 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/31(木) 17:26:03
命題
K を実数体または複素数体とする。
E_1, ..., E_n および F を K 上のノルム空間とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。

高次微分 (d^m)f(p) (過去スレ014の798)が存在するなら
1 ≦ i_1, ..., i_m ≦ n となる任意の整数 i_1, ..., i_m に対して
(d^m)f(p)|E_(i_1)×...×E_(i_m) = d_(i_1)...d_(i_m)f(p)
である。

ここで、(d^m)f(p)|E_(i_1)×...×E_(i_m) は (d^m)f(p) の定義域を
E_(i_1)×...×E_(i_m) に制限した写像である。

証明
m に関する帰納法による。
m = 1 のときは過去スレ014の834で証明されている。
m ≧ 2 とし、m - 1 のときは命題が成り立つと仮定する。

L(E^(m-1); F) を E^(m-1) から F への連続な多重線型写像全体のなす
ノルム空間とする。

各 E_i は E の部分線型空間と同一視し、
L(E^(m-1); F) の元 u の E_(i_2)×...×E_(i_m) への制限を
T(i_2, ..., i_m)(u) と書く。
即ち、T(i_2, ..., i_m)(u) = u|E_(i_2)×...×E_(i_m) である。

T(i_2, ..., i_m): L(E^(m-1); F) → L(E_(i_2),...,E_(i_m); F) は
連続な線型写像である。

(続く)

22 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2009/12/31(木) 17:26:44
>>21の続き

帰納法の仮定より、d^(m-1)f: U → L(E^(m-1); F) と
T(i_2, ..., i_m): L(E^(m-1); F) → L(E_(i_2),...,E_(i_m); F) の
合成写像 T(i_2, ..., i_m)d^(m-1)f は d_(i_2)...d_(i_m)f に等しい。

合成写像の微分法(過去スレ014の803)より
d(T(i_2, ..., i_m)d^(m-1)f)(p) = T(i_2, ..., i_m)(d^m)f(p)

よって、
d(d_(i_2)...d_(i_m)f)(p) = T(i_2, ..., i_m)(d^m)f(p)

よって、h ∈ E, (h_2, ..., h_m) ∈ E_(i_2)×...×E_(i_m) のとき、
(d(d_(i_2)...d_(i_m)f)(p)(h))(h_2, ..., h_m)
= (d^m)f(p)(h, h_2, ..., h_m)

この等式の左辺に再び過去スレ014の834を適用して、
h_1 ∈ E_(i_1) のとき、
(d_1(d_(i_2)...d_(i_m)f)(p)(h_1))(h_2, ..., h_m)
= (d^m)f(p)(h_1, h_2, ..., h_m)
証明終

23 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 07:11:08
命題
K を実数体または複素数体とする。
E_1, ..., E_n および F を K 上のノルム空間とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。

f が C^k 級 (1 ≦ k < ∞) であるためには
全ての 1 ≦ m ≦ k に対して連続な d_(i_1)...d_(i_m)f が存在することが
必要十分である。

証明
必要なこと:
f が C^k 級であるとする。
m を 1 ≦ m ≦ k となる任意の整数とする。

L(E^m; F) の元 u の E_(i_1)×...×E_(i_m) への制限を
T(i_1, ..., i_m)(u) と書く。
即ち、T(i_1, ..., i_m)(u) = u|E_(i_1)×...×E_(i_m) である。

T(i_1, ..., i_m): L(E^m; F) → L(E_(i_1),...,E_(i_m); F) は
連続な線型写像である。

f は C^k 級だから (d^m)f: U → L(E^m; F) は連続である。
よって、
T(i_1, ..., i_m)(d^m)f: U → L(E_(i_1),...,E_(i_m); F) は連続である。

>>21より d_(i_1)...d_(i_m)f = T(i_1, ..., i_m)(d^m)f であるから
連続な d_(i_1)...d_(i_m)f が存在する。

(続く)

24 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 07:11:50
>>23の続き

十分なこと:
全ての 1 ≦ m ≦ k に対して連続な d_(i_1)...d_(i_m)f が存在するとする。

このとき、k に関する帰納法で f が C^k 級であることを証明する。

過去スレ014の836より、k = 1 のときは証明されている。
k ≧ 2 とする。
k = 1 の場合より f は少なくとも C^1 級である。

L(E; F) の元 u の E_i への制限を (T_i)u と書く。
T_i: L(E; F) → L(E_i; F) は連続である。

>>21より、(T_i)df = (d_i)f である。
この等式の両辺に d_(i_1)...d_(i_(m-1)) を作用させて
d_(i_1)...d_(i_(m-1))(T_i)df = d_(i_1)...d_(i_(m-1))(d_i)f

この左辺は合成写像の微分法(過去スレ014の803)より
(T_i)d_(i_1)...d_(i_(m-1)df に等しい。

よって、
(T_i)d_(i_1)...d_(i_(m-1)df = d_(i_1)...d_(i_(m-1))(d_i)f

両辺の i に関する Σ をとって
d_(i_1)...d_(i_(m-1)df = Σd_(i_1)...d_(i_(m-1))(d_i)f

よって、帰納法の仮定より、df は C^(k-1) 級である。
よって、f は C^k 級である。
証明終

25 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 08:10:31
最近の整数論ではp進解析が重要になってきている。
そこで、p進解析関数の初歩について述べようと思う。
さらにLie群及び複素多様体に関係する実及び複素解析関数についても
基本的な事柄を述べようと思う。
述べ方はBourbakiの多様体の巻を参考にすることにする。

まず最初に K を自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)を持つ完備な可換体とし、
K 上の微分可能関数について述べる。

26 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 08:17:17
規約
K を自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)を持つ完備な可換体とする。
K を単に非アルキメデス的完備体と呼ぶことにする。


27 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 08:26:37
定義
K を非アルキメデス的完備体(>>26)とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とし、|x| をそのノルムとする。

任意の x ∈ E, y ∈ E に対して |x + y| ≦ max(|x|, |y|) となるとき
|x| を非アルキメデス的ノルムまたは超ノルムと呼ぶ。


28 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 08:29:46
規約
K を非アルキメデス的完備体(>>26)とする。
K 上のノルム空間を考えるときはそのノルムは常に非アルキメデス的(>>27)とする。


29 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 08:33:14
定義
K を非アルキメデス的完備体(>>26)とする。
K 上の完備なノルム空間(>>28)を K-Banach空間または単にBanach空間と呼ぶ。

30 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 09:41:37

K を非アルキメデス的完備体(>>26)とする。
X を位相空間とする。
C(X, K) を X から K への連続写像全体とする。
C^b(X, K) = {f ∈ C(X, K); sup{|f(x)|; x ∈ X} < ∞} とおく。

f ∈ C^b(X, K) のノルム |f| を |f| = sup{|f(x)|; x ∈ X} で定義する。

f, g ∈ C^b(X, K) のとき
|f + g| = sup{|f(x) + g(x)|; x ∈ X} ≦ sup{sup(|f(x)|, |g(x)|); x ∈ X}
= sup{sup{|f(x)|; x ∈ X}, sup{|g(x)|; x ∈ X}}
= sup(|f|, |g|)

よって、ノルム |f| は非アルキメデス的(>>27)である。
過去スレ007の174より C^b(X, K) は完備である。
従って C^b(X, K) は K-Banach空間(>>29)である。

31 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 09:48:14

K を非アルキメデス的完備体(>>26)とする。
K^n (n ≧ 1)を直積とする。

x = (x_1, .., x_n) ∈ K^n に対してそのノルム |x| を
|x| = sup{|x_1|, ..., |x_n|} で定義する。

集合 X = {1, ..., n} に離散位相をいれると、
C^b(X. K) (>>30) は K^n と同一視される。
よって、>>30より、K^n は K-Banach空間である。

32 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 10:24:08
命題
K を非アルキメデス的完備体(>>26)とする。
E を K 上の必ずしも非アルキメデス的(>>27)とは限らない有限次ノルム空間とする。
n = dim E とし、K^n を>>31のK-Banach空間とする。

このとき、E は K^n と位相線型空間として同型である。
よって E は完備であり、E のノルムは非アルキメデス的ノルムと
同値(過去スレ006の570)である。

証明
e_1, . . . , e_n を E の K 上の任意の基底とする。
過去スレ006の651より、
写像 (ξ_i) → Σ(ξ_i)(e_i) は K^n に直積位相を与えたとき、
K^n から E への位相同型である。

K^n の直積位相は>>31のノルムにより与えられるから、
この同型は位相線型空間としての同型である。
証明

33 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 10:39:08
定義(過去スレ014の788参照)
K を非アルキメデス的完備体(>>26)とする。
E と F を K 上のノルム空間(>>28)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
p ∈ U とし、T: E → F を連続線型写像とする。

h → 0, h ≠0 のとき、lim |f(p + h) - f(p) - T(h)|/|h| = 0
となるとき、f は p で微分可能という。

34 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 11:14:28
>>32は次のように一般化したほうがよい。

命題
K を可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414)とする。
K はこの絶対値による位相で完備とする。

E を K 上の有限次ノルム空間(過去スレ006の561)とする。
n = dim E とする。
K^n を K の n 重直積で
x = (x_1, .., x_n) ∈ K^n に対してそのノルム |x| を
|x| = sup{|x_1|, ..., |x_n|} で定義する。

このとき、E は K^n と位相線型空間として同型である。
よって E は完備である。

証明
e_1, . . . , e_n を E の K 上の任意の基底とする。
過去スレ006の651より、
写像 (ξ_i) → Σ(ξ_i)(e_i) は K^n に直積位相を与えたとき、
K^n から E への位相同型である。

K^n の直積位相は上記のノルムにより与えられるから、
この同型は位相線型空間としての同型である。
証明

35 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 11:49:19
>>33は次のように一般化したほうがよいかもしれない。

定義(過去スレ014の788参照)
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
p ∈ U とし、T: E → F を連続線型写像とする。

h → 0, h ≠0 のとき、lim |f(p + h) - f(p) - T(h)|/|h| = 0
となるとき、f は p で微分可能という。

36 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 11:51:09
補題(過去スレ014の789参照)
K を絶対値(過去スレ006の448)をもつ必ずしも可換とは限らない体とする。

E と F を K 上のノルム空間とする。
T: E → F, S: E → F を線型写像とする。
δ > 0 を実数とする。

0 < |x| < δ のとき T(x) = S(x) なら T = S である。

証明
y ≠ 0 を E の任意の元とする。

K の絶対値は自明でないから 0 < |α| < 1 となる α ∈ K がある。
整数 n → ∞ のとき |α|^n → 0
よって、|(α^n)y| = |α|^n|y| < δ となる整数 n > 0 がある。

よって、T((α^n)y) = S((α^n)y)
よって、(α^n)T(y) = (α^n)S(y)
よって、T(y) = S(y)

T(0) = S(0) = 0 であるから
T = S である。
証明終

37 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 12:27:44
命題(過去スレ014の790参照)
>>33において T は一意に定まる。

証明
S: E → F を連続線型写像とし、
h → 0, h ≠ 0 のとき、lim |f(p + h) - f(p) - S(h)|/|h| = 0 とする。

p + h ∈ U, h ≠ 0 のとき、
|T(h) - S(h)|/|h|
≦ |T(h) - (f(p + h) - f(p)) + (f(p + h) - f(p)) - S(h) |/|h|
≦ |T(h) - (f(p + h) - f(p))|/|h| + |(f(p + h) - f(p)) - S(h)|/|h|

よって、h → 0, h ≠0 のとき、lim |T(h) - S(h)|/|h| = 0 である。

h ≠ 0 となる任意の h ∈ E をとる。
t ∈ K で、 t → 0 のとき |th| → 0

よって、t → 0, t ≠ 0 のとき lim |T(th) - S(th)|/|th| = 0

一方、|T(th) - S(th)|/|th| = |T(h) - S(h)|/|h|
よって、|T(h) - S(h)|/|h| = 0

よって、T(h) = S(h)
T(0) = S(0) であるから T = S
証明終

38 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 12:28:48
>>37の証明において>>36は必要なかった。


39 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 12:31:36
>>37の修正

命題(過去スレ014の790参照)
>>35において T は一意に定まる。

証明
S: E → F を連続線型写像とし、
h → 0, h ≠ 0 のとき、lim |f(p + h) - f(p) - S(h)|/|h| = 0 とする。

p + h ∈ U, h ≠ 0 のとき、
|T(h) - S(h)|/|h|
≦ |T(h) - (f(p + h) - f(p)) + (f(p + h) - f(p)) - S(h) |/|h|
≦ |T(h) - (f(p + h) - f(p))|/|h| + |(f(p + h) - f(p)) - S(h)|/|h|

よって、h → 0, h ≠0 のとき、lim |T(h) - S(h)|/|h| = 0 である。

h ≠ 0 となる任意の h ∈ E をとる。
t ∈ K で、 t → 0 のとき |th| → 0

よって、t → 0, t ≠ 0 のとき lim |T(th) - S(th)|/|th| = 0

一方、|T(th) - S(th)|/|th| = |T(h) - S(h)|/|h|
よって、|T(h) - S(h)|/|h| = 0

よって、T(h) = S(h)
T(0) = S(0) であるから T = S
証明終

40 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 12:37:49
定義(過去スレ014の791参照)
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
p ∈ U とし、f は p で微分可能(>>35)とする。

このとき>>39より、連続線型写像 T: E → F が一意に存在し、
h → 0, h ≠0 のとき、lim |f(p + h) - f(p) - T(h)|/|h| = 0 となる。
T を f の p における微分と呼び (df)_p または df(p) と書く。

41 :132人目の素数さん:2010/01/01(金) 12:38:25
非アルキメデス的完備体上の
2次元ベクトル空間上の格子群は
同型を除いて有限個でしょうか

42 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 13:15:19
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
p ∈ U とし、f は p で微分可能(>>35)とする。

h を F の任意の元、t を K の元とする。
t → 0, t ≠0 のとき、
df(p)h = lim (f(p + th) - f(p))/t
である。

証明
h = 0 のときは、この等式は自明であるから、h ≠ 0 とする。
t → 0, t ≠0 のとき、|th| → 0 である。

|(f(p + th) - f(p))/t - df(p)h| = |f(p + th) - f(p) - df(p)th|/|t|
= |h||f(p + th) - f(p) - df(p)th|/|th|

よって、
t → 0, t ≠0 のとき、右辺 → 0 である。
よって、|(f(p + th) - f(p))/t - df(p)h| → 0 である。
即ち、df(p)h = lim (f(p + th) - f(p))/t
証明終

43 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 13:27:41
定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
p ∈ U とする。

連続線型写像 T: E → F で次の条件 (SD) を満たすものが存在するとき、
f は p で強微分可能(strictly differentiable)という。

(SD) 任意の実数 ε > 0 に対して p の開近傍 V_ε ⊂ U が存在し、
任意の x, y ∈ V_εに対して |f(x) - f(y) - T(x - y)| ≦ ε|x - y|

44 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 15:02:15
>>42への補足
>t → 0, t ≠0 のとき、|th| → 0 である。

K の絶対値が自明のときは t → 0 となるのは常に t = 0 の場合しかない。
よって、K の絶対値が自明でないという仮定はこの命題において本質的である。

45 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 15:05:40
>>27において非アルキメデス的ノルムという用語は適切でない。
よって次のように修正する。

定義
K を非アルキメデス的完備体(>>26)とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とし、|x| をそのノルムとする。

任意の x ∈ E, y ∈ E に対して |x + y| ≦ max(|x|, |y|) となるとき
|x| を超ノルム(ultranorm)と呼ぶ。

46 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 15:23:03
次の命題を>>35の前に置いたほうがよかった。

命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

このとき E の位相は離散ではない。

証明
K の絶対値は自明でないから 0 < |α| < 1 となる α ∈ K がある。
整数 n → ∞ のとき |α|^n → 0

x ≠ 0 を E の元とする。
任意の整数 n に対して (α^n)x ≠ 0 であり、
整数 n → ∞ のとき |(α^n)x| → 0

よって、E - {0} は閉集合でない。
よって、E の位相は離散ではない。
証明終

47 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 15:28:00
>>35への補足
>h → 0, h ≠0 のとき、lim |f(p + h) - f(p) - T(h)|/|h| = 0
>となるとき、f は p で微分可能という。

>>46より E の位相は離散でない。
よって、h → 0, h ≠ 0 が意味を持つ。

48 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 17:23:07
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
ΠE_i から F への連続な K-多重線形写像の全体を
L(E_1, . . . , E_n; F) または略して L((E_i); F) と書いた(過去スレ007の136)。

これを L(ΠE_i; F) とも書くことにする(セミコロンに注意)。
L(ΠE_i; F) を L(ΠE_i, F) と混同しないように。
L(ΠE_i, F) は ΠE_i から F への連続な K-線形写像の全体である。

特に E_1 = ... = E_n = E のとき、
L(E^n; F) は E^n から F への連続な K-多重線形写像の全体である。

49 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 17:24:53
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

T: ΠE_i → F を K-多重線形写像とする。

過去スレ007の134より、T が連続であるためには、T が次の条件 (B) を満たすことが
必要十分である。

(B) 実数 a > 0 が存在して、任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して、
|T(x_1, . . . , x_n)| ≦ a|x_1|. . . |x_n| となる。

よって、任意の T ∈ L(E_1, . . . , E_n; F) に対して
|T| = inf{α > 0; |T(x_1, . . . , x_n)| ≦ α|x_1|...|x_n| }
とおけば、過去スレ007の139より、L(E_1, . . . , E_n; F) はノルム空間になる。

過去スレ007の138より、任意の T ∈ L(E_1, . . . , E_n; F) に対して
|T| = sup {|T(x_1, . . . , x_n)|/|x_1|. . . |x_n|; x_i ≠ 0 (1 ≦ i ≦ n)}
である。

50 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 17:28:30
>>45を次のように修正する。

定義
K を自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつ可換体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とし、|x| をそのノルムとする。

任意の x ∈ E, y ∈ E に対して |x + y| ≦ max(|x|, |y|) となるとき
|x| を超ノルム(ultranorm)と呼ぶ。

51 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 17:32:12
定義
K を自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつ可換体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とし、|x| をそのノルムとする。
|x| が超ノルム(>>50)のとき、E を超ノルム空間と呼ぶ。


52 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 17:35:30
補足
>>50, >>51 の K は可換体でなくともよい。

53 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 17:45:05
命題
K を自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつ可換体とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
F を K 上の超ノルム(>>51)空間とする。

このとき、L(E_1, . . . , E_n; F) の>>49のノルムは超ノルムである。

証明
f, g ∈ L(E_1, . . . , E_n; F) とする。

任意の x_i ∈ E_i (1 ≦ i ≦ n) に対して
|(f + g)(x_1, . . . , x_n)|
= |f(x_1, . . . , x_n) + g(x_1, . . . , x_n)|
≦ sup{|f(x_1, . . . , x_n)|, |g(x_1, . . . , x_n)|}
≦ sup{|f||x_1|. . . |x_n|, |g||x_1|. . . |x_n|}
= sup{|f|, |g|}|x_1|. . . |x_n|

よって、|f + g| ≦ sup{|f|, |g|}
証明終

54 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 18:14:20
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
p ∈ U とし、f は p で微分可能(>>35)とする。

このとき、E と F のノルムをそれぞれ同値なノルムで置き換えても
f は p で微分可能であり、df(p) は変わらない。

証明
E と F の一般元をそれぞれ x, u とする。
E と F のノルム |x|, |u| に同値なノルムをそれぞれ |x|_2, |u|_2 とする。

f は p で微分可能(>>35)であるから
連続線型写像 df(p): E → F が一意に存在し、
h → 0, h ≠0 のとき、lim |f(p + h) - f(p) - T(h)|/|h| = 0 となる。

過去スレ006の573より、
実数 a > 0, b > 0 が存在して

|f(p + h) - f(p) - T(h)|_2 ≦ a|f(p + h) - f(p) - df(p)(h)|
かつ
|h| ≦ b|h|_2
となる。

よって、
|f(p + h) - f(p) - T(h)|_2/|h|_2 ≦ ab|f(p + h) - f(p) - df(p)(h)|/|h|

よって、
h → 0, h ≠0 のとき、lim |f(p + h) - f(p) - df(p)(h)|_2/|h|_2 = 0 となる。
証明終

55 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 18:26:56
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U を K の開集合とし、f: U → F を写像とする。
p ∈ U とし、f は p で微分可能(>>35)とする。

df(p) は L(K, F) の元であるから df(p)(1) により決まる。

df(p)(1) を f’(p) または (df/dt)(p) と書く。
ここで、t は K の一般元を表す。

>>42より、
t → 0, t ≠0 のとき、(f(p + t) - f(p))/t → f’(p)
である。

56 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/01(金) 21:51:38
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f, g: U → F を写像とする。

f が p ∈ U で微分可能なら任意の α ∈ K に対して
αf も p で微分可能で、
d(αf)(p) = αdf(p) である。

証明
α = 0 なら
d(αf)(p) = αdf(p) = 0 である。

α ≠ 0 とする。

任意の実数 ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|h| < δ なら
|f(p + h) - f(p) - df(p)(h)| ≦ ε|h|

よって、|h| < δ なら
|αf(p + h) - αf(p) - αdf(p)(h)|
≦ |α||f(p + h) - f(p) - df(p)(h)| ≦ |α|ε|h|

よって、
d(αf)(p) = αdf(p) である。
証明終

57 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 09:12:43
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E, F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
p ∈ U とし、f は p で微分可能(>>35)とする。

このとき、f は p で連続である。

証明
W を E の 0 の開近傍で p + W ⊂ U となるものとする。
W の任意の元 h に対して、
α(h) = f(p + h) - f(p) - df(p)(h) とおく。

|f(p + h) - f(p)| = |df(p)(h) + α(h)| ≦ |df(p)||h| + |α(h)|
である。

ここで、|df(p)| は連続線型写像 df(p): E → F のノルム(>>49)である。

h → 0 のとき |α(h)| → 0 であるから
h → 0 のとき |df(p)||h| + |α(h)| → 0

よって、h → 0 のとき |f(p + h) - f(p)| → 0
即ち、f は p で連続である。
証明終

58 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 09:19:25
命題(合成写像の微分)
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E, F, G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、p ∈ U とする。
V を F の開集合とする。

f: U → V
g: V → G
を写像とし、
df(p) および dg(f(p)) が存在するとする。

このとき、d(gf)(p) が存在し、
d(gf)(p) = dg(f(p))df(p) となる。

証明
df(p) = T
dg(f(p)) = S とおく。

E の 0 の近傍 P で p + P ⊂ U となるものを選ぶ。
任意の h ∈ P に対して、
α(h) = f(p + h) - f(p) - T(h) とおく。

F の 0 の近傍 Q で f(p) + Q ⊂ U となるものを選ぶ。
k ∈ Q に対して、
β(k) = g(f(p) + k) - gf(p) - S(k)
とおく。

(続く)

59 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 09:20:52
>>58の続き

>>57より、f は p で連続だから、
P を十分小さくとれば、任意の h ∈ P に対して、
f(p + h) - f(p) = T(h) + α(h) は Q に含まれる。

gf(p + h) = g(f(p) + T(h) + α(h))
= g(f(p)) + S(T(h) + α(h)) + β(T(h) + α(h))
= g(f(p) + S(T(h)) + S(α(h)) + β(T(h) + α(h))

|S(α(h)) + β(T(h) + α(h))|/|h| を評価しよう。

|S(α(h)) + β(T(h) + α(h))|/|h| ≦ |S(α(h))|/|h| + |β(T(h) + α(h))|/|h|

ここで、|S(α(h))|/|h| と |β(T(h) + α(h))|/|h| を別々に評価する。

|S(α(h))| ≦ |S||α(h)| だから、
|S(α(h))|/|h| ≦ |S||α(h)|/|h|

|β(T(h) + α(h))|/|h|
= (|β(T(h) + α(h)))|/|T(h) + α(h)|)(T(h) + α(h)|/|h|)

|T(h) + α(h)|/|h| ≦ |T(h)|/|h| + |α(h)|/|h| ≦ |T| + |α(h)|/|h| ≦ M
となる M > 0 がある。

よって、
|β(T(h) + α(h))|/|h| ≦ M(|β(T(h) + α(h)))|/|T(h) + α(h)|)

(続く)

60 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 09:21:33
>>59の続き

以上から、
|S(α(h)) + β(T(h) + α(h))|/|h|
≦ |S||α(h)|/|h| + M(|β(T(h) + α(h))|/|T(h) + α(h)|)

この右辺は h → 0 のとき 0 に近づく。
よって、
|gf(p + h) - g(f(p)) - S(T(h))|/|h| → 0 である。
即ち、d(gf)(p) = dg(f(p))df(p) である。
証明終

61 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 09:25:09
>>58の修正
>F の 0 の近傍 Q で f(p) + Q ⊂ U となるものを選ぶ。

F の 0 の近傍 Q で f(p) + Q ⊂ V となるものを選ぶ。

62 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 10:02:19
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E, F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
T: E → F を連続線型写像とする。

T は E のすべての点 p で微分可能(>>35)であり、dT(p) = T である。

証明
p, h ∈ E に対して
T(p + h) = T(p) + T(h)

よって、T は p で微分可能であり、dT(p) = T である。
証明終

63 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 10:18:15
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E, F, G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、p ∈ U とする。
V を F の開集合とする。

f: U → V を写像とし、df(p) が存在するとする。
T: F → G を連続線型写像とする。

このとき、d(Tf)(p) が存在し、
d(Tf)(p) = Tdf(p) となる。

証明
>>58>>62より出る。

64 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 11:39:34
>>45の一般化

定義
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とし、|x| をそのノルムとする。

任意の x ∈ E, y ∈ E に対して |x + y| ≦ max(|x|, |y|) となるとき
|x| を超ノルムと呼ぶ。

65 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 11:41:24
>>51の一般化

定義
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とし、|x| をそのノルムとする。

|x| が超ノルム(>>64)のとき、E を超ノルム空間と呼ぶ。

66 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 11:56:42
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

E = (E_1)×...×(E_n) とおく。
E は線型空間としての直積である。

x = (x_1, ..., x_n) ∈ E に対して
|x| = sup(|x_1|, ..., |x_n|) とおく。

このとき、|x| は E のノルムであり、E の直積位相を与える。

証明
x = (x_1, ..., x_n) と y = (x_1, ..., x_n) を E の元とする。

|x + y| = sup(|x_1 + y_1|, ..., |x_n + y_n|)
≦ sup(|x_1| + |y_1|, ..., |x_n| + |y_n|)

任意の i (1 ≦ i ≦ n) に対して
|x_i| ≦ |x|
|y_i| ≦ |y|

よって、
sup(|x_1| + |y_1|, ..., |x_n| + |y_n|) ≦ |x| + |y|

よって、
|x + y| ≦ |x| + |y|

|x| が E の直積位相を与えることは明らかである。
証明終

67 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 12:00:15
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

E = (E_1)×...×(E_n) とおく。
E は線型空間としての直積である。

x = (x_1, ..., x_n) ∈ E に対して
|x| = |x_1| + ... + |x_n| とおく。

このとき、|x| は E のノルムである。

証明
x = (x_1, ..., x_n) と y = (x_1, ..., x_n) を E の元とする。

|x + y| = |x_1 + y_1| + ... + |x_n + y_n|
≦ (|x1| + |y_1|) + .. + (|x_n| + |y_n|)
≦ |x| + |y|
証明終

68 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 12:15:32
>>66
>>67
>x = (x_1, ..., x_n) と y = (x_1, ..., x_n) を E の元とする。

x = (x_1, ..., x_n) と y = (y_1, ..., y_n) を E の元とする。

69 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 12:21:36
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

E = (E_1)×...×(E_n) とおく。
E は線型空間としての直積である。

x = (x_1, ..., x_n) ∈ E に対して
|x| = (|x_1|^2 + ... + |x_n|^2)^(1/2) とおく。

このとき、|x| は E のノルムである。

証明
x = (x_1, ..., x_n) と y = (y_1, ..., y_n) を E の元とする。

|x + y| = (|x_1 + y_1|^2 + ... + |x_n + y_n|^2)^(1/2)
≦ ((|x_1| + |y_1|)^2 + .. + (|x_n| + |y_n|)^2)^(1/2)

(|x_1|, ..., |x_n|) と (|y_1|, ..., |y_n|) は
ユークリッド空間 R^n の元と見なせる。
よって、ユークリッド空間における三角不等式から
((|x_1| + |y_1|)^2 + .. + (|x_n| + |y_n|)^2)^(1/2)
≦ (|x_1|^2 + ... + |x_n|^2)^(1/2) + (|y_1|^2 + ... + |y_n|^2)^(1/2)

よって、
|x + y| ≦ |x| + |y|
証明終

70 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 12:36:54
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

E = (E_1)×...×(E_n) とおく。
E は線型空間としての直積である。

x = (x_1, ..., x_n) ∈ E に対して
|x|_∞ = sup(|x_1|, ..., |x_n|)
|x|_1 = |x_1| + ... + |x_n|
|x|_2 = (|x_1|^2 + ... + |x_n|^2)^(1/2)
とおく。
>>66, >>67, >>69 よりこれらは E のノルムである。

このとき、任意の x ∈ E に対して
|x|_∞ ≦ |x|_2 ≦ |x|_1 ≦ n|x|_∞

従って、これらは E の同値なノルム(過去スレ006の570)である(過去スレ006の571)。

証明
自明である。

71 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 12:52:11
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。

E = (E_1)×...×(E_n) とおく。
E は線型空間としての直積である。

x = (x_1, ..., x_n) ∈ E に対して
|x| = sup(|x_1|, ..., |x_n|) とおく。

このとき、|x| は E の超ノルムである。

証明
x = (x_1, ..., x_n) と y = (y_1, ..., y_n) を E の元とする。

|x + y| = sup(|x_1 + y_1|, ..., |x_n + y_n|)
≦ sup(sup(|x_1|, |y_1|), ..., sup(|x_n|, |y_n|))
= sup(|x_1|, ..., |x_n|, |y_1|, ..., |y_n|)
= sup(sup(|x_1|, ..., |x_n|), sup(|y_1|, ..., |y_n|))
= sup(|x|, |y|)
証明終

72 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 12:53:15
規約
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

E をノルム空間と考えるときは特に断らない限り、
>>66のノルム |x| = sup(|x_1|, ..., |x_n|) を使うことにする。

73 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 13:50:52
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E および F_i (1 ≦ i ≦ n) を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
F = (F_1)×...×(F_n) とおく。
F は K 上のノルム空間である(>>72)。

U を E の開集合とし、p ∈ U とする。
f_i: U → F_i (1 ≦ i ≦ n)を写像とする。

f: U → F を f(x) = (f_1(x), ..., f_n(x)) で定義する。

このとき、f が p で微分可能であるためには、各 i で f_i が
p で微分可能であることが必要十分である。

このとき、任意の h ∈ E に対して、
df(p)(h) = (df_1(p)(h), ..., df_n(p)(h))
となる。

証明
必要性:
df(p) が存在すると仮定する。

各 i (1 ≦ i ≦ n) に対して、p_i: F → F_i を射影とする。
T_i = (p_i)df(p) とおく。
T_i ∈ L(E, F_i) である。

h を E の元で 0 に十分近いとする。

f(p + h) - f(p) - df(p)(h)
= (f_i(p + h) - f_i(p) - T_i(h)), i = 1, ..., n

(続く)

74 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 13:51:48
>>73の続き

よって、
|f(p + h) - f(p) - df(p)(h)|
= sup{|f_i(p + h) - f_i(p) - T_i(h)|; i = 1, ..., n}

よって、 h ≠ 0 のとき、各 i (1 ≦ i ≦ n) に対して、
|f_i(p + h) - f_i(p) - T_i(h)|/|h| ≦ |f(p + h) - f(p) - df(p)(h)|/|h|

h → 0, h ≠ 0 のとき、右辺 → 0 である。
よって、T_i = df_i(p) である。

十分性:
各 i (1 ≦ i ≦ n) に対して、df_i(p) が存在すると仮定する。

任意の v ∈ E に対して、
T(v) = (df_1(p)(v), ..., df_n(p)(v)) とおく。← (1)
T ∈ L(E, F) である。

h を E の元で 0 に十分近いとする。

f(p + h) - f(p) - T(h)
= (f_i(p + h) - f_i(p) - df_i(h)), i = 1, ..., n

よって、
|f(p + h) - f(p) - T(h)|
= sup{|f_i(p + h) - f_i(p) - df_i(h)|; i = 1, ..., n}

(続く)

75 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 13:52:29
>>74の続き

よって、h ≠ 0 のとき、
|f(p + h) - f(p) - T(h)|/|h|
= sup{|f_i(p + h) - f_i(p) - df_i(h)|/|h|; i = 1, ..., n}

h → 0, h ≠ 0 のとき、右辺 → 0 である。
よって、T = df(p) である。

このとき、(1) より任意の h ∈ E に対して、
df(p)(h) = (df_1(p)(h), ..., df_n(p)(h))
証明終

76 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 14:04:42
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
F, G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を K の開集合とし、p ∈ U とする。
V を F の開集合とする。

f: U → V
g: V → G
を写像とし、
f’(p) (>>55) および dg(f(p)) が存在するとする。

このとき、(gf)’(p) が存在し、
(gf)’(p) = dg(f(p))(f’(p)) となる。

証明
>>58より、
d(gf)(p) = dg(f(p))df(p)

よって、
d(gf)(p)(1) = dg(f(p))(df(p)(1))

即ち、
(gf)’(p) = dg(f(p))(f’(p))
証明終

77 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 14:11:42
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
F_i (1 ≦ i ≦ n) を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
F = (F_1)×...×(F_n) とおく。
F は K 上のノルム空間である(>>72)。

U を K の開集合とし、p ∈ U とする。
f_i: U → F_i (1 ≦ i ≦ n)を写像とする。

f: U → F を f(x) = (f_1(x), ..., f_n(x)) で定義する。

このとき、f’(p) (>>55) が存在するためには、
各 i で (f_i)’(p) が存在することが必要十分である。

このとき、
f’(p) = ((f_1)’(p), ..., (f_n)’(p))
となる。

証明
最初の主張は>>73から出る。

>>73より、任意の h ∈ K に対して、
df(p)(h) = (df_1(p)(h), ..., df_n(p)(h))

h = 1 として、
f’(p) = ((f_1)’(p), ..., (f_n)’(p))
証明終

78 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 16:12:03
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

p = (p_1, ..., p_n) を E の点とする。
f: E → G を連続な多重線型写像とする。

このとき、E の任意の元 h = (h_1, ..., h_n) に対して、

df(p)(h) = Σf(p_1, ..., p_(i-1), h_i, p_(i+1), ..., p_n)
である。
ここで Σ は i = 1, ..., n に関する和である。

証明
h = (h_1, ..., h_n) を |h| が十分小さい E の元とする。

f(p + h) = Σf(s_1, ..., s_n)
である。
ここで各 s_i は p_i または h_i を表す。
よって、Σf(s_1, ..., s_n) は 2^n 個の f(s_1, ..., s_n) の和である。

f(p + h) - f(p) - Σf(p_1, ..., p_(i-1), h_i, p_(i+1), ..., p_n)
= Σ’f(s_1, ..., s_n)
とおく。

ここで、Σ’f(s_1, ..., s_n) は s_1, ..., s_n のなかに h_i の形の元が
2個以上現れる f(s_1, ..., s_n) の和を表す。

(続く)

79 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 16:12:44
>>78の続き

f(s_1, ..., s_n) を Σ’f(s_1, ..., s_n) に現れる項とする。
例えば s_1 = h_1, s_2 = h_2 とする。
>>49>>72より、
|f(s_1, ..., s_n)| ≦ |f||s_1|...|s_n| = |f||h_1||h_2||s_3|...|s_n|
≦ |f||h|^2|s_3|...|s_n|

よって、h ≠ 0 のとき
|f(s_1, ..., s_n)|/|h| ≦ |f||h||s_3|...|s_n|

よって、h → 0, h ≠ 0 のとき
|f(s_1, ..., s_n)|/|h| → 0 となる。

よって、
|f(p + h) - f(p) - Σf(p_1, ..., p_(i-1), h_i, p_(i+1), ..., p_n)|/|h| → 0
となる。

明らかに h → Σf(p_1, ..., p_(i-1), h_i, p_(i+1), ..., p_n) は
連続線型写像である。

よって、df(p)(h) = Σf(p_1, ..., p_(i-1), h_i, p_(i+1), ..., p_n)
証明終

80 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 16:47:51
命題(Leibnizの公式)
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E, F_i (1 ≦ i ≦ n), G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

F = (F_1)×...×(F_n) とおく。

u: F → G を連続な多重線型写像とする。
U を E の開集合とし、p ∈ U とする。

f_i: U → F_i (1 ≦ i ≦ n)を写像とする。
各 i で f_i が p で微分可能であるとする。

写像 g: U → G を g(x) = u(f_1(x), ..., f_n(x)) で定義する。

このとき、dg(p) が存在し、任意の h ∈ E に対して、
dg(p)(h) = Σu(f_1(p_1), ..., df_i(p)(h), ..., f_n(p_n))

証明
f: U → F を f(x) = (f_1(x), ..., f_n(x)) で定義する。

>>73より、任意の h ∈ E に対して、
df(p)(h) = (df_1(p)(h), ..., df_n(p)(h))

合成写像の微分(>>58)より
dg(p) = du(f(p))df(p)

よって、任意の h ∈ E に対して、
dg(p)(h) = du(f(p))(df_1(p)(h), ..., df_n(p)(h))

>>78より、
dg(p)(h) = Σu(f_1(p_1), ..., df_i(p)(h), ..., f_n(p_n))
証明終

81 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 19:03:18
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
F_i (1 ≦ i ≦ n), G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

F = (F_1)×...×(F_n) とおく。

u: F → G を連続な多重線型写像とする。
U を K の開集合とし、p ∈ U とする。

f_i: U → F_i (1 ≦ i ≦ n)を写像とする。
各 i で f_i が p で微分可能であるとする。

写像 g: U → G を g(x) = u(f_1(x), ..., f_n(x)) で定義する。

このとき、g’(p) が存在し、
g’(p) = Σu(f_1(p_1), ..., (f_i)’(p), ..., f_n(p_n))

証明
>>80より、dg(p) が存在し、任意の h ∈ K に対して、
dg(p)(h) = Σu(f_1(p_1), ..., df_i(p)(h), ..., f_n(p_n))

この式に h = 1 を代入して
g’(p) = Σu(f_1(p_1), ..., (f_i)’(p), ..., f_n(p_n))
証明終

82 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 19:19:18
定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

U を E の開集合とし、p = (p_1, ..., p_n) ∈ U とする。
f: U → F を写像とする。

p_i の E_i における近傍から F への写像 g_i を
g_i(x_i) = f(p_1, ..., x_i, ..., p_n) で定義する。

g_i が p_i において微分可能のとき、d(g_i)(p) を (d_i)f(p) と書く。
(d_i)f(p) ∈ L(E_i, F) である。

(d_i)f(p) を f の p における第 i 番目の偏微分と呼ぶ。

83 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 21:22:23
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

U を E の開集合とし、p = (p_1, ..., p_n) ∈ U とする。
f: U → F を写像とする。
f が p で微分可能(>>35)とする。

このとき、任意の h_i ∈ E_i に対して、
(d_i)f(p)(h_i) = df(p)(0, ..., h_i, ..., 0) となる。
ここで、(d_i)f(p) は f の p における第 i 番目の偏微分(>>82)である。

証明
写像 g_i : E_i → E を
g_i(x) = (p_1, ..., x_i, ..., p_n) により定義する。

h_i ∈ E_i のとき、
g_i(p_i + h_i) - g_i(p_i) = (0, ..., h_i, ..., 0)
よって、
d(g_i)(p_i)(h_i) = (0, ..., h_i, ..., 0)

g_i は連続であるから p_i の開近傍 V_i を小さくとり、g_i(V_i) ⊂ U と出来る。
記述を簡単にするため g_i|V_i を同じ g_i で表すことにする。
すると、fg_i は V_i から F への写像である。

合成写像の微分(>>58)より d(fg_i)(p_i) が存在するが、
(d_i)f(p) の定義(>>82)から d(fg_i)(p_i) = (d_i)f(p) である。

合成写像の微分(>>58)より、h_i ∈ E_i のとき、
(d_i)f(p)(h_i) = df(g_i(p_i))dg_i(p_i)(h_i) = df(p)(0, ..., h_i, ..., 0)
証明終

84 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 21:27:14
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

U を E の開集合とし、p = (p_1, ..., p_n) ∈ U とする。
f: U → F を写像とし、f は p で微分可能(>>35)とする。

このとき、各 (d_i)f(p) が存在し、
任意の h = (h_1, ..., h_n) ∈ E に対して、
df(p)(h) = Σ(d_i)f(p)(h_i) となる。

ここで、(d_i)f(p) は f の p における第 i 番目の偏微分(>>82)である。

証明
>>83より、任意の h_i ∈ E_i に対して、
(d_i)f(p)(h_i) = df(p)(0, ..., h_i, ..., 0) となる。

よって、任意の h = (h_1, ..., h_n) ∈ E に対して、
df(p)(h) = df(p)(h_1, ..., h_n) = Σdf(p)(0, ..., h_i, ..., 0)
= Σ(d_i)f(p)(h_i)
証明終

85 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 21:35:52
定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E = K^n とする。
U を E の開集合とし、p = (p_1, ..., p_n) ∈ U とする。
f: U → F を写像とする。
f の p における第 i 番目の偏微分(>>82) (d_i)f(p) が存在するとする。

(d_i)f(p)(1) ∈ F を (∂_i)f(p) または (∂f/∂x_i)(p) と書く。
ここで、(x_1, ..., x_n) は K^n の座標関数を表す。

86 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/02(土) 21:43:22
定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E = K^n, F = K^m とする。
U を E の開集合とし、p ∈ U とする。
f = (f_1, ..., f_m): U → F を写像とする。

f は p で微分可能とする。
(m, n) 行列 ((∂f_i/∂x_j)(p)) を f の Jacobi 行列という。

これは df(p) の K^n と K^m の標準基底に関する行列である。

87 :132人目の素数さん:2010/01/03(日) 07:13:38
で、結局どこが間違ってたの?

88 :132人目の素数さん:2010/01/03(日) 09:24:29
>>87
忘れた。
直したからいいじゃん。


89 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 10:02:43
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

このとき、L(E_1, . . . , E_n; F) (>>49)と L(E_1, L(E_2, . . . , E_n; F)) は
ノルム空間として標準的に同型である。

証明
T を L(E_1, . . . , E_n; F) の任意の元とする。
x_1 ∈ E_1 のとき、S(x_1) ∈ Hom(E_2, . . . , E_n; F) を
(x_2, . . . , x_n) ∈ E_2×. . .×E_n に対して、
S(x_1)(x_2, . . . , x_n) = T(x_1, . . . , x_n) により定義する。

ここで、Hom(E_2, . . . , E_n; F) は E_2×. . .×E_n から F への
必ずしも連続とは限らない多重線型写像全体のなす線型空間である。

|S(x_1)(x_2, . . . , x_n)| = |T(x_1, . . . , x_n)| ≦ |T||x_1||x_2|. . .|x_n|

よって、|S(x_1)| ≦ |T||x_1|
よって、
S(x_1) ∈ L(E_2, . . . , E_n; F) かつ
S ∈ L(E_1, L(E_2, . . . , E_n; F))
となる。

上の不等式から |S| ≦ |T| である。

(続く)

90 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 10:03:32
>>89の続き

逆に、S を L(E_1, L(E_2, . . . , E_n; F)) の任意の元とする。
T ∈ Hom(E_1, . . . , E_n; F) を
T(x_1, . . . , x_n) = S(x_1)(x_2, . . . , x_n) により定義する。

|T(x_1, . . . , x_n)| = |S(x_1)(x_2, . . . , x_n)|
≦ |S(x_1)||x_2|. . .|x_n| ≦ |S||x_1||x_2|. . .|x_n|

よって、T ∈ L(E_1, . . . , E_n; F) である。

上の不等式から |T| ≦ |S| である。
前半より、|T| = |S| である。
証明終

91 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 10:05:56
定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E^n から F への連続な K-多重線形写像の全体を L_n(E, F) と書く。


92 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 10:48:43
定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

f を E の点 p の近傍で定義された F に値をとる写像とする。
k ≧ 2 を整数とする。
f が p において k 回微分可能ということを次のように帰納的に定義する。

f が p の近傍(の各点)で微分可能であり、df が p で (k-1)回微分可能のとき、
f は p において k 回微分可能という。

f が p において k 回微分可能のとき、(d^k)f(p) ∈ L_k(E, F) (>>91) を
(d^k)f(p)(h_1, ..., h_k) = (d(d^(k-1))f)(p)(h_1)(h_2, ..., h_k)
で定義する。

(d^0)f = f, (d^1)f = df とおく。

93 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 11:12:00
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E_i (1 ≦ i ≦ n) と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
k を 1 ≦ k ≦ n となる整数とする。

このとき、L(E_1, . . . , E_n; F) (>>49)と
L(E_1, ..., E_k; L(E_(k+1), ..., E_n; F)) はノルム空間として標準的に同型である。

証明
k に関する帰納法による。
k = 1 のときは>>89で証明されている。

k ≧ 2 とする。

>>89より、L(E_1, ..., E_k; L(E_(k+1), ..., E_n; F)) は
L(E_1, L(E_2, ..., E_k; L(E_(k+1), ..., E_n; F))) に標準的に同型である。

帰納法の仮定により、
L(E_2, ..., E_k; L(E_(k+1), ..., E_n; F)) は L(E_2, ..., E_n; F) に
標準的に同型である。

よって、
L(E_1, ..., E_k; L(E_(k+1), ..., E_n; F)) は
L(E_1, L(E_2, ..., E_n; F) に標準的に同型である。

よって、>>89より、L(E_1, ..., E_k; L(E_(k+1), ..., E_n; F)) は
L(E_1, . . . , E_n; F) に標準的に同型である。
証明終

94 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 11:46:21
>>92を次のように修正する。

定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

f を E の点 p の近傍で定義された F に値をとる写像とする。
f が p において k 回微分可能ということを次のように帰納的に定義する。

f は常に 0 回微分可能とする。
f が p で微分可能なとき、f は p で 1 回微分可能という。

k ≧ 2 を整数とする。
f が p において k 回微分可能ということを次のように帰納的に定義する。

f が p の近傍(の各点)で微分可能であり、df が p で (k-1)回微分可能のとき、
f は p において k 回微分可能という。

f が p において k 回微分可能のとき、(d^k)f(p) ∈ L_k(E, F) (>>91) を
(d^k)f(p)(h_1, ..., h_k) = (d(d^(k-1))f)(p)(h_1)(h_2, ..., h_k)
で定義する。

(d^0)f(p) = f(p), (d^1)f(p) = df(p) とおく。

95 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 12:27:36
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

f を E の点 p の近傍で定義された F に値をとる写像とする。
k ≧ 1 を整数とし、f を k 回微分可能(>>94)とする。
r ≧ 0 と s ≧ 1 を整数で r + s = k とする。

このとき、f は p の近傍(の各点)で r 回微分可能であり、
(d^r)f は p で s 回微分可能である。

さらに、任意の (h_1, ..., h_(r+s)) ∈ E^(r+s) に対して、
(d^(r+s))f(p)(h_1, ..., h_(r+s))
= ((d^s)((d^r)f)(p)(h_1, ..., h_s))(h_(s+1), ..., h_(r+s))

なお、この事実を記法の乱用で (d^(r+s))f = (d^s)(d^r)f とも書く。

証明
s に関する帰納法により証明する。

s = 1 のときは、定義(>>94)そのもである。
s ≧ 2 とする。

定義(>>94)より、
(d^(r+s))f = d(d^(r+s-1))f

一方、帰納法の仮定より、
(d^(r+s-1))f = (d^(s-1))(d^r)f

よって、
(d^(r+s))f = d((d^(s-1))(d^r)f) = (d^s)(d^r)f
証明終

96 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 12:39:23
定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E_1, ..., E_n および F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

f を E の点 p の近傍で定義された F に値をとる写像とする。
1 ≦ i_1, ..., i_m ≦ n となる任意の整数 i_1, ..., i_m に対して
f の高階偏微分 d_(i_1)...d_(i_m)f(p) ∈ L(E_(i_1),...,E_(i_m); F)
を次のように帰納的に定義する。

d_(i_2)...d_(i_m)f(x) が p の近傍で存在するとする。
d_(i_1)...d_(i_m)f(p) を次の式で定義する。

d_(i_1)...d_(i_m)f(p)(h_1, ..., h_m)
= (d_(i_1)(d_(i_2)...d_(i_m)f)(p)(h_1))(h_2, ..., h_m)

ここで、h_k ∈ E_(i_k), k = 1, ..., m

97 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 12:51:47
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E_1, ..., E_n および F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。
各 E_i は E の線型部分空間と同一視する。

f を E の点 p の近傍で定義された F に値をとる写像とする。
f は p において m 回微分可能(>>94)とする。

このとき、1 ≦ i_1, ..., i_m ≦ n となる任意の整数 i_1, ..., i_m に対して
(d^m)f(p)|E_(i_1)×...×E_(i_m) = d_(i_1)...d_(i_m)f(p)
である。

ここで、(d^m)f(p)|E_(i_1)×...×E_(i_m) は (d^m)f(p) の定義域を
E_(i_1)×...×E_(i_m) に制限した写像である。

証明
m に関する帰納法による。
m = 1 のときは>>83で証明されている。
m ≧ 2 とし、m - 1 のときは命題が成り立つと仮定する。

L_(m-1)(E, F) (>>91)の元 u の E_(i_2)×...×E_(i_m) への制限を
T(i_2, ..., i_m)(u) と書く。
即ち、T(i_2, ..., i_m)(u) = u|E_(i_2)×...×E_(i_m) である。

T(i_2, ..., i_m): L(E^(m-1); F) → L(E_(i_2),...,E_(i_m); F) は
連続な線型写像である。

(続く)

98 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 12:52:28
>>97の続き

帰納法の仮定より、d^(m-1)f と
T(i_2, ..., i_m): L(E^(m-1); F) → L(E_(i_2),...,E_(i_m); F) の
合成写像 T(i_2, ..., i_m)d^(m-1)f は d_(i_2)...d_(i_m)f に等しい。

>>63より
d(T(i_2, ..., i_m)d^(m-1)f)(p) = T(i_2, ..., i_m)(d^m)f(p)

よって、
d(d_(i_2)...d_(i_m)f)(p) = T(i_2, ..., i_m)(d^m)f(p)

よって、h ∈ E, (h_2, ..., h_m) ∈ E_(i_2)×...×E_(i_m) のとき、
(d(d_(i_2)...d_(i_m)f)(p)(h))(h_2, ..., h_m)
= (d^m)f(p)(h, h_2, ..., h_m)

この等式の左辺に再び>>83を適用して、
h_1 ∈ E_(i_1) のとき、
(d_1(d_(i_2)...d_(i_m)f)(p)(h_1))(h_2, ..., h_m)
= (d^m)f(p)(h_1, h_2, ..., h_m)
証明終

99 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 12:59:00
定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E および F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E は有限次元とし、e_1, ..., e_n をその基底とする。

f を E の点 p の近傍で定義された F に値をとる写像とする。
d_(i_1)...d_(i_m)f(p) (>>96)が存在するとき、

∂_(i_1)...∂_(i_m)f(p) = d_(i_1)...d_(i_m)f(p)(e_(i_1), ..., e_(i_m)) と書く。

100 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 13:44:35
定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E および F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
k ≧ 0 を整数とする。
f が C^k 級ということを次のように帰納的に定義する。

1) f が連続なとき f を C^0 級という。

2) k ≧ 1 のとき f が次の条件 a), b) を満たすとき f を C^k 級という。
 a) f は U の各点で微分可能(>>35)である。
 b) df: U → L(E, F) は C^(k-1) 級である。

101 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 13:48:10
定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E および F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。

f が任意の整数 k ≧ 0 に対して C^k 級のとき、f を C^∞ 級という。

102 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 14:07:30
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E および F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を C^k 級(>>100)の写像とする。

このとき、任意の整数 r (0 ≦ r ≦ k) に対して f は
U の各点で r 回微分可能(>>94)であり、(d^r)f は C^(k-r) 級である。

証明
k に関する帰納法による。
k = 1 のときは定義から明らかである。
k ≧ 2 とする。

df は C^(k-1) 級であるから、帰納法の仮定から
任意の整数 s (0 ≦ s ≦ k - 1) に対して df は
U の各点で s 回微分可能であり、(d^s)df = (d^(s+1))f は C^(k-s-1) 級である。

よって、f は U の各点で r = s+1 回微分可能であり、
(d^r)f は C^(k-r) 級である。
証明終

103 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 15:17:46
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E_1, ..., E_n および F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

U を E の開集合とし、f: U → F を C^k 級(>>100) (1 ≦ k < ∞) の写像とする。

このとき、全ての m (1 ≦ m ≦ k) に対して連続な d_(i_1)...d_(i_m)f (>>96) が
存在する。

証明
各 E_i は E の線型部分空間と同一視する。
m を 1 ≦ m ≦ k となる任意の整数とする。

L_m(E, F) (>>91) の元 u の E_(i_1)×...×E_(i_m) への制限を
T(i_1, ..., i_m)(u) と書く。
即ち、T(i_1, ..., i_m)(u) = u|E_(i_1)×...×E_(i_m) である。

T(i_1, ..., i_m): L_m(E, F) → L(E_(i_1),...,E_(i_m); F) は
連続な線型写像である。

f は C^k 級だから >>102より、(d^m)f: U → L_m(E, F) は連続である。
よって、
T(i_1, ..., i_m)(d^m)f: U → L(E_(i_1),...,E_(i_m); F) は連続である。

>>97より d_(i_1)...d_(i_m)f = T(i_1, ..., i_m)(d^m)f であるから
連続な d_(i_1)...d_(i_m)f が存在する。
証明終

104 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 15:27:48
>>23の訂正
>E_1, ..., E_n および F を K 上のノルム空間とする。

E_1, ..., E_n K 上のノルム空間とし、F を K 上のBanach空間とする。


105 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 15:30:15
K が実数体または複素数体で F が K 上のBanach空間の場合、
>>23(及び>>104)により、>>103の逆が成り立つ。

K が非アルキメデス的完備体の場合には、>>103の逆は F を K 上のBanach空間と
仮定しても多分成り立たないであろう。
反例を探してみるのも面白いかもしれない。

106 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 15:33:35
K が実数体または複素数体の場合、>>103の逆が F を K 上のBanach空間と
仮定しなくても成り立つ。
これを証明しよう。


107 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 16:31:32
命題(平均値の定理)(Advanced calculus by Loomis and Sternberg)
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b] を実数体 R における有限閉区間とする。

f: [a, b] → E を連続写像とし、M > 0 を実定数とする。
(a, b) の各点 t において f’(t) (>>55) が存在し、
全ての t ∈ (a, b) で |f’(t)| ≦ M とする。

このとき、
|f(b) - f(a)| ≦ M(b - a)

証明
任意の実数 ε > 0 を固定する。
A = {x ∈ [a, b]; |f(x) - f(a)| ≦ (M + ε)(x - a) + ε}

a ∈ A であるから A は空でない。
d = sup A とおく。

f は l で連続だから任意の η > 0 と d に十分近い x ∈ A に対して
|f(d) - f(x)| < η となる。

このとき、
|f(d) - f(a)| ≦ |f(d) - f(x)| + |f(x) - f(a)| ≦ η + (M + ε)(x - a) + ε

η > 0 は任意だから
|f(d) - f(a)| ≦ (M + ε)(x - a) + ε

よって、d ∈ A である。
よって、a ≦ d ≦ b である。

(続く)

108 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 16:32:13
>>107の続き

d = b を証明しよう。
d < b と仮定する。
仮定より、f’(d) が存在し、|f’(d)| ≦ M

よって、δ > 0 があり、|x - d| ≦ δ のとき、
|(f(x) - f(d))/(x - d)| < M + ε

よって、
|f(d + δ) - f(a)| ≦ |f(d + δ) - f(d)| + |f(d) - f(a)|
≦ (M + ε)δ + (M + ε)(d - a) + ε
= (M + ε)(d + δ - a) + ε

よって、d + δ ∈ A となって矛盾。
よって、d = b である。
よって、
|f(b) - f(a)| ≦ (M + ε)(b - a) + ε

ε > 0 は任意だったから、
|f(b) - f(a)| ≦ M(b - a)
証明終

109 :132人目の素数さん:2010/01/03(日) 19:36:15
>>88
読み返すときに困るじゃん

110 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 20:13:20
>>109
間違っているのは過去スレ015の576の証明。
過去スレ015の597で手法を変えて新たに証明し直している。


111 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 20:33:50
命題(平均値の不等式)(過去スレ015の72の改良)
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の凸開集合とし、f: U → F を微分可能写像とする。
M > 0 があり、全ての x ∈ U で |df(x)| ≦ M とする。
ここで、|df(x)| は L(E, F) における df(x) のノルムである。

このとき、任意の x, y ∈ U に対して、
|f(y) - f(x)| ≦ M|y - x|

証明
U は凸だから、区間 [0, 1] 上の関数 ψ(t) = f(x + t(y - x)) が定義される。
t ∈ (0, 1) のとき、ψ’(t) = df(x + t(y - x))(y - x) である。
|ψ’(t)| ≦ M|y - x| であるから、>>107より、
|ψ(1) - ψ(0)| = |f(y) - f(x)| ≦ M|y - x|
証明終

112 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 21:25:30
過去スレ014の836は過去スレ014の838で訂正したように
F はBanach空間である必要がある。
>>111を使えばこの制限をはずすことが出来る。


113 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 21:27:10
命題(過去スレ014の836の改良)
K を実数体または複素数体とする。
E_1, E_2, F を K 上のノルム空間とする。
E = (E_1)×(E_2) とおく。

U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
偏微分 (d_1)f と (d_2)f が U の各点で存在し、U 上で連続なら
f は C^1級である。

証明
(a, b) を U の任意の点とする。
d_1)f と (d_2)f は (a, b) で連続であるから、
任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、|(x, y) - (a, b)| < δ なら
|(d_1)f(x, y) - (d_1)f(a, b)| < ε
かつ
|(d_2)f(x, y) - (d_2)f(a, b)| < ε
となる。

ψ(h) = f(a + h, b + k) - (d_1)f(a, b)(h) とおく。
|(h, k)| < δ なら
|dψ(h)| = |(d_1)f(a + h, b + k) - (d_1)f(a, b)| < ε
よって、>>111より、
|ψ(h) - ψ(0)| = |f(a + h, b + k) - f(a, b + k) - (d_1)f(a, b)(h)| ≦ ε|h|

同様に
φ(k) = f(a, b + k) - (d_2)f(a, b)(k) とおく。
|(0, k)| < δ なら
|dφ(k)| = |(d_2)f(a, b + k) - (d_2)f(a, b)| < ε
よって、>>111より、
|φ(k) - φ(0)| = |f(a, b + k) - f(a, b) - (d_2)f(a, b)(k)| ≦ ε|k|

(続く)

114 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/03(日) 21:27:51
>>113の続き

以上から、|(h, k)| < δ なら
|f(a + h, b + k) - f(a, b) - (d_1)f(a, b)(h) - (d_2)f(a, b)(k)|
≦ |f(a + h, b + k) - f(a, b + k) - (d_1)f(a, b)(h)|
+ |f(a, b + k) - f(a, b) - (d_2)f(a, b)(k)|
≦ ε(|h| + |k|)

よって、
df(a, b)(h, k) = (d_1)f(a, b)(h) + (d_2)f(a, b)(k)

(a, b) は U の任意の点だから df が U の各点で存在する。

次に、df が U 上で連続なことを示す。
p_i: E → E_i を射影とする。
df(a, b) = (d_1)f(a, b)p_1 + (d_2)f(a, b)p_2
である。
(d_1)f と (d_2)f は連続であるから、df は連続である。
証明終

115 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 10:44:09
命題(>>113のn変数版)
K を実数体または複素数体とする。
E_1, ..., E_n および F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
偏微分 (d_i)f, i = 1, ..., n が U の各点で存在し、U 上で連続なら
f は C^1級である。

証明
a = (a_1, ..., a_n) を U の任意の点とする。
各 (d_i)f は a で連続であるから、
任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、|x - a| < δ なら
|(d_i)f(x) - (d_i)f(a)| < ε
となる。

h = (h_1, ..., h_n) ∈ E を 0 に十分近い元とする。

Δ_i(h) = f(a_1 + h_1, ..., a_i + h_i, a_(i+1), ..., a_n)
- f(a_1 + h_1, ..., a_i + h_(i-1), a_i, ..., a_n)
とおく。

Δ_1(h) = f(a_1 + h_1, a_2, ..., a_n) - f(a_1, a_2, ..., a_n)
Δ_n(h) = f(a_1 + h_1, ..., a_n + h_n) - f(a_1 + h_1, ..., a_(n-1) + h_(n-1), a_n)
である。

(続く)

116 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 10:44:53
>>115の続き

ψ_i(h_i) = f(a_1 + h_1, ..., a_i + h_i, a_(i+1), ..., a_n) - (d_i)f(a)(h_i)
とおく。

|h| < δ なら
|dψ_i(h_i)|
= |(d_i)f(a_1 + h_1, ..., a_i + h_i, a_(i+1), ..., a_n) - (d_i)f(a)| < ε

よって、>>111より、|h| < δ なら
|Δ_i(h) - (d_i)f(a)(h_i)| = |ψ_i(h_i) - ψ(0)| ≦ ε|h_i|

よって、|h| < δ なら
|f(a_1 + h_1, ..., a_n + h_n) - f(a_1, a_2, ..., a_n) - Σ(d_i)f(a)(h_i)|
= |ΣΔ_i(h) - Σ(d_i)f(a)(h_i)|
≦ Σ|Δ_i(h) - (d_i)f(a)(h_i)|
≦ εΣ|h_i|

よって、
df(a)(h) = Σ(d_i)f(a)(h_i)
a は U の任意の点だから df が U の各点で存在する。

p_i: E → E_i を射影とする。
df(a) = Σ(d_i)f(a)p_i である。
(d_i)f は連続であるから、df は連続である。
証明終

117 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 10:48:23
>>23>>104で訂正したように
F はBanach空間である必要がある。
>>115を使えばこの制限をはずすことが出来る。

118 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 10:59:14
命題
K を実数体または複素数体とする。
E_1, ..., E_n および F を K 上のノルム空間とする。
E = (E_1)×...×(E_n) とおく。

U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。

f が C^k 級 (1 ≦ k < ∞) であるためには
全ての 1 ≦ m ≦ k に対して連続な d_(i_1)...d_(i_m)f が存在することが
必要十分である。

証明
必要性は>>103で証明されている。

十分なこと:
全ての 1 ≦ m ≦ k に対して連続な d_(i_1)...d_(i_m)f が存在するとする。

このとき、k に関する帰納法で f が C^k 級であることを証明する。

>>115より、k = 1 のときは証明されている。
k ≧ 2 とする。
k = 1 の場合より f は少なくとも C^1 級である。

(続く)

119 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 10:59:56
>>118の続き

L(E; F) の元 u の E_i への制限を (T_i)u と書く。
T_i: L(E; F) → L(E_i; F) は連続線型写像である。

>>97より、(T_i)df = (d_i)f である。
この等式の両辺に d_(i_1)...d_(i_(m-1)) を作用させて
d_(i_1)...d_(i_(m-1))(T_i)df = d_(i_1)...d_(i_(m-1))(d_i)f

この左辺は>>63より
(T_i)d_(i_1)...d_(i_(m-1)df に等しい。

よって、
(T_i)d_(i_1)...d_(i_(m-1)df = d_(i_1)...d_(i_(m-1))(d_i)f

両辺の i に関する Σ をとって
d_(i_1)...d_(i_(m-1)df = Σd_(i_1)...d_(i_(m-1))(d_i)f

よって、帰納法の仮定より、df は C^(k-1) 級である。
よって、f は C^k 級である。
証明終

120 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 11:32:20
命題
K を実数体または複素数体とする。
E および F を K 上のノルム空間とする。
U を E の連結開集合とし、f: U → F を写像とする。
U の各点で df(p) が存在し、df(p) = 0 とする。

このとき、f は定値である。

証明
p を U の任意の点とする。
実数 r > 0 を V = {x ∈ E; |x - p| < r} ⊂ U となるようにとる。
V は p の凸開近傍 V である。

>>111より、任意の x ∈ V に対して |f(x) - f(p)| = 0 である。
よって、f は V で定値である。

U は連結だから f は U で定値である。
証明終

121 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 12:04:40
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
f が U の点 p で強微分可能(>>43)とする。

このとき f は p で微分可能である。
さらに df(p) は次の条件 (SD) を満たす。

(SD) 任意の実数 ε > 0 に対して p の開近傍 V_ε ⊂ U が存在し、
任意の x, y ∈ V_εに対して |f(x) - f(y) - df(p)(x - y)| ≦ ε|x - y|

証明
f は p で強微分であるから連続線型写像 T: E → F があり、
任意の ε > 0 に対して p の開近傍 V_ε ⊂ U が存在し、
任意の x, y ∈ V_ε に対して |f(x) - f(y) - T(x - y)| ≦ ε|x - y| となる。

特に、任意の x ∈ V_ε に対して |f(x) - f(p) - T(x - p)| ≦ ε|x - p| となる。
よって、T = df(p) である。
証明終

122 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 13:31:42
補題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
T を E から F への線型写像とする。

実数 δ > 0 があり
h ∈ E, |h| < δ のとき常に T(h) ≦ M|h| となるとする。

このとき |T| ≦ M である。

証明
0 < |α| < 1 となる α ∈ K がある。
n → +∞ のとき、|α^n| → 0 である。

よって、任意の x ∈ E に対して
|(α^n)x| < δ となる整数 n > 0 がある。

よって、
T((α^n)x) ≦ M|(α^n)x|

よって、
|α^n||T(x)| ≦ M|α^n||x|

よって、
|T(x)| ≦ M|x|

よって、
|T| ≦ M
証明終

123 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 13:34:20
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
f が U の各点で強微分可能(>>43)とする。

このとき、f は C^1 級(>>100)である。

証明
p を U の任意の点とする。

>>121より、f は p で微分可能である。
さらに、任意の実数 ε > 0 に対して p の開近傍 V_ε ⊂ U が存在し、
任意の x, y ∈ V_εに対して |f(x) - f(y) - df(p)(x - y)| ≦ ε|x - y|
となる。

よって、任意の x ∈ V_εに対して
|f(p) - f(x) - df(x)(p - x)| ≦ ε|x - p|
かつ
|f(x) - f(p) - df(p)(x - p)| ≦ ε|x - p|

よって、任意の x ∈ V_εに対して
|df(x)(x - p) - df(p)(x - p)|
≦ |df(x)(x - p) + f(p) - f(x)| + |f(x) - f(p) - df(p)(x - p)|
≦ 2ε|x - p|

よって、>>122 より、|df(x) - df(p)| ≦ 2ε
よって、df は p で連続である。
証明終

124 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 14:01:42
命題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
f が C^1 級(>>100)であるためには f が U の各点で強微分可能(>>43)であることが
必要十分である。

証明
十分性は>>123で証明されている。

必要性:
f が C^1 級(>>100)であるとする。
p を U の任意の点とする。
df は p で連続だから任意の実数 ε > 0 に対して、
p の開近傍 V_ε ⊂ U が存在し、
任意の x ∈ V_ε に対して、|df(x) - df(p)| < ε となる。
V_ε は凸と仮定してよい。

x ∈ V_ε に対して、G(x) = f(x) - df(p)(x) とおく。
|dG(x)| = |df(x) - df(p)| < ε

よって、平均値の不等式(>>111) より、任意の x, y ∈ V_ε に対して、
|G(x) - G(y)| = |f(x) - f(y) - df(p)(x - y)| ≦ ε|x - y| となる。
証明終

125 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 14:46:43
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間とする。

このとき、F が完備であれば、L(E, F) も完備である。

証明
(T_n), n = 1, 2, ... を L(E, F) のCauchy列とする。
x を E の任意の元とする。
任意の整数 n, m > 0 に対して
|T_n(x) - T_m(x)| ≦ |T_n - T_m||x| であるから
(T_n(x)), n = 1, 2, ... は F のCauchy列である。
T(x) = lim T_n(x) とおく。

T は明らかに線型写像である。

(T_n), n = 1, 2, ... は Cauchy列 であるから、
任意の ε > 0 に対して整数 N(ε) > 0 があり、
n, m ≧ N(ε) なら |T_n - T_m| < ε となる。
よtって、任意の x ∈ E に対して
|T_n(x) - T_m(x)| ≦ |T_n - T_m||x| ≦ ε|x|

ここで、m → ∞ とすると |T_n(x) - T(x)| ≦ ε|x|
よって、|T_n - T| ≦ ε
よって、|T| ≦ ε + |T_n|
よって、T ∈ L(E, F) である。

n ≧ N(ε) なら |T_n - T| ≦ ε より、lim T_n = T である。
証明終

126 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 16:40:22
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間とする。

F のノルムが超ノルム(>>64)であれば、L(E, F) のノルム(>>49)も超ノルムである。

証明
f, g ∈ L(E, F) とする。

任意の x ∈ E に対して、
|f(x)| ≦ |f||x| ≦ sup(|f|, |g|)|x|
|g(x)| ≦ |g||x| ≦ sup(|f|, |g|)|x|

よって、
|(f + g)(x)| = |f(x) + g(x)| ≦ sup(|f(x)|, |g(x)|) ≦ sup(|f|, |g|)|x|

よって、
|f + g| ≦ sup(|f|, |g|)
証明終

127 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 17:33:56
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。

x, y ∈ E に対して |x| ≠ |y| なら |x + y| = sup(|x|, |y|) である。

証明
|x| > |y| として一般性を失わない。

よって、|x + y| ≦ sup(|x|, |y|) = |x|

ここで、|x + y| < |x| と仮定して矛盾を導く。

|x| = |x + y - y| ≦ sup(|x + y|, |y|) < |x|
即ち、|x| < |x|
証明終

128 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 17:55:03
>>127
次のように証明してもよい(あまり違わないが)。

|x| > |y| として一般性を失わない。
|y| < |x| = |x + y - y| ≦ sup(|x + y|, |y|)
即ち、|y| < sup(|x + y|, |y|)
よって、sup(|x + y|, |y|) = |x + y| でなければならない。
よって、|x| ≦ |x + y| ≦ |x|
よって、|x + y| = |x|

129 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 18:04:26
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。
r > 0 を実数とする。
|x - y| < r のとき x ≡ y と書く。
これは、E における同値関係である。

証明
推移律のみ証明する。

|x - y| < r
|y - z| < r
とする。

|x - z| = |x - y + y - z| ≦ sup(|x - y|, |y - z|) < r
証明終

130 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 18:05:21
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。
r > 0 を実数とする。
|x - y| ≦ r のとき x ≡ y と書く。
これは、E における同値関係である。

証明
推移律のみ証明する。

|x - y| ≦ r
|y - z| ≦ r
とする。

|x - z| = |x - y + y - z| ≦ sup(|x - y|, |y - z|) ≦ r
証明終

131 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 18:18:19
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。
r > 0 を実数とする。

U(a, r) = {x ∈ E; |x - a| < r}
B(a, r) = {x ∈ E; |x - a| ≦ r}
と書く。

このとき、
任意の b ∈ U(a, r) に対して U(a, r) = U(b, r) であり、
任意の b ∈ B(a, r) に対して B(a, r) = B(b, r) である。

証明
|x - y| < r のとき x ≡ y と書く。
>>129より、これは同値関係である。

U(a, r) は a の同値類である。
よって、任意の b ∈ U(a, r) に対して U(a, r) = U(b, r) である。

B(a, r) に関する主張も>>130を使えば同様である。
証明終

132 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 18:24:00
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。
r > 0 を実数とする。

U(a, r) = {x ∈ E; |x - a| < r}
と書く。

このとき、U(a, r) は開かつ閉である。

証明
U(a, r) は明らかに開集合である。
|x - y| < r のとき x ≡ y と書く。
>>129より、これは同値関係であり、U(a, r) は a の同値類である。

E をこの同値関係で類別すれば U(a, r) の補集合は
U(b, r) の形の合併集合であるから開集合である。
よって、U(a, r) は閉集合である。
証明終

133 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 18:28:33
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。
r > 0 を実数とする。

B(a, r) = {x ∈ E; |x - a| ≦ r}
と書く。

このとき、B(a, r) は開かつ閉である。

証明
B(a, r) は明らかに閉集合である。

任意の b ∈ B(a, r) に対して、>>131より B(a, r) = B(b, r) である。

U(b, r) = {x ∈ E; |x - b| < r} と書く。
U(b, r) ⊂ B(b, r) であり、U(b, r) は b の開近傍であるから
B(a, r) は開集合である。
証明終

134 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 20:32:39
>>80の修正
>このとき、dg(p) が存在し、任意の h ∈ E に対して、
>dg(p)(h) = Σu(f_1(p_1), ..., df_i(p)(h), ..., f_n(p_n))

このとき、dg(p) が存在し、任意の h ∈ E に対して、
dg(p)(h) = Σu(f_1(p), ..., df_i(p)(h), ..., f_n(p))


135 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/04(月) 20:34:00
>>81の修正
>g’(p) = Σu(f_1(p_1), ..., (f_i)’(p), ..., f_n(p_n))

g’(p) = Σu(f_1(p), ..., (f_i)’(p), ..., f_n(p))


136 :132人目の素数さん:2010/01/05(火) 01:32:59
>>123
Kummer さん、こんばんは。
質問良いですか?

>任意の x, y ∈ V_εに対して
> |f(x) - f(y) - df(p)(x - y)| ≦ ε|x - y| となる。

> よって、任意の x ∈ V_εに対して
> |f(p) - f(x) - df(x)(p - x)| ≦ ε|x - p|

とありますが、4行目の df(x) の部分です。
これが df(p) ならばわかりますが、
p を x ∈ V_ε で置き換えても良い理由がわかりません。

一般に、V_ε の取り方は、x に依存すると思います。
この場合は、p に対して その近傍 V_ε を取ったんですよね?
つまり、V_ε の役割が、x と p に対して、対称なのかどうか?
その辺が疑問です。

137 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 09:54:58
>>136
有難うございます。
>>123は間違いですね。


138 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 11:58:36
>>122
>h ∈ E, |h| < δ のとき常に T(h) ≦ M|h| となるとする。

h ∈ E, |h| < δ のとき常に |T(h)| ≦ M|h| となるとする。


139 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 12:02:20
>>123の修正

命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414)をもつ可換体とする。
E と F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
f が U の各点で強微分可能(>>43)とする。

このとき、f は C^1 級(>>100)である。

証明
p を U の任意の点とする。
>>121より、f は U の各点で微分可能である。

x ∈ U に対して G(x) = f(x) - df(p)(x) とおく。
dG(x) = df(x) - df(p) である。

x, y ∈ U に対して
G(x) - G(y) = f(x) - df(p)(x) - f(y) + df(p)(y)
= f(x) - f(y) - df(p)(x - y)
となることに注意する。

f は p で強微分可能であるから、
任意の実数 ε > 0 に対して p の開近傍 V_ε ⊂ U が存在し、
任意の x, y ∈ V_εに対して |f(x) - f(y) - df(p)(x - y)| ≦ ε|x - y|
即ち、|G(x) - G(y)| ≦ ε|x - y|

(続く)

140 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 12:03:04
>>139の続き

一方、G は任意の y ∈ V_ε で微分可能であるから
y の近傍 W_y があり、x ∈ W_y のとき、
|G(x) - G(y) - dG(y)(x - y)| ≦ ε|x - y|

W_y を十分小さくとり、W_y ⊂ V_ε と仮定してよい。

よって、x ∈ W_y のとき、
|dG(y)(x - y)| ≦ |G(x) - G(y)| + ε|x - y| ≦ 2ε|x - y|

よって、>>122より、
|dG(y)| ≦ 2ε

すなわち、任意の y ∈ V_ε に対して、
|df(y) - df(p)| ≦ 2ε
よって、df は p で連続である。
証明終

141 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 12:04:39
>>124
>十分性は>>123で証明されている。

十分性は>>139で証明されている。


142 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 15:11:06
例(C^1級だが強微分可能でない関数)

p を素数とする。
Q_p を p進体(過去スレ012の550)とし、Z_p をp進整数環(過去スレ012の560)とする。
各整数 n ≧ 1 に対して、
W_n = {x ∈ Z_p; |x - p^n| < |p^(2n)|} とおく。
即ち、W_n = {x ∈ Z_p; x ≡ p^n mod p^(2n)} である。

各整数 n ≧ 1 に対して
S_n = {x ∈ Z_p; |x| = |p^n|} とおく。

即ち、S_n = (p^n)(Z_p)^* である。
ここで、(Z_p)^* = Z_p - pZ_p は Z_p の乗法に関する可逆元全体である。

x ∈ W_n なら、|x - p^n| < |p^(2n)| < |p^n|
よって、>>127より、|x| = |x - p^n + p^n| = |p^n|
よって、W_n ⊂ S_n である。

n ≠ m なら S_n ∩ S_m = φ である。

ここで、各整数 n ≧ 1 に対して
B_n = {x ∈ Z_p; |x - p^n| ≦ |p^n|}
U_n = {x ∈ Z_p; |x - p^n| < |p^n|}
とおく。

S_n = B_n - U_n である。
B_n と U_n は開かつ閉であるから S_n も開かつ閉である。

便宜上 S_0 = (Z_p)^* とおく。
Z_p - {0} = ∪S_n, n = 0, 1, 2, ... は Z_p - {0} の直和分割である。

(続く)

143 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 15:11:48
>>142の続き

ここで、関数 f: Z_p → Z_p を次のように定義する。
1) x ∈ Z_p - ∪W_n のとき f(x) = 0
2) x ∈ W_n のとき f(x) = p^(2n)

n ≧ 1 のとき、S_n - W_n は開集合であり、f は S_n - W_n 上で 0 である。
よって、f は Z_p - {0} 上で局所定数である。
よって、Z_p - {0} 上で f’(x) = 0 である。

一方、x → 0 のとき、f’(0) = lim (f(x) - f(0))/x = lim f(x)/x = 0

よって、f は C^1 級である。

x_n = p^n
y_n = p^n - p^(2n)
とおく。
n → ∞ のとき、x_n → 0 かつ y_n → 0 である。

(f(x_n) - f(y_n))/(x_n - y_n) = (p^n - 0)/p^n = 1

よって、f は 0 で強微分可能ではない。

144 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 15:30:21
>>45
>>>27において非アルキメデス的ノルムという用語は適切でない。

これは、そうでもないらしい。
むしろ最近では非アルキメデス的ノルムのほうが超ノルムより使われているようだ。

よって、>>27を復活することにする。


145 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 15:34:18
>>50を次のように修正する。

定義
K を自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつ可換体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とし、|x| をそのノルムとする。

任意の x ∈ E, y ∈ E に対して |x + y| ≦ max(|x|, |y|) となるとき
|x| を非アルキメデス的ノルムまたは超ノルム(ultranorm)と呼ぶ。

146 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 15:38:09
>>51を次のように修正する。

定義
K を自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつ可換体とする。
非アルキメデス的ノルム(>>145)をもつ K 上のノルム空間を
K 上の非アルキメデス的ノルム空間または超ノルム空間と呼ぶ。


147 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 18:38:24
定義
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とし、|x| をそのノルムとする。

任意の x ∈ E, y ∈ E に対して |x + y| ≦ max(|x|, |y|) となるとき
|x| を超ノルム(ultranorm)と呼び、E を K 上の超ノルム空間と呼ぶ。


148 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 20:20:56
K を自明でない非アルキメデス的完備体(>>26)とする。
E, F を K 上のBanach空間(>>29)とする。
E の開集合で定義され、F に値をとる解析写像(後に定義する)は
定義域の各点で強微分可能であることを後に証明する。
従って、K 上の強微分可能性は十分広い範囲の写像に適用出来る。


149 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 20:34:22
強微分可能な関数の重要性の理由の一つは、次に述べるように、
それが局所Lipschitzであるからである。


150 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 20:35:09
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E, F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、p ∈ U とする。
f: U → F は p で強微分可能であるとする。

このとき、f は p のある近傍でLipschitzである。
即ち、p の近傍 V と M > 0 があり、
任意の x, y ∈ V に対して |f(x) - f(y)| ≦ M|x - y| となる。

証明
任意の実数 ε > 0 に対して p の開近傍 V_ε ⊂ U が存在し、
任意の x, y ∈ V_εに対して
|f(x) - f(y) - df(p)(x - y)| ≦ ε|x - y|

よって、任意の x, y ∈ V_εに対して
|f(x) - f(y)| ≦ ε|x - y| + |df(p)||x - y| = (ε + |df(p)|)|x - y|
証明終

151 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 20:45:44
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E, F, G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、p ∈ U とする。
V を F の開集合とする。

f: U → V
g: V → G
を写像とし、f が p で強微分可能(>>43)かつ g が f(p) で強微分可能とする。

このとき、gf は p で強微分可能である。

証明
任意の実数 ε > 0 に対して p の開近傍 V_ε ⊂ U が存在し、
任意の x, y ∈ V_εに対して
|f(x) - f(y) - df(p)(x - y)| ≦ ε|x - y|

よって、任意の x, y ∈ V_εに対して
|f(x) - f(y)| ≦ M|x - y|
ここで、M = (ε + |df(p)|) である(>>150の証明参照)。

f(p) の開近傍 W_ε ⊂ V が存在し、
任意の z, w ∈ W_εに対して
|g(z) - g(w) - g(f(p))(z - w)| ≦ ε|z - w|

f は p で連続であるから f(V_ε) ⊂ W_ε と仮定してよい。

(続く)

152 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 20:46:27
>>151の続き

df(p) = T
dg(f(p)) = S とおく。

x, y ∈ V_ε のとき、
α(x, y) = f(x) - f(y) - T(x - y) とおく。

z, w ∈ W_εのとき、
β(z, w) = g(z) - g(w) - S(z - w) とおく。

x, y ∈ V_ε のとき、
gf(x) - gf(y) = β(f(x), f(y)) + S(f(x) - f(y))
= β(f(x), f(y)) + S(T(x - y)) + S(α(x, y))

よって、
gf(x) - gf(y) - S(T(x - y)) = β(f(x), f(y)) + S(α(x, y))

|β(f(x), f(y))| ≦ ε|f(x) - f(y)| ≦ εM|x - y|
|S(α(x, y))| ≦ |S||α(x, y)| ≦ |S|ε|x - y|

よって、x, y ∈ V_ε のとき、
|gf(x) - gf(y) - S(T(x - y))| ≦ |β(f(x), f(y))| + |S(α(x, y))|
≦ εM|x - y| + |S|ε|x - y| = ε(M + |S|)|x - y|

よって、gf は p で強微分可能である。
証明終

153 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/05(火) 22:17:18
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E, F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、p ∈ U とする。
f: U → F は p で強微分可能であるとする。

M を |df(p)| < M となる任意の実数とする。

このとき、p の近傍 V があり、
任意の x, y ∈ V に対して |f(x) - f(y)| ≦ M|x - y| となる。

証明
ε = M - |df(p)| とおく。
p の開近傍 V ⊂ U が存在し、任意の x, y ∈ Vに対して
|f(x) - f(y) - df(p)(x - y)| ≦ ε|x - y|

よって、任意の x, y ∈ V に対して
|f(x) - f(y)| ≦ ε|x - y| + |df(p)||x - y| = M|x - y| となる。
証明終

154 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 10:32:28
補題(過去スレ015の48参照)
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)で完備とする。
r > 0 を実数、p を E の点とし、B(p, r) = |x ∈ E; |x - p| ≦ r} とおく。

f: B(p, r) → E を次の性質 (*) を満たす写像とする。

(*) 任意の x, y ∈ B(p, r) に対して、|f(x) - f(y) - (x - y)| ≦ (1/2)|x - y|

このとき、
f: B(p, r) → B(f(p), r/2) は位相同型である。

証明
f(x) = f(y) と仮定する。
(*) より、|x - y| ≦ (1/2)|x - y|
よって、|x - y| = 0 でなければならない。
よって、f は単射である。

任意の x, y ∈ B(p, r) に対して、
|f(x) - f(y)| - |x - y| ≦ |f(x) - f(y) - (x - y)|
よって、(*) より、
|f(x) - f(y)| ≦ (1/2)|x - y| + |x - y| = (3/2)|x - y|
よって、f は連続である。

g(x) = x - f(x) とおく。
任意の x, y ∈ B(p, r) に対して、
|g(x) - g(y)| = |x - y - f(x) + f(y)| = |f(x) - f(y) - (x - y)|
≦ (1/2)|x - y|

y = p として、|g(x) - (p - f(p))| ≦ (1/2)|x - p| ≦ r/2

(続く)

155 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 10:33:09
>>154の続き

y ∈ B(f(p), r/2) に対して g_y(x) = y + g(x) とおく。

任意の x, y ∈ B(p, r) に対して、
|g_y(x) - g_y(y)| = |g(x) - g(y)| ≦ (1/2)|x - y|

x ∈ B(p, r) のとき、
|g_y(x) - p| = |y - f(p) + g(x) - (p - f(p))|
≦ |y - f(p)| + |g(x) - (p - f(p))|
≦ r/2 + r/2 = r

よって、g_y(B(p, r)) ⊂ B(p, r)
よって、縮小写像の不動点定理(過去スレ015の41)より、
g_y(x) = x となる x ∈ B(p, r) がある。
即ち、y + g(x) = y + x - f(x) = x
よって、y = f(x)
よって、f(B(p, r)) = B(f(p), r/2)

よって、f: B(p, r) → B(f(p), r/2) は全単射である。
この逆写像を h とする。
h が連続なことを証明すれば良い。

x, y ∈ B(p, r) のとき、
(*) より、|x - y| - |f(x) - f(y)| ≦ (1/2)|x - y|

よって、(1/2)|x - y| ≦ |f(x) - f(y)|
よって、|x - y| ≦ 2|f(x) - f(y)|
よって、|hf(x) - hf(y)| ≦ 2|f(x) - f(y)|
よって、h は連続である。
証明終

156 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 12:00:49
定理(逆写像定理)
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E, F を K 上の完備ノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f : U → F を写像とする。
ある p ∈ U において f は強微分可能(>>43)であり、
df(p) が位相同型であるとする。

このとき、p ∈ V ⊂ U となる開集合 V があり、
f(V) は開集合で、f を V に制限した写像 f|V は V から f(V) への
位相同型となる。

さらに、f|V の逆写像 g は f(p) において強微分可能であり、
dg(f(p)) = (df(p))^(-1) となる。

証明
T = df(p) とおき、S = T^(-1) とおく。
h = Sf: U → E とおく。

>>151より、h は p で強微分可能である。
dh(p) = ST^(-1) = I

よって、p の開近傍 W ⊂ U があり、
任意の x, y ∈ W に対して、|h(x) - h(y) - (x - y)| ≦ (1/2)|x - y|

B(p, r) ⊂ W となる実数 r > 0 をとる。
ここで、B(p, r) = |x ∈ E; |x - p| ≦ r} である。

>>154より、
h: B(p, r) → B(h(p), r/2) は位相同型である。

(続く)

157 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 12:01:52
>>156の続き

V = U(p, r) ∩ h^(-1)(U(p, r/2)) とおく。
h は U(p, r) において連続だから V は E の開集合である。

ここで、
U(p, r) = |x ∈ E; |x - p| < r}
U(p, r/2) = |x ∈ E; |x - p| < r/2} である。

h(V) ⊂ U(p, r/2) であり、h は位相同型であるから
h(V) は U(p, r/2) の開集合、従って E の開集合である。
h: V → g(V) は位相同型である。

S は位相同型であるから f(V) は E の開集合であり、
f: V → f(V) は位相同型である。

任意の ε > 0 に対して
0 < δ < ε/(|S|(|S| + ε)) となる δ をとる。

f は p で強微分可能であるから、p の開近傍 U_δ ⊂ U があり、
x, y ∈ U_δ のとき、
|f(x) - f(y) - T(x - y)| ≦ δ|x - y|
ここで、U_δ ⊂ V と仮定してよい。

この不等式の両辺に |S| を掛けて
|S(f(x) - f(y) - T(x - y))| ≦ δ|S||x - y|
よって、|(x - y) - S(f(x) - f(y))| ≦ δ|S||x - y|
よって、|x - y| - |S(f(x) - f(y))| ≦ δ|S||x - y|
よって、(1 - δ|S|)|x - y| ≦ |S(f(x) - f(y))| ≦ |S||f(x) - f(y)|
よって、|x - y| ≦ (|S|/(1 - δ|S|))|f(x) - f(y)|

(続く)

158 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 12:02:33
>>157の続き

以上から、
|(x - y) - S(f(x) - f(y))| ≦ δ|S||x - y|
≦ δ(|S|^2/(1 - δ|S|))|f(x) - f(y)|
≦ ε|f(x) - f(y)|

これは任意の f(x), f(y) ∈ f(U_δ) に対して成り立つ。
f(U_δ) は E の開集合である。
よって、f: V → f(V) の逆写像 g は f(p) で強微分可能である。
さらに、dg(f(p)) = S = (df(p))^(-1) である。
証明終

159 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 12:14:28
>>157への補足説明
>0 < δ < ε/(|S|(|S| + ε)) となる δ をとる。

S は位相同型であるから S ≠ 0 従って |S| ≠ 0 である。


160 ::2010/01/06(水) 13:43:33

おいクンマー
2ちゃんねるで私的なスレッドは
規約違反だぞ

161 :132人目の素数さん:2010/01/06(水) 13:46:08
( ^ω^)チンコ、カユイヨ

ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




162 :132人目の素数さん:2010/01/06(水) 13:46:54
449 名前:132人目の素数さん :2010/01/05(火) 14:03:37

70 :132人目の素数さん:2009/10/08(木) 08:51:28
統計数理研究所准教授
Maruyama, Naomasa
MR Author ID: 265313
Earliest Indexed Publication: 1978
Total Publications: 2
Total Citations: 1




450 名前:猫は珍獣 ◆ghclfYsc82 :2010/01/05(火) 14:06:53
そのケースはワシだけやのうて皆さん良く知ってはるがな。
そやけどまだ他にも沢山アルやろ! ちゃうかァ???



163 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 13:54:41
定理(Banach の開写像定理)
K を必ずしも可換とは限らない体とする。
| | を K の自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)とする。
E と F をそれぞれ K 上の完備なノルム空間(過去スレ006の561)とする。
f : E → F を連続な線形写像で全射とする。

このとき f は開写像である。

証明
過去スレ009の192で証明されている。

164 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 14:32:37
超ノルム空間(>>65)についてもっと詳しく調べよう。


165 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 14:38:38
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E ≠ 0 を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。

このとき、K の絶対値は非アルキメデス的(過去スレ006の448)である。

証明
E の元 x ≠ 0 をとる。

任意の α, β ∈ K に対して、
|α + β||x| = |(α + β)x| = |αx + βx| ≦ sup(|αx|, |βx|) = sup(|α|, |β|)|x|

|x| ≠ 0 であるから
|α + β| ≦ sup(|α|, |β|)

過去スレ006の452より、K の絶対値は非アルキメデス的である。
証明終

166 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 14:48:41
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。

このとき、E は完全非連結である。

証明
S を E の空でない連結部分集合とする。
a を S の任意の点とする。
r > 0 を任意の実数とする。
>>132より、U(a, r) = {x ∈ E; |x - a| < r} は開かつ閉である。

よって、S ⊂ U(a, r) である。
r > 0 は任意であるから、S ⊂ ∩U(a, r) = {a} である。
証明終

167 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 14:53:07
定義
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。

r > 0 を任意の実数とし、a ∈ E とする。
U(a, r) = {x ∈ E; |x - a| < r} を a を中心とする半径 r の開球と呼ぶ。
B(a, r) = {x ∈ E; |x - a| ≦ r} を a を中心とする半径 r の閉球と呼ぶ。

開球または閉球を球と呼ぶ。

168 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 15:02:49
定義
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。

K における閉球(>>167)の任意の降列
B_1 ⊃ B_2 ⊃ . . . に対して ∩B_n, n = 1, 2, ... が空でないとき、
K を球完備(spherically complete)という。

169 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 15:25:17
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。

K が局所コンパクトであれば K の任意の球(>>167)はコンパクトである。

証明
K の 0 の閉近傍 V でコンパクトなものが存在する。
δ > 0 を十分小さくとれば、B(0, δ) ⊂ V となる。
B(0, δ) は閉集合であるからコンパクトである。

K の絶対値は自明でないから、0 < |a| < 1 となる a ∈ K がある。

整数 n ≧ 1 に対して、b_n = 1/a^n とおけば
n → ∞ のとき、|b_n| → ∞

x → (b_n)x は 連続であるから、(b_n)B(0, δ) はコンパクトである。

|x| ≦ δ と |(b_n)x| ≦ |b_n|δ は同値であるから
(b_n)B(0, δ) = B(0, |b_n|δ)
よって、B(0, |b_n|δ) はコンパクトである。

n → ∞ のとき、|b_n|δ → ∞ であるから、
任意の r > 0 に対して r < |b_n|δ となる n がある。

よって、B(0, r) ⊂ B(0, |b_n|δ)
B(0, r) は閉集合であるからコンパクトである。

U(0, r) ⊂ B(0, r) であり、
>>132より、U(0, r) は閉集合であるからコンパクトである。
証明終

170 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 15:33:00
>>168の修正

定義
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。

K における閉球(>>167)の任意の降列
B_1 ⊃ B_2 ⊃ . . . に対して ∩B_n, n = 1, 2, ... が空でないとき、
K を球完備(spherically complete)という。


171 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 15:35:05
>>169の修正

命題
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。

K が局所コンパクトであれば K の任意の球(>>167)はコンパクトである。

証明
K の 0 の閉近傍 V でコンパクトなものが存在する。
δ > 0 を十分小さくとれば、B(0, δ) ⊂ V となる。
B(0, δ) は閉集合であるからコンパクトである。

K の絶対値は自明でないから、0 < |a| < 1 となる a ∈ K がある。
整数 n ≧ 1 に対して、b_n = 1/a^n とおけば
n → ∞ のとき、|b_n| → ∞

x → (b_n)x は 連続であるから、(b_n)B(0, δ) はコンパクトである。

|x| ≦ δ と |(b_n)x| ≦ |b_n|δ は同値であるから
(b_n)B(0, δ) = B(0, |b_n|δ)
よって、B(0, |b_n|δ) はコンパクトである。

n → ∞ のとき、|b_n|δ → ∞ であるから、
任意の r > 0 に対して r < |b_n|δ となる n がある。

よって、B(0, r) ⊂ B(0, |b_n|δ)
B(0, r) は閉集合であるからコンパクトである。

U(0, r) ⊂ B(0, r) であり、
>>132より、U(0, r) は閉集合であるからコンパクトである。
証明終

172 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 15:36:46
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。

K が局所コンパクトであれば K は球完備である。

証明
>>171より明らかである。

173 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 15:46:00
定義
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。

E における閉球(>>167)の任意の降列
B_1 ⊃ B_2 ⊃ . . . に対して ∩B_n, n = 1, 2, ... が空でないとき、
E を球完備(spherically complete)という。

174 :132人目の素数さん:2010/01/06(水) 16:16:14
あんたの職業なに?

平日の昼間から書き込み連投ってw

俺は大学の准教授だけど

175 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 18:42:12
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。

E が球完備(>>173)であれば完備である。

証明
(x_n), n = 1, 2, ... を E におけるCauchy列とする。
(x_n) が収束することを証明すればよい。
(x_n) は、ある番号から先すべて一致することはないと仮定してよい。

よって、ε_n = sup{|x_(m+1) - x_m|; m ≧ n} とおけば、ε_n > 0 である。
よって、閉球 B(x_n, ε_n) が定義できる。

明らかに、ε_n ≧ ε_(n+1) である。
(x_n), n = 1, 2, ... はCauchy列であるから lim ε_n = 0 である。

x_(n+1) ∈ B(x_n, ε_n) だから>>131より、B(x_n, ε_n) = B(x_(n+1), ε_n)

よって、B(x_n, ε_n) ⊃ B(x_(n+1), ε_(n+1))

よって、x ∈ ∩B(x_n, ε_n)

よって、各 n に対して、|x - x_n| ≦ ε_n

lim ε_n = 0 だから、lim x_n = x である。
証明終

176 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 19:48:34
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でないアルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。
E を K 上の完備な超ノルム空間(>>65)とする。

E における球(>>167)の降列
B_1 ⊃ B_2 ⊃ . . . に対して lim d(B_n) = 0 とする。

ここで、d(B_n) = sup{|x - y|; (x, y) ∈ (B_n)×(B_n)} である。

このとき、∩B_n, n = 1, 2, ... は空でない。

証明
各 n に対して x_n ∈ B_n となる点列 (x_n), n = 1, 2, ... を選ぶ。
(x_n) は Cauchy 列であり、E は完備であるから lim x_n = x が存在する。
>>132>>133より、各 B_n は閉集合であるから x ∈ ∩B_n である。
証明終

177 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 20:03:57
補題
a > 0 を実数とする。
S = {na: n ∈ Z} とおく。
ここで、Z は有理整数環を表す。
(x_n), n = 1, 2, ... を S に値をとる数列で単調増加とする。

このとき、ある番号から先 x_n は定数となるか lim x_n = ∞ である。

証明
lim x_n = ∞ でなければ b = sup(x_n) < ∞ である。
よって、b - a/2 < x_n ≦ b となる n がある。
m ≧ n であれば x_n ≦ x_m ≦ b
よって、|x_m - x_n| < a/2
よって、x_n = x_m である。
証明終

178 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 20:56:51
命題
実数体の加法群 R の(部分空間として)離散でない部分群 G は R において稠密である。

証明
G は離散でないから任意の ε > 0 に対して 0 < a < ε となる a ∈ G がある。
任意の x ∈ R に対して n = sup{m ∈ Z; ma ≦ x} とおく。
na ≦ x < (n+1)a である。
よって、|x - na| < a < ε
na ∈ G であるから G は R において稠密である。
証明終

179 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/06(水) 21:31:51
命題
実数体の加法群 R の R 以外の閉部分群は {0} または aZ の形である。
ここで、a > 0 は任意の正数であり、Z は有理整数全体のなす加法群である。

証明
G ≠ {0} を R の R 以外の閉部分群とする。
>>178より、G は離散である。
G ≠ {0} だから、G の元 b で b > 0 となるものがある。
区間 [0, b] に対して、[0, b] ∩ G は [0, b] の閉集合である、
区間 [0, b] はコンパクトであるから [0, b] ∩ G はコンパクトである。
[0, b] ∩ G は離散であるから有限集合である。
a > 0 を [0, b] ∩ G に属す最小の正数とする。

任意の x ∈ G に対して n = sup{m; ma ≦ x, m ∈ Z} とおく。
0 ≦ x - na < a であり、x - na ∈ G であるから x - na = 0 でなければならない。
よって、G = aZ である。
証明終

180 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 07:20:46
補題
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でないアルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。

B を E における閉球(>>167)とする。
r = d(B) = sup{|x - y|; (x, y) ∈ B×B} とおく。
a を B の任意の点とする。

このとき、r > 0 であり、B = B(a, r) である。

証明
r = 0 とすると、任意の x, y ∈ B に対して x = y となる。
即ち B は1点である。
よって、E の位相は離散となり >>46 に矛盾する。
よって、r > 0 である。

>>131より、ある実数 s > 0 があり、B = B(a, s) となる。
任意の x, y ∈ B(a, s) に対して |x - y| ≦ s であるから
r ≦ s である。
よって、B(a, r) ⊂ B である。

B(a, r) ≠ B とすると、x ∈ B で |x - a| > r となるものがある。
これは r = d(B) と矛盾する。
よって、B = B(a, r) である。
証明終

181 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 07:24:19
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でないアルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。
さらに、値群 G = {|x|; x ∈ K^*} が (R^*)+ の離散部分群であるとする。
ここで、K^* は K の乗法群であり、(R^*)+ は R の正数のなす乗法群である。

E を K 上の完備な超ノルム空間(>>65)とする。

このとき、E は球完備(>>173)である。

証明
log: (R^*)+ → R は位相群としての同型である。
ここで、log は自然対数である。
よって、Γ = {log |x|; x ∈ K^*} は R の離散部分群である。

E における閉球(>>167)の任意の降列
B_1 ⊃ B_2 ⊃ . . . に対して ∩B_n, n = 1, 2, ... をとる。

d(B_n) = sup{|x - y|; (x, y) ∈ (B_n)×(B_n)} とおく。
G は離散であるから d(B_n) ∈ G である。

(d(B_n)), n = 1, 2, ... は単調減少である。
よって、(-log(d(B_n))) は Γ に値をとる単調増加数列である。
よって、>>179>>177より、lim -log(d(B_n)) = +∞ または
数列 (-log(d(B_n))) はある番号から先は定数である。

即ち、lim d(B_n) = 0 または数列 (d(B_n)) はある番号から先は定数である。
lim d(B_n) = 0 の場合、>>176より ∩B_n は空でない。

数列 (d(B_n)) がある番号 n から先は定数であるなら、
>>180より、B_n = B_(n+1) = ... であるからやはり ∩B_n は空でない。
証明終

182 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 07:51:50
例(球完備であるが局所コンパクトでない体)

F を可換体とし、K = F((X)) を F 係数の1変数形式的べき級数体(過去スレ013の66)とする。
過去スレ013の72より、K は自明でない非アルキメデス絶対値をもち、
その値群 G = {|x|; x ∈ K^*} は (R^*)+ の離散部分群である。
過去スレ013の74より、K はこの絶対値に関して完備である。

R = F[[X]] を F 係数の1変数形式的べき級数環とする。
P = (X) を X で生成される R のイデアルとする。
F = R/P と見なせる。

K が局所コンパクトであれば、過去スレ013の368より F は有限体である。
よって、F が無限体のとき K は局所コンパクトでない。
しかし、>>181より K は球完備である。

183 :132人目の素数さん:2010/01/07(木) 09:06:25
>>154
Kummer さん、こんにちは。

疑問ですが、単に、p = 0, f(x) = x (x∈B(0, r)) だったら、どうなりますか?
(この場合は、そもそも f は B(0, r) を B(0, r/2) 内へは移しませんが)



184 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 10:43:12
>>183
有難うございます。
>>154は間違いでした。

185 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 10:45:19
>>154を修正する。

補題(過去スレ015の48参照)
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)で完備とする。
r > 0 を実数、p を E の点とし、B(p, r) = |x ∈ E; |x - p| ≦ r} とおく。

f: B(p, r) → E を次の性質 (*) を満たす写像とする。

(*) 任意の x, y ∈ B(p, r) に対して、|f(x) - f(y) - (x - y)| ≦ (1/2)|x - y|

このとき、次の 1), 2) が成り立つ。

1) f: B(p, r) → f(B(p, r)) は位相同型である。
2) B(f(p), r/2) ⊂ f(B(p, r)) ⊂ B(f(p), (3/2)r)

証明
f(x) = f(y) と仮定する。
(*) より、|x - y| ≦ (1/2)|x - y|
よって、|x - y| = 0 でなければならない。
よって、f は単射である。

任意の x, y ∈ B(p, r) に対して、
|f(x) - f(y)| - |x - y| ≦ |f(x) - f(y) - (x - y)|
よって、(*) より、
|f(x) - f(y)| ≦ (1/2)|x - y| + |x - y| = (3/2)|x - y|
よって、f は連続である。

ここで、y = p とおけば、
|f(x) - f(p)| ≦ (3/2)|x - p| ≦ (3/2)r
よって、f(B(p, r)) ≦ B(f(p), (3/2)r)
(続く)

186 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 10:46:18
>>185の続き

g(x) = x - f(x) とおく。
任意の x, y ∈ B(p, r) に対して、
|g(x) - g(y)| = |x - y - f(x) + f(y)| = |f(x) - f(y) - (x - y)|
≦ (1/2)|x - y|

y = p として、|g(x) - (p - f(p))| ≦ (1/2)|x - p| ≦ r/2

(続く)

155 名前:Kummer ◆g2BU0D6YN2 [] 投稿日:2010/01/06(水) 10:33:09
>>154の続き

y ∈ B(f(p), r/2) に対して g_y(x) = y + g(x) とおく。

任意の x, z ∈ B(p, r) に対して、
|g_y(x) - g_y(z)| = |g(x) - g(z)| ≦ (1/2)|x - z|

x ∈ B(p, r) のとき、
|g_y(x) - p| = |y - f(p) + g(x) - (p - f(p))|
≦ |y - f(p)| + |g(x) - (p - f(p))|
≦ r/2 + r/2 = r

よって、g_y(B(p, r)) ⊂ B(p, r)
よって、縮小写像の不動点定理(過去スレ015の41)より、
g_y(x) = x となる x ∈ B(p, r) がある。
即ち、y + g(x) = y + x - f(x) = x
よって、y = f(x)
よって、B(f(p), r/2) ⊂ f(B(p, r)) である。

(続く)

187 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 10:47:12
>>186の続き

f: B(p, r) → f(B(p, r)) の逆写像を h とする。
h が連続なことの証明が残っている。

x, y ∈ B(p, r) のとき、
(*) より、|x - y| - |f(x) - f(y)| ≦ (1/2)|x - y|

よって、(1/2)|x - y| ≦ |f(x) - f(y)|
よって、|x - y| ≦ 2|f(x) - f(y)|
よって、|hf(x) - hf(y)| ≦ 2|f(x) - f(y)|
よって、h は連続である。
証明終

188 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 10:51:13
>>156の修正
>>>154より、
>h: B(p, r) → B(h(p), r/2) は位相同型である。

>>185より、
h: B(p, r) → h(B(p, r)) は位相同型であり、B(h(p), r/2) ⊂ h(B(p, r))

189 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 12:56:46
定義
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
S を E の部分集合とする。

このとき、sup{|x - y|; (x, y) ∈ S×S} を S の直径と呼び、d(S) と書く。

190 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 13:18:54
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でないアルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。
さらに K の値群 G = {|x|; x ∈ K^*} は (R^*)+ において離散でないとする。
ここで、K^* は K の乗法群であり、(R^*)+ は R の正数のなす乗法群である。

このとき、任意の r > 0 と a ∈ K に対して d(B(a, r)) = r である。
ここで、d(B(a, r)) は閉球 B(a, r) (>>167) の直径(>>189)である。

証明
任意の x, y ∈ B(a, r) に対して |x - y| ≦ r であるから
d(B(a, r)) ≦ r である。
d(B(a, r)) < r と仮定して矛盾を導こう。

R の加法群と (R^*)+ は位相群として同型である。
よって、>>178より G は (R^*)+ において稠密である。

よって、d(B(a, r)) < |x| ≦ r となる x ∈ K^* が存在する。
y = a + x とおく。

d(B(a, r)) < |y - a| = |x| ≦ r であるが、
y, a ∈ B(a, r) であるから |y - a| ≦ d(B(a, r)) である。
よって。|y - a| < |y - a| となって矛盾である。
証明終

191 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 14:08:40
命題(Nonarchimedean functional analysis by Schneider)
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でないアルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。

さらに K は次の条件 1), 2) を満たすとする。

1) 値群 G = {|x|; x ∈ K^*} は (R^*)+ において離散でない。
ここで、K^* は K の乗法群であり、(R^*)+ は R の正数のなす乗法群である。

2) K の稠密な可算部分集合が存在する。

このとき、K は球完備(>>168)ではない。

証明
>>178より G は (R^*)+ において稠密である。
よって、G はいくらでも大きな実数を含む。

S = {a_1, a_2, ...} を K の稠密な可算部分集合とする。

ε_n = 1/2 + 1/3^n, n = 1, 2, ... とおく。
1 > ε_1 > ε_2 > . . . > 1/2 である。

|x - y| ≦ ε_n のとき x ≡ y mod ε_n と書く。
>>130より、これは同値関係である。

(続く)

192 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 14:09:23
>>191の続き

G はいくらでも大きな実数を含むから、mod ε_1 の同値類の個数は1ではない。
a_1 ∈ K - B_1 となる mod ε_1 の同値類 B_1 が存在する。

x ≡ y mod ε_2 なら x ≡ y mod ε_1 であるから B_1 は
和集合である。
>>190より d(B_1 ) = ε_1 ≠ ε_2 = d(B_2) であるから
B_1 に含まれる mod ε_2 の同値類の個数は1ではない。
よって、a_2 ∈ K - B_2 となる mod ε_2 の同値類 B_2 が存在する。

このい操作を繰り返して
mod ε_n の同値類 B_n, n = 1, 2, ... で
B_1 ⊃ B_2 ⊃ . . .
a_n ∈ K - B_n
となるものが存在する。

∩{B_n; n = 1, 2, ...] ≠ φ と仮定して矛盾を導こう。

b ∈ ∩{B_n; n = 1, 2, ...] とする。
ε_n > 1/2 であるから B(b, 1/2) ⊂ B(b, ε_n) = B_n
よって、B(b, 1/2) ⊂ ∩{B_n; n = 1, 2, ...]
一方、S = {a_1, a_2, ...} は K で稠密であるから、
a_n ∈ B(b, 1/2) となる a_n がある。
これは、a_n ∈ K - B_n に矛盾する。
証明終

193 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 17:10:40
>>191
>>>178より G は (R^*)+ において稠密である。
>よって、G はいくらでも大きな実数を含む。

K の絶対値は自明でないから |a| > 1 となる a ∈ K がある。
よって、n → +∞ のとき |a^n| → +∞
よって、G はいくらでも大きな実数を含む。

194 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 21:08:16
>>191の条件を満たす体を構成しよう。
その前に準備を行う。


195 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 21:13:05
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422) φ をもつ完備な可換体とする。
L を必ずしも可換とは限らない体で K 上の有限次代数となっているものとする。
K は L の中心の部分体と同一視する。
ψ_1 と ψ_2 を L の絶対値(過去スレ006の414)で、それぞれ φ の拡張に
なっているとする。

このとき、ψ_1 = ψ_2 である。

証明
L は ψ_1 および ψ_2 により、それぞれ K 上のノルム空間過去スレ006の561)となる。
L は K 上の線型空間として有限次である。
よって 過去スレ006の651より、ψ_1 と ψ_2 は同じ位相を定める。
よって、ψ_1 と ψ_2 は同値な絶対値(過去スレ006の434)である。
よって、過去スレ006の435より、ある実数 s > 0 があり、ψ_2(x) = (ψ_1(x))^s が
全ての x ∈ L で成り立つ。

一方、φ は自明でないから φ(a) > 1 となる a ∈ K がある。
K 上で ψ_1 = ψ_2 = φ であるから (ψ_1(a))^s = ψ_2(a) = ψ_1(a) > 1 である。
即ち、(ψ_1(a))^s = ψ_1(a) である。
ψ_1(a) > 1 であるから、実変数関数 x → (ψ_1(a))^x は狭義単調増加である。
よって、s = 1 である。
よって、ψ_1 = ψ_2 である。
証明終

196 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/07(木) 21:28:33
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422) φ をもつ完備な可換体とする。
L を K を含む可換体で K 上有限次とする。

このとき、 L の絶対値(過去スレ006の414)で φ の拡張になっているものが
一意に存在することが知られている。
一意性は>>195で証明されているが存在証明は後に行う。

197 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 04:41:02
命題
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
L を必ずしも可換とは限らない体で K 上の有限次代数となっているものとする。
K は L の中心の部分体と同一視する。

このとき、K の絶対値は L の絶対値に一意に拡張される。

証明
K は局所コンパクトだから過去スレ006の412より完備である。
よって、一意性は>>195で証明されている。

過去スレ013の398より、L は K 上の有限次線型空間としての標準位相で
非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)となる。

mod_L を L の mod 関数(過去スレ013の37) とする。
過去スレ013の97より、実数 s > 0 があり、(mod_L)^s は L の絶対値となる。

過去スレ013の249より、x ∈ L のとき、mod_L(x) = mod_K(N(x)) である。
ここで、mod_K は K の mod 関数であり、
N(x) は x の左ノルム(過去スレ013の258)である。
特に x ∈ K のとき、mod_L(x) = mod_K(x^n) = (mod_K(x))^n である。
ここで n は L の K 上の次元である。

(続く)

198 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 04:41:43
>>197の続き

mod_K は非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)、
即ち、集合 {mod_K(m・1) ; m は有理整数 m > 0 全体} が有界である。
よって、集合 {(mod_K(m・1))^(ns) ; m は有理整数 m > 0 全体} が有界である。
即ち、集合 {(mod_L(m・1))^s ; m は有理整数 m > 0 全体} が有界である。
よって、(mod_L)^s は L の非アルキメデス的絶対値である。
よって、過去スレ006の452より、mod_L 自体が非アルキメデス的絶対値である。
よって、再び過去スレ006の452より、(mod_L)^(1/n) は非アルキメデス的絶対値である。

(mod_L)^(1/n) は K 上で mod_K と一致するから、
mod_K は L の絶対値 (mod_L)^(1/n) に拡張される。
証明終

199 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 05:23:15
命題
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
K~ を K の代数的閉包とする。

このとき、K の絶対値 mod_K は K~ の絶対値に一意に拡張される。
ここで、mod_K は K の mod 関数(過去スレ013の37)である。

証明
x を K~ の任意の元とする。
K(x) を K と x で生成される K~ の部分体とする。
>>197より、mod_K は K(x) のある絶対値 | |_K(x) に一意に拡張される。

|x|_K(x) を単に |x| と書くことにする。

x, y ∈ K~ のとき x, y ∈ L ⊂ K~ となる K の有限次拡大体 L がある。
>>197より、mod_K は L のある絶対値 | |_L に一意に拡張される。
| |_L の K(x) への制限は、mod_K の拡張の一意性より | |_K(x) と一致する。
よって、|x| = |x|_L である。
同様に、|y| = |y|_L である。

よって、
|xy| = |xy|_L = (|x|_L)(|y|_L) = |x||y|
|x + y| = |x + y|_L ≦ sup(|x|_L, |y|_L) = sup(|x|, |y|)

よって、x → |x| は K~ の非アルキメデス的絶対値である。
よって、mod_K は K~ の絶対値 | | に拡張されることが分かった。

(続く)

200 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 05:24:02
>>199の続き

次にこの拡張の一意性を示す。

| |_1 と | |_2 を K~ の絶対値で mod_K の拡張になっているとする。
x を K~ の任意の元とする。

| |_1 の K(x) への制限と | |_2 の K(x) への制限はともに
mod_K の K(x) への拡張であるから、mod_K の拡張の一意性より
両者は一致する。
よって、|x|_1 = |x|_2 である。
x は K~ の任意の元であるから | |_1 = | |_2 である。
証明終

201 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 14:04:31
命題
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
R を K の最大コンパクト部分環(過去スレ013の366)とし、
P をその唯一の極大イデアル(過去スレ013の364)とする。
R/P の元の個数を q とし、p を R/P の標数とする。
R の可逆全体を R^* と書く。R^* = R - P である。

このとき、K^* の位数 q - 1 の群 Γ がただ一つ存在する。
Γ は (R/P)^* の完全代表系である。

さらに、
Γ = {x ∈ K; x^n = 1 となる整数 n ≧ 1 で p と素なものがある}
である。

証明
過去スレ013の447より、x ∈ R^* のとき
(x^(q^n)), n = 1, 2, ... は Cauchy 列である。
γ(x) = lim x^(q^n) とおく。

過去スレ013の450より、γ は R^* から R^* への群の準同型であり、
γ^(-1)(1) = 1 + P である。
よって、Γ = γ(R^*) とおくと、Γ は R^*/(1 + P) と同型である。

π: R → R/P を標準射とする。
π は R^* から (R/P)^* への全射準同型 φ を誘導する。
φ の核は 1 + P である。
よって、R^*/(1 + P) は (R/P)^* と同型である。
よって、R^*/(1 + P) の位数は q - 1 である。
よって、Γ の位数も q - 1 である。
よって、Γ は K における 1 の (q - 1)乗根全体である。

(続く)

202 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 14:05:12
>>261の続き

過去スレ013の450より、任意の x ∈ R^* に対して γ(x) ≡ x mod P である。
即ち、(R/P)^* の各元の代表として Γ の元が取れる。
一方、Γ の位数は q - 1 であるから Γ は (R/P)^* の完全代表系である。

n ≧ 1 を p と素な整数とし、H を K^* の位数 n の部分群とする。
H の各元 x に対して x^n = 1 であるから mod(x) = 1 である。
よって、x ∈ R^* である。
よって、H ⊂ R^* である。

q は n と素だから q (mod n) は (Z/nZ)^* の元である。
よって、q^m ≡ 1 (mod n) となる整数 m ≧ 1 がある。
x ∈ H のとき、x^n = 1 であるから x^(q^m - 1) = 1
即ち x^(q^m) = x となる。
よって、γ(x) = x である。
γ^(-1)(1) = 1 + P であるから、x ≡ 1 (mod P) のとき
x = 1 である。

よって、φ: R^* → (R/P)^* は H 上では単射である。
よって H の位数は q - 1 の約数である。
よって、H の各元は 1 の (q - 1)乗根である。

Γ は K における 1 の (q - 1)乗根全体であるから H ⊂ K である。

以上から
Γ = {x ∈ K; x^n = 1 となる整数 n ≧ 1 で p と素なものがある}
である。
証明終

203 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 14:05:57
>>202
>>>261の続き

>>201の続き


204 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 18:19:25
補題
K を可換体とし、K~ を K の代数的閉包とする。
p を K の標数とする。
n を整数 n ≧ 1 とし、p ≠ 0 のときは n は p と素とする。
G = {x ∈ K~; x^n = 1} とおく。

このとき、G は位数 n の巡回群である。

証明
X^n - 1 の代数的微分 nX^(n-1) は、恒等的に 0 ではないから
X^n - 1 は重根を持たない。
よって、X^n - 1 は K~ において相異なる n 個の根を持つ。
G は K~ の有限部分群であるから過去スレ013の441より、巡回群である。
証明終

205 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 21:21:51
命題
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
L を K の有限次Galois拡大とし、G をそのGalois群とする。
過去スレ013の398より、L も非アルキメデス的局所体である。
R' を L の最大コンパクト部分環とし、
P' をその唯一の極大イデアルとする。

このとき、任意の σ ∈ G に対して σ(R’) = R’かつ σ(P’) = P’である。

証明
K と L の mod をそれぞれ mod_K, mod_L と書くことにする。

x ∈ L に対して N(σ(x)) = N(x) である。
ここで、 N(x) は x の K 上のノルム(過去スレ013の258)である。

過去スレ013の249より、mod_L(σ(x)) = mod_K(N(σ(x))) = mod_K(N(x)) = mod_L(x)

一方、過去スレ013の364より、
R’= { x ∈ L; mod_L(x) ≦ 1 }
P’= { x ∈ L; mod_L(x) < 1 }
これより命題の主張は明らかである。
証明終

206 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 22:01:41
命題
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
R を K の最大コンパクト部分環(過去スレ013の366)とし、
P をその唯一の極大イデアル(過去スレ013の364)とする。
L を K の有限次Galois拡大とし、G をそのGalois群とする。
過去スレ013の398より、L も非アルキメデス的局所体である。
R’を L の最大コンパクト部分環とし、
P’をその唯一の極大イデアルとする。

>>205より、任意の σ ∈ G に対して σ(R’) = R’かつ σ(P’) = P’である。
よって、σ は Aut(F’/F) の元を引き起こす。
ここで、F’= R' /P' , F = R/P であり、Aut(F’/F) は F’/F のGalois群である。

この元を λ(σ) と書けば λ: G → Aut(F’/F) は全射準同型である。

証明
λ が準同型であることは明らかである。
φ: R’→ R’/P’を標準射とする。
過去スレ013の441より、(R' /P')^* は巡回群である。
φ(a) が (R' /P')^* の生成元となるような a ∈ R' をとる。
f(X) = Π(X - σ(a)) とおく。ここで σ は G の全ての元を動く。
f(X) の係数は f(X) の根の基本対称式だから G の元の作用で不変である。
よって、f(X) ∈ R[X] である。

π: R → R/P を標準射とする。
f(X) の各係数に π を作用させて得られる F = R/P 上の多項式を g(X) とする。
α = φ(a) とおく。
α は g(X) の根である。
よって α の F 上の共役は全て g(X) の根である。
よって、φ(σ(a)) の形である。
よって、λ は全射である。
証明終

207 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 23:49:04
命題
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
R を K の最大コンパクト部分環(過去スレ013の366)とし、
P をその唯一の極大イデアル(過去スレ013の364)とする。
R/P の元の個数を q とし、p を R/P の標数とする。

K~ を K の代数的閉包とする。
f ≧ 2 を任意の整数とする。
Δ = {x ∈ K~; x^(q^f - 1) = 1} とおく。
K と Δ で生成される K~ の部分体を L とする。

このとき以下が成り立つ。

1) L は K 上の f 次のGalois拡大であり、そのGalois群 G は巡回群である。

2) L は K 上不分岐(過去スレ013の400)である。

3) Δ は (R' /P')^* の完全代表系である。

4) G の生成元 τ で Δ の任意の元 x に対して τ(x) = x^q となるものが存在する。

証明
>>206より、σ ∈ G は Aut(F’/F) の元を引き起こす。
ここで、F’= R' /P' , F = R/P であり、Aut(F’/F) は F’/F のGalois群である。
この元を λ(σ) と書けば>>206より、λ: G → Aut(F’/F) は全射準同型である。

>>201より L^* の部分群 Γ で (R' /P')^* の完全代表系となるものがただ一つ存在する。
Δ の各元の位数は p と素であるから >>201より Δ ⊂ Γ である。

(続く)

208 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/08(金) 23:49:45
>>207の続き

φ: R’→ R’/P’を標準射とする。
λ(σ) は α → α^(q^m) の形である。
よって、x ∈ Δ のとき、
φ(σ(x)) = φ(x)^(q^m) = φ(x^(q^m))
σ(x) ∈ Δ であるから Γ が (R' /P')^* の完全代表系であることから
σ(x) = x^(q^m) である。
よって、m = 0 のとき σ(x) = x となり σ = 1 である。
即ち λ: G → Aut(F’/F) は同型である。
よって、L は K 上不分岐(過去スレ013の400)である。

Δ は K~ の有限部分群であるから過去スレ013の441より、巡回群である。
ζ をその生成元とする。
上述より τ(ζ) = ζ^q となる τ ∈ G は G の生成元である。
ζ^(q^f - 1) = 1 であるから ζ^(q^f) = ζ である。
よって、τ^f = 1 である。
τ^m = 1 なら ζ^(q^m) = ζ であるから ζ^(q^m - 1) = 1
よって、q^m - 1 は q^f - 1 の倍数である。
よって、m ≧ f である。
よって τ の位数は f である。
よって、G の位数は f である。
よって、Aut(F’/F) の位数も f である。

>>204より、Δ の位数は q^f - 1 である。
よって、Δ = Γ である。
証明終

209 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/09(土) 09:16:22
>>208のこの部分は下のようにしてもよい。
>よって、τ^f = 1 である。
>τ^m = 1 なら ζ^(q^m) = ζ であるから ζ^(q^m - 1) = 1
>よって、q^m - 1 は q^f - 1 の倍数である。
>よって、m ≧ f である。
>よって τ の位数は f である。
>よって、G の位数は f である。
>よって、Aut(F’/F) の位数も f である。

よって、τ^f = 1 である。
よって、G の位数は f 以下である。
一方、Δ ⊂ Γ であり、Γ の位数は (R' /P')^* に位数に等しいから
Aut(F’/F) の位数は f 以上である。
よって、G の位数は f である。

210 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/09(土) 10:55:38
補題(Eisenstein)
A を可換環とし P をその極大イデアルとする。
f(X) = X^n + a_(n-1)X + ... + a_0 を A 上の多項式とし、
a_i ≡ 0 (mod P), i = 1, ..., n-1
a_0 ∈ P - P^2
とする。

このとき、f(X) = g(X)h(X) となるモニックな g, h ∈ A[X]
で deg g ≧ 1, deg f ≧ 1 となるものは存在しない。

証明
g(X), h(X) が存在したとする。

g(X) = X^m + b_(m-1)X + ... + b_0
h(X) = X^k + c_(k-1)X + ... + c_0
とする。

g(X)h(X) ≡ X^n (mod P)

K = A/P は体であるから K[X] は一意分解整域である。
よって、
g(X) ≡ X^m (mod P)
h(X) ≡ X^k (mod P)
となる。

よって、
b_0 ≡ 0 (mod P)
c_0 ≡ 0 (mod P)

よって、a_0 = (b_0)(c_0) ≡ 0 (mod P^2)
これは a_0 ∈ P - P^2 に矛盾する。
証明終

211 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/09(土) 11:11:51
補題
A を整閉整域とする。
f(X) = X^n + a_(n-1)X + ... + a_0 を A 上の多項式とする。
f(X) は K[X] において可約であるとする。

このとき、f(X) = g(X)h(X) となるモニックな g, h ∈ A[X]
で deg g ≧ 1, deg f ≧ 1 となるものが存在する。

証明
f(X) は K[X] において可約であるから
f(X) = g(X)h(X) となるモニックな g, h ∈ K[X]
で deg g ≧ 1, deg f ≧ 1 となるものが存在する。

K の代数的閉包を K~ とする。
f(X) の K~ における根は A 上整である。
よって、g(x) 及び h(x) の係数も A 上整である。
A は整閉であるから g, h ∈ A[X] である。
証明終

212 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/09(土) 11:16:47
補題(Eisensteinの定理)
A を整閉整域とする。
f(X) = X^n + a_(n-1)X + ... + a_0 を A 上の多項式とし、
a_i ≡ 0 (mod P), i = 1, ..., n-1
a_0 ∈ P - P^2
とする。

このとき、f(X) は K[X] で既約である。

証明
>>210より、f(X) = g(X)h(X) となるモニックな g, h ∈ A[X]
で deg g ≧ 1, deg f ≧ 1 となるものは存在しない。

よって、>>211より、f(X) は K[X] で既約である。
証明終

213 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/09(土) 11:29:18
補題(Eisensteinの定理)
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
R を K の最大コンパクト部分環(過去スレ013の366)とし、
P をその唯一の極大イデアル(過去スレ013の364)とする。

f(X) = X^n + a_(n-1)X + ... + a_0 を R 上の多項式とし、
a_i ≡ 0 (mod P), i = 1, ..., n-1
a_0 ∈ P - P^2
とする。

このとき、f(X) は K[X] で既約である。

証明
過去スレ013の430より R は離散付値環であるから単項イデアル整域である。
よって、R は一意分解整域であり、過去スレ002の607より整閉整域である。
よって、>>212より、f(X) は K[X] で既約である。
証明終

214 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/09(土) 13:31:08
補題
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
R を K の最大コンパクト部分環(過去スレ013の366)とし、
P をその唯一の極大イデアル(過去スレ013の364)とする。
K~ を K の代数的閉包とする。
>>199より、K の絶対値 mod_K は K~ の絶対値 | | に一意に拡張される。
θ_1 と θ_2 を K 上互いに共役な K~ の元とする。

このとき、|θ_1| = |θ_2| である。

証明
θ_1 の K 上の最小多項式を f(X) とし、f(X) の K~ における全ての根を
K に添加した体を L とする。
θ_2 ∈ L である。

θ_1 を θ_2 に写す K(θ_1) から K(θ_2) への同型があり、
この同型は L/K の自己同型 σ に拡張される。
よって、N(θ_1) = N(θ_2) である。
ここで、N(θ_1) と N(θ_2) はそれぞれ θ_1, θ_2 の
M/K におけるノルム(過去スレ013の258)である。

一方、過去スレ013の249より、x ∈ L のとき、mod_L(x) = mod_K(N(x)) である。
よって、
mod_L(θ_1) = mod_K(N(θ_1))
mod_L(θ_2) = mod_K(N(θ_2))
であるから
mod_L(θ_1) = mod_L(θ_2)
である。

よって、|θ_1| = |θ_2| である。
証明終

215 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/09(土) 13:57:42
命題
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
R を K の最大コンパクト部分環(過去スレ013の366)とし、
P をその唯一の極大イデアル(過去スレ013の364)とする。
R/P の元の個数を q とする。

f(X) = X^e + a_(e-1)X + ... + a_0 を R 上の多項式とし、
a_i ≡ 0 (mod P), i = 1, ..., e-1
a_0 ∈ P - P^2
とする。

Eisensteinの定理(>>213)より、f(X) は K[X] で既約である。

K~ を K の代数的閉包とし、f(X) の K~ における根の一つを θ とする。
このとき L = K(α) は K の完全分岐拡大(過去スレ013の400)である。

証明
f(X) の K~ における根を重複度を含めて θ_1, ..., θ_e とする。
>>199より、K の絶対値 mod_K は K~ の絶対値 | | に一意に拡張される。
>>214より、|θ_1| = . . . = |θ_e| である。
よって、|a_0| = Π|θ_i| = |θ|^e である。

一方、a_0 ∈ P - P^2 より、a_0 は K の素元(過去スレ013の392)であり、
|a_0| = q^(-1) である。よって、|θ| = q^(-1/e)
|θ| = (mod_L(θ))^(1/e) であるから mod_L(θ) = q^(-1)

Π を L の素元とすると mod_L(Π) = q^(-f) である。
ここで、f は L/K の相対次数(過去スレ013の400)である。
よって、mod_L(θ) は q^(-nf) の形である。
よって、f = 1 である。
よって、L/K は完全分岐である。
証明終

216 :132人目の素数さん:2010/01/09(土) 14:03:17
このあたりの話は、なんていう本に出ていますか?

217 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/09(土) 14:35:31
命題
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
e ≧ 1 と f ≧ 1 を任意の整数とする。
このとき、K の有限次拡大(可換)体 L で
分岐指数が e で相対次数が f となるものが存在する。

証明
>>207より、K の f 次の不分岐拡大 L が存在する。
>>215より、L の e 次の完全分岐拡大 M が存在する。
M が求めるものである。
証明終

218 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/09(土) 15:13:37
命題
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
R を K の最大コンパクト部分環(過去スレ013の366)とし、
P をその唯一の極大イデアル(過去スレ013の364)とする。
R/P の元の個数を q とする。
K~ を K の代数的閉包とする。
>>199より、K の絶対値 mod_K は K~ の絶対値 | | に一意に拡張される。

このとき |(K~)^*| = {|x|; x ∈ (K~)^*} は {q^r; r ∈ Q} に等しい。

証明
G = {q^r; r ∈ Q} とおく。
x を (K~)^* の任意の元とする。
L = K(x) とし、L/K の分岐指数(過去スレ013の400)を e、
相対次数(過去スレ013の400)を f とする。
過去スレ013の399より、L/K の次数は n = ef である。

Π を L の素元(過去スレ013の392)とする。
L の mod(過去スレ013の37)を mod_L と書くことにする。
mod_L(Π) = q^(-f) であるから、|Π| = (mod_L(Π))^(1/n) = q^(-(1/e))

よって、|x| = q^(-m/e) となる整数 m がある。
よって、|(K~)^*| ⊂ G である。

逆に r ≠ 0 を任意の有理数とする。
r = m/e となる整数 m と整数 e ≧ 1 がある。
>>215より、K の次数 e の完全分岐拡大 L が存在する。
Π を L の素元とする。
mod_L(Π) = q^(-1) であるから、|Π| = (mod_L(Π))^(1/e) = q^(-(1/e))
よって、x = Π^(-m) とおけば、|x| = q^(m/e) = q^r
よって、G ⊂ |(K~)^*| である。
証明終

219 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/10(日) 21:56:26
補題
K を代数的閉体で自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448) | | をもつとする。
K[X] の元 h(X) = a_nX^n + ... + a_0 に対して
|h(x)| = sup{|a_n|, ..., |a_0|} と定義する。

f(X) ∈ K[X] を n 次(n ≧ 1)のモニックな多項式とする。
α を f(X) の根の一つとする。

このとき、任意の ε > 0 に対して、ある δ > 0 があり。
|f(X) - g(X)| < δ となる任意のモニックな n 次多項式 g(X) ∈ K[X] に対して、
|β - α| < ε となる g(X) の根 β がある。

証明
M = sup{1, |α|, ..., |α|^(n-1)} とおく。
δ = (ε^n)/M とする。
モニックな多項式 g(X) ∈ K[X] に対して、|f(X) - g(X)| < δ とする。

f(X) = X^n + a_(n-1)X^(n-1) + ... + a_1X + a_0
g(X) = X^n + b_(n-1)X^(n-1) + ... + b_1X + b_0
とする。

|g(α)| = |f(α) - g(α)| = sup{|a_i - b_i||α^i|; i = 0, ..., n-1} < Mδ = ε^n

g(X) = Π(X - β_i), β_1, ..., β_n ∈ K とする。
|g(α)| = Π|α - β_i| < ε^n

ここで、全ての i に対して |α - β_i| ≧ ε と仮定すると、
|g(α)| = Π|α - β_i| ≧ ε^n となって矛盾である。
よって、ある i に対して |α - β_i| < ε
証明終

220 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/10(日) 22:24:56
補題(Krasnerの補題)
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
K~ を K の代数的閉包とする。
>>199より、K の絶対値 mod は K~ の絶対値 | | に一意に拡張される。
α を K~ の元で K 上分離的とする。
α_1, ..., α_n を α の共役で α = α_1 とする。
β ∈ K~ とし、
|α - β| < |α - α_i|, i = 2, ..., n とする。

このとき、K(α) ⊂ K(β) となる。

証明
拡大 K(α, β)/K(β) を考える。
K(β) のGalois拡大で K(α, β) を含む最小のものを L とする。
σ ∈ Aut(L/K(β)) とする。
>>214より、|σ(α) - σ(β)| = |α - β|
よって、
|σ(α) - β| = |σ(α) - σ(β)| < |α - α_i|, i = 2, ..., n
よって、
|α - σ(α)| = |α - β + β - σ(α)| = sup{|α - β|, |β - σ(α)|}
< |α - α_i|, i = 2, ..., n

よって、σ(α) = α
よって、K(α) ⊂ K(β) となる。
証明終

221 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/10(日) 22:30:26
>>216
WeilのBasic number theory


222 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/10(日) 23:14:01
命題
p進体 Q_p の代数的閉包を (Q_p)~ とする。
>>199より、Q_p の絶対値 mod は (Q_p)~ の絶対値 | | に一意に拡張される。
Q の代数的閉包を Q~ とする。
Q~ ⊂ (Q_p)~ と見なせるが Q~ は (Q_p)~ において稠密である。

証明
α を (Q_p)~ の任意の元とし、f(X) ∈ Q_p[X] をその最小多項式とする。
>>219より、任意の ε > 0 に対して、ある δ > 0 があり。
|f(X) - g(X)| < δ となる任意のモニックな n 次多項式 g(X) ∈ Q_p[X] に対して、
|β - α| < ε となる g(X) の根 β がある。

Q は Q_p で稠密であるから、
|g(X) - h(X)| < δ となるモニックな n 次多項式 h(X) ∈ Q[X] がある。
|f(X) - h(X)| = sup{|f(X) - g(X)|, |g(X) - h(X)| ≦ δ
よって、初めから g(X) ∈ Q[X] と仮定してよい。
よって、β ∈ Q~ となり、Q~ は (Q_p)~ において稠密である。
証明終

223 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/10(日) 23:36:00
補題
K を自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつ可換体とする。
K の完備化を L とする。

このとき |K^*| = {|x|; x ∈ K^*} は |L^*| = {|x|; x ∈ L^*} に等しい。

証明
x を L^* の任意の元とする。
|x| > 0 だから、|x - y| < |x| となる y ∈ K がある。
>>127より、
|y| = |-y| = |x - y - x| = sup{|x - y|, |x|} = |x|

よって、|x| ∈ |K^*|
よって、|L^*| ⊂ |K^*|
逆の包含関係は明らかである。
証明終

224 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/10(日) 23:57:04
命題(完備だが球完備でない例)
p進体 Q_p の代数的閉包を (Q_p)~ とする。
>>199より、Q_p の絶対値 mod は (Q_p)~ の絶対値 | | に一意に拡張される。
C_p を (Q_p)~ のこの絶対値に関する完備化とする。

このとき、C_p は>>191の条件 1), 2) を満たす。
よって、C_p は球完備(>>168)ではない。

証明
>>218より、|((Q_p)~)^*| = {|x|; x ∈ ((Q_p)~)^*} は {q^r; r ∈ Q} に等しい。
よって、|((Q_p)~)^*| は (R^*)+ において離散でない。
他方、>>223より、|((Q_p)~)^*| = |(C_p)^*|
よって、C_p は>>191の条件 1) を満たす。

>>222より、Q~ は (Q_p)~ において稠密である。
(Q_p)~ は C_p において稠密であるから、Q~ は C_p において稠密である。
Q~ は可算集合であるから C_p は>>191の条件 2) を満たす。
証明終

225 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 00:50:37
命題
L を p進体 Q_p の有限次拡大体とする。
このとき Q の有限次拡大体 K で以下の条件を満たすものが存在する。

1) [K : Q] = [L : Q_p]

2) L = KQ_p

3) K は L において稠密である。

証明
n = [L : Q_p] とする。
L は Q_p の分離拡大であるから、L = Q_p(α) となる α ∈ L がある。
f(X) ∈ Q_p[X] をその最小多項式とする。
f(X) の根を α_1, ..., α_n とし、α = α_1 とする。
ε = inf{|α - α_i|, i = 2, ..., n }とする。
f(X) は分離的であるから ε > 0 である。
>>219より、ある δ > 0 があり、
|f(X) - g(X)| < δ となる任意のモニックな n 次多項式 g(X) ∈ Q_p[X] に対して、
|β - α| < ε となる g(X) の根 β がある。

Q は Q_p で稠密であるから、
|g(X) - h(X)| < δ となるモニックな n 次多項式 h(X) ∈ Q[X] がある。
|f(X) - h(X)| = sup{|f(X) - g(X)|, |g(X) - h(X)|} ≦ δ
よって、初めから g(X) ∈ Q[X] と仮定してよい。

Krasnerの補題(>>220)より、Q_p(α) ⊂ Q_p(β) である。
一方、g(X) の次数は n であるから [Q_p(β) : Q_p] ≦ n である。
よって、Q_p(α) = Q_p(β) である。
よって、g(X) は既約である。
K = Q(β) とおけば、L = KQ_p である。
(続く)

226 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 00:51:38
>>225の続き

Q_p(β) の任意の元 x は a_0 + a_1β + ... + a_1β^(n-1), a_i ∈ Q_p と一意に書ける。
Q_p は完備だから、過去スレ006の651より、
Q_p(β) の位相は Q_p 上の位相線型空間として (Q_p)^n と同型である。
よって、x にいくらでも近い Q(β) の元がある。
即ち、Q(β) は Q_p(β) において稠密である。
証明終

227 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 02:16:15
>>222の証明を修正する。

命題
p進体 Q_p の代数的閉包を (Q_p)~ とする。
>>199より、Q_p の絶対値 mod は (Q_p)~ の絶対値 | | に一意に拡張される。
Q の代数的閉包を Q~ とする。
Q~ ⊂ (Q_p)~ と見なせるが Q~ は (Q_p)~ において稠密である。

証明
α を (Q_p)~ の任意の元とし、f(X) ∈ Q_p[X] をその最小多項式とする。
>>219より、任意の ε > 0 に対して、ある δ > 0 があり。
|f(X) - g(X)| < δ となる任意のモニックな n 次多項式 g(X) ∈ Q_p[X] に対して、
|β - α| < ε となる g(X) の根 β がある。

Q は Q_p で稠密であるから、
|f(X) - g(X)| < δ となるモニックな n 次多項式 g(X) ∈ Q[X] がある。
よって、g(X) の根は全て Q~ に含まれる。
よって、上記から Q~ は (Q_p)~ において稠密である。
証明終

228 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 02:19:43
>>225の修正
>Q は Q_p で稠密であるから、
>|g(X) - h(X)| < δ となるモニックな n 次多項式 h(X) ∈ Q[X] がある。
>|f(X) - h(X)| = sup{|f(X) - g(X)|, |g(X) - h(X)|} ≦ δ
>よって、初めから g(X) ∈ Q[X] と仮定してよい。

Q は Q_p で稠密であるから、
|f(X) - g(X)| < δ となるモニックな n 次多項式 g(X) ∈ Q[X] がある。
よって、上記から |β - α| < ε となる g(X) の根 β がある。


229 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 02:49:48
>>214の別証明

補題
K を可換な非アルキメデス的局所体(過去スレ013の363)とする。
R を K の最大コンパクト部分環(過去スレ013の366)とし、
P をその唯一の極大イデアル(過去スレ013の364)とする。
K~ を K の代数的閉包とする。
>>199より、K の絶対値 mod_K は K~ の絶対値 | | に一意に拡張される。
θ_1 と θ_2 を K 上互いに共役な K~ の元とする。

このとき、|θ_1| = |θ_2| である。

証明
θ_1 の K 上の最小多項式を f(X) とし、f(X) の K~ における全ての根を
K に添加した体を L とする。
θ_2 は f(X) の根でもあるから θ_2 ∈ L である。
θ_1 を θ_2 に写す K(θ_1) から K(θ_2) への同型があり、
この同型は L/K の自己同型 σ に拡張される。

x → |σ(x)| は L の絶対値であり、x ∈ K のとき |σ(x)| = |x| である。
よって、この絶対値は mod_K の拡張である。
>>197より、任意の x ∈ L に対して |σ(x)| = |x| である。
よって、|θ_1| = |θ_2| である。
証明終

230 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 03:11:57
命題
p進体 Q_p の代数的閉包を (Q_p)~ とする。
>>199より、Q_p の絶対値 mod は (Q_p)~ の絶対値 | | に一意に拡張される。
C_p を (Q_p)~ のこの絶対値に関する完備化とする。

このとき、C_p は代数的閉体である。

証明
C_p の代数的閉包を (C_p)~ とする。
α を (C_p)~ の任意の元とし、f(X) ∈ C_p[X] をその最小多項式とする。
C_p の標数は 0 だから f(X) は分離的である。
f(X) の根全体を α_1, ..., α_n とし、α = α_1 とする。
ε = inf{|α - α_i|, i = 2, ..., n }とする。
ε > 0 である。

>>219より、ある δ > 0 があり。
|f(X) - g(X)| < δ となる任意のモニックな n 次多項式 g(X) ∈ C_p[X] に対して、
|β - α| < ε となる g(X) の根 β がある。

(Q_p)~ は C_p で稠密であるから、
|f(X) - g(X)| < δ となるモニックな n 次多項式 g(X) ∈ (Q_p)~[X] がある。
よって、上記から |β - α| < ε となる g(X) の根 β がある。
β ∈ (Q_p)~ である。

Krasnerの補題(>>220)より、C_p(α) ⊂ C_p(β) = C_p となる。
よって、α ∈ C_p である。
証明終

231 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 09:47:26
Koblitz の p-adic Numbers, p-adic Analysis and Zeta-Functions に従って、
(Q_p)~ は完備でないこと、従って C_p ≠ (Q_p)~ となることを証明しよう。

証明の道筋としては、次のような整数列 (N_i) と、
(Q_p)~ の元の列 (η_i) を帰納的に構成する。

1) 0 = N_0 < N_1 < . . .
2) η_(i+1) ≡ η_i (mod p^(N_(i+1))
3) [Q_p(η_i) : Q_p] = 2^i
4) 2^i > n > 0 となる任意の整数 n と、
a_n ≠ 0 となる全ての有限列 a_0, ..., a_n ∈ Z_p に対して
a_n(η_i)^n + ... + a_1(η_i) + a_0 ≡ 0 (mod p^(N_(i+1)) とはならない。

(Q_p)~ が完備であると仮定する。
(η_i) はCauchy列であるから lim η_i = η ∈ (Q_p)~ となる。
η は (Q_p)~ 上代数的であるから
a_nη^n + ... + a_1η + a_0 = 0, a_n ≠ 0 となる
a_0, ..., a_n ∈ Z_p がある。

2^i > n となる整数 i をとる。
2) より η ≡ η_i (mod p^(N_(i+1)) であるから
a_n(η_i)^n + ... + a_1(η_i) + a_0 ≡ 0 (mod p^(N_(i+1))
これは 4) と矛盾する。

232 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 10:04:25
>>216
WeilのBasic number theory
この本の該当箇所を見てもここより理解がしやすいとは思えないです。

このシリ−ズでは証明のギャップをなるべくなくすように努めています。


233 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 10:36:13
補題
任意の整数 i ≧ 0 に対して
(Q_p)~ における 1 の p^(2^i) - 1 乗根全体のなす群 Γ_i を考える。
即ち、Γ_i = {x ∈ (Q_p)~; x^(p^(2^i) - 1) = 1}
Γ_i は (Q_p)~ の有限部分群であるから過去スレ013の441より、巡回群である。
ζ_i を Γ_i の生成元とする。

0 = N_0 < N_1 < N_2 < . . . < N_1 を任意の整数列とし、
η_i = ζ_0p^(N_0) + (ζ_1)p^(N_1) + ... + (ζ_i)p^(N_i) とおく。

このとき、[Q_p(η_i) : Q_p] = 2^i である。

証明
R を Q_p(ζ_i) の最大コンパクト部分環(過去スレ013の366)とし、
P をその唯一の極大イデアル(過去スレ013の364)とする。
>>207より、Q_p(ζ_i) は Q_p の不分岐拡大であり、[Q_p(ζ_i) : Q_p] = 2^i であり、
Γ_i は (R/P)^* の完全代表系である。
0 ≦ j < i のとき p^(2^j - 1) は p^(2^i - 1) の約数である。
よって、ζ_j ∈ Γ_i である。
Q_p(ζ_i) は Q_p の不分岐拡大であるから p は Q_p(ζ_i) の素元(過去スレ013の392である。
よって、η_i = ζ_0p^(N_0) + (ζ_1)p^(N_1) + ... + (ζ_i)p^(N_i) は
η_i の Γ_i に関するp-進展開(過去スレ013の413)である。

Q_p(η_i) ≠ Q_p(ζ_i) と仮定する。
Q_p(η_i) ⊂ Q_p(ζ_i) であるから σ ∈ Aut(Q_p(ζ_i)/Q_p(η_i)) で
σ ≠ 1 となるものがある。

(続く)

234 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 10:37:37
>>233の続き

σ(η_i) = σ(ζ_0)p^(N_0) + σ(ζ_1)p^(N_1) + ... + σ(ζ_i)p^(N_i) となる。

ここで、σ(ζ_j) ∈ Γ_i, (j = 0, 1, ..., i) である。
σ ≠ 1 であるから σ(ζ_i) ≠ ζ_i である。
よって、展開定理(過去スレ013の413)より σ(η_i) ≠ η_i となる。
これは σ ∈ Aut(Q_p(ζ_i)/Q_p(η_i)) に矛盾する。
よって、Q_p(η_i) = Q_p(ζ_i) である。
証明終

235 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 10:58:44
命題
p進体 Q_p の代数的閉包を (Q_p)~ とする。
>>199より、Q_p の絶対値 mod は (Q_p)~ の絶対値 | | に一意に拡張される。

このとき、(Q_p)~ はこの絶対値に関して完備ではない。

証明
次のような整数列 (N_i) と、
(Q_p)~ の元の列 (η_i) を帰納的に構成する。

1) 0 = N_0 < N_1 < . . .
2) η_(i+1) ≡ η_i (mod p^(N_(i+1))
3) [Q_p(η_i) : Q_p] = 2^i
4) 2^i > n > 0 となる任意の整数 n と、
a_n ≠ 0 となる全ての有限列 a_0, ..., a_n ∈ Z_p に対して
a_n(η_i)^n + ... + a_1(η_i) + a_0 ≡ 0 (mod p^(N_(i+1)) とはならない。

任意の整数 i ≧ 0 に対して
Γ_i = {x ∈ (Q_p)~; x^(p^(2^i) - 1) = 1} とおく。
ζ_i を Γ_i の生成元とする。
N_0 < N_1 < . . . < N_i が決定されたとき、
η_i = ζ_0p^(N_0) + (ζ_1)p^(N_1) + ... + (ζ_i)p^(N_i) とおく。
>>233より、[Q_p(η_i) : Q_p] = 2^i である。

(続く)

236 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 11:02:51
>>235の続き

2^i > n > 0 となる整数 n と、
a_n ≠ 0 となる有限列 a_0, ..., a_n ∈ Z_p があり、
N_i < N となる任意の整数に対して、
a_n(η_i)^n + ... + a_1(η_i) + a_0 ≡ 0 (mod p^N) と仮定する。
R を Q_p(ζ_i) の最大コンパクト部分環(過去スレ013の366)とし、
P をその唯一の極大イデアル(過去スレ013の364)とする。
>>207より、Q_p(ζ_i) は Q_p の不分岐拡大であるから P = pR である。
∩P^n = 0 であるから
a_n(η_i)^n + ... + a_1(η_i) + a_0 = 0 となる。
これは [Q_p(η_i) : Q_p] = 2^i に矛盾する。
よって、4) を満たす N_(i+1) で N_i < N_(i+1) となるものがある。

以上から 1), 2), 3), 4) を満たす (N_i) と (Q_p)~ の元の列 (η_i) が
構成された。

>>231より、(Q_p)~ は完備でない。
証明終

237 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 11:53:45
命題
>>230の C_p は局所コンパクトでない。

証明
Q_p の代数的閉包 (Q_p)~ は>>207より Q_p の無限次拡大である。
よって、C_p も Q_p の無限次拡大である。
よって、過去スレ013の107より、C_p は局所コンパクトでない。
証明終

238 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 11:56:44
p進体は有理数体の完備化であるから実数体の類似と見なせる。
この意味で、>>230の C_p は複素数体の類似物である。
複素数体は局所コンパクトである。
しかし、>>237より C_p は局所コンパクトでない。


239 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 12:16:45
Hahn-Banachの定理(過去スレ006の769)の非アルキメデス版を証明しよう。

240 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 14:08:26
補題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。
B_1 と B_2 を E における閉球で B_1 ∩ B_2 ≠ φ とする。

このとき、B_1 ⊂ B_2 または B_2 ⊂ B_1 である。

証明
a ∈ B_1 ∩ B_2 とする。
B_1 の半径を r_1 とし、B_2 の半径を r_2 とする。
>>131より、
B_1 = {x ∈ E; |x - a| ≦ r_1}
B_2 = {x ∈ E; |x - a| ≦ r_2}
である。

よって、r_1 ≦ r_2 であれば B_1 ⊂ B_2 であり、
r_2 ≦ r_1 であれば B_2 ⊂ B_1 である。
証明終

241 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 14:20:35
補題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。
B_1 と B_2 を E における閉球で B_1 ∩ B_2 ≠ φ とする。

このとき、B_1 ⊂ B_2 または B_2 ⊂ B_1 である。

証明
a ∈ B_1 ∩ B_2 とする。
B_1 の半径を r_1 とし、B_2 の半径を r_2 とする。
>>131より、
B_1 = {x ∈ E; |x - a| ≦ r_1}
B_2 = {x ∈ E; |x - a| ≦ r_2}
である。

よって、r_1 ≦ r_2 であれば B_1 ⊂ B_2 であり、
r_2 ≦ r_1 であれば B_2 ⊂ B_1 である。
証明終

242 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 14:35:41
補題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。
B_1 と B_2 を E における閉球で
B_1 ∩ B_2 ≠ φ かつ d(B_1) ≦ d(B_2) とする。
ここで、d(B_1)、d(B_2) はそれぞれ B_1, B_2 の直径(>>189)である。

このとき、B_1 ⊂ B_2 である。

証明
>>241より、B_1 ⊂ B_2 または B_2 ⊂ B_1 である。

B_2 ⊂ B_1 であるとする。
よって、d(B_2) ≦ d(B_1) である。
よって、d(B_1) = d(B_2) である。
よって、B_1 = B_2 である。

よって、いづれの場合も B_1 ⊂ B_2 である。
証明終

243 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 14:51:19
補題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)で球完備(>>173)であるとする。
I を任意の集合とし、
(B_i), i ∈ I を E における閉球の族で任意の i, j ∈ I に対して B_i ∩ B_j ≠ φ とする。

このとき、∩B_i ≠ φ である。

証明
α = inf{d(B_i); i ∈ I} とおく。
α に収束する単調減少列 d(B_(i_1)) ≧ d(B_(i_2)) ≧ . . . がある。

α = d(B_k) となる k ∈ I があるとする。
任意の i ∈ I に対して d(B_k) ⊂ d(B_i) であるから、>>242より、B_k ⊂ B_i である。
よって、B_k ⊂ ∩B_i であるあるから ∩B_i ≠ φ である。

よって、任意の i ∈ I に対して α < d(B_i) と仮定してよい。
よって、任意の i ∈ I に対して d(B_i) ≧ d(B_(i_n)) となる n がある。
>>242より、B_i ⊃ B_(i_n) である。
よって、∩B_i = ∩{B_(i_n); n = 1, 2, ... となる。
E は球完備だから ∩B_i ≠ φ である。
証明終

244 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 15:00:54
定義
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の左線型空間とし、p を E の半ノルム(過去スレ008の458)とする。

任意の x ∈ E, y ∈ E に対して p(x + y) ≦ sup(p(x), p(y) となるとき
p を E の超半ノルム(ultra-seminorm)と呼ぶ。

245 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 15:47:50
補題(Nonarchimedean functional analysis by Schneider)
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。
K は球完備(>>170)とする。
E を K 上の左線型空間とし、p をその超半ノルム(>>244)とする。
F をその部分空間とする。
g: F → K を K-線型写像とし、任意の x ∈ F に対して
|g(x)| ≦ p(x) とする。
v ∈ E - F とする。

このとき、K-線型写像 f: F + Kv → K で g の拡張であり、
任意の x ∈ F + Kv に対して |f(x)| ≦ p(x) となるものが存在する。

証明
x ∈ F に対して、
B(x) = {a ∈ K; |a - g(x)| ≦ p(x - v)} とおく。

x, y ∈ F に対して、
|g(x) - g(y)| = |g(x - y)| ≦ p(x - y) ≦ sup{p(x - v), p(y - v)}
よって、g(x) ∈ B(y) または g(y) ∈ B(x)
よって、B(x) ∩ B(y) ≠ φ である。

p(y - v) = 0 となる y ∈ F があるとする。
B(y) = {g(y)} である。
よって、∩{B(x); x ∈ F} = B(y) = {g(y)} である。

p(y - v) = 0 となる y ∈ F が無いなら各 B(x) は閉球である。
よって、>>243より、∩{B(x); x ∈ F} ≠ φ である。

(続く)

246 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 15:48:40
>>245の続き

よって、いづれの場合も b ∈ ∩{B(x); x ∈ F} が取れる。
f(v) = b により g の拡張である K-線型写像 f: F + Kv → K を定義する。

任意の x ∈ F と任意の a ∈ K^* に対して、
|f(x + av)| = |g(x) + ab| = |a||g(a^(-1)x) + b| ≦ |a|p(-a^(-1)x - v) = p(x + av)
証明終

247 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 16:06:03
定理(Hahn-Banachの定理(過去スレ006の769)の非アルキメデス版)
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。
K は球完備(>>170)とする。
E を K 上の左線型空間とし、p をその超半ノルム(>>244)とする。
F をその部分空間とする。
g: F → K を K-線型写像とし、任意の x ∈ F に対して
|g(x)| ≦ p(x) とする。

このとき、K-線型写像 f: E → K で g の拡張であり、
任意の x ∈ E に対して |f(x)| ≦ p(x) となるものが存在する。

証明
F を含む E の部分空間 M と 線形写像 h: M → K で
g の拡大であり任意の x ∈ M に対して |h(x)| ≦ p(x) と
なるものの対 (M, h) 全体を Ψ とする。

(M, h) ≦ (M’, h’) を M ⊂ M’, h’は h の拡張と定義する。
これは明らかに Ψ の順序関係である。

Ψ_0 を Ψ の全順序部分集合とする。

(M, h) ∈ Ψ_0 となる M 全部の和集合を M~ とすると、
M~ は E の部分空間である。
x ∈ M~ のとき (M, h) ∈ Ψ_0 があり、x ∈ M だから
H(x) = h(x) により写像 H : M~ → K を定義する。
Ψ_0 は (M, h) ≦ (M’, h’) により全順序集合になっているから
H(x) は x ∈ M となる (M, h) ∈ Ψ_0 の選び方によらない。
H(x) は明らかに線形写像である。

(続く)

248 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 16:06:47
>>247の続き

任意の x ∈ M~ に対して x ∈ M となる (M, h) ∈ Ψ_0 をとる。
|h(x)| ≦ p(x) であるから H(x) ≦ p(x) である。
よって、(M~, H) ∈ Ψ_0 である。
任意の (M, h) ∈ Ψ_0 に対して (M, h) ≦ (M~, H) である。

以上から Zorn の補題により Ψ には極大元 (M_0, h_0) が存在する。
E ≠ M_0 とすると、>>245 より (M_0, h_0) は極大元でなくなる。
よって E = M_0 であり、f = h_0 が求めるものである。
証明終

249 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 16:39:11
命題(非アルキメデス版Hahn-Banachの定理(>>247)の系(過去スレ009の561参照))
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。
K は球完備(>>170)とする。
E を K 上の左線型空間ととする。
x_0 を E の点とし、 p を E 上の超半ノルム(>>244)とする。

このとき E 上の線形形式 f で
f(x_0) = p(x_0) となり任意の x ∈ E に対して |f(x)| ≦ p(x) と
なるものが存在する。

証明
M = { λx_0 | λ ∈ K }を x_0 で生成される E の部分線形空間とする。
g(λx_0) = λp(x_0) により M 上の線形形式 g を定義する。
x = λx_0, λ ∈ K としたとき |g(x)| = |λ|p(x_0) = p(x)
非アルキメデス版Hahn-Banachの定理(>>247)より E 上の線形形式 f で g の拡張であり
任意の x ∈ E に対して |f(x)| ≦ p(x) となるものがある。
f は g の拡張だから f(x_0) = g(x_0) = p(x_0) である。
証明終

250 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 16:45:44
命題(非アルキメデス版Hahn-Banachの定理(>>247)の系(過去スレ009の562参照))
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。
K は球完備(>>170)とする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とし、x_0 ≠ 0 を E の点とする。

このとき E 上の連続な線形形式 f で f(x_0) ≠ 0 となるものが存在する。

証明
>>249 より E 上の線形形式 f で
f(x_0) = |x_0| となり任意の x ∈ E に対して |f(x)| ≦ |x| と
なるものが存在する。
よって、f は連続である。
証明終

251 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 19:32:05
命題(非アルキメデス版Hahn-Banachの定理(>>247)の系)
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。
K は球完備(>>170)とする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とし、F をその部分線型空間とする。
g を K 上の連続な線形形式とする。

このとき E 上の連続な線形形式 f で g の拡張となるものが存在する。

証明
g は連続だから、過去スレ006の581より、任意の x ∈ F に対して
|g(x)| ≦ λ|x| となる実数 λ ≧ 0 がある。

任意の x ∈ E に対して p(x) = λ|x| とおけば、
p は E 上の超半ノルム(>>244)である。

よって、>>247より、K-線型写像 f: E → K で g の拡張であり、
任意の x ∈ E に対して |f(x)| ≦ p(x) となるものが存在する。
f は連続だから f が求めるものである。
証明終

252 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/11(月) 20:04:52
命題(非アルキメデス版Hahn-Banachの定理(>>247)の系)
K を必ずしも可換とは限らない体で
自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつとする。
K は球完備(>>170)とする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とし、F をその有限次元の部分線型空間とする。
このとき、E の部分線型空間 G があり、
E は F と G の位相直和(過去スレ006の642)になる。

証明
K は球完備だから>>175より完備である。
よって、過去スレ006の651より、F は K^n と線型位相空間として同型である。
g: F → K^n をその同型とする。
p_i : K^n → K を各成分への射影とする。
g_i = (p_i)g とおく。
任意の x ∈ F に対して g(x) = (g_1(x), ..., g_n(x)) である。

>>251より、各 g_i の拡張 h_i: E → K で連続線型なものが存在する。
h = (h_1, ..., h_n) : E → K^n とおく。
任意の x ∈ F に対して h(x) = g(x) である。
f = g^(-1)h とおく。
f : E → F は連続線型写像であり、任意の x ∈ F に対して f(x) = x である。

G = Ker(f) とおく。
E = F + G (代数的直和) である。
f : E → F はこの射影であるから、過去スレ006の645より、これは位相直和である。
証明終

253 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/12(火) 09:49:31
>>236の推論は間違いである。
次の補題が必要である。

補題
K を p進体 Q_p の有限次拡大とする。
R を K の最大コンパクト部分環(過去スレ013の366)とする。
ξ を R の元とし、n = [Q_p(ξ) : Q_p] とする。
R の元 x, y に対して x ≡ y (mod p^m) とは
x - y ∈ (p^m)R を意味するものとする。

このとき、整数 N ≧ 1 があり、
全てが ≡ 0 (mod p) とはならない Z_p の元の任意の列
a_(n-1), ..., a_0 に対して、
a_(n-1)ξ^(n-1) + ... + a_1ξ + a_0 ≡ 0 (mod p^N) とならない。

証明
このような整数 N が存在しないと仮定して矛盾を導く。
各整数 m ≧ 1 に対して
a_(n-1, m)ξ^(n-1) + ... + a_(1, m)ξ + a_(0, m) ≡ 0 (mod p^m) となる
Z_p の元の列 a_(n-1, m), ..., a_(0, m) で
全てが ≡ 0 (mod p) とはならないものがある。

(続く)

254 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/12(火) 09:50:13
>>253の続き

A_m = (a_(n-1, m), ..., a_(0, m)) とおく。
A_m ∈ (Z_p)^n である。
(Z_p)^n はコンパクトであるから
(A_m), m = 1, 2, ... の部分列 (A_(m_i)), i = 1, 2, ... で
収束するものがある。
記述を簡単にするため (A_m) 自体が A = (a_(n-1), ..., a_0) に収束するとする。
任意の整数 k ≧ 1 に対して整数 m_k ≧ 1 があり、m ≧ m_k のとき
a_(i. m_k) ≡ a_i (mod p^k), i = 0, ..., n-1 となる。
よって、m ≧ m_k のとき
a_(n-1)ξ^(n-1) + ... + a_1ξ + a_0
≡ a_(n-1, m)ξ^(n-1) + ... + a_(1, m)ξ + a_(0, m) (mod p^k)

m ≧ k のとき
a_(n-1, m)ξ^(n-1) + ... + a_(1, m)ξ + a_(0, m) ≡ 0 (mod p^k)
よって、m ≧ sup(m_k, k) のとき
a_(n-1)ξ^(n-1) + ... + a_1ξ + a_0 ≡ 0 (mod p^k)

k は任意だから
a_(n-1)ξ^(n-1) + ... + a_1ξ + a_0 = 0
これは n = [Q_p(ξ) : Q_p] に反する。
証明終

255 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/12(火) 10:02:23
>>235の修正

命題
p進体 Q_p の代数的閉包を (Q_p)~ とする。
>>199より、Q_p の絶対値 mod は (Q_p)~ の絶対値 | | に一意に拡張される。

このとき、(Q_p)~ はこの絶対値に関して完備ではない。

証明
次のような整数列 (N_i) と、
(Q_p)~ の元の列 (η_i) を帰納的に構成する。

1) 0 = N_0 < N_1 < . . .
2) η_(i+1) ≡ η_i (mod p^(N_(i+1))
3) [Q_p(η_i) : Q_p] = 2^i
4) 2^i > n > 0 となる任意の整数 n と、
全てが ≡ 0 (mod p) とはならない Z_p の元の任意有限列
a_0, ..., a_n ∈ Z_p に対して
a_n(η_i)^n + ... + a_1(η_i) + a_0 ≡ 0 (mod p^(N_(i+1)) とならない。

任意の整数 i ≧ 0 に対して
Γ_i = {x ∈ (Q_p)~; x^(p^(2^i) - 1) = 1} とおく。
ζ_i を Γ_i の生成元とする。
N_0 < N_1 < . . . < N_i が決定されたとき、
η_i = ζ_0p^(N_0) + (ζ_1)p^(N_1) + ... + (ζ_i)p^(N_i) とおく。
>>233より、[Q_p(η_i) : Q_p] = 2^i である。
>>253 より、4) を満たす N_(i+1) で N_i < N_(i+1) となるものがある。

以上から 1), 2), 3), 4) を満たす (N_i) と (Q_p)~ の元の列 (η_i) が
構成された。

(続く)

256 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/12(火) 10:03:26
>>255の続き

(Q_p)~ が完備であると仮定する。
(η_i) はCauchy列であるから lim η_i = η ∈ (Q_p)~ となる。
η は (Q_p)~ 上代数的であるから
a_nη^n + ... + a_1η + a_0 = 0, a_n ≠ 0 となる
a_0, ..., a_n ∈ Z_p がある。
必要ならこの等式の両辺を p のベキで割って
a_0, ..., a_n の全てが ≡ 0 (mod p) とはならないと仮定してよい。

2^i > n となる整数 i をとる。
2) より η ≡ η_i (mod p^(N_(i+1)) であるから
a_n(η_i)^n + ... + a_1(η_i) + a_0 ≡ 0 (mod p^(N_(i+1))
これは 4) と矛盾する。
証明終

257 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/12(火) 12:58:22
>>212
P は A のある極大イデアルを表す。


258 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 06:38:11
>>210の P は明らかに素イデアルでよい。
従って >>212の P も素イデアルでよい。


259 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 08:21:29
微分可能関数について述べたのでこれから解析関数について述べる。


260 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 08:27:28
規約
今後特に断らない限り
自明でない非アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつ完備な可換体を
非アルキメデス的完備体と呼ぶことにする。

261 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 08:47:57
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。
(x_n), n = 1, 2, ... を E の点列とする。

(x_n) がCauchy列であるためには lim |x_(n+1) - x_n| = 0 が必要十分である。

証明
必要性:
(x_n) がCauchy列であるとする。
任意の ε に対して、ある n_0 ≧ 1 があり、n, m ≧ n_0 であれば、
|x_n - x_m| < ε となる。
よって特に、|x_(n+1) - x_n| < ε となる。
即ち、lim |x_(n+1) - x_n| = 0 である。

十分性:
lim |x_(n+1) - x_n| = 0 とする。
任意の ε に対して、ある n_0 ≧ 1 があり、n ≧ n_0 であれば、
|x_(n+1) - x_n| < ε となる。

よって、m > n ≧ n_0 であれば、
|x_m - x_n| = |(x_m - x_(m-1)) + (x_(m-1) - x_(m-2)) + . . . + (x(n+1) - x_n)|
≦ sup{|x_m - x_(m-1)|, ..., |x(n+1) - x_n|} < ε

よって、(x_n) はCauchy列である。
証明終

262 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 08:52:27
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の完備な超ノルム空間(>>65)とする。
(x_n), n = 1, 2, ... を E の点列とする。

Σx_n が収束するためには lim x_n = 0 が必要十分である。

証明
>>261より明らかである。

263 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 09:28:22
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。
(x_n), n = 1, 2, ... を E の点列とする。

Σx_n が収束すれば、Σx_n は総和可能(過去スレ006の147)である。

証明
s_n = s_1 + . . . + s_n とおき、
s = Σx_n とおく。
Σx_n の定義より、s = lim s_n である。
即ち、任意の ε に対して、ある n_0 ≧ 1 があり、
n ≧ n_0 であれば |s - s_n| < ε となる。
このとき、
|x_(n+1)| = |s_(n+1) - s_n| = |s_(n+1) - s + s - s_n|
≦ sup{|s_(n+1) - s|, |s - s_n|} < ε

N = {1, 2, . . . } を自然数の全体とする。
{1, 2, . . . , n_0} を含む任意の有限集合 I ⊂ N に対して、
S(I) = Σx_i, i ∈ I とおく。

|S(I) - s_(n_0)| ≦ sup{|x_i|; i ∈ I - {1, 2, . . . , n_0}} < ε

|s - S(I)| = |s - s_(n_0) + s_(n_0) - S(I)|
≦ sup{|s - s_(n_0)|, |S(I) - s_(n_0)|} < ε

よって、Σx_n は総和可能(過去スレ006の25)である。
証明終

264 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 09:40:18
命題
K を必ずしも可換とは限らない体で自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)を
もつとする。
E を K 上の超ノルム空間(>>65)とする。
(x_n), n = 1, 2, ... を E の点列とする。

Σx_n が収束すれば、Σx_n は可換収束(過去スレ006の186)する。
このとき、s = Σx_n とすると、
自然数全体の集合 N の任意の置換 σ に対して s = Σx_σ(n) である。

証明
>>263と過去スレ006の151より明らかである。

265 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 12:06:18
規約
Z+ = {0, 1, 2, . . .} とおく。
α = (a_1, ..., a_n) ∈ (Z+)^n のとき
|α| = a_1 + ... + a_n
および
α! = Π(a_i)!
と書く。

A を可換環とし、x = (x_1, ..., x_n) ∈ A^n のとき
x^α = Π(x_i)^(a_i) と書く。

266 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 12:17:46
定義
K を可換体とする。
K 上の n 変数の形式的べき級数環を K[[X_1, ..., X_n]] と書く。
即ち、K[[X_1, ..., X_n]] の元 f は f = Σc_αX^α と一意に書ける。
ここで、X = (X_1, ..., X_n)、c_α ∈ K であり、
α は (Z+)^n の元全体を動く。

記法 X^α については(>>265参照)。

267 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 12:41:47
規約
今後特に断らない限り、
アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつ完備な可換体を
アルキメデス的完備体と呼ぶことにする。

Ostrowskiの定理(過去スレ006の866)より K は実数体または複素数体と同型である。
よって、K を実数体または複素数体と同一視し、その絶対値も通常の絶対値と同じとする。

268 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 13:11:38
定義
K をアルキメデス的完備体(>>267)とする。
R を実数体とし、R++ = {x ∈ R; x > 0} とする。
r = (r_1, ..., r_n) ∈ (R++)^n と
f = Σc_αX^α ∈ K[[X_1, ..., X_n]] (>>266) に対して、
|f|_r = sup{Σ|c_α|r^α; α ∈ (Z+)^n} とおく。
r^α の記法については>>265参照。

A_r(K^n) = {f ∈ K[[X_1, ..., X_n]]; |f|_r < ∞} とおき、
K{X_1, ..., X_n} = ∪{A_r(K^n); r ∈ (R++)^n} とおく。
K{X_1, ..., X_n} を K 上の n 変数の収束べき級数環と呼ぶ。

269 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 14:13:07
補題
r = (r_1, ..., r_n) ∈ (R++)^n (>>268)とする。
r < 1 のとき、Σr^α = Π1/(1 - r_i) である。
ここで、α は (Z+)^n の元全体を動く。


証明
1/(1 - r_i) = 1 + r_i + (r_i)^2 + . . . より明らかである。

270 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 14:36:47
>>268の修正

定義
K を実数体または複素数体とする。
R を実数体とし、R++ = {x ∈ R; x > 0} とする。
r = (r_1, ..., r_n) ∈ (R++)^n と
f = Σc_αX^α ∈ K[[X_1, ..., X_n]] (>>266) に対して、
|f|_r = Σ|c_α|r^α とおく。
r^α の記法については>>265参照。

A_r(K^n) = {f ∈ K[[X_1, ..., X_n]]; |f|_r < ∞} とおき、
K{X_1, ..., X_n} = ∪{A_r(K^n); r ∈ (R++)^n} とおく。
K{X_1, ..., X_n} を K 上の n 変数の収束べき級数環と呼ぶ。

271 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 15:39:24
補題(Abel)
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K[[X_1, ..., X_n]] (>>266)とし、
ある r ∈ (R++)^n に対して、M = sup{|c_α|r^α; α ∈ (Z++)^n} < ∞ とする。

このとき、r_1 < r となる任意の r_1 ∈ (R++)^n に対して
f(x) = Σc_αx^α は B(r_1) = {x ∈ K^n; |x| ≦ r_1} 上で一様収束する。

証明
x ∈ B(r_1) に対して |c_αx^α| ≦ |c_α|(r_1)^α ≦ M(r_1/r)^α
>>269より、ΣM(r_1/r)^α は収束する。
即ち、Σc_αx^α は収束する優級数を持つ。
よって、B(r_1) 上で一様収束する。
証明終

272 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 15:51:48
命題
K を実数体または複素数体とする。
Σc_αX^α ∈ A_r(K^n) (>>270)とする。

このとき、Σc_αx^α は U(r) = {x ∈ K^n; |x| < r} に含まれる
任意のコンパクト集合上で一様収束する。

証明
Σc_αX^α ∈ A_r(K^n) であるから Σ|c_α|r^α < ∞ である。
よって、sup{|c_α|r^α; α ∈ (Z++)^n} < ∞ である。

F を U(r) に含まれる任意のコンパクト集合とする。
r_1 < r となる r_1 ∈ (R++)^n があり、F ⊂ B(r_1) となる。
ここで、B(r_1) = {x ∈ K^n; |x| ≦ r_1} である。
>>271より Σc_αx^α は B(r_1) 上で一様収束する。
よって、F 上で一様収束する。
証明終

273 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 18:51:41
>>272
>F を U(r) に含まれる任意のコンパクト集合とする。
>r_1 < r となる r_1 ∈ (R++)^n があり、F ⊂ B(r_1) となる。

念のためにこれを証明しよう。
p_i: K^n → K, i = 1, ..., n を i 成分に関する射影とする。
各 i に対して、x ∈ F に |p_i(x)| を対応させる写像は連続である。
よって、F のある点 a_i で最大値をとる。
|p_i(a_i)| > 0 のとき、s_i = |p_i(a_i)| とおく。
|p_i(a_i)| = 0 の場合、0 < s_i < r となる任意の s_i をとる。

このとき、任意の x = (x_1, ..., x_n) ∈ F に対して
|x_i| ≦ s_i < r_i
よって、s = (s_1, ..., s_n) とおけば s < r かつ F ⊂ B(s) となる。
r_1 = s とおけばよい。

274 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 18:55:41
定義
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{X_1, ..., X_n} (>>270) に対して
C(f) = {x ∈ K^n; x のある近傍 U があり U の全ての点 y で Σ|c_αy^α| < ∞}
を f の収束域(domain of convergence)と呼ぶ。

275 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 18:59:02
>>270の修正

定義
K を実数体または複素数体とする。
R を実数体とし、R++ = {x ∈ R; x > 0} とする。
r = (r_1, ..., r_n) ∈ (R++)^n と
f = Σc_αX^α ∈ K[[X_1, ..., X_n]] (>>266) に対して、
|f|_r = Σ|c_α|r^α とおく。
r^α の記法については>>265参照。

A_r(K^n) = {f ∈ K[[X_1, ..., X_n]]; |f|_r < ∞} とおき、
K{{X_1, ..., X_n}} = ∪{A_r(K^n); r ∈ (R++)^n} とおく。
K{{X_1, ..., X_n}} を K 上の n 変数の収束べき級数環と呼ぶ。

276 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 19:25:57
命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) に対して
J(f) = {r ∈ (R++)^n; f ∈ A_r(K^n)} とおく。
即ち、J(f) = {r ∈ (R++)^n; Σ|c_α|r^α < ∞} である。
位相空間 (R++)^n の部分空間としての J(f) の内部を I(f) と書く。

277 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/13(水) 19:29:07
>>276の修正

定義
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) に対して
J(f) = {r ∈ (R++)^n; f ∈ A_r(K^n)} とおく。
即ち、J(f) = {r ∈ (R++)^n; Σ|c_α|r^α < ∞} である。
位相空間 (R++)^n の部分空間としての J(f) の内部を I(f) と書く。

278 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 05:36:56
命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) に対して
C(f) = {x ∈ K^n; |x| ≦ r となる r ∈ I(f) が存在する} である。

ここで、C(f) は f の収束域(>>274)であり、I(f) は>>277で定義したものである。

証明
B(f) = {x ∈ K^n; |x| ≦ r となる r ∈ I(f) が存在する} とおく。

x ∈ C(f) とする。
C(f) の定義より、
x のある近傍 U があり U の全ての点 y で Σ|c_αy^α| < ∞} となる。
よって、s > 0 があり、U(x; s) = {y ∈ K^n; |y - x| < s} ⊂ U となる。
ここで、|y - x| = sup{|y_i - x_i|; i = 1, ..., n} である。
0 < t < s となる t をとる。
y_i = ((|x_i| + t)/|x_i|)x_i, i = 1, ..., n とおく。
|y_i - x_i| = |(|x_i| + t)/|x_i| - 1||x_i| = |t/|x_i|)|x_i| = t
よって、y = (y_1, ..., y_n) ∈ U である。
よって、r = (|y_1|, ..., |y_n|) とおけば r ∈ J(f) (>>276)である。
|y_i| = |x_i| + t であるから (|x_1|, ..., |x_n|) ∈ I(f) である。
よって、x ∈ B(f) である。
よって、C(f) ⊂ B(f) である。

(続く)

279 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 05:37:37
>>278の続き

逆に x ∈ B(f) とする。
|x| ≦ r となる r ∈ I(f) が存在する。
r < s となる s ∈ J(f) がある。
0 < t_i < s_i - r_i となる t_i をとる。
U = {y ∈ K^n; |y_i - x_i| < t_i, i = 1, ..., n} とおく。
y ∈ U のとき、
|y_i| ≦ |x_i| + |y_i - x_i| < r_i + t_i < s_i
よって、Σ|c_αy^α| ≦ Σ|c_α|s^α < ∞
よって、x ∈ C(f) となる。
証明終

280 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 05:58:52
>>267の修正

規約
今後特に断らない限り、
アルキメデス的絶対値(過去スレ006の448)をもつ完備な可換体 K を
アルキメデス的完備体と呼ぶことにする。

Ostrowskiの定理(過去スレ006の866)より K は実数体または複素数体と同型である。
よって、K を実数体または複素数体と同一視し、その絶対値も通常の絶対値と同じものとする。

281 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 06:46:14
定義
K を実数体または複素数体とする。
f を K 係数の1変数収束べき級数、即ち K{{X}} (>>275) の元とする。
このとき、r = sup J(f) (>>277) を f の収束半径と呼ぶ。

282 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 08:40:50
命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) とする。

このとき f は C(f) (>>274) に含まれる任意のコンパクト集合上で
一様に絶対収束する。

証明
F を C(f) に含まれる任意のコンパクト集合とする。
>>278より、任意の x ∈ F に対して |x| ≦ r となる r ∈ I(f) が存在する。
よって、r < s となる s ∈ J(f) がある。
>>272より、f は U(x) = {y ∈ K^n; |y| < s} に含まれる任意のコンパクト集合上で
一様に絶対収束する。
x ∈ U(x) であるから、x のコンパクト近傍 V(x) で U(x) に含まれるものがある。
F はコンパクトだから有限個の F の点 x_1, ..., x_m があり、
V(x_1), ..., V(x_n) は F の被覆になる。
各 F ∩ V(x_i) はコンパクトであり、f はその上で一様に絶対収束する。
よって、f は F 上で一様に絶対収束する。
証明終

283 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 09:31:30
>>278の修正

命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) に対して
C(f) = {x ∈ K^n; |x| ≦ r となる r ∈ I(f) が存在する} である。
ここで、C(f) は f の収束域(>>274)であり、I(f) は>>277で定義したものである。

証明
B(f) = {x ∈ K^n; |x| ≦ r となる r ∈ I(f) が存在する} とおく。

まず、任意の x ∈ C(f) に対して x ∈ B(f) を証明する。
0 ∈ B(f) であるから x ≠ 0 と仮定してよい。
C(f) の定義より、
x のある近傍 U があり U の全ての点 y で Σ|c_αy^α| < ∞} となる。
よって、s > 0 があり、U(x; s) = {y ∈ K^n; |y - x| < s} ⊂ U となる。
ここで、|y - x| = sup{|y_i - x_i|; i = 1, ..., n} である。
0 < t < s となる t をとる。
y_i = ((|x_i| + t)/|x_i|)x_i, i = 1, ..., n とおく。
|y_i - x_i| = |(|x_i| + t)/|x_i| - 1||x_i| = |t/|x_i|)|x_i| = t
よって、y = (y_1, ..., y_n) ∈ U(x; s) である。
よって、r = (|y_1|, ..., |y_n|) とおけば r ∈ J(f) (>>276)である。
|y_i| = |x_i| + t であるから (|x_1|, ..., |x_n|) ∈ I(f) である。
よって、x ∈ B(f) である。

逆に x ∈ B(f) とする。
|x| ≦ r となる r ∈ I(f) が存在する。
よって、r < s となる s ∈ J(f) がある。
U = {y ∈ K^n; |y| < s} とおく。
>>272より、f は U の各点で絶対収束する。
よって、x ∈ C(f) となる。
証明終

284 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 09:54:15
命題
K を実数体または複素数体とする。
f を K 係数の1変数収束べき級数、即ち K{{X}} (>>275) の元とする。
f の収束半径(>>281)を r とする。

このとき C(f) = {x ∈ K; |x| < r} である。
ここで、C(f) は f の収束域(>>274)である。

証明
まず、0 < r ≦ +∞ に注意する。

B(f) = {x ∈ K^n; |x| ≦ s となる s ∈ I(f) が存在する} とおく。
>>283より、C(f) = B(f) である。
よって、B(f) = {x ∈ K; |x| < r} を証明すればよい。

x ∈ B(f) とする。
|x| ≦ s となる s ∈ I(f) が存在する。
よって、s < t となる t ∈ J(f) (>>277) が存在する。
t ≦ r であるから s < r である。
よって、|x| < r である。

逆に |x| < r とする。
|x| < s < r となる s をとる。
s < t となる t ∈ J(f) がある。
よって、s ∈ I(f) である。
よって、x ∈ B(f) である。
証明終

285 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 10:01:40
命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_nX^n を K 係数の1変数収束べき級数、即ち K{{X}} (>>275) の元とする。
f の収束半径(>>281)を r とする。

このとき x ∈ K, |x| > r であれば Σ|c_nx^n| = +∞ である。

証明
Σ|c_nx^n| < +∞ と仮定する。
|x| ∈ J(f) (>>277) となる。
よって、|x| ≦ r となって仮定に反する。
証明終

286 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 10:21:04
補題
R を実数体とし、R++ = {x ∈ R; x > 0} とおく。
(a_n), n = 1, 2, ... を R++ の元からなる数列とする。

lim a_(n+1)/a_n = r が存在し r < 1 であれば Σa_n は収束する。

証明
r < s < 1 となる s をとる。
整数 m ≧ 1 があり n ≧ m なら a_(n+1)/a_n < s となる。
a_(m+1) < sa_m
a_(m+2) < (s^2)a_m
. . .

よって、a_(m+n) < (s^n)a_m, n = 1, 2, ...
よって、Σa_(m+n) ≦ a_mΣs^n < +∞
よって、Σa_n < +∞
証明終

287 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 10:27:30
補題
r を 0 < r < 1 となる実数とする。
このとき、Σnr^(n-1) (n = 1, 2, ...) は収束する。

証明
(n+1)r^n/nr^(n-1) = ((n+1)/n)r
n → +∞ のとき、この右辺 → r
よって、>>286より Σnr^(n-1) は収束する。
証明終

288 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 10:54:30
命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_nX^n を K 係数の1変数収束べき級数、即ち K{{X}} (>>275) の元とする。
f の収束半径(>>281)を r とする。
g = Σnc_nX^(n-1), n = 1, 2, ... とおく。

このとき、g ∈ K{{X}} であり、g の収束半径は r である。

証明
g の収束半径を s とする。
|x| < s のとき Σn|c_nx^(n-1)| < +∞ である。

|c_nx^n| ≦ n|c_nx^n| = n|x||c_nx^(n-1)|, n = 1, 2, ...
よって、|x| < s のとき Σ|c_nx^n| < +∞ である。
よって、s ≦ r である。

次に |x| < r となる任意の x をとる。
|x| < t < r となる t をとる。
|x|/t = ρ とおく。

Σc_nt^(n-1) < +∞ であるから
|c_nt^(n-1)| ≦ M, n = 1, 2, ... となる M がある。

よって、
|nc_nx^(n-1)| = n|c_nt^(n-1)|ρ^(n-1) ≦ Mnρ^(n-1)

ρ < 1 であるから >>287より、ΣMnρ^(n-1) < +∞ である。
よって、Σ|nc_nx^(n-1)| < +∞ である。
よって、s ≧ r である。

以上から s = r である。
証明終

289 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 12:00:19
>>288の修正

命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_nX^n を K 係数の1変数収束べき級数、即ち K{{X}} (>>275) の元とする。
f の収束半径(>>281)を r とする。
g = Σnc_nX^(n-1), n = 1, 2, ... とおく。

このとき、g ∈ K{{X}} であり、g の収束半径は r である。

証明
|x| < r となる任意の x をとる。
|x| < t < r となる t をとる。
|x|/t = ρ とおく。

Σc_nt^(n-1) < +∞ であるから
|c_nt^(n-1)| ≦ M, n = 1, 2, ... となる M がある。

よって、
|nc_nx^(n-1)| = n|c_nt^(n-1)|ρ^(n-1) ≦ Mnρ^(n-1)

ρ < 1 であるから >>287より、ΣMnρ^(n-1) < +∞ である。
よって、Σ|nc_nx^(n-1)| < +∞ である。
よって、g ∈ K{{X}} であり、g の収束半径 s ≧ r である。

|x| < s のとき Σn|c_nx^(n-1)| < +∞ である。
一方、|c_nx^n| ≦ n|c_nx^n| = n|x||c_nx^(n-1)|, n = 1, 2, ...
よって、|x| < s のとき Σ|c_nx^n| < +∞ である。
よって、s ≦ r である。
以上から s = r である。
証明終

290 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 12:33:53
命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_nX^n を K 係数の1変数収束べき級数、即ち K{{X}} (>>275) の元とする。
f の収束半径(>>281)を r とする。
g = Σnc_nX^(n-1), n = 1, 2, ... とおく。
>>289より、g ∈ K{{X}} であり、g の収束半径は r である。

このとき、f(x) は収束域 C(f) = {x ∈ K; |x| < r} (>>284) で微分可能であり、
f’(x) = g(x) である。

証明
|x| < r となる x を固定する。
|x| < s < r となる s をとる。
U = {y ∈ K; |y| < s - |x|} とおく。

h ∈ U - {0} に対して
(f(x + h) - f(x))/h - g(x) を計算する。

(x + h)^n - x^n = h((x + h)^(n-1) + x(x+h)^(n-2) + ... + x^(n-1))
よって、
(f(x + h) - f(x))/h - g(x) = Σu_n(x, h), n = 1, 2, ...
ここで、
u_n(x, h) = c_n((x + h)^(n-1) + x(x+h)^(n-2) + ... + x^(n-1) - nx^(n-1))
とおいた。

(続く)

291 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 12:35:14
>>290の続き

|x| < s かつ |x + h| ≦ |x| + |h| < s
よって、|u_n(x, h)| ≦ |c_n|(ns^(n-1) + ns^(n-1)) = 2n|c_n|s^(n-1)
g の収束半径は r であり、s < r だから Σn|c_n|s^(n-1) < +∞
よって、任意の ε > 0 に対して、整数 n_0 があり
Σ[n ≧ n_0] 2n|c_n|s^(n-1) < ε/2
よって、Σ[n ≧ n_0] |u_n(x, h)| < ε/2 となる。

一方、u_1(x, h) + ... + u_(n_0)(x, h) は h の多項式であり、
h = 0 のとき 0 である。
よって δ > 0 があり、|h| < δ のとき
|u_1(x, h) + ... + u_(n_0)(x, h)| < ε/2 となる。

以上から h ∈ U - {0} かつ |h| < δ のとき
|(f(x + h) - f(x))/h - g(x)| ≦ Σ|u_n(x, h)|
= |u_1(x, h) + ... + u_(n_0)(x, h)| + Σ[n ≧ n_0] |u_n(x, h)|
< ε/2 + ε/2 = ε
よって、f’(x) = g(x) である。
証明終

292 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 16:09:00
命題
K を実数体または複素数体とする。
任意の f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) の
収束域 C(f) (>>274) は連結開集合である。

証明
C(f) の定義(>>274)より、任意の x ∈ C(f) に対して、
x のある近傍 U があり U の全ての点 y で Σ|c_αy^α| < ∞ となる。
x ∈ V ⊂ U となる開集合 V がある。
任意の z ∈ V に対して V は z の近傍であり、
V の全ての点 y で Σ|c_αy^α| < ∞ となる。
よって、z ∈ C(f) である。
よって、V ⊂ C(f) である。
よって、C(f) は開集合である。

次に C(f) が連結なことを証明する。
>>283より、C(f) = {x ∈ K^n; |x| ≦ r となる r ∈ I(f) が存在する} である。
ここで、R を実数体とし、R++ = {x ∈ R; x > 0} としたとき、
任意の r ∈ (R++)^n に対して、D(r) = {x ∈ K^n; |x| ≦ r} と
書くことにする。
r = (r_1, ..., r_n) のとき D(r) は {x ∈ K; |x| ≦ r_i}, i = 1, ..., n の
直積である。
各 {x ∈ K; |x| ≦ r_i} は連結であるから D(r) も連結である。
D(r) は原点 0 を含むことに注意する。
r ∈ I(f) のとき D(r) ⊂ C(f) であるから
C(f) = ∪{D(r); r ∈ I(f)} である。
よって、C(f) は 0 を共通点にもつ連結集合 D(r) の合併であるから連結である。
証明終

293 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 16:32:38
定義
K を可換体とする。
f = Σc_αX^α = Σc_(a_1, ..., a_n)(X_1)^(a_1)...(X_n)^(a_n) を
形式的べき級数環 K[[X_1, ..., X_n]] (>>266)の元とする。

このとき、∂f/∂X_i ∈ K[[X_1, ..., X_n]], i = 1, ..., n を
∂f/∂X_i = Σa_i c_(a_1, ..., a_n)(X_1)^(a_1)...(X_i)^(a_i - 1)...(X_n)^(a_n)
により定義する。

294 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/14(木) 16:48:28
>>265を次のように拡張する。

規約
Z+ = {0, 1, 2, . . .} とおく。
α = (a_1, ..., a_n) ∈ (Z+)^n のとき
|α| = a_1 + ... + a_n
および
α! = Π(a_i)!
と書く。

α = (a_1, ..., a_n) ∈ (Z+)^n
β = (b_1, ..., b_n) ∈ (Z+)^n のとき
α + β = (a_1 + b_1, ..., a_n + b_n) と書く。

a_i ≦ b_i, i = 1, ..., n のとき α ≦ β と書く。

A を可換環とし、x = (x_1, ..., x_n) ∈ A^n
α = (a_1, ..., a_n) ∈ (Z+)^n のとき
x^α = Π(x_i)^(a_i) と書く。

295 :132人目の素数さん:2010/01/14(木) 17:15:45
         _              _                _             
       _ \\           _\\            _\\
      // \\          // \\          //  \\
    //     \\      //   \\        //     \\
  //        \\    //       \\    //        \\
//           \\//          \\ //          \\
 ̄               ̄ ̄              ̄  ̄              ̄
     /\       /\
   /   \____/   \
 /     /\    /\ \
|                 |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|       \____/  |  /
|         \   /   |<  あ〜ほ〜か〜〜〜
 \  ___   \/     /   \
 /       \    __  \   \________
|        |  /   |
|      _/   |      |
 \          \_   /
   \       \       \
   |       |       |
   /       /       /
 /         \       \  //\\____//\\  /_ \\ ̄ ̄_ /_ \\ ̄ ̄_
|          |      | |     \    /     |/ ̄/ ̄   ̄ ̄// ̄/ ̄   ̄ ̄/
 \______/ ____/  \      \/      /   /      /   /    /

296 :132人目の素数さん:2010/01/14(木) 22:54:49
>>1 TeXファイルでほしいんだが・・・・。

297 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 08:15:00
命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) に対して、
各 ∂f/∂X_i (>>293) は収束べき級数環 K{{X_1, ..., X_n}} に属し
∂f/∂X_i の収束域(>>274) C(∂f/∂X_i) は f の収束域 C(f) (>>274) と一致する。

証明
記述を簡単にするため n = 2 と i = 1 の場合に証明する。
一般の場合もまったく同様である。

任意の x ∈ C(f) をとる。
>>283より、|x| ≦ ρ となる ρ ∈ I(f) がある。
よって、ρ < s となる s ∈ J(f) (>>277) がある。
ρ < r < s となる r ∈ (R++)^2 を任意にとる。
r/s = t とおく。

Σ|c_αs^α| < +∞ であるから
全ての α ∈ (Z+)^2 に対して |c_αs^α| ≦ M となる M がある。

よって、
|n c_(n, m)(r_1)^(n-1)(r_2)^m|
= n |c_(n, m)(s_1)^(n-1)(s_2)^m||(t_1)^(n-1)(t_2)^m|
≦ n(M/s_1)(t_1)^(n-1)(t_2)^m

よって、
Σ|n c_(n, m)(r_1)^(n-1)(r_2)^m| ≦ Σn(M/s_1)(t_1)^(n-1)(t_2)^m
≦ (M/s_1)(Σn(t_1)^(n-1))(Σ(t_2)^m)

(続く)

298 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 08:15:49
>>297の続き

t_1 < 1 であるから>>287より、Σn(t_1)^(n-1) < ∞
t_2 < 1 であるから Σ(t_2)^m < ∞
よって、Σ|n c_(n, m)(r_1)^(n-1)(r_2)^m| < ∞
よって、r ∈ J(∂f/∂X_1)
よって、ρ ∈ I(∂f/∂X_1)
よって、x ∈ C(∂f/∂X_1)
よって、C(f) ⊂ C(∂f/∂X_1)

逆に x ∈ C(∂f/∂X_1) とする。
>>283より、|x| ≦ r となる r ∈ I(∂f/∂X_1) がある。
よって、r < s となる s ∈ J(∂f/∂X_1) がある。

即ち、Σ|n c_(n, m)(s_1)^(n-1)(s_2)^m| < +∞ である。

一方、
|c_(n, m)(s_1)^n(s_2)^m| = |x_1||c_(n, m)(s_1)^(n-1)(s_2)^m|
≦ n|s_1||c_(n, m)(s_1)^(n-1)(s_2)^m|

よって、
Σ|c_(n, m)(s_1)^n(s_2)^m| ≦ Σ|n c_(n, m)(s_1)^(n-1)(s_2)^m| < +∞ である。

よって、s ∈ J(f) である。
よって、r ∈ I(f) である。
よって、x ∈ C(f) である。
よって、C(∂f/∂X_1) ⊂ C(f)
証明終

299 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 10:50:24
命題
K を実数体または複素数体とする。
f ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) とする。
C(f) (>>274) から K への写像 f~ を f~(x) = f(x) により定義する。

このとき、C(f) の各点 p で (∂f~/∂x_i)(p) (>>85), i = 1, ..., n
が存在し、各 i に対して (∂f~/∂x_i)(p) = (∂f/∂X_i)(p) である。

ここで、∂f/∂X_i は、>>293で定義されたものである。

証明
p ∈ C(f) であるから>>283より、|p| ≦ s となる s ∈ I(f) が存在する。
よって、s < r となる r ∈ J(f) (>>277) が存在する。
Abelの補題(>>271)より、f は {x ∈ K^n; |x| < r} 上で絶対収束する。

よって、x_i のベキ級数 f(p_1, ..., x_i, ..., p_n) は
|x_i| < r_i のとき絶対収束する。

>>290より、このベキ級数は p_i で微分可能であり、
(∂f~/∂x_i)(p) = (∂f/∂X_i)(p) である。
証明終

300 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 12:03:06
定義
K を可換体とする。
f を形式的べき級数環 K[[X_1, ..., X_n]] (>>266)の元とする。

∂f/∂X_i (>>293) を (∂_i)f とも書く。
任意の i, j ∈ {1, ..., n} に対して (∂_i)(∂_j)f = (∂_j)(∂_i)f である。

∂_i を f に m 回作用させた (∂_i)...(∂_i)f を (∂_i)^mf とも書く。

Z+ = {0, 1, 2, . . .} とおく。
α = (a_1, ..., a_n) ∈ (Z+)^n のとき、
(∂_1)^(a_1). . . (∂_n)^(a_n)f を以下の3通りにも書く。

1) (∂^α)f
2) ∂^|α|f/(∂X_1)^(a_1)...(∂X_n)^(a_n)
3) ∂^|α|f/(∂X)^α

301 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 15:25:33
命題
K を可換体とする。
f = Σc_αX^α を形式的べき級数環 K[[X_1, ..., X_n]] (>>266)の元とする。

このとき、(∂^α)f(0) = α!c_α である。
ここで、記法 α! については>>294を参照し、(∂^α)f については>>300を参照。

証明
(∂^α)(c_αX^α) = α!c_α である。

α ≠ β かつ β ≦ α であれば ∂^α)(c_βX^β) = 0 である。

α ≠ β かつ α ≦ β であれば (∂^α)(c_βX^β) は定数ではないから
(∂^α)(c_βX^β)(0) = 0 である。

以上から (∂^α)f(0) = α!c_α である。
証明終

302 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 15:34:53
定義
K を実数体または複素数体とする。
U を K^n の開集合とし、f(x_1, ..., x_n): U → K を写像とする。
p を U の点とする。

Z+ = {0, 1, 2, . . .} とおく。
α = (a_1, ..., a_n) ∈ (Z+)^n に対して、
(∂^|α|f/(∂x_1)^(a_1)...(∂x_n)^(a_n))(p) が存在するとき
これを以下のようにも書く。

1) (∂_1)^(a_1). . . (∂_n)^(a_n)f(p)
2) (∂^α)f(p)
3) (∂^|α|f/(∂x)^α)(p)

303 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 16:21:35
命題
K を実数体または複素数体とする。
f ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) とする。

このとき、任意の α ∈ (Z+)^n に対して、
(∂^α)f (>>300) は収束べき級数であり、C(f) = C((∂^α)f) である。

証明
m = |α| に関する帰納法による。

m = 0 のときは (∂^α)f = f であるから C(f) = C((∂^α)f) である。

m ≧ 0 に対して、|β| = m + 1 となる任意の β ∈ (Z+)^n をとる。
β = (b_1, ..., b_n) とする。
|β| ≧ 1 であるから b_i ≧ 1 となる i がある。
α = (b_1, ..., b_i - 1, ..., b_n) とおけば α ∈ (Z+)^n であり、
|α| = m である。

帰納法の仮定から (∂^α)f は収束べき級数であり、C(f) = C((∂^α)f) である。
>>297より、(∂^β)f = (∂_i)(∂^α)f は収束べき級数であり、
C((∂^α)f) = C((∂^β)f) である。
よって、C(f) = C((∂^β)f) である。
証明終

304 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 17:06:21
命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) とする。
C(f) (>>274) から K への写像 f~ を f~(x) = f(x) により定義する。

任意の i, j ∈ {1, ..., n} と任意の p ∈ C(f) に対して
(∂_i)(∂_j)f~(p) と (∂_j)(∂_i)f~(p) が存在し、
(∂_i)(∂_j)f~(p) = (∂_j)(∂_i)f~(p) となる。

証明
>>299より、任意の i ∈ {1, ..., n} に対して (∂_i)f~(p) = (∂_i)f(p) である。
>>303より、(∂_i)f は収束べき級数である。
よって、任意の j ∈ {1, ..., n} に対して (∂_j)(∂_i)f~(p) が存在し、
(∂_j)(∂_i)f~(p) = (∂_j)(∂_i)f(p) となる。

一方、>>300より、(∂_i)(∂_j)f = (∂_j)(∂_i)f である。
よって、(∂_i)(∂_j)f~(p) = (∂_j)(∂_i)f~(p) となる。
証明終

305 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 17:25:07
命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) とする。
C(f) (>>274) から K への写像 f~ を f~(x) = f(x) により定義する。

i_1, ..., i_m を {1, ..., n} の元の任意の有限列とする。
任意の p ∈ C(f) に対して、∂_(i_1). . . ∂_(i_m)f~(p) が存在し、
∂_(i_1). . . ∂_(i_m)f(p) と一致する。
従って、∂_(i_1). . . ∂_(i_m)f~(p) は i_1, ..., i_m の順番によらない。

証明
>>304より明らかである。

306 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 17:27:28
命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) とする。
C(f) (>>274) から K への写像 f~ を f~(x) = f(x) により定義する。

このとき、任意の α ∈ (Z+)^n に対して、
C(f) の各点 p で (∂^α)f~(p) (>>302)が存在し、
(∂^α)f~(p) = (∂^α)f(p) となる。

証明
>>305より明らかである。

307 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 17:40:01
命題
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) とする。
C(f) (>>274) から K への写像 f~ を f~(x) = f(x) により定義する。

このとき、任意の α ∈ (Z+)^n に対して、
c_α = (1/α!)(∂^α)f~(0) である。

証明
>>306より、(∂^α)f~(0) = (∂^α)f(0) である。
>>301より、c_α = (1/α!)(∂^α)f(0) である。
よって、c_α = (1/α!)(∂^α)f~(0) である。
証明終

308 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 18:07:21
命題
K を実数体または複素数体とする。
f, g ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) とする。
U を K^n の開集合で、0 ∈ U ⊂ C(f) ∩ C(g) とし、
U の各点 x で f(x) = g(x) とする。

このとき、f = g である。

証明
>>307より明らかである。

309 :132人目の素数さん:2010/01/15(金) 19:18:02
unko

310 :132人目の素数さん:2010/01/15(金) 20:02:11
くんまー頑張るね。
この環境で数式書くの大変だろ。

311 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/15(金) 21:28:39
補題
K を可換体とする。
E_1, . . ., E_n をそれぞれ K 上の1次元の線型空間とする。
各 E_i の基底を e_i とする。
L(E_1, . . ., E_n; K) を E_1×. . .×E_n から K への多重線型写像全体のなす
線型空間とする。

このとき、T ∈ L(E_1, . . ., E_n; K) に T(e_1, . . ., e_n) ∈ K を
対応させる写像 ψ: L(E_1, . . ., E_n; K) → K は線型写像としての同型である。

証明
自明である。

312 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 08:00:44
補題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E_1, . . ., E_n をそれぞれ K 上の1次元のノルム空間(過去スレ006の561)とし、
F を K 上のノルム空間とする。
各 E_i の基底を e_i とする。
L(E_1, . . ., E_n; F) を E_1×. . .×E_n から F への
多重線型写像全体のなす位相線型空間とする。

このとき、T ∈ L(E_1, . . ., E_n; F) に T(e_1, . . ., e_n) ∈ F を
対応させる写像 ψ: L(E_1, . . ., E_n; F) → F は位相線型空間としての
同型写像である。

証明
ψ が線型空間としての同型写像であることは明らかである。
よって、ψ が位相同型であることを証明すればよい。

(x_1, . . ., x_n) を E_1×. . .×E_n の任意の元とする。
x_i = α_ie_i, α_i ∈ K と書ける。
|x_i| = |α_i||e_i| である。
よって、
|T(x_1, . . ., x_n)| = |α_1|. . . |α_n||T(e_1, . . ., e_n)|
= (|T(e_1, . . ., e_n)|/|e_1|. . . |e_n|)|x_1|. . . |x_n|

よって、|T| = |T(e_1, . . ., e_n)|/|e_1|. . . |e_n| である。
よって、|ψ(T)| = |e_1|. . . |e_n||T|
よって、ψ は連続である。

S = ψ(T)とおくと、
|S| = |e_1|. . . |e_n||ψ^(-1)(S)|
即ち、|ψ^(-1)(S)| = (1/|e_1|. . . |e_n|)|S|
よって、ψ^(-1) は連続である。
証明終

313 :猫は淫獣 ◆ghclfYsc82 :2010/01/16(土) 08:16:36
私もクンマーさんはとても偉いと思いますね。
今後も応援しますんで頑張って下さい。




314 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 08:21:41
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E = K^n とする。
U を E の開集合とし、p = (p_1, ..., p_n) ∈ U とする。
f: U → F を写像とする。
f の p における第 i 番目の偏微分(>>82) (d_i)f(p) が存在するとする。

>>85で、(d_i)f(p)(1) ∈ F を (∂_i)f(p) または (∂f/∂x_i)(p) と書いた。

h を |h| が十分小さい K の元とする。
h → 0, h ≠ 0 のとき、
(f(p_1, ..., p_i + h, ..., p_n) - f(p))/h → (∂_i)f(p) である。

証明
n = 1 のときに証明すればよい。

df(p)(h) の定義(>>40)より、
h → 0, h ≠ 0 のとき、|f(p + h) - f(p) - df(p)(h)|/|h| → 0
である。

df(p)(h) = h df(p)(1) であるから
|(f(p + h) - f(p))/h - df(p)(1)| → 0

即ち、(f(p + h) - f(p))/h → df(p)(1)
証明終

315 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 09:27:25
命題
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
E = K^n とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。
i_1, . . ., i_m を {1, . . ., n} の元の任意の有限列とする。

このとき、連続な ∂_(i_1). . .∂_(i_m)f (>>85) が存在することと
連続な d_(i_1). . .d_(i_m)f (>>20) が存在することは同値である。

証明
p ∈ U に対して
d_(i_1). . .d_(i_m)f(p) は K^m から F への多重線型写像である。
>>312より、
これは ∂_(i_1). . .∂_(i_m)f(p) = d_(i_1). . .d_(i_m)f(p)(1, . . ., 1) と
同一視される。
証明終

316 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 09:32:20
命題
K を実数体または複素数体とする。
E = K^n とし、F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、f: U → F を写像とする。

f が C^k 級 (1 ≦ k < ∞) であるためには
{1, . . ., n} の元の長さ m (1 ≦ m ≦ k) の
任意の有限列 i_1, . . ., i_m に対して
連続な ∂_(i_1)...∂_(i_m)f が存在することが必要十分である。

証明
>>118>>315より明らかである。

317 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 09:41:42
K を実数体または複素数体とする。
f = Σc_αX^α ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) とする。
C(f) (>>274) から K への写像 f~ を f~(x) = f(x) により定義する。

>>308より、f は関数 f~ により一意に決まる。
よって、今後、関数 f~ を考えるときはこれを f と同一視することにする。

318 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 09:47:14
命題
K を実数体または複素数体とする。
任意の f ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) は C(f) 上で C^∞ 級である。

証明
i_1, ..., i_m を {1, ..., n} の元の任意の有限列とする。
>>305より、C(f) 上で ∂_(i_1). . . ∂_(i_m)f が存在し、
∂_(i_1). . . ∂_(i_m)f ∈ K{{X_1, ..., X_n}} である。

一方、>>282より、任意の f ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) は
C(f) 上で連続である。
よって、∂_(i_1). . . ∂_(i_m)f は C(f) 上で連続である。
よって、>>316より f は C^∞ 級である。
証明終

319 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 10:42:54
定義
K を実数体または複素数体とする。
U を K^n の開集合とし、f: U → K を写像とする。

U の任意の点 a に対して収束べき級数 f_a ∈ K{{X_1, ..., X_n}} (>>275) と、
a の近傍 V_a ⊂ U があり、V_a 上の各点 x で x - a ∈ C(f_a) (>>274) となり、
f(x) = f_a(x - a) となるとする。

このとき、f を C^ω級である、または解析的または K-解析的であるという。
K が実数体のとき f を実解析的という。
K が複素数体のとき f を複素解析的または正則であるという。

解析的関数のことを略して解析関数ともいう。

320 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 12:18:58
複素解析関数(>>319)の性質を詳しく調べるためには複素積分が必要になる。
これは複素関数論で周知であるが一応述べる。

321 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 12:26:35
定義
K を実数体とし、F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b] を K の有限閉区間とし、f: U → F を写像とする。

x ∈ [a, b] で x → a, x ≠ a のとき lim (f(x) - f(a))/(x - a) が存在するとき、
f は a で微分可能という。
このとき、lim (f(x) - f(a))/(x - a) を f’(a) または (df/dx)(a) と書く。
f’(a) は f が [a, b) で定義されていればよい。

x ∈ [a, b] で x → b, x ≠ b のとき lim (f(x) - f(b))/(x - b) が存在するとき、
f は b で微分可能という。
このとき、lim (f(x) - f(b))/(x - b) を f’(b) または (df/dx)(b) と書く。
f’(b) は f が (a, b] で定義されていればよい。

322 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 12:29:14
>>321の拡張

定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: U → F を写像とする。

x ∈ [a, b] で x → a, x ≠ a のとき lim (f(x) - f(a))/(x - a) が存在するとき、
f は a で微分可能という。
このとき、lim (f(x) - f(a))/(x - a) を f’(a) または (df/dx)(a) と書く。
f’(a) は f が [a, b) で定義されていればよい。

x ∈ [a, b] で x → b, x ≠ b のとき lim (f(x) - f(b))/(x - b) が存在するとき、
f は b で微分可能という。
このとき、lim (f(x) - f(b))/(x - b) を f’(b) または (df/dx)(b) と書く。
f’(b) は f が (a, b] で定義されていればよい。

323 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 12:31:50
>>322
>[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: U → F を写像とする。

[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: [a, b] → F を写像とする。

324 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 12:42:18
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: U → F を写像とする。

f が a で微分可能(>>322)であれば f は a で連続である。
f が b で微分可能であれば f は b で連続である。

証明
任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
0 < |x - a| < δ であれば |(f(x) - f(a))/(x - a) - f’(a)| < ε である。
よって、|f(x) - f(a) - f’(a)(x - a)| < ε|x - a|
|f(x) - f(a)| < ε|x - a| + |f’(a)(x - a)| = (ε + |f’(a)|)|x - a|
ε と δ を固定して、x → a とすれば f(x) → f(a) である。
よって、f は a で連続である。

同様に f は b で連続である。
証明終

325 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 12:46:50
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: [a, b] → F を写像とする。

[a, b] の各点 x で f’(x) が存在し、f’(x) が [a, b] 上で連続なとき、
f を C^1 級の写像という。

>>324より、f は [a, b] 上で連続連続である。

326 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 12:53:38
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: [a, b] → F を写像とする。
a = a_0 < a_1 < . . . < a_n = b を [a, b] の分点とする。

f が [a, b] で連続で各区間 [a_(i-1), a_i] で C^1 級(>>325)のとき、
f は区分的に C^1 級であるという。

327 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 13:17:37
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。

[a, b] から F への C^1 級の写像(>>325)のことを
[a, b] で定義された F における C^1 級の曲線と呼ぶ。

[a, b] で定義された F における区分的に C^1 級(>>326)の曲線も同様に定義される。

328 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 13:19:09
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。

[a, b] から F への連続写像のことを
[a, b] で定義された F における C^0 級の曲線と呼ぶ。

329 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 13:26:08
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
f を [a, b] で定義された F における C^0 級の曲線(>>328)とする。
Δ: a = a_0 < a_1 < . . . < a_n = b を [a, b] の分点とする。
S(Δ) = |f(a_1) - f(a_0)| + . . . + |f(a_n) - f(a_(n-1)| とおく。

L = sup{S(Δ); Δ は [a, b] の任意の分点} とおく。
このとき、L < +∞ であれば曲線 f は長さをもつといい、L をその長さと呼ぶ。

330 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 15:05:53
>>329
[a, b] の分点 a = a_0 < a_1 < . . . < a_n = b は [a, b] の分割を与えるので、
これを [a, b] の分割ともいうことにする。

331 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 15:19:56
定義
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
Δ_1: a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b
Δ_2: a = s_0 < s_1 < . . . < s_m = b
をそれぞれ [a, b] の分割(>>330)とする。

各 t_i がどれかの s_j に一致するとき Δ_2 を Δ_1 の細分と呼び
Δ_1 ≦ Δ_2 と書く。

332 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 15:30:51
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
f を [a, b] から F への任意の写像とする。

Δ_1: a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b
Δ_2: a = s_0 < s_1 < . . . < s_m = b
をそれぞれ [a, b] の分割(>>330)とする。

このとき、Δ_1 ≦ Δ_2 であれば S(Δ_1) ≦ S(Δ_2) である。
ここで、
S(Δ_1) = |f(t_1) - f(t_0)| + . . . + |f(t_n) - f(t_(n-1)|
S(Δ_2) = |f(s_1) - f(s_0)| + . . . + |f(s_m) - f(s_(m-1)|

証明
ある i に対して t_(i-1) < s_j < t_i となる j があるとする。

|f(t_i) - f(t_(i-1))| = |f(t_i) - f(s_j) + f(s_j) - f(t_(i-1))|
≦ |f(t_i) - f(s_j)| + |f(s_j) - f(t_(i-1))|

これから明らかであろう。
証明終

333 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 15:35:33
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
f を [a, b] で定義された F における C^0 級の曲線(>>328)とする。
a < c < b となる c を任意にとる。
f を [a, c] に制限した写像を f_1 とする。
f を [c, b] に制限した写像を f_2 とする。

このとき f が長さ(>>329) L をもてば f_1 および f_2 も長さをもち、
それぞれの長さを L1, L2 とすれば L = L_1 + L_2 である。

証明
[a, c] の任意の分割 Δ: a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = c
に対して、[c, b] を追加すれば [a, b] の分割 Δ’が得られる。

S(Δ) = |f(t_1) - f(t_0)| + . . . + |f(t_n) - f(t_(n-1)|
S(Δ’) = S(Δ) + |f(b) - f(c)|
とおく。
S(Δ) ≦ S(Δ’) ≦ L であるから f_1 は長さを持つ。

同様に f_2 も長さ L_2 を持つ。

(続く)

334 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 15:36:32
>>333の続き

[a, c] の任意の分割 Δ_1 と [c, b] の任意の分割 Δ_2 に対して
Δ_1 と Δ_2 を合わせて [a, b] の分割 Δ が得られる。
S(Δ) = S(Δ_1) + S(Δ_2) である。
よって、S(Δ_1) + S(Δ_2) ≦ L である。
Δ_2 を固定して Δ_1 を動かして左辺の sup をとると L_1 + S(Δ_2) ≦ L である。
Δ_2 を動かしてこの左辺の sup をとると L_1 + L_2 ≦ L となる。

他方、[a, b] の任意の分割 Δ に対して Δ が c を含むなら、
S(Δ) ≦ L_1 + L_2 である。

Δ が c を含まないなら、
c を追加することにより [a, b] の分割 Δ’が得られる。
Δ ≦ Δ’であるから>>332より、S(Δ) ≦ S(Δ’) である。
よって S(Δ) ≦ L_1 + L_2

よって、L ≦ L_1 + L_2 である。
証明終

335 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 20:46:15
命題(微積分の基本定理(過去スレ014の819の拡張))
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: [a, b] → F を連続写像とする。

t ∈ [a, b] のとき g(t) = ∫[a, t] f(x) dx とおく。

ここで、dx は R のLebesgue測度(過去スレ009の710)であり、
∫[a, t] f(x) dx は過去スレ008の356で定義されたものである。

このとき、任意の t ∈ [a, b] に対して、g’(t) = f(t) である。
ここで、g’(a) と g’(b) については>>322を参照。

証明
t ∈ (a, b) のとき
|g(t + h) - g(t) - f(t)h| = |∫[t, t + h] (f(x) - f(t))dx|
≦ M(h)|h|

ここで、M(h) = sup {|f(x) - f(t)| ; x ∈ [t, t + h]}

h → 0 のとき、M(h) → 0 であるから、
g’(t) = f(t) である。

(続く)

336 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 20:46:56
>>335の続き

t = a のとき、h > 0 として
|g(a + h) - g(a) - f(a)h| = |∫[a, a + h] (f(x) - f(a))dx|
≦ M(h)h
ここで、M(h) = sup {|f(x) - f(a)| ; x ∈ [a, a + h]}
h → 0 のとき、M(h) → 0 であるから、
g’(a) = f(a) である。

t = b のとき、h < 0 として
|g(b + h) - g(b) - f(b)h| = |∫[b, b + h] (f(x) - f(b))dx|
≦ M(h)|h|
ここで、M(h) = sup {|f(x) - f(a)| ; x ∈ [b + h, b]}
h → 0 のとき、M(h) → 0 であるから、
g’(b) = f(b) である。
証明終

337 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 20:47:37
命題(過去スレ014の821の修正)
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: [a, b] → F を C^1 級(>>325)の写像とする。

このとき、
f(b) - f(a) = ∫[a, b] f’(x) dx

証明
t ∈ [a, b] のとき、
g(t) = ∫[a, t] f’(x) dx - f(t) とおく。

>>335より、任意の t ∈ [a, b] に対して、g’(t) = 0 である。
よって、過去スレ014の820より、g(t) は [a, b] 上で定数である。
特に、g(b) = g(a) である。
即ち、
f(b) - f(a) = ∫[a, b] f’(x) dx
証明終

338 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 21:15:21
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
f を [a, b] で定義された F における C^1 級の曲線(>>325)とする。

このとき f は長さ(>>329)をもち、その長さは ∫[a, b] |f’(x)| dx に等しい。

証明
[a, b] の任意の分割 Δ: a = s_0 < s_1 < . . . < s_n = b をとる。
>>337より、各 i に対して、
|f(s_i) - f(s_(i-1)| = |∫[s_(i-1), s_i] f’(x) dx|
≦ ∫[s_(i-1), s_i] |f’(x)| dx

よって、
S(Δ) = Σ|f(s_i) - f(s_(i-1)|
≦ Σ∫[s_(i-1), s_i] |f’(x)| dx = ∫[a, b] |f’(x)| dx

よって、
L ≦ ∫[a, b] |f’(x)| dx

逆向きの不等号を証明しよう。
[a, b] はコンパクトだから f(t) および |f(t)| は [a, b] において一様連続である。
よって、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|t_1 - t_2| < δ なら
|f’(t_1) - f’(t_2)| < ε かつ ||f’(t_1)| - |f’(t_2)|| < ε となる。

[a, b] の分割 Δ: a = s_0 < s_1 < . . . < s_n = b で
sup{|s_i - s_(i-1)|; i = 1, . . ., n} < δ となるものをとる。

(続く)

339 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 21:16:46
>>338の続き

∫[a, b] |f’(t)| dt - S(Δ)
= Σ(∫[s_(i-1), s_i] |f’(t)| dt - |f(s_i) - f(s_(i-1)|)
= Σ(∫[s_(i-1), s_i] |f’(t)| dt - |∫[s_(i-1), s_i] f’(t) dt||)
= Σ(A_i - |B_i|)

ここで、
A_i = ∫[s_(i-1), s_i] |f’(t)| dt
B_i = ∫[s_(i-1), s_i] f’(t) dt
とおいた。

|B_i| ≦ A_i である。

|A_i - |f’(s_i)|(s_i - s_(i-1))|
≦ ∫[s_(i-1), s_i] ||f’(t)| - |f’(s_i)|| dt
≦ ε(s_i - s_(i-1))

|B_i - f’(s_i)(s_i - s_(i-1))|
≦ ∫[s_(i-1), s_i] |f’(t) - f’(s_i)| dt
≦ ε(s_i - s_(i-1))

よって、
||B_i| - |f’(s_i)|(s_i - s_(i-1))| ≦ ε(s_i - s_(i-1))

A_i - |B_i| = |A_i - |B_i|| =
|A_i - |f’(s_i)|(s_i - s_(i-1)) + |f’(s_i)|(s_i - s_(i-1)) - |B_i||
≦ |A_i - |f’(s_i)|(s_i - s_(i-1))| + ||B_i| - |f’(s_i)|(s_i - s_(i-1))|
≦ 2ε(s_i - s_(i-1))

(続く)

340 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/16(土) 21:17:29
>>339の続き

よって、
∫[a, b] |f’(t)| dt - S(Δ) = Σ(A_i - |B_i|)
≦ Σ2ε(s_i - s_(i-1)) = 2ε(b - a)

よって、
∫[a, b] |f’(t)| dt - 2ε(b - a) ≦ S(Δ) ≦ L

ε > 0 は任意だから
∫[a, b] |f’(t)| dt ≦ L
証明終

341 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 09:32:20
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: [a, b] → F を
区分的に C^1 級(>>326)であるとする。

定義(>>326)より、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
f’(t) は各区間 [t_(i-1), t_i] で C^1 級(>>325)である。

よって、f’(x) は有限個の点 t_1, . . ., t_(n-1) を除いて連続であるから
Lebesgue可測(過去スレ008の176)である。

f’(t) は各区間 [t_(i-1), t_i] で積分可能であるから [a, b] 上でも
積分可能である。
よって、∫[a, b] f’(x) dx が意味を持ち
∫[a, b] f’(x) dx = Σ∫[t_(i-1), t_i] f’(x) dx となる。

342 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 09:43:40
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
f を [a, b] で定義された F における区分的に C^1 級の曲線(>>327)とする。

このとき f は長さ(>>329)をもち、その長さは ∫[a, b] |f’(x)| dx に等しい。

証明
f は区分的に C^1 級(>>326)であるから、
[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
f’(t) は各区間 [t_(i-1), t_i] で C^1 級(>>325)である。

f を各区間 [t_(i-1), t_i] に制限した写像を f_i とする。
>>338より、各 f_i は長さをもち、
その長さ L_i は ∫[t_(i-1), t_i] |f’(x)| dx に等しい。

>>333より、f は長さ L をもち、L = ΣL_i である。

他方、>>341より、
∫[a, b] f’(x) dx = Σ∫[t_(i-1), t_i] f’(x) dx である。

よって、L = ∫[a, b] |f’(x)| dx となる。
証明終

343 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 09:47:42
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>325)とする。

このとき、t ∈ [a, b] に対して f(ψ(t))ψ’(t) ∈ F を対応させる写像は
連続であるから ∫[a, b] f(ψ(t))ψ’(t) dt が意味を持つ。
これを、f の曲線 ψ 上の積分といい、∫[ψ] f(x) dx で表す。

344 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 09:55:45
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
ψ: [a, b] → U を区分的に C^1 級の曲線(>>327)とする。

このとき、>>341と同様に ∫[a, b] f(ψ(t))ψ’(t) dt が意味を持つ。
これを、f の曲線 ψ 上の積分といい、∫[ψ] f(x) dx で表す。

345 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 10:52:42
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: [a, b] → F を連続写像とする。

Δ: a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分割(>>330)とする。
m(Δ) = sup{t_i - t_(i-1); i = 1, . . ., n} とおく。
各 i に対して、ξ_i ∈ [t_(i-1), t_i] をとる。
このとき列 (ξ_i), i = 1, . . ., n は Δ に属すという。

S(Δ, (ξ_i)) = Σf(ξ_i)(t_i - t_(i-1)) とおく。

このとき、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
m(Δ) < δ となる任意の Δ と Δ に属す (ξ_i) に対して
|∫[a, b] f(x) dx - S(Δ, (ξ_i))| < ε となる。

証明
[a, b] はコンパクトだから f は一様連続である。
よって、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
t, s ∈ [a, b] かつ |t - s| < δ なら |f(t) - f(s)| < ε/(b - a) となる。

このとき、m(Δ) < δ となる任意の Δ と Δ に属す (ξ_i) に対して

|∫[a, b] f(x) dx - S(Δ, (ξ_i))|
= |Σ∫[t_(i-1), t_i] f(x) dx - Σf(ξ_i)(t_i - t_(i-1))|
= |Σ∫[t_(i-1), t_i] (f(x) - f(ξ_i)) dx|
≦ Σ∫[t_(i-1), t_i] |f(x) - f(ξ_i)| dx
≦ (ε/(b - a))Σ(t_i - t_(i-1)) = ε
証明終

346 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 11:21:05
>>345を ∫[a, b] f(x) dx の定義に使うこともできる。
これを示そう。

347 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 11:21:46
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
[a, b] の分点 Δ と Δ に属す(>>345) ξ = (ξ_i) の対 (Δ, ξ) 全体の集合を
Ω とする。
Δ_1 ≦ Δ_2 (>>331)のとき (Δ_1, ξ_1) ≦ (Δ_2, ξ_2) と定義することにより
Ω は前順序集合(過去スレ006の139)になる。

348 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 11:55:50
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: [a, b] → F を連続写像とする。

(Δ, (ξ_i)) を Ω (>>347) の元としたとき、
m(Δ) = sup{t_i - t_(i-1); i = 1, . . ., n}
S(Δ, (ξ_i)) = Σf(ξ_i)(t_i - t_(i-1)) とおく(>>345)。

任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
m(Δ_1) < δ、m(Δ_2) < δ となる、
任意の (Δ_1, (ξ_i)), (Δ_2, (η_j)) ∈ Ω に対して
|S(Δ_1, (ξ_i)) - S(Δ_2, (η_j))| < ε となる。

証明
[a, b] はコンパクトだから f は一様連続である。
よって、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
t, s ∈ [a, b] かつ |t - s| < δ なら |f(t) - f(s)| < ε/(2(b - a)) となる。

Δ_1: a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b
Δ_2: a = s_0 < s_1 < . . . < s_m = b
とする。
Δ_1 と Δ_2 の各点を合併したものから重複する点を除いたものを Δ とする。
Δ_1 ≦ Δ、Δ_2 ≦ Δ である。
Δ: a = w_0 < w_1 < . . . < w_l = b
とする。
Δ に属す任意の列 (ζ_k) をとる。

(続く)

349 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 11:56:33
>>348の続き

t_(i-1) = w_h
t_i = w_(h+j)
とする。

|f(ξ_i)(t_i - t_(i-1)) - Σ[h+1, h+j]f(ζ_k)(w_k - w_(k-1))|
≦ Σ[h+1, h+j] |f(ξ_i) - f(ζ_k)(w_k - w_(k-1))
< (ε/(2(b - a)))(w_(h+j) - w_h)

よって、
|S(Δ_1, (ξ_i)) - S(Δ, (ζ_k))| < ε/2

同様に
|S(Δ_2, (η_j)) - S(Δ, (ζ_k))| < ε/2

よって、
|S(Δ_1, (ξ_i)) - S(Δ_2, (η_j))| < ε となる。
証明終

350 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 13:36:06
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とし、f: [a, b] → F を連続写像とする。

Δ: a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分割(>>330)とする。
m(Δ) = sup{t_i - t_(i-1); i = 1, . . ., n} とおく。
各 i に対して、ξ_i ∈ [t_(i-1), t_i] をとる。
このとき列 (ξ_i), i = 1, . . ., n は Δ に属すという。

S(Δ, (ξ_i)) = Σf(ξ_i)(t_i - t_(i-1)) とおく。

このとき、I ∈ F があり、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
m(Δ) < δ となる任意の Δ と Δ に属す (ξ_i) に対して
|I - S(Δ, (ξ_i))| < ε となる。

証明
>>348より、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
m(Δ_1) < δ、m(Δ_2) < δ となる、
任意の (Δ_1, (ξ_i)), (Δ_2, (η_j)) ∈ Ω に対して
|S(Δ_1, (ξ_i)) - S(Δ_2, (η_j))| < ε/2 となる。

(続く)

351 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 13:36:48
>>350の続き

整数 n ≧ 1 に対して [a, b] を n 等分して
s_k = a + ((b - a)/n)k, k = 0, 1, . . ., n とおく。
S_n = Σf(s_k)(s_k - s_(k-1)) とおく。

n, m > (b - a)/δ であれば>>348より、
|S_n - S_m| < ε/2 となる。
よって、(S_n), n = 1, 2, . . は Cauchy列である。
F は完備だから I = lim S_n が存在する。

上式で m → +∞ とすれば
n > (b - a)/δ のとき |I - S_n| ≦ ε/2 となる。

一方>>348より、m(Δ) < δ となる任意の Δ と Δ に属す (ξ_i) に対して
n > (b - a)/δ のとき |S_n - S(Δ, (ξ_i))| < ε/2 となる。

よって、|I - S(Δ, (ξ_i))| ≦ |I - S_n| + |S_n - S(Δ, (ξ_i))| < ε となる。
証明終

352 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 13:40:21
>>345より、>>350の I は ∫[a, b] f(x) dx に等しい。
よって、>>350 により ∫[a, b] f(x) dx を定義してもよい。

353 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 13:56:48
>>109
命題の証明が間違っているときは後で出来る限り直しています。
その場合、もとの命題のレス番号を(ほとんど必ず)書いています。
従ってある命題の証明を読む前に、その命題が後で修正されてないか
をチェックするためそのレス番号でスレ全体を検索することをお勧めします。
場合によっては別スレで直す場合もあるので全スレを検索したほうが
いいです。これはテキストエディター(例えば秀丸)を使えば簡単です。

354 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 13:59:17
>>353
>場合によっては別スレで直す場合もあるので

別スレといっても当然このシリーズのスレです。

355 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 14:24:01
命題(>>345の拡張)
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>325)とする。

Δ: a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分割(>>330)とする。
m(Δ) = sup{t_i - t_(i-1); i = 1, . . ., n} とおく。
各 i に対して、ξ_i ∈ [t_(i-1), t_i] をとる。
このとき列 (ξ_i), i = 1, . . ., n は Δ に属すという。
S(Δ, (ξ_i)) = Σf(ψ(ξ_i))(ψ(t_i) - ψ(t_(i-1))) とおく。

このとき、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
m(Δ) < δ となる任意の Δ と Δ に属す (ξ_i) に対して
|∫[ψ] f(x) dx - S(Δ, (ξ_i))| < ε となる。

証明
>>338より、ψ は長さ(>>329) L をもつ。
[a, b] はコンパクトだから f は一様連続である。
よって、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
t, s ∈ [a, b] かつ |t - s| < δ なら |f(t) - f(s)| < ε/L となる。

このとき、m(Δ) < δ となる任意の Δ と Δ に属す (ξ_i) に対して
|∫[ψ] f(x) dx - S(Δ, (ξ_i))|
= |Σ∫[t_(i-1), t_i] f(ψ(t))ψ’(t) dt - Σf(ψ(ξ_i))(ψ(t_i) - ψ(t_(i-1)))|
= |Σ∫[t_(i-1), t_i] (f(ψ(t)) - f(ψ(ξ_i)))ψ’(t) dt| ← >>337
≦ Σ∫[t_(i-1), t_i] |f(ψ(t)) - f(ψ(ξ_i))||ψ’(t)| dt
≦ (ε/L)L = ε ← >>333>>338
証明終

356 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 18:31:26
定義
R を実数体とする。
(x_1, . . ., x_n) を R^n の標準座標系とする。
即ち、各 x_i は R^n から R への第 i 番目の射影である。

U ⊂ R^n を開集合とし、ω = f_1dx_1 + . . . + f_ndx_n を U 上の
連続な1次の微分形式(過去スレ014の731)とする。
(a, b) を R の開区間とし ψ: (a, b) → U を C^1 級の写像とする。

ψ^*(ω) を ω の ψ による引き戻し(過去スレ015の165)とする。
過去スレ015の166と168より、
ψ^*(ω) = (Σψ^*(f_i)ψ^*(dx_i)) = Σ(f_i(ψ(t)))(ψ_i)’dt
となる。

よって、ψ: [a, b] → U が C^1 級の曲線のときも
ψ^*(ω) = Σ(f_i(ψ(t)))(ψ_i)’dt と定義する。

ω の曲線 ψ 上の積分 ∫[ψ] ω を
∫[ψ] ω = ∫[a, b] ψ^*(ω) = ∫[a, b] Σ(f_i(ψ(t)))(ψ_i)’dt と定義する。

357 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 18:43:38
>>356の修正

定義
R を実数体とする。
(x_1, . . ., x_n) を R^n の標準座標系とする。
即ち、各 x_i は R^n から R への第 i 番目の射影である。

U ⊂ R^n を開集合とし、ω = f_1dx_1 + . . . + f_ndx_n を U 上の
連続な1次の微分形式(過去スレ014の731)とする。
(a, b) を R の開区間とし ψ: (a, b) → U を C^1 級の写像とする。

ψ^*(ω) を ω の ψ による引き戻し(過去スレ015の165)とする。
過去スレ015の166と168より、
ψ^*(ω) = (Σψ^*(f_i)ψ^*(dx_i)) = Σ(f_i(ψ(t)))(ψ_i)’(t) dt
となる。
ここで、ψ(t) = (ψ_1(t), . . ., ψ_n(t)) である。

よって、ψ: [a, b] → U が C^1 級の曲線のときも
ψ^*(ω) = Σ(f_i(ψ(t)))(ψ_i)’(t) dt と定義する。

ω の曲線 ψ 上の積分 ∫[ψ] ω を
∫[ψ] ω = ∫[a, b] ψ^*(ω) = ∫[a, b] Σ(f_i(ψ(t)))(ψ_i)’(t) dt と定義する。

358 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/17(日) 18:46:14
>>357において、ψ: [a, b] → U が区分的に C^1 級の曲線(>>327)のときも
∫[ψ] ω が>>344と同様に定義される。

359 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 08:32:15
R を実数体とする。
(x_1, . . ., x_n) を R^n の標準座標系とする。
即ち、各 x_i は R^n から R への第 i 番目の射影である。

U ⊂ R^n を開集合とし、f: U → R を C^1 級の関数とする。
p ∈ U に対して、df(p) を f の p における微分、
即ち、過去スレ014の791で定義したものとする。

過去スレ015の4より、
p ∈ U、v = (v_1, . . ., v_n) ∈ K^n のとき
df(p)(v) = (∂f/∂x_1)(p)v_1 + . . ., + (∂f/∂x_n)(p)v_n

一方、v を多様体 U の p における接ベクトル
v_1(∂/∂x_1)(p) + . . ., + v_n(∂/∂x_n)(p) と同一視すると、
df(p)(v) = v(f) である。

よって、df(p) は p における余接ベクトル、即ち p における接空間 T_p(U) の
双対空間 T_p(U)^* の元である。

よって、df を U 上の1次微分形式(過去スレ014の731)とみなせる。
このとき、df = (∂f/∂x_1)dx_1 + . . ., + (∂f/∂x_n)dx_n である。

360 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 08:38:29
命題
R を実数体とする。
(x_1, . . ., x_n) を R^n の標準座標系とする。
即ち、各 x_i は R^n から R への第 i 番目の射影である。

U ⊂ R^n を開集合とし、f: U → R を C^1 級の関数とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>327)のする。

このとき、∫[ψ] df = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。

証明
df = (∂f/∂x_1)dx_1 + . . ., + (∂f/∂x_n)dx_n である(>>359)。
定義(>>357)より、
∫[ψ] df = ∫[a, b] d(fψ)/dt dt = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。
証明終

361 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 08:39:41
>>360
>ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>327)のする。

ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>327)とする。

362 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 08:51:29
>>360の修正

命題
R を実数体とする。
(x_1, . . ., x_n) を R^n の標準座標系とする。
即ち、各 x_i は R^n から R への第 i 番目の射影である。

U ⊂ R^n を開集合とし、f: U → R を C^1 級の関数とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>327)とする。

このとき、∫[ψ] df = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。

証明
df = (∂f/∂x_1)dx_1 + . . ., + (∂f/∂x_n)dx_n である(>>359)。
よって、定義(>>357)と合成関数の微分法と>>337より、
∫[ψ] df = ∫[a, b] d(fψ)/dt dt = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。
証明終

363 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 11:38:21
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b) を実数体の有限区間とし、f: U → F を写像とする。

f が a で微分可能(>>322)であれば f は a で連続である。

証明
x ∈ [a, b) で x → a, x ≠ a のとき lim (f(x) - f(a))/(x - a) = f’(a) が
存在する。
即ち、任意の ε > 0 に対して、δ > 0 があり、
x ∈ [a, b) で x - a < δ のとき
|f(x) - f(a) - f’(a)(x - a)| < ε(x - a)

よって、
|f(x) - f(a)| ≦ |f’(a)|(x - a) + ε(x - a) = (ε + |f’(a)|)(x - a)

ここで、ε と δ を固定して、x → a とすれば、f(x) → f(a) となる。
証明終

364 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 11:40:32
>>363の修正

命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[a, b) を実数体の有限区間とし、f: [a, b) → F を写像とする。

f が a で微分可能(>>322)であれば f は a で連続である。

証明
x ∈ [a, b) で x → a, x ≠ a のとき lim (f(x) - f(a))/(x - a) = f’(a) が
存在する。
即ち、任意の ε > 0 に対して、δ > 0 があり、
x ∈ [a, b) で x - a < δ のとき
|f(x) - f(a) - f’(a)(x - a)| < ε(x - a)

よって、
|f(x) - f(a)| ≦ |f’(a)|(x - a) + ε(x - a) = (ε + |f’(a)|)(x - a)

ここで、ε と δ を固定して、x → a とすれば、f(x) → f(a) となる。
証明終

365 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 12:11:29
命題
K を実数体または複素数体とする。
F と G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U ⊂ F を開集合とし、g: U → G を写像とする。
[a, b) を実数体の有限区間とし、f: [a, b) → U を写像とする。

f が a で微分可能(>>322)で g が f(a) で微分可能なら
gf は a で微分可能であり、(gf)’(a) = dg(f(a))(f’(a)) となる。

証明
h > 0 かつ a + h ∈ [a, b) のとき、
α(h) = f(a + h) - f(a) - f’(a)h とおく。

F の 0 の近傍 V で f(a) + V ⊂ U となるものを選ぶ。
k ∈ V に対して、
β(k) = g(f(a) + k) - g(f(a)) - dg(f(a))(k)
とおく。

(続く)

366 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 12:12:12
>>365の続き

>>364、f は a で連続だから、
h を十分小さくとれば、
f(a + h) - f(a) = f’(a)h + α(h) は V に含まれる。

g(f(a + h)) = g(f(a) + f’(a)h + α(h))
= g(f(a)) + dg(f(a))(f’(a)h + α(h)) + β(f’(a)h + α(h))
= g(f(a)) + dg(f(a))(f’(a))h + dg(f(a))(α(h)) + β(f’(a)h + α(h))

|dg(f(a))(α(h)) + β(f’(a)h + α(h))|/h を評価しよう。

|dg(f(a))(α(h)) + β(f’(a)h + α(h))|/h
≦ |dg(f(a))(α(h))|/h + |β(f’(a)h + α(h))|/h

ここで、|dg(f(a))(α(h))|/h と |β(f’(a)h + α(h))|/h を別々に評価する。

|dg(f(a))(α(h))| ≦ |dg(f(a))||α(h)| だから、
|dg(f(a))(α(h))|/h ≦ |dg(f(a))||α(h)|/h

|β(f’(a)h + α(h))|/h
= (|β(f’(a)h + α(h))|/|f’(a)h + α(h)|)(f’(a)h + α(h)|/h)

|f’(a)h + α(h)|/h ≦ |f’(a)h|/h + |α(h)|/h = |f’(a)| + |α(h)|/|h| ≦ M
となる h によらない定数 M > 0 がある。

よって、
|β(f’(a)h + α(h))|/h ≦ M(|β(f’(a)h + α(h))|/|f’(a)h + α(h)|)

(続く)

367 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 12:12:55
>>366の続き

以上から、
|dg(f(a))(α(h)) + β(f’(a)h + α(h))|/h
≦ |dg(f(a))||α(h)|/h + M(|β(f’(a)h + α(h))|/|f’(a)h + α(h)|)

この右辺は h → 0 のとき 0 に近づく。
よって、
|gf(a + h) - g(f(a)) - dg(f(a)(f’(a))h|/h → 0 である。
即ち、(gf)’(a) = dg(f(a))(f’(a)) である。
証明終

368 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 12:39:56
命題
K を実数体または複素数体とする。
F と G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U ⊂ F を開集合とし、g: U → G を写像とする。
(a, b] を実数体の有限区間とし、f: (a, b] → U を写像とする。

f が b で微分可能(>>322)で g が f(b) で微分可能なら
gf は b で微分可能であり、(gf)’(b) = dg(f(b))(f’(b)) となる。

証明
>>365と同様である。

369 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 12:55:50
命題
K を実数体または複素数体とする。
F と G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U ⊂ F を開集合とし、g: U → G を C^1 級写像とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、f: [a, b] → U を C^1 級写像(>>325)とする。

このとき gf: [a, b] → G も C^1 級である。

証明
合成写像の微分(>>58)より、
t ∈ (a, b) のとき、d(gf)(t) = dg(f(t))df(t) となる。
よって、
d(gf)(t)(1) = dg(f(t))(df(t)(1))
即ち、(gf)’(t) = dg(f(t))(f’(t))

t = a または b のときも、>>365>>368 より、
(gf)’(t) = dg(f(t))(f’(t)) である。

f は C^1 級であるから f’(t) は [a, b] で連続である。
g は C^1 級であるから dg は U で連続である。
よって、(gf)’(t) は [a, b] で連続である。
よって、gf は C^1 級である。
証明終

370 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 13:09:48
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、f: [a, b] → M を写像とする。
(x_1, . . ., x_n) を f(a) の近傍における座標系とする。
写像 t → (x_1(f(t)), . . ., x_n(f(t))) ∈ R^n が
a において微分可能(>>322)のとき f は a で微分可能という。
>>365より、これは座標系のとり方によらない。

f が b で微分可能であるということも同様に定義する。

371 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 13:41:55
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、f: [a, b] → M を連続写像とする。

p ∈ [a, b] に対して (x_1, . . ., x_n) を f(p) の近傍 U における座標系とする。
f は連続であるから p を含む開区間 J で、f(J ∩ [a, b]) ⊂ U となるものがある。
J ∩ [a, b] から R^n への写像 t → (x_1(f(t)), . . ., x_n(f(t))) が
C^1 級(>>325)であるとする。
このとき f は p の近傍で C^1 級であるという。

>>369より、これは座標系 (x_1, . . ., x_n) のとり方によらない。

f が [a, b] の各点の近傍で C^1 級のとき f は [a, b] 上で C^1 級であるという。

372 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 14:29:55
命題
K を実数体または複素数体とする。
[a, b) を実数体の有限区間とし、f, g : [a, b) → K を写像とする。

f と g が a で微分可能(>>322)なら
fg は a で微分可能であり、(fg)’(a) = f’(a)g(a) + f(a)g’(a)

証明
h > 0 かつ a + h ∈ [a, b) のとき、
α(h) = f(a + h) - f(a) - f’(a)h および
β(h) = g(a + h) - g(a) - g’(a)h とおく。

h → 0、h ≠ 0 のとき、
|α(h)|/h → 0
|β(h)|/h → 0
である。

f(a + h)g(a + h) = (f(a) + f’(a)h + α(h))(g(a) + g’(a)h + β(h))
= f(a)g(a) + (f’(a)g(a) + f(a)g’(a))h + g(a)α(h) + f(a)β(h) + α(h)β(h)

ここで、
|g(a)α(h) + f(a)β(h) + α(h)β(h)|/h
≦ |g(a)||α(h)|/h + |f(a)||β(h)|/h + |α(h)||β(h)|/h

h → 0、h ≠ 0 のとき、この右辺 → 0

よって、(fg)’(a) = f’(a)g(a) + f(a)g’(a)
証明終

373 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 14:46:41
>>370の修正

定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を写像とし、
ψ は a で連続であるとする。
(x_1, . . ., x_n) を ψ(a) の近傍 U における座標系とする。
ψ は連続であるから a を含む開区間 J で、ψ(J ∩ [a, b)) ⊂ U となるものがある。
J ∩ [a, b) から R^n への写像 t → (x_1(f(t)), . . ., x_n(f(t))) が
a において微分可能(>>322)のとき f は a で微分可能という。
>>365より、これは座標系のとり方によらない。

f が b で微分可能であるということも同様に定義する。

374 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 14:58:27
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b) を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b) → M を写像とする。
ψ は a で微分可能(>>373)とする。
C^∞(ψ(a)) を ψ(a) の開近傍(個々の関数に依存)で定義された
C^∞ 級実数値関数の全体とする。

f ∈ C^∞(ψ(a)) に対して f の定義される ψ(a) の近傍を U とする。
U は座標近傍と仮定してよい。
定義(>>373)より、ψ は a で連続であるから
a を含む開区間 J で、ψ(J ∩ [a, b)) ⊂ U となるものがある。
ψ の定義域を J ∩ [a, b] に制限でした写像を同じ文字 ψ で表す。
>>365より、fψ は a で微分可能である。
(fψ)’(a) (>>322)は明らかに J のとり方によらず、f と a のみで決まる。

このとき、f に (fψ)’(a) を対応させる写像は ψ(a) における接ベクトルである。

証明
f ∈ C^∞(ψ(a)) に対して (fψ)’(a) を v(f) と書くことにする。
f, g ∈ C^∞(ψ(a)) に対して、v(fg) = v(f)g(ψ(a)) + f(ψ(a))v(g) を
証明すればよい。

>>372より、
v(fg) = ((fψ)(gψ))’(a) = (fψ)’(a)g(ψ(a)) + f(ψ(a))(gψ)’(a)
= v(f)g(ψ(a)) + f(ψ(a))v(g)
証明終

375 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 15:03:39
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を写像とする。
ψ は a で微分可能(>>373)とする。

>>374の ψ(a) における接ベクトルを ψ’(a) と書く。

ψ が b で微分可能(>>373)のとき ψ’(b) を同様に定義する。

376 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 15:20:44
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を写像とする。
a = a_0 < a_1 < . . . < a_n = b を [a, b] の分点とする。

ψ が [a, b] で連続で各区間 [a_(i-1), a_i] で C^1 級(>>371)のとき、
f は区分的に C^1 級であるという。

377 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 15:21:59
>325
>>>324より、f は [a, b] 上で連続連続である。

>>324より、f は [a, b] 上で連続である。

378 :132人目の素数さん:2010/01/18(月) 15:36:56
ちょっとしたメモ:
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★
★★★「某国民は個人ではゾンビのくせに、集団では暴力的な無責任集団」★★★

な〜んて、かなりみっともない話でんな。




379 :132人目の素数さん:2010/01/18(月) 15:44:33
猫は痴漢魔〜


380 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 18:03:59
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。

[a, b] から M への C^1 級の写像(>>371)のことを
[a, b] で定義された M における C^1 級の曲線と呼ぶ。

[a, b] で定義された M における区分的に C^1 級(>>376)の曲線も同様に定義される。

381 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 19:28:26
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
C^1 級の曲線(>>380)とする。
U と V を M の座標近傍で、ψ([a, b]) ⊂ U ∩ V とする。
(x_1, . . ., x_n) と (y_1, . . ., y_n) をそれぞれ U と V の座標系とする。

ω を U ∩ V 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。

ω = f_1dx_1 + . . ., + f_ndx_n = g_1dy_1 + . . ., + g_ndy_n
とする。
ここで、各 f_i, g_i は U ∩ V 上 上の実数値連続関数である。

ψ は C^1 級であるから各 i に対して
(x_iψ)’(t) および (y_iψ)’(t) は [a, b] 上の連続関数である。

このとき、
∫[a, b]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt = ∫[a, b]Σg_i(ψ(t))(y_iψ)’(t) dt
である。

証明
dx_i = Σ[j] (∂x_i/∂y_j)dy_j
ここで Σ[j] は j についての和を表す。
よって、
Σ[i] f_idx_i = Σ[i, j] f_i(∂x_i/∂y_j)dy_j
= Σ[j] (Σ[i] f_i(∂x_i/∂y_j))dy_j
よって、g_j = Σ[i] f_i(∂x_i/∂y_j) である。

(続く)

382 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 19:29:17
>>381の続き

ψ_i = x_iψ
φ_i = y_iψ
とおく。

合成写像の微分(>>58)および>>365と>368より、
各 t ∈ [a, b] で dψ_i/dt = Σ(∂x_i/∂y_j)dφ_j/dt

よって、各 t ∈ [a, b] で
Σf_i(ψ(t))d(ψ_i)/dt = Σ[i, j] f_i(ψ(t))(∂x_i/∂y_j)dφ_j/dt
= Σg_j(ψ(t))d(φ_j)/dt

よって、
∫[a, b]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt = ∫[a, b]Σg_i(ψ(t))(y_iψ)’(t) dt
証明終

383 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 19:33:40
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の座標近傍で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。
(x_1, . . ., x_n) を U の座標系とする。
ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
ω = f_1dx_1 + . . ., + f_ndx_n とする。
ここで、各 f_i は U 上の実数値連続関数である。

このとき、
∫[ψ] ω = Σ∫[a, b]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt とおき、
ω の曲線 ψ 上の積分という。

>>381より、これは座標近傍 U のとり方によらない。

384 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 19:43:13
実は多様体上の1次微分形式 ω は、積分 ∫[ψ] ω (>>383)が定義出来るように
定義したものである。
この理解がないと微分形式は分からない。

R^n 上の場合の積分 ∫[ψ] ω(>>357)も座標変換で不変なことがその本質であることを
認識する必要がある。

385 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 20:02:46
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
区分的に C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の座標近傍で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。
a = a_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分点とする。
ψ が各区間 [t_(i-1), t_i] で C^1 級(>>371)とする。
ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを ψ_i とおく。

このとき
∫[ψ] ω = Σ∫[ψ_i] ω である。

証明
(x_1, . . ., x_n) を U の座標系とする。
ω = f_1dx_1 + . . ., + f_ndx_n とする。

>>383より、∫[ψ] ω = Σ∫[a, b]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt である。
同様に ∫[ψ_k] ω = Σ∫[t_(i-1), t_i]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt である。

よって、∫[ψ] ω = Σ∫[ψ_i] ω である。
証明終

386 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 20:05:42
>>385の修正

補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の座標近傍で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。
a = a_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分点とする。
ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを ψ_i とおく。

このとき
∫[ψ] ω = Σ∫[ψ_i] ω である。

証明
(x_1, . . ., x_n) を U の座標系とする。
ω = f_1dx_1 + . . ., + f_ndx_n とする。

>>383より、∫[ψ] ω = Σ∫[a, b]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt である。
同様に ∫[ψ_k] ω = Σ∫[t_(i-1), t_i]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt である。

よって、∫[ψ] ω = Σ∫[ψ_i] ω である。
証明終

387 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 20:08:07
>>386
>a = a_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分点とする。

a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分点とする。

388 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 20:27:39
>>383の修正

定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の座標近傍で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。
(x_1, . . ., x_n) を U の座標系とする。
ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
ω = f_1dx_1 + . . ., + f_ndx_n とする。
ここで、各 f_i は U 上の実数値連続関数である。

このとき、
∫[ψ] ω = ∫[a, b] Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt とおき、
ω の曲線 ψ 上の積分という。

>>381より、これは座標近傍 U のとり方によらない。

389 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 20:29:18
>>386の修正

補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の座標近傍で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。

ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。

a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分点とする。
ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを ψ_i とおく。

このとき
∫[ψ] ω = Σ∫[ψ_i] ω である。

証明
(x_1, . . ., x_n) を U の座標系とする。
ω = f_1dx_1 + . . ., + f_ndx_n とする。

>>388より、∫[ψ] ω = ∫[a, b]Σf_k(ψ(t))(x_kψ)’(t) dt である。
同様に ∫[ψ_i] ω = Σ∫[t_(i-1), t_i]Σf_k(ψ(t))(x_kψ)’(t) dt
である。

よって、∫[ψ] ω = Σ∫[ψ_i] ω である。
証明終

390 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 20:30:44
>>389
>同様に ∫[ψ_i] ω = Σ∫[t_(i-1), t_i] Σf_k(ψ(t))(x_kψ)’(t) dt
>である。

同様に ∫[ψ_i] ω = ∫[t_(i-1), t_i] Σf_k(ψ(t))(x_kψ)’(t) dt
である。

391 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 20:44:41
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
C^1 級の曲線(>>380)とする。

Δ_1: a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b と
Δ_2: a = s_0 < s_1 < . . . < s_m = b
を [a, b] の2つの分割とする。

ψ([t_(i-1), t_i]) ⊂ U_i, i = 1, . . ., n
ψ([s_(j-1), s_j]) ⊂ V_j, j = 1, . . ., m
となる座標近傍 U_i, V_j があるとする。

ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを ψ_i とおき、
ψ の定義域を [s_(j-1), s_j] に制限したものを φ_j とおく。

このとき、
Σ∫[ψ_i] ω = Σ∫[φ_j] ω である。

証明
Δ_1 と Δ_2 の各点を合併したものから重複する点を除いたものを Δ とする。
Δ_1 ≦ Δ、Δ_2 ≦ Δ である(>>331)。

Δ: a = w_0 < w_1 < . . . < w_l = b
とする。

ψ の定義域を [w_(k-1), w_k] に制限したものを λ_k とおく。

(続く)

392 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 20:45:24
>>391の続き

t_(i-1) = w_h
t_i = w_(h+p)
とする。

>>389より、
∫[ψ_i] ω = Σ[h+1 ≦ k ≦ h+p] ∫[λ_k] ω である。
ここで、Σ∫[λ_k] ω は k = h + 1 から k = h + p までの和である。
よって、
Σ∫[ψ_i] ω = Σ∫[λ_k] ω である。

同様に
Σ∫[φ_j] ω = Σ∫[λ_k] ω である。

よって、
Σ∫[ψ_i] ω = Σ∫[φ_j] ω である。
証明終

393 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 20:47:47
>>391の修正

補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の開集合で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。
ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。

Δ_1: a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b と
Δ_2: a = s_0 < s_1 < . . . < s_m = b
を [a, b] の2つの分割とする。

ψ([t_(i-1), t_i]) ⊂ U_i, i = 1, . . ., n
ψ([s_(j-1), s_j]) ⊂ V_j, j = 1, . . ., m
となる座標近傍 U_i, V_j があるとする。

ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを ψ_i とおき、
ψ の定義域を [s_(j-1), s_j] に制限したものを φ_j とおく。

このとき、
Σ∫[ψ_i] ω = Σ∫[φ_j] ω である。

証明
Δ_1 と Δ_2 の各点を合併したものから重複する点を除いたものを Δ とする。
Δ_1 ≦ Δ、Δ_2 ≦ Δ である(>>331)。

Δ: a = w_0 < w_1 < . . . < w_l = b
とする。
ψ の定義域を [w_(k-1), w_k] に制限したものを λ_k とおく。

(続く)

394 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 20:48:28
>>393の続き

t_(i-1) = w_h
t_i = w_(h+p)
とする。

>>389より、
∫[ψ_i] ω = Σ[h+1 ≦ k ≦ h+p] ∫[λ_k] ω である。
ここで、Σ∫[λ_k] ω は k = h + 1 から k = h + p までの和である。
よって、
Σ∫[ψ_i] ω = Σ∫[λ_k] ω である。

同様に
Σ∫[φ_j] ω = Σ∫[λ_k] ω である。

よって、
Σ∫[ψ_i] ω = Σ∫[φ_j] ω である。
証明終

395 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 21:05:19
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。

[a, b] から M への連続写像のことを
[a, b] で定義された M における連続曲線または C^0 級の曲線と呼ぶ。

396 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 21:22:23
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
C^0 級の曲線(>>395)とする。

このとき、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ([t_(i-1), t_i]) ⊂ U_i, i = 1, . . ., n
となる座標近傍 U_i がある。

証明
このような分点が存在しないとして矛盾を導く。

a ≦ s < b となる任意の s に対して ψ(s) を含む座標近傍 U が存在する。
ψ は連続だから ψ^(-1)(U) は s を含む [a, b] の開集合である。
よって、s < t ≦ b となる t で
ψ([s, t]) が座標近傍に含まれるものが存在する。

さて、次の条件 (C) を満たす t の集合を T とする。

(C) a < t ≦ b で a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = t となる [a, t] の分点で
ψ([t_(i-1), t_i]) ⊂ U_i, i = 1, . . ., n となる座標近傍 U_i がある

(続く)

397 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/18(月) 21:23:06
>>396の続き

ψ([a, t]) が座標近傍に含まれる a < t ≦ b があるから T は空ではない。
s = sup T とおく。
任意の ε > 0 に対して、s - ε < t < s となる t ∈ T がある。
ε はいくらでも小さく出来るから ψ([t, s]) が座標近傍に含まれるように出来る。
よって、s ∈ T である。
即ち、a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = s となる [a, s] の分点で
ψ([t_(i-1), t_i]) ⊂ U_i, i = 1, . . ., n となる座標近傍 U_i がある

s = b なら補題の条件を満たすから s < b である。
この場合、s < t ≦ b となる t で
ψ([s, t]) が座標近傍に含まれるものが存在する。
よって、t ∈ T であるが、これは s = sup T に矛盾である。
証明終

398 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 10:59:28
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の開集合で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。
ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
>>396より、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ([t_(i-1), t_i]) ⊂ U_i, i = 1, . . ., n
となる座標近傍 U_i がある。
ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを ψ_i とおく。

各 i に対して ∫[ψ_i] ω は>>388で定義されている。
そこで、∫[ψ] ω = Σ∫[ψ_i] ω と定義する。
>>393より、これは分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b のとり方によらない。

∫[ψ] ω を ω の曲線 ψ 上の積分という。

399 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 11:12:33
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の開集合で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。
ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
a < c < b となる任意の c に対して ψ の [a, c] への制限を ψ_1 とし、
ψ の [c, b] への制限を ψ_2 とする。

このとき、
∫[ψ] ω = ∫[ψ_1] ω + ∫[ψ_2] ω である。

証明
>>396より、[a, c] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = c があり、
ψ([t_(i-1), t_i]) ⊂ U_i, i = 1, . . ., n
となる座標近傍 U_i がある。
ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを ψ_i とおく。

同様に [c, b] の分点 c = s_0 < s_1 < . . . < s_m = b があり、
ψ([s_(j-1), s_j]) ⊂ V_j, i = 1, . . ., m
となる座標近傍 V_j がある。
ψ の定義域を [s_(j-1), s_j] に制限したものを φ_j とおく。

定義(>>398)より、
∫[ψ_1] ω = Σ∫[ψ_i] ω
∫[ψ_2] ω = Σ∫[φ_j] ω
∫[ψ] ω = Σ∫[ψ_i] ω + Σ∫[φ_j] ω

よって、
∫[ψ] ω = ∫[ψ_1] ω + ∫[ψ_2] ω である。
証明終

400 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 11:28:45
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
区分的に C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の開集合で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。
ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。

Δ_1: a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b に対して、
ψ は各区間 [t_(i-1), t_i] で C^1 級(>>371)とする。
ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを ψ_i とおく。

Δ_2: a = s_0 < s_1 < . . . < s_m = b に対して、
ψ は各区間 [s_(j-1), s_j] で C^1 級(>>371)とする。
ψ の定義域を [s_(j-1), s_j] に制限したものを φ_j とおく。

このとき、
Σ∫[ψ_i] ω = Σ∫[φ_j] ω である。

証明
Δ_1 と Δ_2 の各点を合併したものから重複する点を除いたものを Δ とする。
Δ_1 ≦ Δ、Δ_2 ≦ Δ である(>>331)。

Δ: a = w_0 < w_1 < . . . < w_l = b とする。
ψ の定義域を [w_(k-1), w_k] に制限したものを λ_k とおく。

(続く)

401 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 11:30:00
>>400の続き

t_(i-1) = w_h
t_i = w_(h+p)
とする。

>>399より、
∫[ψ_i] ω = Σ∫[λ_k] ω である。
ここで、Σ∫[λ_k] ω は k = h + 1 から k = h + p までの和である。
よって、
Σ∫[ψ_i] ω = Σ∫[λ_k] ω である。

同様に
Σ∫[φ_j] ω = Σ∫[λ_k] ω である。

よって、
Σ∫[ψ_i] ω = Σ∫[φ_j] ω である。
証明終

402 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 11:31:37
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
区分的に C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の開集合で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。
ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。

定義(>>380)より、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ は各区間 [t_(i-1), t_i] で C^1 級(>>371)である。
ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを ψ_i とおく。
>>398より、各 ∫[ψ_i] ω が定義される。

このとき、∫[ψ] ω = Σ∫[ψ_i] ω と定義する。
>>400より、これは上記のような分点のとり方によらない。

403 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 11:43:18
>>399の修正

命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の開集合で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。
ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
a < c < b となる任意の c に対して ψ の [a, c] への制限を ψ_1 とし、
ψ の [c, b] への制限を ψ_2 とする。

このとき、
∫[ψ] ω = ∫[ψ_1] ω + ∫[ψ_2] ω である。

証明
>>396より、[a, c] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = c があり、
ψ([t_(i-1), t_i]) ⊂ U_i, i = 1, . . ., n
となる座標近傍 U_i がある。
ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを φ_i とおく。

同様に [c, b] の分点 c = s_0 < s_1 < . . . < s_m = b があり、
ψ([s_(j-1), s_j]) ⊂ V_j, i = 1, . . ., m
となる座標近傍 V_j がある。
ψ の定義域を [s_(j-1), s_j] に制限したものを λ_j とおく。

定義(>>398)より、
∫[ψ_1] ω = Σ∫[φ_i] ω
∫[ψ_2] ω = Σ∫[λ_j] ω
∫[ψ] ω = Σ∫[φ_i] ω + Σ∫[λ_j] ω

よって、∫[ψ] ω = ∫[ψ_1] ω + ∫[ψ_2] ω である。
証明終

404 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 11:53:50
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体における有限区間とし、ψ: [a, b] → M を
区分的に C^1 級の曲線(>>380)とする。
U を M の開集合で、ψ([a, b]) ⊂ U とする。
ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
a < c < b となる任意の c に対して ψ の [a, c] への制限を ψ_1 とし、
ψ の [c, b] への制限を ψ_2 とする。

このとき、
∫[ψ] ω = ∫[ψ_1] ω + ∫[ψ_2] ω である。

証明
定義(>>380)より、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ は各区間 [t_(i-1), t_i] で C^1 級(>>371)である。
ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを φ_i とおく。
c ∈ [t_(k-1), t_k] となる k がある。

c = t_(k-1) または c = t_k の場合は命題の主張は明らかである。

よって、t_(k-1) < c < t_k と仮定する。
区間 [t_(k-1), t_k] は [t_(k-1), c] と [c, t_k] に分割され、
ψ は [t_(k-1), c] および [c, t_k] で C^1 級である。
よって、この場合も命題の主張は明らかである。
証明終

405 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 12:06:20
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
U を M の座標近傍とし、f: U → R を C^1 級の関数とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>380)とする。

このとき、
∫[ψ] df = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。

証明
(x_1, . . ., x_n) を U の座標系とする。
df = (∂f/∂x_1)dx_1 + . . ., + (∂f/∂x_n)dx_n である。

定義(>>388)より、
∫[ψ] df = ∫[a, b]Σ(∂f/∂x_i)(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt

この右辺 = ∫[a, b] d(fψ)/dt dt = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。
証明終

406 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 13:04:00
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
U を M の開集合とし、f: U → R を C^1 級の関数とする。
ψ: [a, b] → U を区分的に C^1 級の曲線(>>380)とする。

このとき、
∫[ψ] df = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。

証明
定義(>>380)より、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ は各区間 [t_(i-1), t_i] で C^1 級(>>371)である。
ψ の [t_(i-1), t_i] への制限を ψ_i とする。

>>404より、
∫[ψ] df = Σ∫[ψ_i] df である。
各 i に対して ∫[ψ_i] df = f(ψ(t_i)) - f(ψ(t_(i-1))) であれば、
∫[ψ] df = Σ∫[ψ_i] df = Σ(f(ψ(t_i)) - f(ψ(t_(i-1))) = f(ψ(b)) - f(ψ(a))
となる。
よって、初めから ψ: [a, b] → U は C^1 級の曲線(>>380)と仮定してよい。

>>396より、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ([t_(i-1), t_i]) ⊂ U_i, i = 1, . . ., n
となる座標近傍 U_i がある。
ψ の [t_(i-1), t_i] への制限を ψ_i とする。
ψ は C^1 級であるから ψ_i も C^1 級である。
よって、>>405より、∫[ψ_i] df = f(ψ(t_i)) - f(ψ(t_(i-1))) である。
よって、
∫[ψ] df = Σ∫[ψ_i] df = Σ(f(ψ(t_i)) - f(ψ(t_(i-1))) = f(ψ(b)) - f(ψ(a))
である。
証明終

407 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 14:09:43
命題(1変数の積分の変数変換)
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
[a, b] を実数体 R における有限区間とし、
f: [a, b] → F を連続写像とする。

[c, d] を実数体 R における有限区間とし、
φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
φ([c, d]) ⊂ [a, b] で、
a = φ(c)、b = φ(d) とする。

このとき、
∫[a, b] f(s) ds = ∫[c, d] f(φ(t))φ’(t) dt

証明
F(t) = ∫[a, t] f(s) ds とおく。

>>335より、各 t ∈ [a, b] に対して F’(t) = f(t) である。
φ([c, d]) ⊂ [a, b] だから合成関数 Fφ が意味をもつ。

合成写像の微分(>>55>>365>>368)より、
各 t ∈ [a, b] において、d(Fφ)/dt = f(φ(t))φ’(t)
よって、>>337より、
∫[c, d] f(φ(t))φ’(t) dt = F(φ(d)) - F(φ(c)) = F(b) - F(a)
= ∫[a, b] f(s) ds
証明終

408 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 14:14:40
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
U を M の座標近傍とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>380)とする。

[c, d] を実数体 R における有限区間とし、
φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
φ([c, d]) ⊂ [a, b] で、
a = φ(c)、b = φ(d) とする。

このとき、
∫[ψ] ω = ∫[ψφ] ω

証明
(x_1, . . ., x_n) を U の座標系とする。
ω = f_1dx_1 + . . ., + f_ndx_n とする。

>>383より、
∫[ψφ] ω = ∫[c, d] Σ(f_i(ψ(φ(s))))(x_i(ψφ))’(s) ds

1変数の積分の変数変換公式(>>407)より、
∫[c, d] Σ(f_i(ψ(φ(s))))(x_i(ψφ))’(s) ds
= ∫[c, d] Σ(f_i(ψ(φ(s))))(x_i(ψ)’(φ(s)) φ’(s) dt
= Σ∫[a, b]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt
= ∫[ψ] ω
証明終

409 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/19(火) 14:29:47
補題
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ (a, b) のとき φ’(t) > 0 であり、
a = φ(c)、b = φ(d) とする。

このとき、[a, b] = φ([c, d]) である。

証明
c ≦ s < t ≦ d となる任意の s, t に対して
平均値の定理より (φ(t) - φ(s))/(t - s) = φ’(θ) となる
s < θ < t がある。
仮定より、φ’(θ) > 0 であるから
φ(t) > φ(s) である。
即ち φ は [c, d] において狭義単調増加である。
よって、c < s < d となる任意の s に対して、
a = φ(c) < φ(s) < φ(d) = b
よって、φ([c, d]) ⊂ [a, b] である。

他方、中間値の定理より、[a, b] ⊂ φ([c, d]) である。
証明終

410 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 09:56:16
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
U を M の開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>380)とする。

φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ (a, b) のとき φ’(t) > 0 であり、
a = φ(c)、b = φ(d) とする。

このとき、
∫[ψ] ω = ∫[ψφ] ω

証明
>>396より、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ([t_(i-1), t_i]) ⊂ U_i, i = 1, . . ., n
となる座標近傍 U_i がある。

>>409の証明よりより、φ は [c, d] から [a, b] への全単射であるから
[c, d] の分点 c = s_0 < s_1 < . . . < s_n = d があり、
各 i に対して、t_i = φ(s_i) かつ φ([s_(i-1), s_i]) = [t_(i-1), t_i] となる。
ψ の [t_(i-1), t_i] への制限を ψ_i とし、φ の [s_(i-1), s_i] への制限を φ_i とする。

>>408より、
∫[ψ_i] ω = ∫[ψ_iφ_i] ω

>>389より、
∫[ψ] ω = Σ∫[ψ_i] ω
∫[ψφ] ω = Σ∫[ψ_iφ_i] ω

よって、
∫[ψ] ω = ∫[ψφ] ω
証明終

411 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 10:39:42
>>409
>t ∈ (a, b) のとき φ’(t) > 0 であり、

t ∈ (c, d) のとき φ’(t) > 0 であり、


412 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 10:40:36
補題
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
f: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
各 t ∈ [c, d] に対して f’(t) > 0 であり、
a = f(c)、b = f(d) とする。

このとき、f は [c, d] から [a, b] への全単射であり、
その逆写像 g は C^1 級である。

証明
>>409の証明よりより、f は [c, d] から [a, b] への全単射である。
[c, d] はコンパクトであるから f は閉写像である。
よって、g は連続である。

s, s_0 ∈ [c. d] で s ≠ s_0 とする。
t = g(s)
t_0 = g(s_0)
とおく。

(g(s) - g(s_0))/(s - s_0) = (t - t_0)/(f(t) - f(t_0))
である。

g は連続であるから、s → s_0 のとき、t → t_0 である。
f’(t_0) ≠ 0 であるから両辺の有限な極限が存在し、
g’(s_0) = 1/f’(t_0) である。

よって、g は C^1 級である。

413 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 10:45:19
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
ψ_1: [a, b] → M と ψ_2: [c, d] → M を C^1 級の曲線(>>380)とする。

φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ [c, d] のとき φ’(t) > 0 であり、
a = φ(c)、b = φ(d) とする。

ψ_2 = ψ_1φ となるとき ψ_1 と ψ_2 は同値であるといい、
ψ_1 ≡ ψ_2 と書く。

>>412より、これは同値関係である。

414 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 10:57:44
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
ψ_1: [a, b] → M と ψ_2: [c, d] → M を区分的に C^1 級の曲線(>>380)とする。

a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分点とする。
c = s_0 < s_1 < . . . < s_n = b を [c, d] の分点とする。

ψ は各 [t_(i-1), t_i] で C^1 級とし、
ψ の [s_(i-1), s_i] への制限を ψ_i とする。

φ は各 [s_(i-1), s_i] で C^1 級とし、
φ の [s_(i-1), s_i] への制限を φ_i とする。

各 i に対して、ψ_i と φ_i が同値(>>413)なとき、
ψ_1 と ψ_2 は同値であるといい、ψ_1 ≡ ψ_2 と書く。

415 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 11:17:58
命題
>>414の関係 ψ_1 ≡ ψ_2 は同値関係である。

証明
推移律を証明すればよい。

[a, b] と [c, d] と [e, f] を実数体 R における有限区間とし、
ψ_1: [a, b] → M と ψ_2: [c, d] → M と ψ_3: [e, f] → M
を区分的に C^1 級の曲線(>>380)とし、

ψ_1 ≡ ψ_2
ψ_2 ≡ ψ_3
とする。

a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分点とする。

Δ_1: c = s_0 < s_1 < . . . < s_n = d と
Δ_2: c = u_0 < u_1 < . . . < u_m = d を [c, d] の分点とする。

e = v_0 < v_1 < . . . < v_m = f を [e, f] の分点とする。

ψ_1 は各 [t_(i-1), t_i] で C^1 級とし、
ψ_1 の [s_(i-1), s_i] への制限を ψ_(1, i) とする。

ψ_2 は各 [s_(i-1), s_i] で C^1 級とし、
ψ_2 の [s_(i-1), s_i] への制限を ψ_(2, i) ととする。
ψ_2 の [u_(j_1), u_j] への制限を φ_j とする。

ψ_3 は は各 [v_(j-1), v_j] で C^1 級とし、
ψ_3 は の [v_(j-1), v_j] への制限を ψ_(3, j) とする。

(続く)

416 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 11:18:42
>>415の続き

各 i に対して、ψ_(1, i) と ψ_(2, i) が同値(>>413)とし、
各 j に対して、φ_j と ψ_(3, j) が同値ととする。

Δ_1 と Δ_2 の各点を合併したものから重複する点を除いたものを Δ とする。
Δ_1 ≦ Δ、Δ_2 ≦ Δ である(>>331)。

Δ に対応する [a, b] の各小区間への ψ_1 の制限と
Δ に対応する [c, d] の各小区間への ψ_2 の制限は同値である。

同様に
Δ に対応する [c, d] の各小区間への ψ_2 の制限と、
Δ に対応する [e, f] の各小区間への ψ_3 の制限は同値である。

よって、ψ_1 ≡ ψ_3 である。
証明終

417 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 12:34:19
補題
X を位相空間とし、A_1, . . ., A_n をその閉集合で
X = A_1 ∪. . . ∪ A_n とする。
f: X → Y を X から位相空間 Y への写像とし、各 f|A_i は連続とする。

このとき f は連続である。

証明
F を Y の閉集合とする。
各 i に対して、f^(-1)(F) ∩ A_i は A_i の閉集合である。
A_i は閉集合であるから f^(-1)(F) ∩ A_i は X の閉集合である。
よって、f^(-1)(F) = ∪(f^(-1)(F) ∩ A_i) は閉集合である。
証明終

418 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 12:42:41
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
ψ_1: [a, b] → M と ψ_2: [c, d] → M を C^1 級の曲線(>>380)とする。
ψ_1(b) = ψ_2(c) とする。

このとき、R の任意の区間 [u, v] と u < w < v となる任意の w
に対して区分的に C^1 級の曲線(>>380) φ: [u, v] → M があり、
ψ_1 ≡ φ|[u, w] かつ ψ_2 ≡ φ|[w, v] となる。

証明
[u, w] から [a, b] への C^1 級の写像 f(t) で
t ∈ [u, w] のとき f’(t) > 0 であり、
a = f(u)、b = f(w) となるものが存在する。
例えば次のような1次関数をとればよい。
f(t) = ((b - a)/(w - u))t + a - u(b - a)/(w - u)

同様に [w, v] から [c, d] への C^1 級の同型 g(t) で
t ∈ [w, v] のとき g’(t) > 0 であり、
c = g(w)、d = g(v) となるものが存在する。

写像 φ: [u, v] → M を、
t ∈ [u, w] のとき φ(t) = ψ_1(f(t))
t ∈ [w, v] のとき φ(t) = ψ_2(g(t))
と定義する。

ψ_1(f(w)) = ψ_1(b) = ψ_2(c) = ψ_2(g(w))
であるから φ(t) は矛盾なく定義される。
>>417より、φ は連続である。
よって、φ は区分的に C^1 級である。
ψ_1 ≡ φ|[u, w] かつ ψ_2 ≡ φ|[w, v] は明らかである。
証明終

419 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 12:59:10
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
p を M の任意の点とする。

このとき p の開近傍 U があり、U の任意の2点 x, y は
U 内の C^1 級の曲線で結ばれる。
即ち、C^1 級の曲線 ψ: [a, b] → U があり、
x = ψ(a) かつ y = ψ(b) となる。

証明
V を p の座標近傍とし、x = (x_1, . . ., x_n) をその座標近傍とする。
x(V) は R^n の開集合である。
U(p, r) = {x ∈ R^n; |x - p| < r} ⊂ V となる r > 0 をとる。
U(p, r) の任意の2点は U(p, r) 内の直線で結ばれる。

このとき U = {q; |x(q) - x(p)| < r} とおけばよい。
証明終

420 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 13:08:19
命題
M を n 次元の連結なC^∞級多様体でとする。

このとき、M の任意の2点は区分的に C^1 級の曲線(>>380)で結ばれる。

証明
M の任意の点 p を固定する。
p と区分的に C^1 級の曲線(>>380)で結ばれる点の全体を U とする。
>>418>>419より U は開集合である。

同様に M - U は開集合である。
M は連結だから M = U でなければならない。
証明終

421 :132人目の素数さん:2010/01/20(水) 13:09:50
g2BU0D6YN2はErnst Eduard Kummerに失礼だと思わないの?

422 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 13:10:11
>>420
>M を n 次元の連結なC^∞級多様体でとする。

M を n 次元の連結なC^∞級多様体とする。

423 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 13:19:05
命題
M を n 次元の連結なC^∞級多様体とする。
f を M 上のC^∞級の実数値関数とする。

M の各点で df = 0 なら f は定数である。

証明
>>406>>420より明らかである。

424 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 13:30:43
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
U を M の座標近傍とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>380)とする。

φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ (c, d) のとき φ’(t) < 0 であり、
b = φ(c)、a = φ(d) とする。

このとき、
∫[ψ] ω = -∫[ψφ] ω

証明
>>408と同様である。
ただし、Σ∫[a, b]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt の代わりに
Σ∫[b, a]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt = - Σ∫[a, b]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt
が使われる。
証明終

425 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 13:40:40
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
[a, b] を実数体 R における有限区間とし、
f: [a, b] → F を連続写像とする。

[c, d] を実数体 R における有限区間とし、
φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
φ([c, d]) ⊂ [a, b] で、
b = φ(c)、a = φ(d) とする。

このとき、
∫[a, b] f(s) ds = -∫[c, d] f(φ(t))φ’(t) dt

証明
F(t) = ∫[a, t] f(s) ds とおく。

>>335より、各 t ∈ [a, b] に対して F’(t) = f(t) である。
φ([c, d]) ⊂ [a, b] だから合成関数 Fφ が意味をもつ。

合成写像の微分(>>55>>365>>368)より、
各 t ∈ [a, b] において、d(Fφ)/dt = f(φ(t))φ’(t)
よって、>>337より、
∫[c, d] f(φ(t))φ’(t) dt = F(φ(d)) - F(φ(c)) = F(a) - F(b)
= -∫[a, b] f(s) ds
証明終

426 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 13:47:46
>>424の修正

補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
U を M の座標近傍とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>380)とする。

[c, d] を実数体 R における有限区間とし、
φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
φ([c, d]) ⊂ [a, b] で、
b = φ(c)、a = φ(d) とする。

このとき、
∫[ψ] ω = -∫[ψφ] ω

証明
(x_1, . . ., x_n) を U の座標系とする。
ω = f_1dx_1 + . . ., + f_ndx_n とする。

>>383より、
∫[ψφ] ω = ∫[c, d] Σ(f_i(ψ(φ(s))))(x_i(ψφ))’(s) ds

>>425より、
∫[c, d] Σ(f_i(ψ(φ(s))))(x_i(ψφ))’(s) ds
= ∫[c, d] Σ(f_i(ψ(φ(s))))(x_i(ψ)’(φ(s)) φ’(s) dt
= -Σ∫[a, b]Σf_i(ψ(t))(x_iψ)’(t) dt
= -∫[ψ] ω
証明終

427 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 13:50:58
補題
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ (a, b) のとき φ’(t) < 0 であり、
b = φ(c)、a = φ(d) とする。

このとき、[a, b] = φ([c, d]) である。

証明
c ≦ s < t ≦ d となる任意の s, t に対して
平均値の定理より (φ(t) - φ(s))/(t - s) = φ’(θ) となる
s < θ < t がある。
仮定より、φ’(θ) < 0 であるから
φ(t) < φ(s) である。
即ち φ は [c, d] において狭義単調減少である。
よって、c < s < d となる任意の s に対して、
a = φ(c) < φ(s) < φ(d) = b
よって、φ([c, d]) ⊂ [a, b] である。

他方、中間値の定理より、[a, b] ⊂ φ([c, d]) である。
証明終

428 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 14:50:14
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
U を M の開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>380)とする。

φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ (a, b) のとき φ’(t) < 0 であり、
b = φ(c)、a = φ(d) とする。

このとき、
∫[ψ] ω = -∫[ψφ] ω

証明
>>396より、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ([t_(i-1), t_i]) ⊂ U_i, i = 1, . . ., n
となる座標近傍 U_i がある。

>>427の証明よりより、φ は [c, d] から [a, b] への狭義単調減少な全射であるから
[c, d] の分点 c = s_0 < s_1 < . . . < s_n = d があり、
各 i に対して、t_i = φ(s_(n-i)) かつ φ([s_(n-i), s_(n-i+1)]) = [t_(i-1), t_i] となる。
ψ の [t_(i-1), t_i] への制限を ψ_i とし、φ の [s_(n-i), s_(n-i+1)] への制限を φ_i とする。

>>426より、
∫[ψ_i] ω = -∫[ψ_iφ_i] ω

>>398より、
∫[ψ] ω = Σ∫[ψ_i] ω
∫[ψφ] ω = Σ∫[ψ_iφ_i] ω

よって、
∫[ψ] ω = -∫[ψφ] ω
証明終

429 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 14:59:07
>>427の修正

補題
[c, d] を実数体 R における有限区間とし、
φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ (c, d) のとき φ’(t) < 0 であり、
b = φ(c)、a = φ(d) とする。

このとき、a < b であり、[a, b] = φ([c, d]) である。

証明
c ≦ s < t ≦ d となる任意の s, t に対して
平均値の定理より (φ(t) - φ(s))/(t - s) = φ’(θ) となる
s < θ < t がある。
仮定より、φ’(θ) < 0 であるから
φ(t) < φ(s) である。
即ち φ は [c, d] において狭義単調減少である。
よって、c < s < d となる任意の s に対して、
b = φ(c) > φ(s) > φ(d) = a
よって、φ([c, d]) ⊂ [a, b] である。

他方、中間値の定理より、[a, b] ⊂ φ([c, d]) である。
証明終

430 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 15:00:40
補題
[c, d] を実数体 R における有限区間とし、
f: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
各 t ∈ [c, d] に対して f’(t) < 0 であり、
b = f(c)、a = f(d) とする。

このとき、a < b であり、f は [c, d] から [a, b] への全単射であり、
その逆写像 g は C^1 級である。

証明
>>429の証明よりより、f は [c, d] から [a, b] への全単射である。
[c, d] はコンパクトであるから f は閉写像である。
よって、g は連続である。

s, s_0 ∈ [c. d] で s ≠ s_0 とする。
t = g(s)
t_0 = g(s_0)
とおく。

(g(s) - g(s_0))/(s - s_0) = (t - t_0)/(f(t) - f(t_0))
である。

g は連続であるから、s → s_0 のとき、t → t_0 である。
f’(t_0) ≠ 0 であるから両辺の有限な極限が存在し、
g’(s_0) = 1/f’(t_0) である。

よって、g は C^1 級である。
証明終

431 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 15:03:29
>>428
>t ∈ (a, b) のとき φ’(t) < 0 であり、

t ∈ (c, d) のとき φ’(t) < 0 であり、

432 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 15:27:42
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体 R における有限閉区間とし、
ψ: [a, b] → M を区分的に C^1 級の曲線(>>380)とする。
ψ(a) = ψ(b) のとき ψ を区分的に C^1 級の閉曲線という。

433 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 15:56:22
定義(C^1級曲線(>>380)の再定義)
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
[a, b] から M への C^1 級の写像(>>371)のことを
C^1 級のパラメータ付き曲線という。

C^1 級のパラメータ付き曲線の同値類(>>413)を M におけるC^1級の曲線という。

434 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 16:05:01
定義(区分的に C^1 級の曲線(>>380)の再定義)
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
[a, b] から M への区分的に C^1 級の写像(>>376)のことを
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線という。

区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線の同値類(>>414)を
M における区分的に C^1級の曲線という。

435 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 18:17:43
>>60
>以上から、
>|S(α(h)) + β(T(h) + α(h))|/|h|
>≦ |S||α(h)|/|h| + M(|β(T(h) + α(h))|/|T(h) + α(h)|)

これは、T(h) + α(h) ≠ 0 でないと意味を成さない。
よって、>>58を修正する。

436 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 19:02:50
>>58の修正

命題(合成写像の微分)
K を自明でない絶対値(過去スレ006の414,422)をもつ可換体とする。
E, F, G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U を E の開集合とし、p ∈ U とする。
V を F の開集合とする。

f: U → V
g: V → G
を写像とし、
df(p) および dg(f(p)) が存在するとする。

このとき、d(gf)(p) が存在し、
d(gf)(p) = dg(f(p))df(p) となる。

証明
df(p) = T
dg(f(p)) = S とおく。

E の 0 の近傍 P で p + P ⊂ U となるものを選ぶ。
任意の h ∈ P に対して、
α(h) = f(p + h) - f(p) - T(h) とおく。

F の 0 の近傍 Q で f(p) + Q ⊂ U となるものを選ぶ。
k ∈ Q に対して、
β(k) = g(f(p) + k) - gf(p) - S(k)
とおく。

(続く)

437 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 19:04:10
>>436の続き

>>57より、f は p で連続だから、
P を十分小さくとれば、任意の h ∈ P に対して、
f(p + h) - f(p) = T(h) + α(h) は Q に含まれる。

gf(p + h) = g(f(p) + T(h) + α(h))
= g(f(p)) + S(T(h) + α(h)) + β(T(h) + α(h))
= g(f(p) + S(T(h)) + S(α(h)) + β(T(h) + α(h))

h → 0, h ≠ 0 のとき lim |S(α(h)) + β(T(h) + α(h))|/|h| = 0 を
証明すればよい。

|S(α(h)) + β(T(h) + α(h))|/|h| ≦ |S(α(h))|/|h| + |β(T(h) + α(h))|/|h|

よって、
h → 0, h ≠ 0 のとき lim |S(α(h))|/|h| = 0 と
lim |β(T(h) + α(h))|/|h| = 0 を証明すればよい。

|S(α(h))| ≦ |S||α(h)| だから、
|S(α(h))|/|h| ≦ |S||α(h)|/|h|
よって、h → 0, h ≠ 0 のとき lim |S(α(h))|/|h| = 0 である。

(続く)

438 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 19:04:52
>>437の続き

任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|T(h) + α(h)| < δ なら |β(T(h) + α(h))| ≦ ε|T(h) + α(h)|

h → 0 のとき、lim α(h) = 0 だから
δ_1 > 0 があり、|h| < δ_1 なら |T(h) + α(h)| < δ となる。

よって、|h| < δ_1 のとき、
|β(T(h) + α(h))| ≦ ε|T(h) + α(h)| ≦ ε(|T||h| + |α(h)|)

よって、0 < |h| < δ_1 のとき、
|β(T(h) + α(h))|/|h| ≦ ε(|T| + |α(h)|/|h|)

一方、h → 0, h ≠ 0 のとき lim |α(h)|/|h| = 0 であるから、
δ_2 > 0 があり、|h| < δ_2 のとき |α(h)| ≦ |h| となる
よって、0 < |h| < inf(δ_1, δ_2) のとき、
|β(T(h) + α(h))|/|h| ≦ ε(|T| + 1)

よって、h → 0, h ≠ 0 のとき lim |β(T(h) + α(h)|/|h| = 0
証明終

439 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 20:55:55
>>365の修正

命題
K を実数体または複素数体とする。
F と G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U ⊂ F を開集合とし、g: U → G を写像とする。
[a, b) を実数体の有限区間とし、f: [a, b) → U を写像とする。

f が a で微分可能(>>322)で g が f(a) で微分可能なら
gf は a で微分可能であり、(gf)’(a) = dg(f(a))(f’(a)) となる。

証明
dg(f(a)) = S とおく。

h > 0 かつ a + h ∈ [a, b) のとき、
即ち、0 < h < b - a のとき、
α(h) = f(a + h) - f(a) - f’(a)h とおく。

F の 0 の近傍 V で f(a) + V ⊂ U となるものを選ぶ。
k ∈ V に対して、
β(k) = g(f(a) + k) - g(f(a)) - S(k)
とおく。

(続く)

440 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 20:57:11
>>439の続き

>>364により、f は a で連続だから、0 < δ < b - a があり、
0 < h < δ なら、f(a + h) - f(a) = f’(a)h + α(h) は V に含まれる。

よって、0 < h < δ のとき、
g(f(a + h)) = g(f(a) + f’(a)h + α(h))
= g(f(a)) + S(f’(a)h + α(h)) + β(f’(a)h + α(h))
= g(f(a)) + S(f’(a))h + S(α(h)) + β(f’(a)h + α(h))

0 < h < δ, h → 0 のとき lim |S(α(h)) + β(f’(a)h + α(h))|/h = 0 を
証明すればよい。

0 < h < δ のとき、
|S(α(h)) + β(f’(a)h + α(h))|/h ≦ |S(α(h))|/h + |β(f’(a)h + α(h))|/h

よって、
0 < h < δ, h → 0 のとき lim |S(α(h))|/h = 0 と
lim |β(f’(a)h + α(h))|/h = 0 を証明すればよい。

|S(α(h))| ≦ |S||α(h)| だから、
|S(α(h))|/h ≦ |S||α(h)|/h
よって、0 < h < δ, h → 0 のとき lim |S(α(h))|/h = 0 である。

(続く)

441 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 20:57:52
>>440の続き

任意の ε > 0 に対して δ_1 > 0 があり、
|f’(a)h + α(h)| < δ_1 なら |β(f’(a)h + α(h))| ≦ ε|f’(a)h + α(h)|

0 < h < δ, h → 0 のとき、lim α(h) = 0 だから
0 < δ_2 < δ となる δ_2 があり、
0 < h < δ_2 なら |f’(a)h + α(h)| < δ_1 となる。

よって、0 < h < δ_2 のとき、
|β(f’(a)h + α(h))| ≦ ε|f’(a)h + α(h)| ≦ ε(|f’(a)|h + |α(h)|)

よって、0 < h < δ_2 のとき、
|β(T(h) + α(h))|/h ≦ ε(|f’(a)| + |α(h)|/h)

一方、0 < h < δ_2, h → 0 のとき lim |α(h)|/h = 0 であるから、
0 < δ_3 < δ_2 となる δ_3 があり、
0 < h < δ_3 のとき |α(h)| ≦ h となる
よって、0 < h < δ_3 のとき、
|β(T(h) + α(h))|/h ≦ ε(|f’(a)| + 1)

よって、0 < h < δ, h → 0 のとき lim |β(f’(a)h + α(h)|/h = 0
証明終

442 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 21:02:59
>>368の修正

命題
K を実数体または複素数体とする。
F と G を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U ⊂ F を開集合とし、g: U → G を写像とする。
(a, b] を実数体の有限区間とし、f: (a, b] → U を写像とする。

f が b で微分可能(>>322)で g が f(b) で微分可能なら
gf は b で微分可能であり、(gf)’(b) = dg(f(b))(f’(b)) となる。

証明
>>439と同様である。

443 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 21:31:40
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[c, d) を実数体の有限区間とし、g: [c, d) → F を写像とする。
[a, b) を実数体の有限区間とし、f: [a, b) → [c, d) を写像とし、
c = f(a) とする。

f が a で微分可能(>>322)で g が c で微分可能(>>322)なら
gf は a で微分可能であり、(gf)’(a) = g’(f(a))f’(a) となる。

証明
h > 0 かつ a + h ∈ [a, b) のとき、
即ち、0 < h < b - a のとき、
α(h) = f(a + h) - f(a) - f’(a)h とおく。

k ≧ 0 かつ f(a) + k ∈ [c, d) のとき、
即ち、0 ≦ k < d - c のとき、
β(k) = g(f(a) + k) - g(f(a)) - g’(f(a))k
とおく。

(続く)

444 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 21:32:27
>>443の続き

>>364により、f は a で連続だから、0 < δ < b - a があり、
0 < h < δ なら、0 ≦ f(a + h) - f(a) = f’(a)h + α(h) < d - c
よって、k = f’(a)h + α(h) とおいたとき、
k ≧ 0 で f(a) + k ∈ [c, d) となる。

よって、0 < h < δ のとき、
g(f(a + h)) = g(f(a) + f’(a)h + α(h))
= g(f(a)) + g’(f(a))(f’(a)h + α(h)) + β(f’(a)h + α(h))
= g(f(a)) + g’(f(a))(f’(a))h + g’(f(a))α(h) + β(f’(a)h + α(h))

0 < h < δ, h → 0 のとき lim |g’(f(a))α(h) + β(f’(a)h + α(h))|/h = 0 を
証明すればよい。

0 < h < δ のとき、
|g’(f(a))α(h) + β(f’(a)h + α(h))|/h
≦ |g’(f(a))α(h)|/h + |β(f’(a)h + α(h))|/h

よって、
0 < h < δ, h → 0 のとき lim |g’(f(a))α(h)|/h = 0 と
lim |β(f’(a)h + α(h))|/h = 0 を証明すればよい。

|g’(f(a))α(h)| = |g’(f(a))||α(h)| だから、
|g’(f(a))α(h)|/h = |g’(f(a))||α(h)|/h

よって、0 < h < δ, h → 0 のとき lim |g’(f(a))α(h)|/h = 0 である。

(続く)

445 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 21:33:10
>>444の続き

任意の ε > 0 に対して 0 < δ_1 < d - c があり、
|f’(a)h + α(h)| < δ_1 なら |β(f’(a)h + α(h))| ≦ ε|f’(a)h + α(h)|

0 < h < δ, h → 0 のとき、lim α(h) = 0 だから
0 < δ_2 < δ となる δ_2 があり、
0 < h < δ_2 なら |f’(a)h + α(h)| < δ_1 となる。

よって、0 < h < δ_2 のとき、
|β(f’(a)h + α(h))| ≦ ε|f’(a)h + α(h)| ≦ ε(|f’(a)|h + |α(h)|)

よって、0 < h < δ_2 のとき、
|β(f’(a)h + α(h))|/h ≦ ε(|f’(a)| + |α(h)|/h)

一方、0 < h < δ_2, h → 0 のとき lim |α(h)|/h = 0 であるから、
0 < δ_3 < δ_2 となる δ_3 があり、
0 < h < δ_3 のとき |α(h)| ≦ h となる
よって、0 < h < δ_3 のとき、
|β(f’(a)h + α(h))|/h ≦ ε(|f’(a)| + 1)

よって、0 < h < δ, h → 0 のとき lim |β(f’(a)h + α(h)|/h = 0
証明終

446 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 21:49:19
>>443の修正

命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
[c, d) を実数体の有限区間とし、g: [c, d) → F を写像とする。
[a, b) を実数体の有限区間とし、f: [a, b) → [c, d) を写像とし、
c = f(a) とする。

f が a で微分可能(>>322)で g が c で微分可能(>>322)なら
gf は a で微分可能であり、(gf)’(a) = g’(f(a))f’(a) となる。

証明
h > 0 かつ a + h ∈ [a, b) のとき、
即ち、0 < h < b - a のとき、
α(h) = f(a + h) - f(a) - f’(a)h とおく。

k ≧ 0 かつ f(a) + k ∈ [c, d) のとき、
即ち、0 ≦ k < d - c のとき、
β(k) = g(f(a) + k) - g(f(a)) - g’(f(a))k
とおく。

(続く)

447 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 21:50:06
>>446の続き

>>364により、f は a で連続だから、0 < δ < b - a があり、
0 < h < δ なら、0 ≦ f(a + h) - f(a) = f’(a)h + α(h) < d - c
よって、k = f’(a)h + α(h) とおいたとき、
k ≧ 0 で f(a) + k ∈ [c, d) となる。

よって、0 < h < δ のとき、
g(f(a + h)) = g(f(a) + f’(a)h + α(h))
= g(f(a)) + g’(f(a))(f’(a)h + α(h)) + β(f’(a)h + α(h))
= g(f(a)) + g’(f(a))(f’(a))h + g’(f(a))α(h) + β(f’(a)h + α(h))

0 < h < δ, h → 0 のとき lim |g’(f(a))α(h) + β(f’(a)h + α(h))|/h = 0 を
証明すればよい。

0 < h < δ のとき、
|g’(f(a))α(h) + β(f’(a)h + α(h))|/h
≦ |g’(f(a))α(h)|/h + |β(f’(a)h + α(h))|/h

よって、
0 < h < δ, h → 0 のとき lim |g’(f(a))α(h)|/h = 0 と
lim |β(f’(a)h + α(h))|/h = 0 を証明すればよい。

|g’(f(a))α(h)| = |g’(f(a))||α(h)| だから、
|g’(f(a))α(h)|/h = |g’(f(a))||α(h)|/h

よって、0 < h < δ, h → 0 のとき lim |g’(f(a))α(h)|/h = 0 である。

(続く)

448 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 21:50:47
>>447の続き

任意の ε > 0 に対して 0 < δ_1 < d - c があり、
0 ≦ f’(a)h + α(h) < δ_1 なら |β(f’(a)h + α(h))| ≦ ε(f’(a)h + α(h))

0 < h < δ, h → 0 のとき、lim α(h) = 0 だから
0 < δ_2 < δ となる δ_2 があり、
0 < h < δ_2 なら 0 ≦ f’(a)h + α(h) < δ_1 となる。

よって、0 < h < δ_2 のとき、
|β(f’(a)h + α(h))| ≦ ε(f’(a)h + α(h)) ≦ ε(|f’(a)|h + |α(h)|)

よって、0 < h < δ_2 のとき、
|β(f’(a)h + α(h))|/h ≦ ε(|f’(a)| + |α(h)|/h)

一方、0 < h < δ_2, h → 0 のとき lim |α(h)|/h = 0 であるから、
0 < δ_3 < δ_2 となる δ_3 があり、
0 < h < δ_3 のとき |α(h)| ≦ h となる
よって、0 < h < δ_3 のとき、
|β(f’(a)h + α(h))|/h ≦ ε(|f’(a)| + 1)

よって、0 < h < δ, h → 0 のとき lim |β(f’(a)h + α(h)|/h = 0
証明終

449 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/20(水) 21:54:14
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
(c, d] を実数体の有限区間とし、g: (c, d] → F を写像とする。
(a, b] を実数体の有限区間とし、f: (a, b] → (c, d] を写像とし、
d = f(b) とする。

f が b で微分可能(>>322)で g が d で微分可能(>>322)なら
gf は b で微分可能であり、(gf)’(b) = g’(f(b))f’(b) となる。

証明
>>446と同様である。

450 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 06:50:12
>>414の修正

定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
ψ: [a, b] → M と φ: [c, d] → M を区分的に C^1 級の曲線(>>380)とする。

a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分点とする。
c = s_0 < s_1 < . . . < s_n = b を [c, d] の分点とする。

ψ は各 [t_(i-1), t_i] で C^1 級とし、
ψ の [t_(i-1), t_i] への制限を ψ_i とする。

φ は各 [s_(i-1), s_i] で C^1 級とし、
φ の [s_(i-1), s_i] への制限を φ_i とする。

各 i に対して、ψ_i と φ_i が同値(>>413)なとき、
ψ と φ は同値であるといい、ψ ≡ φ と書く。

451 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 07:08:45
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
ψ: [a, b] → M を区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>434)とする。

f:[c, d] → [a, b] を C^1 級の写像で
t ∈ [c, d] のとき f’(t) > 0 であり、
a = f(c)、b = f(d) とする。

このとき、ψf: [c, d] → M は区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線であり、
ψ と ψf は同値(>>450)である。

証明
定義(>>434)より、
[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ は各区間 [t_(i-1), t_i] で C^1 級である。
ψ の [t_(i-1), t_i] への制限を ψ_i と書く。

>>412より、f は全単射であるから
[c, d] の分点 c = s_0 < s_1 < . . . < s_n = d があり、
各 i で t_i = f(s_i) となる。
f の [s_(i-1), s_i] への制限を f_i と書く。

>>446>>449より、各 i に対して ψ_if_i は C^1 級である。
よって、ψf は区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線である。
各 i に対して ψ_i と ψ_if_i は同値(>>413)である。
よって、ψ と ψf は同値である。
証明終

452 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 07:17:56
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
ψ_1: [a, b] → M と ψ_2: [c, d] → M を
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>434)とする。
ψ_1(b) = ψ_2(c) とする。

このとき、R の任意の区間 [u, v] と u < w < v となる任意の w
に対して区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線) φ: [u, v] → M があり、
ψ_1 ≡ φ|[u, w] かつ ψ_2 ≡ φ|[w, v] となる。

証明
[u, w] から [a, b] への C^1 級の写像 f(t) で
t ∈ [u, w] のとき f’(t) > 0 であり、
a = f(u)、b = f(w) となるものが存在する。
例えば次のような1次関数をとればよい。
f(t) = ((b - a)/(w - u))t + a - u(b - a)/(w - u)

同様に [w, v] から [c, d] への C^1 級の同型 g(t) で
t ∈ [w, v] のとき g’(t) > 0 であり、
c = g(w)、d = g(v) となるものが存在する。

(続く)

453 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 07:18:38
>>452の続き

写像 φ: [u, v] → M を、
t ∈ [u, w] のとき φ(t) = ψ_1(f(t))
t ∈ [w, v] のとき φ(t) = ψ_2(g(t))
と定義する。

ψ_1(f(w)) = ψ_1(b) = ψ_2(c) = ψ_2(g(w))
であるから φ(t) は矛盾なく定義される。
>>417より、φ は連続である。

>>451より、φ|[u, w] および φ|[w, v] は
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線である。
φ は連続であるから φ は区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線である。
>>451より、ψ_1 ≡ φ|[u, w] かつ ψ_2 ≡ φ|[w, v] である。
証明終

454 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 07:30:00
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
C を M における区分的に C^1級の曲線(>>434)とする。
ψ: [a, b] → M をその代表とする。
ψ(a) および ψ(b) は C のみにより決まる。
ψ(a) を C の始点、ψ(b) を C の終点と呼ぶ。

455 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 07:31:38
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
C を M における区分的に C^1級の曲線(>>434)とする。
C の始点(>>454)と終点(>>454)が一致するとき C を区分的に C^1級の閉曲線と呼ぶ。

456 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 07:57:02
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
C_1 と C_2 をM における区分的に C^1級の曲線(>>434)とし、
C_1 の終点(>>454)と C_2 の始点(>>454)が一致するとする。
ψ_1: [a, b] → M と ψ_2: [c, d] → M をそれぞれ C_1 と C_2 の代表とする。
>>452より、このとき、R の任意の区間 [u, v] と u < w < v となる任意の w
に対して区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線 ψ: [u, v] → M があり、
ψ_1 ≡ ψ|[u, w] かつ ψ_2 ≡ ψ|[w, v] となる。
ψ により代表される区分的に C^1級の曲線を C とする。

このとき、C は C_1 と C_2 のみで決まり、ψ_1, ψ_2, ψ の選び方によらない。

証明
φ_1 と φ_2 をそれぞれ C_1 と C_2 の代表とする。
>>452より、R の任意の区間 [k, l] と k < m < l となる任意の m に対して
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線 φ: [k, l] → M があり、
φ_1 ≡ φ|[k, m] かつ φ_2 ≡ φ|[m, l] となる。

ψ_1 ≡ φ_1 であるから ψ|[u, w] ≡ φ|[k, m] である。
ψ_2 ≡ φ_2 であるから ψ|[w, v] ≡ φ|[m, l] である。

よって、ψ ≡ φ である。
証明終

457 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 08:15:31
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
C_1 と C_2 をM における区分的に C^1級の曲線(>>434)とし、
C_1 の終点(>>454)と C_2 の始点(>>454)が一致するとする。
ψ_1: [a, b] → M と ψ_2: [c, d] → M をそれぞれ C_1 と C_2 の代表とする。
>>452より、このとき、R の任意の区間 [u, v] と u < w < v となる任意の w
に対して区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線 ψ: [u, v] → M があり、
ψ_1 ≡ ψ|[u, w] かつ ψ_2 ≡ ψ|[w, v] となる。
ψ により代表される区分的に C^1級の曲線を C とする。
>>456より、C は C_1 と C_2 のみで決まり、ψ_1, ψ_2, ψ の選び方によらない。
C を C_1 + C_2 と書く。

458 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 09:07:15
>>457の修正

定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
C_1 と C_2 をM における区分的に C^1級の曲線(>>434)とし、
C_1 の終点(>>454)と C_2 の始点(>>454)が一致するとする。
ψ_1: [a, b] → M と ψ_2: [c, d] → M をそれぞれ C_1 と C_2 の代表とする。
>>452より、このとき、R の任意の区間 [u, v] と u < w < v となる任意の w
に対して区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線 ψ: [u, v] → M があり、
ψ_1 ≡ ψ|[u, w] かつ ψ_2 ≡ ψ|[w, v] となる。
ψ により代表される区分的に C^1級の曲線を C とする。
>>456より、C は C_1 と C_2 のみで決まり、ψ_1, ψ_2, ψ の選び方によらない。
C を C_1C_2 と書く。

459 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 09:52:22
補題
ψ_1: [a, b] → M と ψ_2: [c, d] → M を
それぞれ C^1 級のパラメータ付き曲線(>>433)で、
ψ_1 ≡ ψ_2 (>>413)とする。

f: [u, v] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
各 t ∈ [u, v] に対して f’(t) < 0 であり、
b = f(u)、a = f(v) とする。

g: [k, l] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
各 t ∈ [k, l] に対して g’(t) < 0 であり、
d = g(k)、c = g(l) とする。

このとき、ψ_1f ≡ ψ_2g である。

証明
ψ_1 ≡ ψ_2 であるから、
C^1 級(>>325)の写像 h: [c, d] → R で、
t ∈ [c, d] に対して h’(t) > 0 であり、
a = h(c)、b = h(d) となるものがあり、
ψ_2 = ψ_1h となる。

f: [u, v] → [a, b] の逆写像 f^(-1): [a, b] → [u, v]
と hg: [k, l] → [c, d] → [a, b] を結合したもの
φ = f^(-1)hg: [k, l] → [u, v] を考える。
各 t ∈ [k, l] に対して φ’(t) > 0 であり、
u = φ(k)、v = φ(l) である。
ψ_1fφ = ψ_1f(f^(-1)hg) = ψ_1hg = ψ_2g

よって、
ψ_1f ≡ ψ_2g
証明終

460 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 10:34:17
補題
ψ_1: [a, b] → M と ψ_2: [c, d] → M を
それぞれ区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>434)で、
ψ_1 ≡ ψ_2 (>>414)とする。

f: [u, v] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
各 t ∈ [u, v] に対して f’(t) < 0 であり、
b = f(u)、a = f(v) とする。

g: [k, l] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
各 t ∈ [k, l] に対して g’(t) < 0 であり、
d = g(k)、c = g(l) とする。

このとき、ψ_1f ≡ ψ_2g である。

証明
>>459より明らかである。

461 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 10:50:30
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
(c, d] を実数体の有限区間とし、g: (c, d] → F を写像とする。
[a, b) を実数体の有限区間とし、f: [a, b) → (c, d] を写像とし、
d = f(a) とする。

f が a で微分可能(>>322)で g が d で微分可能(>>322)なら
gf は a で微分可能であり、(gf)’(a) = g’(f(a))f’(a) となる。

証明
>>446と同様である。

462 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 11:39:15
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
C を M における区分的に C^1級の曲線(>>434)とし、
ψ: [a, b] → M を C の代表とする。

f: [u, v] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
各 t ∈ [u, v] に対して f’(t) < 0 であり、
b = f(u)、a = f(v) とする。

>>461より、
ψf: [u, v] → M は区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>434)である。

>>460より、ψf の代表する区分的に C^1級の曲線 C’は C のみで決まり、
代表 ψ および f のとり方によらない。
C’を C^(-1) と書き C の向きを逆にした曲線と呼ぶ。

463 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 11:59:27
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
C_1 と C_2 と C_3 をM における区分的に C^1級の曲線(>>434)とし、
C_1 の終点(>>454)と C_2 の始点(>>454)が一致し、
C_2 の終点と C_3 の始点が一致するとする。

このとき、(C_1C_2)C_3 = C_1(C_2C_3) である。

証明
a < b < c < d を実数とする。
ψ_1: [a, b] → M
ψ_2: [b, c] → M
ψ_3: [c, d] → M
をそれぞれ区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>434)とし、
C_1 と C_2 と C_3 はそれぞれ ψ_1、ψ_2、ψ_3 で代表されると仮定してよい。

φ: [a, d] → M を
φ|[a, b] = ψ_1
φ|[b, c] = ψ_2
φ|[c, d] = ψ_3
により定義すれば、>>417より φ は連続であるから
φ は区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線である。

φ|[a, c] は C_1C_2 を代表する。
よって、φは (C_1C_2)C_3 を代表する。

同様に、φは C_1(C_2C_3) を代表する。
よって、(C_1C_2)C_3 = C_1(C_2C_3) である。
証明終

464 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 12:10:30
補題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
ω を M 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
ψ_1: [a, b] → M と ψ_2: [c, d] → M を
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>434)とする。

ψ_1 ≡ ψ_2 のとき ∫[ψ_1] ω = ∫[ψ_2] ω である。

証明
>>410より明らかである。

465 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 12:15:17
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
ω を M 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
C を M における区分的に C^1級の曲線(>>434)とし、
ψ: [a, b] → M を C の代表とする。
>>464より、∫[ψ] ω は C のみで決まる。
よって、これを ∫[C] ω と書き ω の C 上の積分と呼ぶ。

466 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 13:02:54
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
ω を M 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
C_1 と C_2 をM における区分的に C^1級の曲線(>>434)とし、
積 C_1C_2 (>>458)が定義されるとする。

このとき、
∫[C_1C_2] ω = ∫[C_1] ω + ∫[C_2] ω である。

証明
>>404より明らかである。

467 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 13:05:24
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
ω を M 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
C を M における区分的に C^1級の曲線(>>434)とする。

このとき、
∫[C^(-1)] ω = -∫[C] ω である。

証明
>>428より明らかである。

468 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 13:16:41
定義
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
ω を M 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
ω = df となる C^1 級の実数値関数 f: M → R があるとき
ω を完全であるという。
このとき、f を ω のポテンシャル関数または原始関数という。

469 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 15:42:09
命題
M を n 次元のC^∞級多様体とする。
ω を M 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
ω が完全(>>468)であれば M 上の区分的に C^1 級の任意の閉曲線(>>455) C に対して
∫[C] ω = 0 となる。

証明
ω = df となる C^1 級の実数値関数 f: M → R がある。
>>406より、区分的に C^1 級の任意の曲線 C に対して
∫[C] ω = f(q) - f(p) である。
ここで、p と q はそれぞれ C の始点および終点である。
よって、C が閉曲線、即ち p = q であれば ∫[C] ω = 0
証明終

470 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 15:50:27
補題
M をC^∞級多様体とする。
ω を M 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
M 上の区分的に C^1 級の任意の閉曲線(>>455) C に対して ∫[C] ω = 0 とする。
p と q を M の2点とする。
C_1 と C_2 をそれぞれ p を始点とし、q を終点とする区分的に C^1 級の曲線とする。

このとき、∫[C_1] ω = ∫[C_2] ω である。

証明
C_1(C_2)^(-1) は閉曲線であるから仮定より、∫[C_1(C_2)^(-1)] ω = 0 である。
一方、>>466>>467より ∫[C_1(C_2)^(-1)] ω = ∫[C_1] ω - ∫[C_2] ω である。
よって、∫[C_1] ω = ∫[C_2] ω である。
証明終

471 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 20:05:28
補題
R を実数体とする。
U を R^n の連結開集合とする。
ω を M 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
U 上の区分的に C^1 級の任意の閉曲線(>>455) C に対して
∫[C] ω = 0 となるとする。

このとき ω は完全(>>468)である。

証明
U の任意の点 p を固定する。
U の任意の点 x に対して f(x) = ∫[C] ω とおく。
ここで、C は p を始点とし、x を終点とする区分的に C^1 級の曲線である。
M は連結だから>>420よりこのような曲線は必ず存在する。
しかも>>470より、f(x) は C の選び方によらず p のみで定まる。

df = ω を証明すれば良い。

x_0 を U の任意の点とする。
r > 0 を V = {x ∈ R^n; |x - x_0| < r} ⊂ U となるようにとる。
|h| < r となる h ∈ R^n と t ∈ [0, 1] に対して
ψ(t) = x_0 + th とおく。
ψ: [0, 1] → V は x_0 と x_0 + h を結ぶ
C^1 級のパラメータ付き曲線(>>433)である。
ψ が定めるC^1 級の曲線(>>433)を L とおく。

p と x_0 を結ぶ区分的に C^1 級の曲線のひとつを C_0 とする。
f(x_0 + h) = ∫[C_0L] ω = ∫[C_0] ω + ∫[L] ω = f(x_0) + ∫[L] ω
よって、
f(x_0 + h) - f(x_0) = ∫[L] ω である。

(続く)

472 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 20:06:22
>>471の続き

ω = Σg_idx_i とする。
ここで、各 g_i は U 上の実数値連続関数である。

∫[L] ω = ∫[ψ] ω = ∫[0, 1] Σg_i(ψ(t))(ψ_i)’(t) dt
= ∫[0, 1] Σg_i(ψ(t))h_i dt
ここで、ψ_i(t) および h_i はそれぞれ ψ(t) と h の第 i 成分である。

よって、
|f(x_0 + h) - f(x_0) - Σg_i(x_0)h_i|
= |[0, 1] ∫Σ(g_i(ψ(t)) - g_i(x_0)) h_i dt|
≦ Σ(∫[0, 1] |g_i(ψ(t)) - g_i(x_0))| dt)|h_i|

各 g_i は x_0 で連続だから、
任意の ε > 0 に対して 0 < δ < r となる δ があり、
|h| < δ なら各 i に対して |g_i(ψ(t)) - g_i(x_0))| < ε

よって、|h| < δ なら
|f(x_0 + h) - f(x_0) - Σg_i(x_0)h_i| ≦ εΣ|h_i|

よって、各 i に対して
(∂f/∂x_i)(x_0) = g_i(x_0)

x_0 は U の任意の点だから df = ω である。
証明終

473 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 21:03:45
命題
M を n 次元の連結なC^∞級多様体とする。
ω を M 上の連続な1次微分形式(過去スレ014の731)とする。
ω が完全(>>468)であるためには、
M 上の区分的に C^1 級の任意の閉曲線(>>455) C に対して
∫[C] ω = 0 となることが必要十分である。

証明
必要性は>>469で証明されているので十分性のみ証明する。
M 上の区分的に C^1 級の任意の閉曲線(>>455) C に対して ∫[C] ω = 0 とする。

M の任意の点 p_0 を固定する。
M の任意の点 p に対して f(p) = ∫[C] ω とおく。
ここで、C は p_0 を始点とし、p を終点とする区分的に C^1 級の曲線である。
M は連結だからこのような曲線は必ず存在する。
しかも>>470より、f(p) は C の選び方によらず p のみで定まる。

df = ω を証明すれば良い。

p_1 を M の任意の点とし固定する。
U を p_1 の連結な座標近傍とし、x = (x_1, . . ., x_n) をその座標系とする。
U の任意の点 p に対して、h(p) = ∫[C] ω とおく。
ここで、C は p_1 を始点とし p を終点とする
U 内の任意の区分的に C^1 級の曲線である。
>>470より、h(p) は C の選び方によらず p のみで定まる。

>>471より、U 上で dh = ω である。

(続く)

474 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/21(木) 21:04:31
>>473の続き

C_0 を p_0 を始点とし p_1 を終点とする区分的に C^1 級の曲線とする。

f(p) = ∫[C_0C] ω = ∫[C_0] ω + ∫[C] ω = ∫[C_0] ω + h(p)
よって、U 上で f と h は定数 ∫[C_0] ω の差しかない。
よって、U 上で df = dh = ω である。
よって、M 上で df = ω である。
証明終

475 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/22(金) 10:13:38
補題(Greenの公式の特別な場合)
R を実数体とする。
U を R^2 の開集合とする。
f と g を U から R への C^1 級の関数とする。
[a, b] と [c, d] を R の有限閉区間とし、Q = [a, b]×[c, d] ⊂ U とする。
Q の境界を C とする。
ここで、C は正の向きにとる。

このとき、
∫[C] fdx + gdy = ∬[Q] (∂g/∂x - ∂f/∂y) dxdy

証明
∬[Q] ∂g/∂x dxdy = ∫[c, d] (g(b, y) - g(a, y)) dy = ∫[C] g dy
∬[Q] -∂f/∂y dxdy = ∫[a, b] (f(x, c) - f(x, d)) dx = ∫[C] f dx
よって、
∫[C] fdx + gdy = ∬[Q] (∂g/∂x - ∂f/∂y) dxdy
証明終

476 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/22(金) 11:01:44
命題
R を実数体とする。
| | を R^2 のユークリッドノルムとする。
即ち、x = (x_1, x_2) ∈ R^2 のとき |x| = ((x_1)^2 + (y_1)^2)^(1/2) である。
p ∈ R^2 を中心とする半径 r の円の内部を
U = {x ∈ R^2; |x - p| < r} とする。
ω を U 上の C^1 級の1次微分形式とする。

このとき、dω = 0 なら ω は完全である。

証明
ω = fdx + gdy とする。
dω = (∂g/∂x - ∂f/∂y)dxΛdy である。
dω = 0 であるから Green の公式(>>475)より
U に含まれる任意の長方形の境界上の ω の積分は 0 である。

よって、任意の x ∈ U に対して p と x を結ぶ曲線として U 内に含まれる
x 軸また y 軸に平行な線分を連結して得られる曲線 C をとったとき
∫[C] ω は x のみで決まる(>>470参照)。
よって、F(x) = ∫[C] ω としたとき dF = ω となることは
>>471と同様に証明される。
証明終

477 :132人目の素数さん:2010/01/22(金) 20:41:05
馴染みのある命題が増えてきて面白くなってきた

478 :132人目の素数さん:2010/01/22(金) 21:50:28
メビウス反転公式の途中で
 
 
 Σd|n μ(d)Σa|n/d f(a)=Σa|nΣd|n/af(a)μ(d)

の等号成立の理由がわかりません。

どなたか教えてください。

479 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/22(金) 22:50:40
>>476の補足説明
>dω = (∂g/∂x - ∂f/∂y)dxΛdy である。

dω は過去スレ015の320で定義したものである。
そこでは ω を C^∞級としていたが C^1 級でも同様に定義出来る。

dω = (∂g/∂x - ∂f/∂y)dxΛdy は d が次数1の歪微分(過去スレ015の316)
であることと過去スレ015の320の性質から次のようにして求まる。

dω = dfΛdx + dgΛdy
= ((∂f/∂x)dx + (∂f/∂y)dy)Λdx + ((∂g/∂x)dx + (∂g/∂y)dy)Λdy
= (∂f/∂y)dyΛdx + (∂g/∂x)dxΛdy
= (∂g/∂x - ∂f/∂y)dxΛdy

480 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 08:53:58
>>355の修正
>>>338より、ψ は長さ(>>329) L をもつ。
>[a, b] はコンパクトだから f は一様連続である。
>よって、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
>t, s ∈ [a, b] かつ |t - s| < δ なら |f(t) - f(s)| < ε/L となる。

>>338より、ψ は長さ(>>329) L をもつ。
L = 0 の場合は ψ は定値写像となり命題の主張は明らかである。
よって、L ≠ 0 と仮定する。
[a, b] はコンパクトだから fψ は一様連続である。
よって、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
t, s ∈ [a, b] かつ |t - s| < δ なら |f(ψ(t)) - f(ψ(s))| < ε/L となる。

481 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 09:25:02
C を複素数体とする。
U ⊂ C を開集合とし、f: U → C を U 上の連続な複素数値関数とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級のパラメータ付き曲線(>>433)とする。
>>343により、f の ψ 上の積分 ∫[ψ] f(z) dz が定義される。

f(z) = P(z) + Q(z)i とする。
ここで、P, Q は U 上の実数値関数である。
ψ(t) = u(t) + v(t)i とする。

∫[ψ] f(z) dz = ∫[a, b] f(ψ(t))ψ’(t) dt
= ∫[a, b] (P(ψ(t)) + Q(ψ(t))i)(u’(t) + v’(t)i) dt
= ∫[a, b] (P(ψ(t))u’(t) - Q(ψ(t))v’(t)) dt
+ i∫[a, b] (P(ψ(t))v’(t) + Q(ψ(t))u’(t)) dt
= ∫[ψ] (Pdx - Qdy) + i∫[ψ] (Qdx + Pdy)

ここで ∫[ψ] (Pdx - Qdy) および ∫[ψ] (Qdx + Pdy) はそれぞれ
微分形式 Pdx - Qdy と Qdx + Pdy の ψ 上の積分(>>357)である。

482 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 10:11:57
C を複素数体とする。
U ⊂ C を開集合とし、f: U → C を U 上の複素数値関数とする。
c ∈ U とし、f は c で微分可能(>>35)とする。
>>55より、f’(c) ∈ C が定まる。
u ≠ 0 のとき ρ(u) = (f(c + u) - f(c) - f’(c))/u とおく。
u → 0 のとき ρ(u) → 0 である。

f’(c) = α + βi、ρ(u) = ε_1(u) + iε_2(u)、u = h + ki とおく。
ρ(u)u = (ε_1(u) + iε_2(u))(h + ki)
= ε_1(u)h - ε_2(u)k + i(ε_2(u)h + ε_1(u)k)
よって、f(c + u) - f(c) - f’(c)u = ρ(u)u より、

P(c + u) - P(c) - (αh - βk) = ε_1(u)h - ε_2(u)k
Q(c + u) - Q(c) - (βh + αk) = ε_2(u)h + ε_1(u)k

u → 0 のとき ρ(u) → 0 であるから、
(h, k) → 0 のとき、ε_1(u) → 0 かつ ε_2(u) → 0 である。

|ε_1(u)h - ε_2(u)k|/|(h, k)|
≦ (|ε_1(u)| + |ε_2(u)|)(|h|/|(h, k)|)

よって、(h, k) → 0 のとき、|ε_1(u)h - ε_2(u)k|/|(h, k)| → 0
よって、(∂P/∂x)(c) = α、(∂P/∂y)(c) = -β

同様に (h, k) → 0 のとき、|ε_2(u)h + ε_1(u)k|/|(h, k)| → 0
よって、(∂Q/∂x)(c) = β、(∂Q/∂y)(c) = α

よって、
(∂P/∂x)(c) = (∂Q/∂y)(c)
(∂P/∂y)(c) = -(∂Q/∂x)(c)

これを Cauchy-Riemannの関係式と言う。

483 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 10:54:40
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級の曲線(>>325)とする。
>>343により、f の ψ 上の積分 ∫[ψ] f(x) dx が定義される。

[c, d] を実数体 R における有限区間とし、
φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
φ([c, d]) ⊂ [a, b] で、
a = φ(c)、b = φ(d) とする。

このとき、
∫[ψ] f(x) dx = ∫[ψφ] f(x) dx

証明
合成写像の微分(>>55>>365>>368)より、
各 t ∈ [a, b] において、(ψφ)’(t) = ψ’(φ(t))φ’(t)

これと1変数の積分の変数変換公式(>>407)より、
∫[ψ] f(x) dx = ∫[a, b] f(ψ(t))ψ’(t) ds
= ∫[c, d] f(ψ(φ(t)))ψ’(φ(t))φ’(t) dt
= ∫[c, d] f(ψ(φ(t)))(ψφ)’(t) dt
= ∫[ψφ] f(x) dx
証明終

484 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 11:12:07
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
C^1 級のパラメータ付き曲線(>>434)とする。

ψ_1 ≡ ψ_2 (>>413)のとき ∫[ψ_1] f(x) dx = ∫[ψ_2] f(x) dx である。

証明
ψ_1 ≡ ψ_2 より、ψ_2 = ψ_1φ となる φ がある。
ここで、φ: [c, d] → R は C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ [c, d] のとき φ’(t) > 0 であり、
a = φ(c)、b = φ(d) となる。

>>409より、[a, b] = φ([c, d]) である。
よって、>>483より
∫[ψ_1] f(x) dx = ∫[ψ_1φ] f(x) dx = ∫[ψ_2] f(x) dx
証明終

485 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 11:28:08
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
[a, b] から U への C^1 級の写像(>>325)のことを
U における C^1 級のパラメータ付き曲線という。

486 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 11:29:20
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
[a, b] を実数体の有限閉区間とする。
[a, b] から U への区分的に C^1 級の写像(>>326)のことを
U における区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線という。

487 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 11:35:09
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。

φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ [c, d] のとき φ’(t) > 0 であり、
a = φ(c)、b = φ(d) とする。
>>409より、[a, b] = φ([c, d]) である。

ψ_2 = ψ_1φ となるとき ψ_1 と ψ_2 は同値であるといい、
ψ_1 ≡ ψ_2 と書く。

>>412より、これは同値関係である。

488 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 11:39:30
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とする。

a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分点とする。
c = s_0 < s_1 < . . . < s_n = b を [c, d] の分点とする。

ψ は各 [t_(i-1), t_i] で C^1 級とし、
ψ の [s_(i-1), s_i] への制限を ψ_i とする。

φ は各 [s_(i-1), s_i] で C^1 級とし、
φ の [s_(i-1), s_i] への制限を φ_i とする。

各 i に対して、ψ_i と φ_i が同値(>>487)なとき、
ψ_1 と ψ_2 は同値であるといい、ψ_1 ≡ ψ_2 と書く。

489 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 11:43:39
命題
>>488の関係 ψ_1 ≡ ψ_2 は同値関係である。

証明
>>415と同様である。

490 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 13:31:36
>>485, >>486, >>487, >>488において F は K 上のノルム空間でよい。

491 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 15:31:46
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ F を開集合とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
ψ_1: [a, b] → Uと ψ_2: [c, d] → U を
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とし、ψ_1(b) = ψ_2(c) とする。

このとき、R の任意の区間 [u, v] と u < w < v となる任意の w
に対して区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486) φ: [u, v] → U があり、
ψ_1 ≡ φ|[u, w] かつ ψ_2 ≡ φ|[w, v] となる。

証明
>>452と同様である。

492 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 15:38:28
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ F を開集合とする。
U における C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)の同値類(>>487)を
U における C^1 級の曲線という。

493 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 15:39:58
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ F を開集合とする。
U における区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)の同値類(>>488)を
U における区分的に C^1 級の曲線という。

494 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 15:43:01
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ F を開集合とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。
ψ: [a, b] → U をその代表とする。
ψ(a) および ψ(b) は C のみにより決まる。
ψ(a) を C の始点、ψ(b) を C の終点と呼ぶ。

495 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 15:44:52
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ F を開集合とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。
C の始点(>>494)と終点(>>494)が一致するとき C を U における区分的に C^1級の閉曲線と呼ぶ。

496 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 15:50:06
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ F を開集合とする。
C_1 と C_2 を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とし、
C_1 の終点(>>494)と C_2 の始点(>>494)が一致するとする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U をそれぞれ C_1 と C_2 の代表とする。
>>491より、このとき、R の任意の区間 [u, v] と u < w < v となる任意の w
に対して区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486) ψ: [u, v] → U があり、
ψ_1 ≡ ψ|[u, w] かつ ψ_2 ≡ ψ|[w, v] となる。
ψ により代表される区分的に C^1級の曲線を C とする。

このとき、C は C_1 と C_2 のみで決まり、ψ_1, ψ_2, ψ の選び方によらない。

証明
>>456と同様である。

497 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 15:52:57
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ F を開集合とする。
C_1 と C_2 を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とし、
C_1 の終点(>>494)と C_2 の始点(>>494)が一致するとする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U をそれぞれ C_1 と C_2 の代表とする。
>>491より、このとき、R の任意の区間 [u, v] と u < w < v となる任意の w
に対して区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486) ψ: [u, v] → U があり、
ψ_1 ≡ ψ|[u, w] かつ ψ_2 ≡ ψ|[w, v] となる。
ψ により代表される区分的に C^1級の曲線を C とする。
>>496より、C は C_1 と C_2 のみで決まり、ψ_1, ψ_2, ψ の選び方によらない。
C を C_1C_2 と書く。

498 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 15:59:23
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ F を開集合とする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
それぞれ区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)で、
ψ_1 ≡ ψ_2 (>>488)とする。

f: [u, v] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
各 t ∈ [u, v] に対して f’(t) < 0 であり、
b = f(u)、a = f(v) とする。

g: [k, l] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
各 t ∈ [k, l] に対して g’(t) < 0 であり、
d = g(k)、c = g(l) とする。

このとき、ψ_1f ≡ ψ_2g である。

証明
>>460と同様である。

499 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 16:33:06
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ F を開集合とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とし、
ψ: [a, b] → U を C の代表とする。

f: [u, v] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
各 t ∈ [u, v] に対して f’(t) < 0 であり、
b = f(u)、a = f(v) とする。

>>461より、
ψf: [u, v] → U は区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)である。

>>498より、ψf の代表する区分的に C^1級の曲線 C’は C のみで決まり、
代表 ψ および f のとり方によらない。
C’を C^(-1) と書き C の向きを逆にした曲線と呼ぶ。

500 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 16:35:19
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ F を開集合とする。
C_1 と C_2 と C_3 を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とし、
C_1 の終点(>>494)と C_2 の始点(>>494)が一致し、
C_2 の終点と C_3 の始点が一致するとする。

このとき、(C_1C_2)C_3 = C_1(C_2C_3) である。

証明
>>463と同様である。

501 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 18:41:33
>>484の修正

命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。

ψ_1 ≡ ψ_2 (>>487)のとき ∫[ψ_1] f(x) dx = ∫[ψ_2] f(x) dx である。

証明
ψ_1 ≡ ψ_2 より、ψ_2 = ψ_1φ となる φ がある。
ここで、φ: [c, d] → R は C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ [c, d] のとき φ’(t) > 0 であり、
a = φ(c)、b = φ(d) となる。

>>409より、[a, b] = φ([c, d]) である。
よって、>>483より
∫[ψ_1] f(x) dx = ∫[ψ_1φ] f(x) dx = ∫[ψ_2] f(x) dx
証明終

502 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 18:48:10
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R における有限区間とし、
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とする。
>>344より、∫[ψ_1] f(x) dx および ∫[ψ_2] f(x) dx が定義される。

ψ_1 ≡ ψ_2 (>>488)のとき ∫[ψ_1] f(x) dx = ∫[ψ_2] f(x) dx である。

証明
>>501より明らかである。

503 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/23(土) 19:11:53
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とし、
ψ: [a, b] → U を C の代表とする。
>>502より、∫[ψ] f(x) dx は C のみで決まる。
よって、これを ∫[C] f(x) dx と書き f の C 上の積分と呼ぶ。

504 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 07:45:01
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
C_1 と C_2 を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とし、
積 C_1C_2 (>>497)が定義されるとする。

このとき、
∫[C_1C_2] f(x) dx = ∫[C_1] f(x) dx + ∫[C_2] f(x) dx である。

証明
定義(>>497>>503)より明らかである。

505 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 08:12:11
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。

φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ (a, b) のとき φ’(t) < 0 であり、
b = φ(c)、a = φ(d) とする。

このとき、
∫[ψ] f(x) dx = -∫[ψφ] f(x) dx

証明
定義(>>343)より、
∫[ψφ] f(x) dx = ∫[c, d] f(ψ(φ(t)))(ψφ)’(t) dt
= ∫[c, d] f(ψ(φ(t)))ψ’(φ(t)) φ’(t) dt ← 合成写像の微分(>>58>>461)
= -∫[a, b] f(ψ(t))ψ’(t) dt ← >>425
= -∫[ψ] f(x) dx
証明終

506 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 08:15:06
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。

このとき、
∫[C^(-1)] f(x) dx = -∫[C] f(x) dx である。

証明
C^(-1)の定義(>>499)と>>505より明らかである。

507 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 08:31:14
Banach空間上における曲線上の積分(>>503)を定義したからには、
Banach空間上の微分形式を考えたくなるのは自然であろう。

508 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 08:33:55
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
F’をその双対空間(過去スレ009の65)とする。
即ち F’は F から K への連続な線形写像全体である。
過去スレ014の829より、F’はその標準的ノルムで Banach空間となる。

U ⊂ F を開集合とし、ω: U → F’を C^r 級写像(0 ≦ r ≦ ∞)とする。
このとき、ω を U 上の C^r 級の1次微分形式という。
ω が C^0 級のとき、ω は連続な1次微分形式ともいう。

509 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 08:41:46
記法
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
F’をその双対空間(過去スレ009の65)とする。
F’の元 x^* と F の元 x に対して x^*(x) を <x^*, x> または <x, x^*> と書く。

510 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 08:45:24
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
F’をその双対空間(過去スレ009の65)とする。
写像 α: F’×F → K を α(x^*, x) = <x^*, x> (>>509)により定義する。

このとき α は連続である。

証明
任意の (x^*, x) ∈ F’×F に対して
|α(x^*, x)| = |x^*(x)| ≦ |x^*||x|
よって、α は連続である。
証明終

511 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 08:55:51
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
ψ: [a, b] → U をC^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。
>>510より、t → <ω(ψ(t)), ψ’(t)> は [a. b] 上の連続関数である。

ω の ψ 上の積分 ∫[ψ] ω を
∫[ψ] ω = ∫[a, b] <ω(ψ(t)), ψ’(t)> dt と定義する。

512 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 15:52:17
補題
K を実数体または複素数体とする。
E, F, G を K 上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし、f : U → F を C^k 級(0 ≦ k < ∞)の写像(>>100)とする。
T: F → G を連続な線型写像とする。

このとき、Tf: U → G は C^k 級である。

証明
k に関する帰納法による。
k = 0 のときは明らかである。
k ≧ 1 とする。

合成写像の微分(>>58)より
p ∈ U のとき d(Tf)(p) = dT(f(p))df(p)

一方、dT(f(p)) = T であるから
d(Tf)(p) = Tdf(p)

L(E, F) から L(E, G) への写像 α を α(S) = TS で定義する。
α は連続線型写像である。
p ∈ U のとき d(Tf)(p) = α(df(p)) である。
df は C^(k-1) 級であるから帰納法の仮定より、d(Tf) は C^(k-1) 級である。
よって、Tf は C^k 級である。
証明終

513 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 15:54:18
命題
K を実数体または複素数体とする。
E, F, G, H を K 上のノルム空間とする。
U を E の開集合とし、
f : U → F
g : U → G
をそれぞれ C^k 級(0 ≦ k < ∞)の写像(>>100)とする。
B: F×G → H を連続な双線型写像とする。
B(f, g): U → H を B(f, g)(p) = B(f(p), g(p)) により定義する。

このとき、B(f, g): U → H は C^k 級の写像である。

証明
k に関する帰納法による。
k = 0 のときは明らかである。
k ≧ 1 とする。

α: F → L(G, H) を α(x)(y) = B(x, y) により定義する。
β: G → L(F, H) を β(y)(x) = B(x, y) により定義する。
α および β は連続線型写像である。

Leibnizの公式(過去スレ014の808)より、
p ∈ U, v ∈ E のとき、
d(B(f, g))(p)(v) = B(f(p), dg(p)(v)) + B(df(p)(v), g(p))
よって、
d(B(f, g))(p)(v) = α(f(p))(dg(p)(v)) + β(g(p))(df(p)(v))

よって、
d(B(f, g))(p) = α(f(p))dg(p) + β(g(p))df(p)
p → α(f(p)) は f と連続線型写像 α の合成であるから>>512より C^k 級である。

(続く)

514 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 15:55:01
>>513の続き

L(E, G)×L(G, H) から L(E, H) への写像 (T, S) = ST は連続線型写像であるから
帰納法の仮定より p → α(f(p))dg(p) は C^(k-1) 級である。

同様に p → β(g(p))df(p) は C^(k-1) 級である。

よって、p → d(B(f, g))(p) は C^(k-1) 級である。
よって、p → B(f, g)(p) は C^k 級である。
証明終

515 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 16:03:18
命題
K を実数体または複素数体とする。
E, F, G を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ E と V ⊂ F をそれぞれ E と F の開集合とする。
f : U → V
g : V → G
をそれぞれ C^k 級(0 ≦ k < ∞)の写像(>>100)とする。

このとき合成写像 gf: U → G は C^k 級である。

証明
k に関する帰納法による。
k = 0 のときは明らかである。
k ≧ 1 とする。

合成写像の微分公式(>>58)より
p ∈ U のとき d(gf)(p) = dg(f(p))df(p)

dg は C^(k-1) 級であるから帰納法の仮定より、p → dg(f(p)) は C^(k-1) 級である。

L(E, F)×L(F, G) から L(E, F) への写像 (T, S) = ST は連続線型写像であるから
>>513より、p → dg(f(p))df(p) は C^(k-1) 級である。
よって、gf: U → G は C^k 級である。
証明終

516 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 16:20:21
定義
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
V ⊂ E および U ⊂ F をそれぞれ E と F の開集合とする。
ω を U 上の C^k 級(0 ≦ k ≦ ∞)の1次微分形式(>>508)とする。
f: V → U を C^(k+1) 級(k = ∞のときは C^∞級)の写像とする。

各 p ∈ V に対して df(p) (>>40) は L(E, F) の元である。
一方、ω(f(p)) ∈ L(F, K) である。
よって、ω(f(p))df(p) ∈ L(E, K)

L(E, F)×L(F, K) から L(E, K) への写像 (T, S) = ST は連続線型写像であるから
>>513より、p → ω(f(p))df(p) は C^k 級である。

よって、p → ω(f(p))df(p) は V 上の C^k 級の1次微分形式である。
これを f^*(ω) と書き引き ω の f による引き戻し(pull-back)と呼ぶ
(過去スレ015の165参照)。

517 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 17:40:15
命題
K を実数体または複素数体とする。
E と F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
V ⊂ E および U ⊂ F をそれぞれ E と F の開集合とする。
ω を U 上の C^k 級(0 ≦ k ≦ ∞)の1次微分形式(>>508)とする。
f: V → U を C^(k+1) 級(k = ∞のときは C^∞級)の写像とする。
f^*(ω) (>>516) は C^k 級である(>>516)。

φ: [a, b] → V を C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。
合成写像の微分公式(>>58>>439>>442)より、
各 t ∈ [a, b] において、(fφ)’(t) = df(φ(t))φ’(t)
f は少なくとも C^1 級であるから fφ: [a, b] → U は
C^1 級のパラメータ付き曲線である。
よって、∫[φ] f^*(ω) および ∫[fφ] ω が定義される(>>511)。

このとき、∫[φ] f^*(ω) = ∫[fφ] ω である。

証明
∫[φ] f^*(ω)
= ∫[a, b] <ω(f(φ(t)))df(φ(t)), φ’(t)> dt
= ∫[a, b] <ω(f(φ(t)), df(φ(t))(φ’(t))> dt
= ∫[a, b] <ω(f(φ(t)), (fφ)’(t)> dt
= ∫[fφ] ω
証明終

518 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 17:58:14
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
ψ: [a, b] → U を区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とする。

定義(>>486)より、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ’(t) は各区間 [t_(i-1), t_i] で C^1 級(>>325)である。
>>510より、t → <ω(ψ(t)), ψ’(t)> は [t_(i-1), t_i] 上の連続関数である。

よって、t → <ω(ψ(t)), ψ’(t)> は [a, b] において、
有限個の点 t_1, . . ., t_(n-1) を除いて連続であるから
Lebesgue可測(過去スレ008の176)である。

t → <ω(ψ(t)), ψ’(t)> は は各区間 [t_(i-1), t_i] で積分可能であるから
[a, b] 上でも積分可能である。
よって、∫[a, b] <ω(ψ(t)), ψ’(t)> dt が意味を持ち
∫[a, b] <ω(ψ(t)), ψ’(t)> dt = Σ∫[t_(i-1), t_i] <ω(ψ(t)), ψ’(t)> dt
となる。

∫[a, b] <ω(ψ(t)), ψ’(t)> dt を ∫[ψ] ω と書き、ω の ψ 上の積分と言う。

519 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 18:12:25
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。
>>511により、∫[ψ] ω が定義される。

[c, d] を実数体 R における有限区間とし、
φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
φ([c, d]) ⊂ [a, b] で、
a = φ(c)、b = φ(d) とする。

このとき、
∫[ψ] ω = ∫[ψφ] ω

証明
合成写像の微分公式(>>58>>439>>442)より、
各 t ∈ [a, b] において、(ψφ)’(t) = ψ’(φ(t))φ’(t)

これと1変数の積分の変数変換公式(>>407)より、

∫[ψφ] ω
= ∫[c, d] <ω(ψ(φ(t))), (ψφ)’(t)> dt
= ∫[c, d] <ω(ψ(φ(t))), ψ’(φ(t))φ’(t)> dt
= ∫[a, b] <ω(ψ(t)), ψ’(t)> dt
= ∫[ψ] ω
証明終

520 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 19:57:37
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。

ψ_1 ≡ ψ_2 (>>487) のとき ∫[ψ_1] ω = ∫[ψ_2] ω である。

証明
>>519より明らかである。

521 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 20:01:43
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とする。

ψ_1 ≡ ψ_2 (>>488) のとき ∫[ψ_1] ω = ∫[ψ_2] ω である。

証明
>>520より明らかである。

522 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 20:04:28
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
C を U における区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とし、
ψ: [a, b] → U を C の代表とする。
>>521より、∫[ψ] ω は C のみで決まる。
よって、これを ∫[C] ω と書き ω の C 上の積分と呼ぶ。

523 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 20:09:16
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
C_1 と C_2 を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とし、
積 C_1C_2 (>>497)が定義されるとする。

このとき、
∫[C_1C_2] ω = ∫[C_1] ω + ∫[C_2] ω である。

証明
定義(>>497>>522)より明らかである。

524 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 20:15:59
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。

φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ (a, b) のとき φ’(t) < 0 であり、
b = φ(c)、a = φ(d) とする。

このとき、
∫[ψ] ω = -∫[ψφ] ω

証明
定義(>>511)より、
∫[ψφ] ω = ∫[c, d] <ω(ψ(φ(t))), (ψφ)’(t)> dt
= ∫[c, d] <ω(ψ(φ(t))), ψ’(φ(t)) φ’(t)> dt ← 合成写像の微分(>>58>>461)
= -∫[a, b] <ω(ψ(t)), ψ’(t)> dt ← >>425
= -∫[ψ] ω
証明終

525 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 20:17:24
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。

このとき、
∫[C^(-1)] ω = -∫[C] ω である。

証明
C^(-1)の定義(>>499)と>>524より明らかである。

526 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 20:26:26
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を C^k 級(1 ≦ k ≦ ∞)の関数とする。
p ∈ U に対して df(p) ∈ L(F, K) であり、
p → df(p) は C^(k-1) 級(k = ∞のときはC^∞級)である。
よって、df は U 上のC^(k-1) 級(k = ∞のときはC^∞級)の
1次微分形式(>>508)である。

527 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 20:28:55
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の C^k 級(0 ≦ k ≦ ∞)の
1次微分形式(>>508)とする。
ω = df となる C^(k+1) 級(k = ∞のときはC^∞級)の関数 f: U → K があるとき
ω を完全であるという。
このとき、f を ω のポテンシャル関数または原始関数という。

528 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 20:42:12
補題
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
ψ: [a, b] → U を区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とする。
a < c < b となる任意の c に対して ψ の [a, c] への制限を ψ_1 とし、
ψ の [c, b] への制限を ψ_2 とする。

このとき、
∫[ψ] ω = ∫[ψ_1] ω + ∫[ψ_2] ω である。

証明
定義(>>486)より、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ は各区間 [t_(i-1), t_i] で C^1 級(>>325)である。
ψ の定義域を [t_(i-1), t_i] に制限したものを φ_i とおく。
c ∈ [t_(k-1), t_k] となる k がある。

c = t_(k-1) または c = t_k の場合は命題の主張は明らかである。

よって、t_(k-1) < c < t_k と仮定する。
区間 [t_(k-1), t_k] は [t_(k-1), c] と [c, t_k] に分割され、
ψ は [t_(k-1), c] および [c, t_k] で C^1 級である。
よって、この場合も命題の主張は明らかである。
証明終

529 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 20:50:13
補題
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を C^1 級の関数とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。

このとき、
∫[ψ] df = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。

証明
∫[ψ] df = ∫[a, b] <df(ψ(t)), ψ’(t)> dt ← >>511
= ∫[a, b] df(ψ(t))(ψ’(t)) dt ← >>509
= ∫[a, b] d(fψ)/dt dt = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) ← >>337
証明終

530 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 21:23:02
命題
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を C^1 級の関数とする。
ψ: [a, b] → U を区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とする。

このとき、
∫[ψ] df = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。

証明
定義(>>486)より、[a, b] の分点 a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b があり、
ψ は各区間 [t_(i-1), t_i] で C^1 級(>>371)である。
ψ の [t_(i-1), t_i] への制限を ψ_i とする。

>>528より、∫[ψ] df = Σ∫[ψ_i] df である。
>>529より、各 i に対して ∫[ψ_i] df = f(ψ(t_i)) - f(ψ(t_(i-1))) である。
よって、
∫[ψ] df = Σ∫[ψ_i] df = Σ(f(ψ(t_i)) - f(ψ(t_(i-1))) = f(ψ(b)) - f(ψ(a))
証明終

531 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 21:50:53
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
p を F の任意の点とする。
任意の実数 r > 0 に対して
U(p, r) = {x ∈ F; |x - p| < r} とおく。

このとき U(p, r) は凸(過去スレ008の424)である。

証明
U(p, r) の任意の2点 x, y と
λ ≧ 0, μ ≧ 0, λ + μ = 1 となる任意の λ, μ に対して

|λx + μy - p|
= |λ(x - p) + μ(y - p)|
≦ λ|x - p| + μ|y - p| < (λ + μ)r = r

よって、λx + μy ∈ U(p, r)
よって、U(p, r) は凸である。
証明終

532 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 21:54:31
補題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
p を U の任意の点とする。

このとき p の開近傍 V ⊂ U があり、V 内の任意の2点 x, y は
V 内の C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)で結ばれる。
即ち、C^1 級のパラメータ付き曲線 ψ: [a, b] → V があり、
x = ψ(a) かつ y = ψ(b) となる。

証明
>>531より明らかである。

533 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 22:05:22
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U ⊂ F を連結開集合とする。

このとき、U の任意の2点は区分的に C^1 級の曲線(>>493)で結ばれる。

証明
U の任意の点 p を固定する。
p と区分的に C^1 級の曲線(>>493)で結ばれる点の全体を V とする。
>>491>>532より U は開集合である。

同様に U - V は開集合である。
U は連結で V は空でないから U = V でなければならない。
証明終

534 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 22:09:03
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U ⊂ F を連結開集合とする。
f: U → K を C^1級の関数とする。

U の各点 p で df(p) = 0 なら f は定数である。

証明
>>530>>533より明らかである。

535 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 22:14:54
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
ω が完全(>>527)であれば U 上の区分的に C^1 級の任意の閉曲線(>>495) C に対して
∫[C] ω = 0 となる。

証明
ω = df となる C^1 級の関数 f: U → K がある。
>>530より、区分的に C^1 級の任意の曲線(>>493) C に対して
∫[C] ω = f(q) - f(p) である。
ここで、p と q はそれぞれ C の始点および終点である。
よって、C が閉曲線、即ち p = q であれば ∫[C] ω = 0
証明終

536 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 22:18:06
>>534の修正

命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を連結開集合とする。
f: U → K を C^1級の関数とする。

U の各点 p で df(p) = 0 なら f は定数である。

証明
>>530>>533より明らかである。

537 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 22:19:02
>>535の修正

命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
ω が完全(>>527)であれば U 上の区分的に C^1 級の任意の閉曲線(>>495) C に対して
∫[C] ω = 0 となる。

証明
ω = df となる C^1 級の関数 f: U → K がある。
>>530より、区分的に C^1 級の任意の曲線(>>493) C に対して
∫[C] ω = f(q) - f(p) である。
ここで、p と q はそれぞれ C の始点および終点である。
よって、C が閉曲線、即ち p = q であれば ∫[C] ω = 0
証明終

538 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/24(日) 22:23:04
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
U 上の区分的に C^1 級の任意の閉曲線(>>495) C に対して ∫[C] ω = 0 とする。
p と q を M の2点とする。
C_1 と C_2 をそれぞれ p を始点とし、q を終点とする
U 上の区分的に C^1 級の曲線とする。

このとき、∫[C_1] ω = ∫[C_2] ω である。

証明
C_1(C_2)^(-1) は閉曲線であるから仮定より、∫[C_1(C_2)^(-1)] ω = 0 である。
一方、>>523>>525より ∫[C_1(C_2)^(-1)] ω = ∫[C_1] ω - ∫[C_2] ω である。
よって、∫[C_1] ω = ∫[C_2] ω である。
証明終

539 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 07:34:51
命題(>>471の拡張)
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を連結開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。
U 上の区分的に C^1 級の任意の閉曲線(>>495) C に対して
∫[C] ω = 0 となるとする。

このとき ω は完全(>>527)である。

証明
U の任意の点 p を固定する。
U の任意の点 x に対して f(x) = ∫[C] ω とおく。
ここで、C は p を始点とし、x を終点とする
U 上の区分的に C^1 級の曲線(>>493)である。
U は連結だから>>538よりこのような曲線は必ず存在する。
しかも>>470より、f(x) は C の選び方によらず p のみで定まる。

df = ω を証明すれば良い。

x_0 を U の任意の点とする。
r > 0 を V = {x ∈ F; |x - x_0| < r} ⊂ U となるようにとる。
|h| < r となる h ∈ F と t ∈ [0, 1] に対して
ψ(t) = x_0 + th とおく。
ψ: [0, 1] → V は x_0 と x_0 + h を結ぶ
C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)である。
ψ が定めるC^1 級の曲線(>>492)を L とおく。

p と x_0 を結ぶ U 上の区分的に C^1 級の曲線のひとつを C_0 とする。
f(x_0 + h) = ∫[C_0L] ω = ∫[C_0] ω + ∫[L] ω = f(x_0) + ∫[L] ω
よって、
f(x_0 + h) - f(x_0) = ∫[L] ω である。
(続く)

540 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 07:35:57
>>539の続き

∫[L] ω = ∫[ψ] ω = ∫[0, 1] <ω(ψ(t)), ψ’(t)> dt
= ∫[0, 1] <ω(x_0 + th), h> dt

よって、
|f(x_0 + h) - f(x_0) - <ω(x_0), h>|
= |∫[0, 1] <ω(x_0 + th) - ω(x_0), h> dt|
≦ ∫[0, 1] |<ω(x_0 + th) - ω(x_0), h>| dt

ω は x_0 で連続だから、
任意の ε > 0 に対して 0 < δ < r となる δ があり、
|h| < δ なら各 i に対して |ω(x_0 + th) - ω(x_0))| < ε

よって、|h| < δ なら
|<ω(x_0 + th) - ω(x_0), h>| ≦ |ω(x_0 + th) - ω(x_0))||h| < ε|h|

よって、
|f(x_0 + h) - f(x_0) - <ω(x_0), h>| ≦ ε|h|

よって、df(x_0) = ω(x_0)

x_0 は U の任意の点だから df = ω である。
証明終

541 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 09:29:40
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、ω を U 上の連続な1次微分形式(>>508)とする。

U の任意の点 p に対して p の開近傍 V ⊂ U と
V 上の C^1 級の関数 f: V → K があり、
V 上で df = ω となるとき、ω を局所的に完全であるという。

542 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 10:05:28
K を実数体または複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の連続関数とする。
1次微分形式(>>508) ω = f(x)dx を考える。
x ∈ U と v ∈ K に対して、<ω(x), v> = f(x)v である。

ψ: [a, b] → U をC^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。
>>511より、
∫[ψ] ω = ∫[a, b] <ω(ψ(t)), ψ’(t)> dt
= ∫[a, b] f(ψ(t))ψ’(t) dt

この右辺は>>343の ∫[ψ] f(x) dx である。

即ち、>>343において F = K の場合は ∫[ψ] f(x) dx は
1次微分形式 ω = f(x)dx の積分(>>508)と一致する。

543 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 10:07:35
>>542
>1次微分形式 ω = f(x)dx の積分(>>508)と一致する。

1次微分形式 ω = f(x)dx の積分(>>511)と一致する。

544 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 10:20:04
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の連続関数とする。
1次微分形式(>>508) ω = f(z)dz を考える。
ψ: [a, b] → U をC^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。
∫[ψ] f(z) dz が定義される(>>542)。

f(z) = P(x, y) + iQ(x, y) とおく。

u, v ∈ R のとき
<f(z)dz, u + vi> = (P + iQ)(u + vi) = Pu - Qv + i(Qu + Pv)

よって、
f(z)dz = (P + iQ)(dx + idy) = Pdx - Qdy + i(Qdx + Pdy)

よって、
∫[ψ] f(z) dz = ∫[ψ] (Pdx - Qdy) + i∫[ψ] (Qdx + Pdy)

これは>>481で導いたものと同じである。

545 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 10:36:04
命題(Cauchyの定理の特別な場合)
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の C^1 級の関数とする。
[a, b] と [c, d] を R の有限閉区間とし、S = [a, b]×[c, d] ⊂ U とする。
S の境界を C とする。
ここで、C は正の向き(反時計回り)にとる。

このとき、
∫[C] f(z) dz = 0

証明
f(z) = P(x, y) + iQ(x, y) とおく。
>>544より、
∫[C] f(z) dz = ∫[C] (Pdx - Qdy) + i∫[C] (Qdx + Pdy)

Cauchy-Riemannの関係式(>>482)より、P, Q は C^1 級である。
よって、Green の公式(>>475)が使えて、
∫[C] (Pdx - Qdy) = ∬[S] (-∂Q/∂x - ∂P/∂y) dxdy
∫[C] (Qdx + Pdy) = ∬[S] (∂P/∂x - ∂Q/∂y) dxdy

Cauchy-Riemannの関係式(>>482)より、
∂P/∂x = ∂Q/∂y
∂P/∂y = -∂Q/∂x

よって、
∫[C] (Pdx - Qdy) = 0
∫[C] (Qdx + Pdy) = 0

よって、
∫[C] f(z) dz = 0
証明終

546 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 12:05:43
命題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の C^1 級の関数とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。

このとき、
∫[ψ] f’(z) dz = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。

証明
df = f’(z) dz (>>542参照)であるから、>>529を F = K の場合に適用すればよい。

547 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 12:08:17
命題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の C^1 級の関数とする。
ψ: [a, b] → U を区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とする。

このとき、
∫[ψ] df = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。

証明
>>546>>530による。

548 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 12:12:26
>>547の修正

命題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の C^1 級の関数とする。
ψ: [a, b] → U を区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とする。

このとき、
∫[ψ] f’(z) dz = f(ψ(b)) - f(ψ(a)) である。

証明
>>546>>530による。

549 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 12:13:58
命題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の C^1 級の関数とする。

このとき、U 上の区分的に C^1 級の任意の閉曲線(>>495) C に対して
∫[C] f’(z) dz = 0 となる。

証明
ω = df となる C^1 級の関数 f: U → K がある。
>>548より、区分的に C^1 級の任意の曲線(>>493) C に対して
∫[C] f’(z) dz = f(q) - f(p) である。
ここで、p と q はそれぞれ C の始点および終点である。
よって、C が閉曲線、即ち p = q であれば ∫[C] f’(z) dz = 0
証明終

550 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 12:28:56
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のノルム空間とする。
U ⊂ F を開集合とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。
ψ: [a, b] → U をその代表とする。
ψ([a, b]) は C のみにより決まる。
ψ([a, b]) を |C| と書く。

551 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 13:04:05
定義
X を位相空間とし、Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
Σ を X のコンパクト部分集合全体とする。
F(X, Y) の点列 (f_n), n = 1, 2, . . . が Σ-収束の一様構造(過去スレ007の150)で
f ∈ F(X, Y) に収束するとき
(f_n) は f にコンパクト一様収束または広義一様収束するという。

552 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 13:22:29
命題(過去スレ007の169の言い換え)
X を局所コンパクト空間(過去スレ006の128)とし、
Y を一様空間(過去スレ006の194)とする。
F(X, Y) を X から Y への写像全体とする。
C(X, Y) を X から Y への連続写像全体とする。
C(X, Y) の点列 (f_n), n = 1, 2, . . . が f ∈ F(X, Y) に
コンパクト一様収束(>>551)するとする。

このとき、f ∈ C(X, Y) である。

証明
F(X, Y) におけるコンパクト収束の一様構造(過去スレ007の168)で
(f_n) は f に収束する。
一方、過去スレ007の169より、
C(X, Y) は F(X, Y) のコンパクト収束の位相(過去スレ007の168)で閉である。
よって、f ∈ C(X, Y) である。
証明終

553 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 16:54:05
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
ψ: [a, b] → U を C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。

∫[a, b] |ψ’(t)| dt を ψ の長さという(>>329, >>338参照)。

554 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 17:10:45
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。
L_1 および L_2 をそれぞれ ψ_1 と ψ_2 の長さ(>>553)とする。

ψ_1 ≡ ψ_2 のとき(>>487)、L_1 = L_2 である。

証明
ψ_2 = ψ_1φ となる φ がある。
ここで、φ: [c, d] → R は C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ [c, d] のとき φ’(t) > 0 であり、
a = φ(c)、b = φ(d) となる。

>>409より、[a, b] = φ([c, d]) である。

合成写像の微分(>>55>>365>>368)より、
各 t ∈ [a, b] において、(ψφ)’(t) = ψ’(φ(t))φ’(t)

これと1変数の積分の変数変換公式(>>407)より、
L_1 = ∫[a, b] |ψ’(t)| dt
= ∫[c, d] |ψ’(φ(t))|φ’(t) dt
= ∫[c, d] |ψ’(φ(t))φ’(t)| dt ← φ’(t) > 0 より
= ∫[c, d] |(ψφ)’(t)| dt = L_2
証明終

555 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 19:10:46
>>554の修正

命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。
L_1 および L_2 をそれぞれ ψ_1 と ψ_2 の長さ(>>329)とする。

ψ_1 ≡ ψ_2 のとき(>>487)、L_1 = L_2 である。

証明
>>338より、
L_1 = ∫[a, b] |(ψ_1)’(t)| dt かつ L_2 = ∫[c, d] |(ψ_2)’(t)| dt である。

ψ_1 ≡ ψ_2 より、ψ_2 = ψ_1φ となる φ がある。
ここで、φ: [c, d] → R は C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ [c, d] のとき φ’(t) > 0 であり、a = φ(c)、b = φ(d) となる。
>>409より、[a, b] = φ([c, d]) である。

合成写像の微分(>>55>>365>>368)より、
各 t ∈ [a, b] において、(ψ_1φ)’(t) = (ψ_1)’(φ(t))φ’(t)

これと1変数の積分の変数変換公式(>>407)より、
L_1 = ∫[a, b] |(ψ_1)’(t)| dt
= ∫[c, d] |(ψ_1)’(φ(t))|φ’(t) dt
= ∫[c, d] |(ψ_1)’(φ(t))φ’(t)| dt ← φ’(t) > 0 より
= ∫[c, d] |((ψ_1)φ)’(t)| dt
= ∫[c, d] |(ψ_2)’(t)| dt
= L_2
証明終

556 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 19:28:14
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とする。
L_1 および L_2 をそれぞれ ψ_1 と ψ_2 の長さ(>>329)とする。

ψ_1 ≡ ψ_2 のとき(>>488)、L_1 = L_2 である。

証明
>>488より、
[a, b] の分点: a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b および
[c, d] の分点: c = s_0 < s_1 < . . . < s_n = d
があり、次の条件を満たす。

ψ_1 は各 [t_(i-1), t_i] で C^1 級であり、
ψ_2 は各 [s_(i-1), s_i] で C^1 級である。、
ψ_1 の [t_(i-1), t_i] への制限を ψ_(1, i) とし、
ψ_2 の [s_(i-1), s_i] への制限を ψ_(2, i) とする。
このとき、各 i に対して、ψ_(1, i) と ψ_(2, i) は同値(>>487)となる。

ψ_(1, i) の長さを L_(1, i) とし、ψ_(2, i) の長さを L_(2, i) とする。

>>333より、
L_1 = ΣL_(1, i)
L_2 = ΣL_(2, i)
である。

>>555より、L_(1, i) = L_(2, i) である。
よって、L_1 = L_2 である。
証明終

557 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 20:16:25
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。
ψ: [a, b] → U をその代表とする。
>>556より ψ の長さは C のみで決まる。
これを C の長さと言う。

558 :132人目の素数さん:2010/01/25(月) 20:18:13
  i----------┐   !^゙| i-'、    l''''l      ./'''l
  | .r‐'j .i'''''j .|   ! | ヽ ゙L .__! |____ l,゙,゙,゙,゙,゙゛ ,゙,゙,゙,゙,゙,゙,゙,゙|
  | .,゙,゙,゙ .,゙,゙,゙  li---┘└-`-. .!,,,,,,,,,,,,.  !.,,,,,,,,,,,,| .!,,,,,,,,,,,,,,,,,,
  | .!,,,,,! .!,,,,} l!''''''''>  l'''''''''′   ./ / .!........ , ,,................ !
  |..........、 ,,..........ゝ  .,!  !         / / .i''''''''''''′゙‐'''''''''''''''''i
  .l''''''''''''′゙''''''''''''l  / ,i、..l,     /   . l.`^^^゙7 /^^^^| .!^"
  .`゙゙゙゙゙゙,゙| .l二`- ! / / .ヽ .\   /   .ト、゙メ'''''''" "'''''''''″ ゙''''!
 .l____,゙,゙,,,,........--¬ ,,,ノ゛  ヽ,,./ . 〈, ./! | ヽ-~゙./ /゙二 ゙̄! 厂
   / ゙')  l"~!、  <゙~'、  /゛ヽ    ! |  / / .ヽ .\ ! |
  / . /    l .l  .ヽ .ヽ  .ヽ l    ! |  .`'-'"   .゙'l―′.!
  `'''゛    `'"   .゙''´   "″   .゙''''′       .`''''''''"

559 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/25(月) 20:48:07
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。

このとき、C^(-1) (>>499) の長さ(>>557)は C の長さに等しい。

証明
C の長さを L とし、C^(-1) の長さを L’とする。

C は C^1級の曲線(>>492)と仮定してよい。
ψ: [a, b] → U をその代表とする。

φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
各 t ∈ [c, d] に対して φ’(t) < 0 であり、
b = φ(c)、a = φ(d) とする。

ψφ: [c, d] → U は C^(-1) の代表である。

L’= ∫[c, d] |(ψφ)’(t)| dt ← >>338
= ∫[c, d] |(ψ(φ(t))φ’(t)| dt ← 合成写像の微分(>>55>>365>>368)
= -∫[c, d] |(ψ(φ(t))|φ’(t) dt ← φ’(t) < 0 だから
= ∫[a, b] |ψ’(t)| dt ← >>425
= L
証明終

560 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 08:09:07
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とする。
C_1 と C_2 を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とし、
積 C_1C_2 (>>497)が定義されるとする。

C_1 と C_2 の長さ(>>557)をそれぞれ L_1 と L_2 とし、
C_1C_2 の長さ(>>557)を L とする。

このとき、L = L_1 + L_2 である。

証明
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
それぞれ C_1 と C_2 の代表とする。
>>497より、任意の実数 u < w < v に対して、
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486) ψ: [u, v] → U で
C を代表するものがあり、
ψ_1 ≡ ψ|[u, w] かつ ψ_2 ≡ ψ|[w, v] となる。

>>556>>342より、
L = ∫[u, v] |ψ’(t)| dt
L_1 = ∫[u, w] |ψ’(t)| dt
L_2 = ∫[w, v] |ψ’(t)| dt

よって、L = L_1 + L_2
証明終

561 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 08:27:11
命題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の連続関数とする。
C を U における C^1級の曲線(>>492)とする。
L を C の長さ(>>557)とし、
M = sup {|f(z)|; z ∈ |C| (>>550)} とおく。

このとき、
|∫[C] f(z) dz| ≦ ML

証明
ψ: [a, b] → U を C の代表とする。
>>542および>>522より、
∫[C] f(z) dz = ∫[ψ] f(z) dz

>>511より、
∫[ψ] f(z) dz = ∫[a, b] f(ψ(t))ψ’(t) dt

よって、
|∫[C] f(z) dz| = |∫[a, b] f(ψ(t))ψ’(t) dt|
≦ ∫[a, b] |f(ψ(t))||ψ’(t)| dt
≦ M∫[a, b] |ψ’(t)| dt
= ML ← >>338より
証明終

562 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 08:45:29
命題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の連続関数とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。
L を C の長さ(>>557)とし、
M = sup {|f(z)|; z ∈ |C| (>>550)} とおく。

このとき、
|∫[C] f(z) dz| ≦ ML

証明
C = C_1C_2. . .C_n (>>497)と書ける。
ここで各 C_i はC^1級の曲線(>>492)である。
各 C_i の長さを L_i とする。

>>523より、
∫[C] f(z) dz = Σ∫[C_i] f(z) dz

よって、>>561より、
|∫[C] f(z) dz| ≦ Σ|∫[C_i] f(z) dz| ≦ MΣL_i

一方、>>560より、L = ΣL_i
よって、
|∫[C] f(z) dz| ≦ ML
証明終

563 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 08:58:17
命題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とする。
(f_n), n = 1, 2, . . . を連続関数 f_n: U → K の列とする。
C を U 上の区分的に C^1 級の曲線(>>493)とする。
f: U → K を写像とし、
(f_n) が U 上で f にコンパクト一様収束(>>551)するとする。
>>552より f は連続であるから ∫[C] f(z) dz (>>503) が定義される。

このとき、
lim ∫[C] f_n(z) dz = ∫[C] f(z) dz

証明
C の長さ(>>557)を L とする。
|C| はコンパクトであるから |C| 上で (f_n) は f に一様収束する。
よって、任意の ε > 0 に対して整数 n_0 ≧ 1 があり、n ≧ n_0 なら
|C| 上で |f(z) - f_n(z)| < ε となる。

>>562より、n ≧ n_0 のとき、
|∫[C] f(z) dz - ∫[C] f_n(z) dz| = |∫[C] (f(z) - f_n(z)) dz| ≦ εL
証明終

564 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 09:20:29
命題(1変数の収束べき級数に対するCauchyの定理)
K を複素数体とする。
f(z) = Σc_nz^n を K 上の1変数の収束べき級数する。
即ち、f ∈ K{{X}} (>>275) とする。
r (0 < r ≦ ∞) を f(z) の収束半径とする。
>>284より、C(f) = {z ∈ K; |z| < r} である。

このとき C(f) における任意の区分的に C^1 級の閉曲線(>>495) C に対して、
∫[C] f(z) dz = 0 である。

証明
任意の整数 n ≧ 0 に対して、c_n(z^(n+1)/(n + 1))’= c_nz^n である。
>>549より、K における区分的に C^1 級の任意の閉曲線 C に対して
∫[C] c_nz^n dz = 0 となる。

一方、>>282より、Σc_nz^n は C(f) に含まれる任意のコンパクト集合上で
一様に絶対収束する。

よって、>>563より、
C(f) における任意の区分的に C^1 級の閉曲線(>>495) C に対して、
∫[C] f(z) dz = 0 である。
証明終

565 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 09:25:17
>>564>>545を使っても証明出来るが、>>564の証明のほうが直接的だろう。

566 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 09:54:39
補題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の C^1 級の関数とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R の有限閉区間とし、B = [a, b]×[c, d] ⊂ U とする。
B の境界を正の向きにとりそれを C とする。
[a, b] と [c, d] をそれぞれ2等分することにより、
B を4つの長方形 B_1, . . ., B_4 に分割する。
各 B_i の境界を正の向きにとりそれを C_i とする。

このとき、
∫[C] f(z) dz = Σ∫[C_i] f(z) dz

証明
U 内の有向線分 M に対して
>>525より、∫[M^(-1)] f(z) dz = -∫[M] f(z) dz
よって、B_i の辺上での互いに逆方向の積分は打ち消しあう。
これから補題の主張は(図を描くことにより)自明であろう。
証明終

567 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 11:31:45
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
ψ: [a, b] → U を区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とする。

∫[a, b] f(ψ(t))|ψ’(t)| dt を ∫[ψ] f(x) ds と書き
f の ψ 上の弧長に関する積分という。

568 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 11:57:58
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>487)とする。

ψ_1 ≡ ψ_2 (>>488) のとき ∫[ψ_1] f(x) ds = ∫[ψ_2] f(x) ds である。

証明
ψ_1 ≡ ψ_2 より、ψ_2 = ψ_1φ となる。
ここで、φ: [c, d] → R は C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ [c, d] のとき φ’(t) > 0 であり、
a = φ(c)、b = φ(d) である。

>>409より、[a, b] = φ([c, d]) である。

合成写像の微分公式(>>58>>439>>442)より、
各 t ∈ [c, d] において、(ψ_1φ)’(t) = (ψ_1)’(φ(t))φ’(t)

これと1変数の積分の変数変換公式(>>407)より、

∫[ψ_2] f(x) ds
= ∫[ψ_1φ] f(x) ds ← >>567
= ∫[c, d] f(ψ_1(φ(t)))|(ψ_1φ)’(t)| dt
= ∫[c, d] f(ψ_1(φ(t)))|(ψ_1)’(φ(t))φ’(t)| dt ← 合成写像の微分公式
= ∫[c, d] f(ψ_1(φ(t)))|(ψ_1)’(φ(t))|φ’(t) dt ← φ’(t) > 0 であるから
= ∫[a, b] f(ψ_1(t))|(ψ_1)’(t)| dt ← >>407
= ∫[ψ_1] f(x) ds ← >>567
証明終

569 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 12:02:03
>>568の修正

命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)とする。

ψ_1 ≡ ψ_2 (>>487) のとき ∫[ψ_1] f(x) ds = ∫[ψ_2] f(x) ds である。

証明
ψ_1 ≡ ψ_2 より、ψ_2 = ψ_1φ となる。
ここで、φ: [c, d] → R は C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ [c, d] のとき φ’(t) > 0 であり、
a = φ(c)、b = φ(d) である。

>>409より、[a, b] = φ([c, d]) である。

合成写像の微分公式(>>58>>439>>442)より、
各 t ∈ [c, d] において、(ψ_1φ)’(t) = (ψ_1)’(φ(t))φ’(t)

これと1変数の積分の変数変換公式(>>407)より、

∫[ψ_2] f(x) ds
= ∫[ψ_1φ] f(x) ds ← >>567
= ∫[c, d] f(ψ_1(φ(t)))|(ψ_1φ)’(t)| dt
= ∫[c, d] f(ψ_1(φ(t)))|(ψ_1)’(φ(t))φ’(t)| dt ← 合成写像の微分公式
= ∫[c, d] f(ψ_1(φ(t)))|(ψ_1)’(φ(t))|φ’(t) dt ← φ’(t) > 0 であるから
= ∫[a, b] f(ψ_1(t))|(ψ_1)’(t)| dt ← >>407
= ∫[ψ_1] f(x) ds ← >>567
証明終

570 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 14:27:43
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
ψ_1: [a, b] → U と ψ_2: [c, d] → U を
区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とする。

ψ_1 ≡ ψ_2 (>>488) のとき ∫[ψ_1] f(x) ds = ∫[ψ_2] f(x) ds である。

証明
>>569より明らかである。

571 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 14:31:43
定義
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
C を U における区分的に C^1 級のパラメータ付き曲線(>>486)とし、
ψ: [a, b] → U を C の代表とする。
>>570より、∫[ψ] f(x) ds は C のみで決まる。
よって、これを ∫[C] f(x) ds と書き f の C 上の弧長に関する積分という。

572 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 15:55:38
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。

このとき、
∫[C^(-1)] f(x) ds = ∫[C] f(x) ds

証明
ψ: [a, b] → U を C の代表とする。
φ: [c, d] → R を C^1 級(>>325)の写像で、
t ∈ [c, d] のとき φ’(t) < 0 であり、
a = φ(c)、b = φ(d) とする。
>>427より、[a, b] = φ([c, d]) である。

C^(-1)の定義(>>499)より、ψφ は C^(-1) の代表である。

∫[C^(-1)] f(x) ds
= ∫[c, d] f(ψ(φ(t)))|(ψφ)’(t)| dt ← >>571, >>567
= ∫[c, d] f(ψ(φ(t)))|ψ’(φ(t))φ’(t)| dt ← 合成写像の微分(>>58>>461)
= -∫[c, d] f(ψ(φ(t)))|ψ’(φ(t))|φ’(t) dt ← φ’(t) < 0 より
= ∫[a, b] f(ψ(t))|ψ’(t)| dt ← >>425
= ∫[C] f(x) ds ← >>571, >>567
証明終

573 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:05:35
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
C_1 と C_2 を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とし、
積 C_1C_2 (>>497)が定義されるとする。

このとき、
∫[C_1C_2] f(x) ds = ∫[C_1] f(x) ds + ∫[C_2] f(x) ds である。

証明
定義(>>497>>571)より明らかである。

574 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:19:39
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。
∫[C] f(x) dx (>>503)と ∫[C] |f(x)| ds (>>571) がそれぞれ定義される。

このとき、
|∫[C] f(x) dx| ≦ ∫[C] |f(x)| ds である。

証明
ψ: [a, b] → U を C の代表とする。

|∫[C] f(x) dx|
= |∫[ψ] f(x) dx| ← >>503
= |∫[a, b] f(ψ(t))ψ’(t) dt| ← >>343
≦ ∫[a, b] |f(ψ(t))||ψ’(t)| dt
= ∫[ψ] |f(x)| ds ← >>567
= ∫[C] |f(x)| ds ← >>571
証明終

575 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:52:47
>>545において f は微分可能でありさえすればよい。

576 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:54:37
>>566の修正

補題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の連続関数とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R の有限閉区間とし、B = [a, b]×[c, d] ⊂ U とする。
B の境界を正の向きにとりそれを C とする。
[a, b] と [c, d] をそれぞれ2等分することにより、
B を4つの長方形 B_1, . . ., B_4 に分割する。
各 B_i の境界を正の向きにとりそれを C_i とする。

このとき、
∫[C] f(z) dz = Σ∫[C_i] f(z) dz

証明
U 内の有向線分 M に対して
>>525より、∫[M^(-1)] f(z) dz = -∫[M] f(z) dz
よって、B_i の辺上での互いに逆方向の積分は打ち消しあう。
これから補題の主張は(図を描くことにより)自明であろう。
証明終

577 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:56:33
命題(Cauchyの定理の特別な場合)
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の微分可能関数とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R の有限閉区間とし、B = [a, b]×[c, d] ⊂ U とする。
B の境界を C とする。
ここで、C は正の向き(反時計回り)にとる。

このとき、
∫[C] f(z) dz = 0

証明
C の長さを L とする。
∫[C] f(z) dz = I(B) とおく。

B を4等分してそれを B_1, . . ., B_4 とする。
各 B_i の正の向きの境界を C_i とする。
∫[C_i] f(z) dz = I(B_i) とおく。

>>576より、
I(B) = ΣI(B_i) である。
|I(B_i)|, i = 1, . . . 4 の最大を |I(B_j)| とする。
|I(B)| ≦ 4 |I(B_j)| である。
B_j を B(1) とおく。

B(1) を4等分して同じ操作を繰り返す。
|I(B)| ≦ 4^n |I(B(n))|, n = 1, 2, . . . となる。

B はコンパクトであるから ∩B(n) は空でない。
z_0 ∈ ∩B(n) とする。
z_0 ∈ B ⊂ U であるから f は z_0 で微分可能である。

(続く)

578 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:57:38
>>577の続き

f は z_0 で微分可能であるから、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|z - z_0| < δ なら z ∈ U かつ
|f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)| < ε|z - z_0|
となる。

n を十分大きくとれば B(n) ⊂ {z ∈ K; lz - z_0| < δ} となる。
B(n) の境界を正の向きにとったものを C(n) とする。

f(z_0) + f’(z_0)(z - z_0) は z の一次式であるから原始関数を持つ。
よって、>>549より、∫[C(n)] (f(z_0) + f’(z_0)(z - z_0)) dz = 0 である。
よって、
I(B(n) = ∫[C(n)] f(z) dz = ∫[C(n)] (f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)) dz

一方、z_0 ∈ B(n) だから z ∈ B(n) のとき |z - z_0| は
B(n) の対角線の長さ以下である。
B(n) の対角線の長さは C(n) の長さ L/2^n より小さいから
|z - z_0| ≦ L/2^n

よって、
|I(B(n)| ≦ ∫[C(n)] |f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)| ds
≦ ∫[C(n)] ε|z - z_0| ds
≦ ε(L/2^n) ∫[C(n)] ds
= ε(L/2^n)(L/2^n)
= ε(L/4^n)

|I(B)| ≦ 4^n |I(B(n))| であったから
|I(B)| ≦ εL

ε > 0 は任意だから I(B) = 0 である。
証明終

579 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 17:01:01
>>578
>|I(B(n)| ≦ ∫[C(n)] |f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)| ds

ここで、
I(B(n) = ∫[C(n)] (f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)) dz
>>574を使っている。

580 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 21:34:34
命題(開円板に対するCauchyの定理)
K を複素数体とする。
c を K の元とする。
0 < r ≦ ∞ となる実数 r に対して U(c, r) = {z ∈ K; |z - c| < r} とおく。
f: U(c, r) → K を U 上の微分可能関数とする。

このとき U(c, r) における任意の区分的に C^1 級の閉曲線(>>495) C に対して、
∫[C] f(z) dz = 0 である。

証明
>>549より、f(z) が原始関数をもつことを示せばよい。

z を U(c, r) の点とする。
z ≠ c のとき c と z を対角点とする長方形 B を考える。
B は境界も含めて U(c, r) に含まれる。
c を始点とし z を終点とする U(c, r) 上の区分的に C^1 級の曲線で
B の辺を2個連結したものが2個ある。
これを C_1, C_2 とする。
>>577より
∫[C_1(C_2)^(-1)] f(z) dz = 0

一方、
∫[C_1(C_2)^(-1)] f(z) dz
= ∫[C_1] f(z) dz + ∫[(C_2)^(-1)] f(z) dz ← >>504
= ∫[C_1] f(z) dz - ∫[C_2] f(z) dz ← >>506

よって、
∫[C_1] f(z) dz = ∫[C_2] f(z) dz である。
この共通の値を g(z) とおく。
z = c のときは g(c) = 0 とする。

(続く)

581 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 21:36:26
>>580の続き

h ∈ K, h ≠ 0 を 0 の十分小さい近傍の元とする。
上と同様に z を始点とし z + h を終点とする
U(c, r) 上の区分的に C^1 級の曲線 C で
座標軸に平行な2個の線分からなるものがある。
>>577より
g(z + h) - g(z) = ∫[C] f(ζ) dζ である。

f は z で連続であるから任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|ζ - z| < δ なら ζ ∈ U かつ |f(ζ) - f(z)| < ε となる。
|h| < δ なら C は U(z, δ) = {ζ ∈ K; |ζ - z| < δ} に含まれる。

よって、0 < |h| < δ のとき、
|g(z + h) - g(z) - f(z)|
= |∫[C] (f(ζ) - f(z)) dζ|
≦ ∫[C] |f(ζ) - f(z)| ds ← >>574
≦ ε∫[C] ds
= ε(|Re(h)| + |Im(h)|)

よって、
g’(z) = f(z) である。
証明終

582 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 06:44:35
補題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の微分可能関数とする。
0 < r_1 < r_2 < ∞ となる実数 r_1, r_2 が与えられ
{z ∈ K; |z - c| ≦ r_2} ⊂ U とする。

円 {z ∈ K; |z - c| = r_1} と {z ∈ K; |z - c| = r_2} に
それぞれ正の向きを与えた曲線を C_1, C_2 とする。

このとき、∫[C_1] f(z) dz = ∫[C_2] f(z) dz である。

証明
C_1 と C_2 に囲まれた領域 D を考える。
即ち、D = {z ∈ K; r_1 < |z - c| < r_2} ⊂ U とする。
D は x 軸で切断することにより上下2個の領域 D_1, D_2 に分割される。
D_1, D_2 のそれぞれの境界に正の向きを与えた閉曲線を Γ_1, Γ_2 とする。

∫[Γ_1] f(z) dz + ∫[Γ_2] f(z) dz = ∫[C_1] f(z) dz - ∫[C_2] f(z) dz
である。

>>580より、
∫[Γ_1] f(z) dz = 0
∫[Γ_2] f(z) dz = 0

よって、
∫[C_1] f(z) dz = ∫[C_2] f(z) dz である。
証明終

583 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 08:30:41
>>582の修正

補題
K を複素数体とする。
c ∈ K と 0 < r < ∞ となる実数 r に対して、
U(c, r) = {z ∈ K; |z - c| < r} とおく。。
f: U(c, r) - {c} → K を微分可能関数とする。
0 < r_1 < r_2 < r となる任意の実数 r_1, r_2 をとる。
円 {z ∈ K; |z - c| = r_1} と {z ∈ K; |z - c| = r_2} に
それぞれ正の向きを与えた曲線を C_1, C_2 とする。

このとき、∫[C_1] f(z) dz = ∫[C_2] f(z) dz である。

証明
C_1 と C_2 に囲まれた領域 D を考える。
即ち、D = {z ∈ K; r_1 < |z - c| < r_2} ⊂ U とする。
D は x 軸で切断することにより上下2個の領域 D_1, D_2 に分割される。
D_1, D_2 のそれぞれの境界に正の向きを与えた閉曲線を Γ_1, Γ_2 とする。

∫[Γ_1] f(z) dz + ∫[Γ_2] f(z) dz = ∫[C_1] f(z) dz - ∫[C_2] f(z) dz
である。

Γ_1 と Γ_2 は U(c, r) に含まれるから>>580より、
∫[Γ_1] f(z) dz = 0
∫[Γ_2] f(z) dz = 0

よって、
∫[C_1] f(z) dz = ∫[C_2] f(z) dz である。
証明終

584 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 08:34:56
>>583
>即ち、D = {z ∈ K; r_1 < |z - c| < r_2} ⊂ U とする。

即ち、D = {z ∈ K; r_1 < |z - c| < r_2} とする。

585 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 08:45:31
>>583
>D は x 軸で切断することにより上下2個の領域 D_1, D_2 に分割される。

D は c を通る x 軸と水平な直線で切断することにより
上下2個の領域 D_1, D_2 に分割される。

586 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 08:53:42
>>583の証明は間違いなので後で再度証明する。

587 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 10:06:43
命題(Cauchyの定理の特別な場合(>>577)の拡張)
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とする。
I と J を実数体の有限閉区間とし、B = I×J ⊂ U とする。
B の境界に正の向きを与えた曲線を C とする。
c を B の内部にある点とし、
f: U - {c} → K は微分可能で
z → c のとき lim (z - c)f(z) = 0 とする。

このとき、
∫[C] f(z) dz = 0

証明
c を中心とする一辺の長さが λ の小正方形を B_1 とする。
B_1 の各辺を延長して B を9個の長方形 B_1, . . ., B_9 に分割する。
各 B_i の境界に正の向きを与えた曲線を C_i とする。
>>504>>506 より、∫[C] f(z) dz = Σ∫[C_i] f(z) dz である。

>>577より、i ≠ 1 のとき ∫[C_i] f(z) dz = 0 である。
よって、∫[C] f(z) dz = ∫[C_1] f(z) dz である。
よって、∫[C_1] f(z) dz = 0 を証明すればよい。

任意の ε > 0 に対して λ を十分小さくとると
z ∈ B_1 のとき |z - c||f(z)| < ε となる。
C_1 上の点 z に対して |z - c| ≧ l/2 であるから
|∫[C_1] f(z) dz|
≦ ∫[C_1] |f(z)| ds ← >>574
≦ ε∫[C_1] 1/|z - c| ds
≦ (2ε/λ)∫[C_1] ds
= (2ε/λ)(4λ) = 8ε
よって、∫[C_1] f(z) dz = 0
証明終

588 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 16:05:53
命題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を連結開集合とする。
f: U → K 微分可能関数とする。
U の各点 z で f’(z) = 0 なら f は定数である。

証明
f’= 0 であるから f は C^1 級である。
よって、>>536から f は定数である。
証明終

589 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 16:40:09
補題
K を実数体または複素数体とする。
I = [a, b] を実数体 R における有限閉区間とし、
f: I → K を I の各点で微分可能(>>322参照)な関数とする。
さらに、I の各点 t で f’(t) = 0 とする。

このとき、f は定数である。

証明
K が複素数体の場合は f の実部と虚部を考えることにより、
K が実数体の場合に帰着する。

>>324より、f は I 上で連続である。
よって、平均値の定理より、I の任意の2点 x < y に対して
f(x) = f(y) である。
よって、f は定数である。
証明終

590 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 16:43:53
>>589の別証
f’ = 0 だから f は C^1 級である。
よって、>>337より、I の任意の2点 x < y に対して f(x) = f(y) である。
よって、f は定数である。

591 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 16:50:32
補題
K を実数体または複素数体とする。
I = [a, b] を実数体 R における有限閉区間とし、
f: I → K と g: I → K を I の各点で微分可能(>>322参照)な関数とする。
さらに、I の各点 t で f’(t) = f(t)g’(t) とする。

このとき、c ∈ K があり、I の各点 t で f(t) = c exp(g(t)) である。

証明
h(t) = f(t)exp(-g(t)) とおく。

通常の積の微分公式と>>372より、I の各点 t で
h’(t) = f’(t)exp(-g(t)) - f(t)g’(t)exp(-g(t))
= exp(-g(t))(f’(t) - f(t)g’(t)) = 0

よって、>>589より、h は定数 c である。
よって、c = f(t)exp(-g(t))
よって、f(t) = c exp(g(t)) である。
証明終

592 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 17:06:25
補題
K を実数体または複素数体とする。
[a, b] を実数体 R における有限閉区間とし、
f: [a, b] → K を連続関数で、(a, b) の各点 t で微分可能で、f’(t) = 0 とする。

このとき、f は定数である。

証明
K が複素数体の場合は f の実部と虚部を考えることにより、
K が実数体の場合に帰着する。
よって、平均値の定理より、I の任意の2点 x < y に対して
f(x) = f(y) である。
よって、f は定数である。
証明終

593 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 17:18:02
補題
K を実数体または複素数体とする。
I = [a, b] を実数体 R における有限閉区間とし、
a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分点とする。
f: I → K と g: I → K を連続関数で I - {t_0, t_1, . . ., t_n} の各点で
微分可能とする。
さらに、I - {t_0, t_1, . . ., t_n} の各点 t で f’(t) = f(t)g’(t) とする。

このとき、c ∈ K があり、I の各点 t で f(t) = c exp(g(t)) である。

証明
h(t) = f(t)exp(-g(t)) とおく。
I - {t_0, t_1, . . ., t_n} の各点 t で
h’(t) = f’(t)exp(-g(t)) - f(t)g’(t)exp(-g(t))
= exp(-g(t))(f’(t) - f(t)g’(t)) = 0

よって、>>592より、各小区間 [t_(i-1), t_i] で h(t) は定数である。
h(t) は I 上で連続であるから I 上で定数 c である。
よって、I の各点 t で c = f(t)exp(-g(t))
よって、I の各点 t で f(t) = c exp(g(t)) である。
証明終

594 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 17:32:08
命題
K を複素数体とする。
K における区分的に C^1 級の閉曲線(>>495) C と
|C| (>>550) に属さない K の点 c に対して、
(1/2πi)∫[C] 1/(z - c) dz は整数である。

証明
ψ: [a, b] → U を C の代表とする。
∫[C] 1/(z - c) dz = ∫[a, b] ψ’(t)/(ψ(t) - c) dt である。

[a, b] の任意の点 t に対して
g(t) = ∫[a, t] ψ’(t)/(ψ(t) - c) dt とおく。

[a, b] の有限個の点を除いて g’(t) = ψ’(t)/(ψ(t) - c) である。
よって、>>593より定数 A があり、[a, b] の各点 t で ψ(t) - c = A exp(g(t))
c は |C| に属さないから ψ(t) ≠ c である。
よって、A ≠ c である。
C は閉曲線だから ψ(a) = ψ(b) である。
よって、A exp(g(b)) = A exp(g(a))
g(a) = 0 だから exp(g(a)) = 1 である。
よって、exp(g(b)) = 1 である。
よって、g(b) = ∫[C] 1/(z - c) dz は 2πi の整数倍である。
証明終

595 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 17:37:38
定義
>>594の整数 (1/2πi)∫[C] 1/(z - c) dz を閉曲線 C の点 c の周りの回転数と呼び、
I(C, c) と書く。

596 :132人目の素数さん:2010/01/27(水) 19:22:49

まんこ














597 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 20:30:25
補題
X, Y を位相空間とし、Z を一様空間(過去スレ006の194)とする。
f: X × Y → Z を連続写像とする。
a を Y の一点とする。
Z の任意の近縁 V と X の任意のコンパクト集合 K に対して
a の近傍 U が存在し、y ∈ U で、x ∈ K のとき、
(f(x, y), f(x, a)) ∈ V となる。

証明
過去スレ012の455で証明されているが改めて証明する。

V を Z の任意の近縁とし、K を X の任意のコンパクト集合とする。
W^2 ⊂ V となる対称近縁(過去スレ006の202) W をとる。
f は連続であるから、K の任意の元 x に対して x の近傍 W_x と a の近傍 U_x が
存在し、z ∈ W_x, y ∈ U_x のとき (f(z, y), f(x, a)) ∈ W となる。
K はコンパクトであるから有限個の W_(x_1), . . ., W_(x_n) で被覆される。
U = ∩U_(x_i) とおく。
y ∈ U で、x ∈ K のとき、x ∈ W_(x_i) となる i がある。
y ∈ U_(x_i) であるから (f(x, y), f(x_i, a)) ∈ W となる。
a ∈ U_(x_i) であるから (f(x, a), f(x_i, a)) ∈ W である。
よって、(f(x, y), f(x, a)) ∈ W^2 ⊂ V
証明終

598 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 20:42:04
命題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とする。
Y を位相空間とし、f: U×Y → K を連続関数とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。

このとき、Y から K への写像 y → ∫[C] f(z, y) dz は連続である。

証明
L を C の長さ(>>329)とする。
y_0 を Y の任意の点とする。
|C| (>>550) はコンパクトであるから、>>597より、
任意の ε > 0 に対して y_0 の近傍 U が存在し、y ∈ U で、z ∈ |C| のとき
|f(z, y) - f(z, y_0)| < ε となる。

|∫[C] f(z, y) dz - ∫[C] f(z, y_0) dz|
≦ ∫[C] |f(z, y) - f(z, y_0)| ds ← >>574
≦ ε∫[C] ds = εL ← >>567, >>342

よって、y → ∫[C] f(z, y) dz は連続である。
証明終

599 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 20:56:59
命題
K を複素数体とする。
C を K における区分的に C^1 級の閉曲線(>>495)とする。
U ⊂ K - |C| を連結開集合とする。

このとき、z の周りの回転数 I(C, z) (>>595) は U 上で定数である。

証明
>>598より、z → I(C, z) は U 上で連続である。
一方、I(C, z) は整数であるから z → I(C, z) は局所定数である。
U は連結であるから I(C, z) は U 上で定数である。
証明終

600 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 22:38:04
命題
K を複素数体とする。
C を K における区分的に C^1 級の閉曲線(>>495)とする。
L を C の長さ(>>329)とする。
a を K - |C| の元とする。

このとき、inf{|z - a|; z ∈ |C|} > L/2π なら
I(C, a) = 0 である。

証明
d = inf{|z - a|; z ∈ |C|} とおく。
a ∈ K - |C| であるから d > 0 である。

|I(C, a)| = |(1/2πi)∫[C] 1/(z - a) dz|
≦ (1/2π)∫[C] 1/|z - a| ds ← >>574
≦ (1/2π)(L/d) < 1

一方、I(C, a) は整数であるから I(C, a) = 0 である。
証明終

601 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 22:45:43
定義
K を絶対値(過去スレ006の448)をもつ必ずしも可換とは限らない体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

r > 0 と a ∈ E に対して
U(a, r) = {x ∈ E; |x - a| < r}
B(a, r) = {x ∈ E; |x - a| ≦ r}
S(a, r) = {x ∈ E; |x - a| = r}
と書く。

602 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 22:50:10
定義
K を複素数体とする。
r > 0 と a ∈ K に対して
B(a, r) (>>601) を D(a, r) とも書く。
即ち、D(a, r) = {x ∈ K; |x - a| ≦ r}

C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485) ψ(t) = a + r exp(2πit), t ∈ [0, 1]
で代表される C^1 級の曲線(>>492) を ∂D(a, r) と書く。

|∂D(a, r)| = S(a, r) である。
ここで、|∂D(a, r)| = ψ([0, 1]) である(>>550)。

603 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 23:04:18
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
x_1 と x_2 を E の点とする。
x_1 を始点とし x_2 を終点とする有向線分を [x_1, x_2] で表す。
即ち、[x_1, x_2] は C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)
t ∈ [0, 1], t → x_1 + t(x_2 - x_1) で代表される C^1 級の曲線(>>492)である。

n 個の E の点 x_1, . . ., x_n があるとき、
有向線分 [x_1, x_2], [x_2, x_3], . . ., [x_(n-1), x_n] を結んで得られる折れ線を
[x_1, . . ., x_n] と書く。
[x_1, . . ., x_n] は E における区分的に C^1 級の曲線(>>493)である。

604 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 23:07:24
命題(>>577の拡張(Elementary theory of analytic functions by Cartan))
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とする。
c を U の点とし、f: U → K を連続関数で U - {c} 上で微分可能とする。

このとき、U に含まれる任意の長方形の境界 C に対して
∫[C] f(z) dz = 0 である。

証明
B を U に含まれる長方形とし、C をその境界に正の向きを与えた曲線とする。
B の4個の頂点を u, u + a, u + ib, u + a + ib とする。
ここで、a, b は実数で a > 0 かつ b > 0 である。

1) c ∈ U - B の場合:
>>577より∫[C] f(z) dz = 0 である。

2) c が線分 [u, u + a] にふくまれている場合:
δ > 0 を十分小さい実数とし、
u + δi, u + a + δi, u + ib, u + a + ib を4個の頂点とする長方形を B_δ とする。
B_δ の境界を C_δ とする。

後で示すように δ → 0 のとき ∫[C_δ] f(z) dz → ∫[C] f(z) dz である。
∫[C_δ] f(z) dz = 0 であるから ∫[C] f(z) dz = 0 である。

3) c が線分 [u + ib, u + a + ib] にふくまれている場合:2) と同様である。

(続く)

605 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 23:08:43
>>604の続き

4) Re(u) ≦ Re(c) ≦ Re(u + a) かつ Im(u) < Im(c) < Im(u + ib) の場合

c を通る水平の直線で B を切り、2個の長方形 B_1, B_2 に分割する。
B_1 と B_2 の境界をそれぞれ C_1, C_2 とする。

2), 3) より、∫[C_1] f(z) dz = 0, ∫[C_2] f(z) dz = 0 である。
∫[C] f(z) dz = ∫[C_1] f(z) dz + ∫[C_2] f(z) dz であるから
∫[C] f(z) dz = 0 である。
証明終

606 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 23:17:23
>>604の 2) の δ → 0 のとき ∫[C_δ] f(z) dz → ∫[C] f(z) dz の証明

>>603の記法で、
C = [u, u + a, u + a + ib, u + ib, u]
C_δ = [u + δi, u + a + δi, u + a + ib, u + ib, u + δi]
である。
C_Δ = [u, u + a, u + a + δi, u + δi, u] とおく。

このとき、
∫[C] f(z) dz = ∫[C_δ] f(z) dz + ∫[C_Δ] f(z) dz である。

∫[C_Δ] f(z) dz
= ∫[u, u + a] f(z) dz - ∫[u + δi, u + a + δi] f(z) dz
+ ∫[u + a, u + a + δi] f(z) dz - ∫[u, u + δi] f(z) dz

I_1 = ∫[u, u + a] f(z) dz
I_2 = ∫[u + δi, u + a + δi] f(z) dz
I_3 = ∫[u + a, u + a + δi] f(z) dz
I_4 = ∫[u, u + δi] f(z) dz
とおく。

∫[C_Δ] f(z) dz = I_1 - I_2 + I_3 - I_4
よって、
|∫[C_Δ] f(z) dz| ≦ |I_1 - I_2| + |I_3| + |I_4|
この右辺の各項を評価する。

(続く)

607 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 23:18:10
>>606の続き

|I_4| = |∫[u, u + δi] f(z) dz| = |∫[0, 1] f(u + tδi)δi dt|
≦ δ∫[0, 1] |f(u + tδi)| dt
≦ δM
ここで M = sup{|f(z); z ∈ B} である。

同様に、|I_3| ≦ δM

|I_1 - I_2| = |∫[u, u + a] f(z) dz - ∫[u + δi, u + a + δi] f(z) dz|
= |∫[0, 1] f(u + ta)a dt - ∫[0, 1] f(u + δi + ta)a dz|
≦ a ∫[0, 1] |f(u + ta) - f(u + δi + ta)| dt

f は B で一様連続であるから 任意の ε > 0 に対して
δ_1 > 0 があり、|z_1 - z_2| < δ_1 のとき |f(z_1) - f(z_2)| < ε となる。
よって、δ < δ_1 のとき
|I_1 - I_2| ≦ εa

以上から任意の ε > 0 に対して δ < inf(δ_1, ε) とすれば
|∫[C_Δ] f(z) dz| ≦ |I_1 - I_2| + |I_3| + |I_4| ≦ εa + 2εM = ε(a + 2M)

よって、δ → 0 のとき ∫[C_Δ] f(z) dz → 0
よって、δ → 0 のとき ∫[C_δ] f(z) dz → ∫[C] f(z) dz
証明終

608 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:19:20
命題(開円板に対するCauchyの定理(>>580)の拡張)
K を複素数体とする。
r > 0 と c ∈ E に対して、a を U(c, r) (>>601) の元とする。
f: U(c, r) → K を連続関数で U(c, r) - {a} で微分可能とする。

このとき U(c, r) における任意の区分的に C^1 級の閉曲線(>>495) C に対して、
∫[C] f(z) dz = 0 である。

証明
>>604>>577の代わりに使えば、>>580と同様である。

609 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:25:27
補題
K を複素数体とする。
a を K の元とする。
0 < r < ∞ となる実数 r に対して C = ∂D(a, r) (>>602)とおく。

このとき、I(C, a) = 1 である。
ここで、I(C, a) は a の周りの C の回転数(>>595)である。

証明
C は C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485) ψ(t) = a + r exp(2πit), t ∈ [0, 1]
で代表される。

(1/2πi)∫[C] 1/(z - a) dz
= (1/2πi)∫[0, 1] ψ’(t)/(ψ(t) - a) dt
= (1/2πi)∫[0, 1] (2πi)r exp(2πit)/r exp(2πit) dt
= ∫[0, 1] dt
= 1
証明終

610 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:32:30
命題(円に対するCauchyの積分公式)
K を複素数体とする。
a を K の点とし 0 < R < ∞ となる実数 R に対して
f: U(a, R) (>>601) → K を微分可能関数とする。
0 < r < R となる任意の r をとる。

このとき、U(a, r) (>>601) の任意の点 c に対して、
f(c) = (1/2πi)∫[C] f(z)/(z - c) dz となる。

ここで、C = ∂D(a, r) (>>602) である。

証明
g: U(a, R) → K を
z ∈ U(a, R) - {c} のとき、g(z) = (f(z) - f(c))/(z - c)
z = c のとき g(c) = f’(c)
と定義する。

z → c のとき g(z) → g(c) であるから g は c で連続である。
よって、g は U(a, R) で連続である。
g は U(a, R) - {c} 上で微分可能であるから >>608 より、
∫[C] g(z) dz = 0 である。

∫[C] g(z) dz
= ∫[C] (f(z) - f(c))/(z - c) dz
= ∫[C] f(z)/(z - c) dz - ∫[C] f(c)/(z - c) dz

よって、
∫[C] f(z)/(z - c) dz = ∫[C] f(c)/(z - c) dz

(続く)

611 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:33:14
>>610の続き

一方、∫[C] f(c)/(z - c) dz = (2πi)f(c)I(C, c)
>>599より I(C, c) = I(C, a) である。
>>609より I(C, a) = 1 であるから I(C, c) = 1

よって、
∫[C] f(z)/(z - c) dz = 2πif(c)
よって、
f(c) = (1/2πi)∫[C] f(z)/(z - c) dz となる。
証明終

612 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:47:29
>>577>>604の長方形を使う方法は Cartan の他に Ahlfors も使っている。
というか Cartan が Ahlfors に影響されていると見たほうがいいだろう。
しかし、最近では三角形を使う方法が多いようである。
三角形を使うのは伝統的な方法であり、ある意味それに回帰した言える。
もちろん単純な回帰ではなく改良されているが。
長方形を使うにしろ三角形を使うにしろ本質的には同じである。
しかし、三角形を使う方が証明がやや簡単になる。

613 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:51:59
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
a, b, c を E の相異なる3点とする。
{a, b, c} の凸包(過去スレ008の431)を Δ{a, b, c} と書く。
Δ{a, b, c} を閉三角形と言い、a, b, c をその頂点と言う。

過去スレ008の433より、
Δ{a, b, c} = {λa + μb + νc; λ ≧ 0, μ ≧ 0, ν ≧ 0, λ + μ + ν = 1}

δ{a, b, c} = {λa + μb + νc; λ > 0, μ > 0, ν > 0, λ + μ + ν = 1}
を開三角形と言い、a, b, c をその頂点と言う。

特に断らなければ三角形という場合、閉三角形を意味する。

614 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:55:03
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
(a, b, c) を E の相異なる3点からなる順列とする。
閉三角形 Δ{a, b, c} (>>613) と順列 (a, b, c) の対を有向閉三角形といい、
Δ(a, b, c) と書く。

このとき、Δ{a, b, c} (>>613) を Δ(a, b, c) の台と呼び |Δ(a, b, c)| とも書く。

615 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:01:22
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
(a, b, c) を E の相異なる3点からなる順列とする。

閉曲線 [a, b, c, a] (>>603) を有向閉三角形 Δ = Δ(a, b, c) (>>614) の境界と呼び、
∂Δ と書く。

616 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:36:46
命題(三角形に関するCauchyの定理)
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の微分可能関数とする。
Δ を有向閉三角形(>>614)とし、|Δ| (>>614) ⊂ U とする。

このとき、∫[∂Δ] f(z) dz = 0

証明
Δ の頂点を z_1, z_2, z_3 とする。
[z_1, z_2], [z_2, z_3], [z_3, z_1] の中点をそれぞれ w_1, w_2, w_3 とする。

Δを次の4個の合同な三角形に分割する。
Δ_1 = [z_1, w_1, w_3, z_1]
Δ_2 = [w_1, z_2, w_2, w_1]
Δ_3 = [w_2, z_3, w_3, w_2]
Δ_4 = [w_1, w_2, w_3, w_1]

∂Δ の長さを L とすると各∂Δ_iの長さは L/2 である。

∫[∂Δ] f(z) dz = Σ∫[∂Δ_i] f(z) dz

|∫[∂Δ_i] f(z) dz|, 1, 2, 3, 4 が最大となる Δ_i を Δ(1) と書く。
|∫[∂Δ] f(z) dz| ≦ 4|∫[∂Δ(1)] f(z) dz|

Δ(1) を再び4等分して Δ(2) を得ると、
|∫[∂Δ] f(z) dz| ≦ 4^2|∫[∂Δ(2)] f(z) dz|

この操作を続けて
|∫[∂Δ] f(z) dz| ≦ 4^n|∫[∂Δ(n)] f(z) dz|, n = 1, 2, . . .

(続く)

617 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:41:08
>>616の続き

∂Δ(n) の長さは L/2^n である。
Δ はコンパクトであるから ∩Δ(n) は空でない。
z_0 ∈ ∩Δ(n) とする。
z_0 ∈ Δ ⊂ U であるから f は z_0 で微分可能である。

f は z_0 で微分可能であるから、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|z - z_0| < δ なら z ∈ U かつ
|f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)| < ε|z - z_0|
となる。
n を十分大きくとれば Δ(n) ⊂ {z ∈ K; lz - z_0| < δ} となる。

f(z_0) + f’(z_0)(z - z_0) は z の一次式であるから原始関数を持つ。
よって、>>549より、∫[∂Δ(n)] (f(z_0) + f’(z_0)(z - z_0)) dz = 0 である。
よって、
∫[∂Δ(n)] f(z) dz = ∫[∂Δ(n)] (f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)) dz

一方、z_0 ∈ Δ(n) だから z ∈ Δ(n) のとき |z - z_0| ≦ L/2^n
よって、
|∫[∂Δ(n)] f(z) dz |
≦ ∫[∂Δ(n)] |f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)| ds ← >>574
≦ ∫[∂Δ(n)] ε|z - z_0| ds
≦ ε(L/2^n) ∫[∂Δ(n)] ds
= ε(L/2^n)(L/2^n)
= ε(L/4^n)

|∫[∂Δ] f(z) dz| ≦ 4^n |∫[∂Δ(n)] f(z) dz| であったから
|∫[∂Δ] f(z) dz| ≦ εL

ε > 0 は任意だから ∫[∂Δ] f(z) dz = 0 である。
証明終

618 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:42:24
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
S を E の部分集合とする。
a を S の点とし、S の任意の元 x に対して a と x を結ぶ線分が S に含まれるとき
S を星型であるという。
a を S の中心と呼ぶ。

619 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:45:54
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
S ⊂ E を a を中心とする星型集合とする。
x, y ∈ S かつ [x, y] ⊂ S とする。
ここで、[x, y] は x と y を結ぶ線分である。

このとき、Δ{a, x, y} ⊂ S である。
ここで、Δ{a, x, y} は {a, x, y} の凸包(過去スレ008の431)である。

証明
λ ≧ 0, μ ≧ 0, ν ≧, λ + μ + ν = 1 のとき
λa + μx + νy ∈ S を示せばよい。

μ + ν = 0 なら明らかである。
μ + ν > 0 と仮定する。
t = μ + ν とおく。
μ/t + ν/t = 1 である。
[x, y] ∈ S であるから (μ/t)x + (ν/t)y ∈ S である。

よって、
λa + μx + νy = λa + t((μ/t)x + (ν/t)y) ∈ [a, (μ/t)x + (ν/t)y)] ⊂ S
証明終

620 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:56:21
命題(星型開集合に対するCauchyの定理)
K を複素数体とする。
U ⊂ K を星型(>>618)の開集合とし、f: U → K を微分可能関数とする。

このとき U における任意の区分的に C^1 級の閉曲線(>>495) C に対して、
∫[C] f(z) dz = 0 である。

証明
f は微分可能であるから連続である。
よって、>>549より、f(z) が原始関数をもつことを示せばよい。

a を U の中心(>>618)とする。
z を U の点とする。
U は星型だから a と z を結ぶ線分は U に含まれる。
よって、∫[a, z] f(ζ) dζ が定義される。
g(z) = ∫[a, z] f(ζ) dζ とおく。
r > 0 を U(z, r) (>>601) ⊂ U となるようにとる。
>>619より、|h| < r のとき、Δ{a, z, z + h} ⊂ U
よって、>>616より ∫[a, z, z + h, a] f(ζ) dζ = 0 である。

∫[a, z, z + h, a] f(ζ) dζ
= ∫[a, z] f(ζ) dζ + ∫[z, z + h] f(ζ) dζ + ∫[z + h, a] f(ζ) dζ
= ∫[a, z] f(ζ) dζ + ∫[z, z + h] f(ζ) dζ - ∫[a, z + h] f(ζ) dζ
= 0
よって、
∫[a, z + h] f(ζ) dζ = ∫[a, z] f(ζ) dζ + ∫[z, z + h] f(ζ) dζ

よって、
g(z + h) - g(z) = ∫[z, z + h] f(ζ) dζ

(続く)

621 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:57:05
>>620の続き

f は z で連続であるから任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|ζ - z| < δ なら ζ ∈ U かつ |f(ζ) - f(z)| < ε となる。
よって、|h| < δ なら z + h ∈ U である。
よって、|h| < δ のとき、
|g(z + h) - g(z) - f(z)|
= |∫[z, z + h] (f(ζ) - f(z)) dζ|
≦ ∫[z, z + h] |f(ζ) - f(z)| ds ← >>574
≦ ε∫[z, z + h] ds
= ε|h|

よって、
g’(z) = f(z) である。
証明終

622 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 10:17:26
命題(三角形に関するCauchyの定理(>>616)の拡張)
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とする。
c を U の点とし、f: U → K を連続関数で U - {c} 上で微分可能とする。
Δ を有向閉三角形(>>614)とし、|Δ| (>>614) ⊂ U とする。

このとき、∫[∂Δ] f(z) dz = 0

証明
Δ = Δ(z_1, z_2, z_3) (>>614) とする。

|Δ| ⊂ U - {c} の場合は、>>616より ∫[∂Δ] f(z) dz = 0 である。

c が Δ に含まれる場合は、
∫[∂Δ] f(z) dz
= ∫[c, z_1, z_2, c] f(z) dz
+ ∫[c, z_2, z_3, c] f(z) dz
+ ∫[c, z_3, z_1, c] f(z) dz
である。

よって、c が Δ の頂点の一つである場合に
∫[∂Δ] f(z) dz = 0 を証明すればよい。

c = z_1 と仮定して一般性を失わない。
a ∈ |[z_1, z_2]|
b ∈ |[z_1, z_3]|
a ≠ z_1
b ≠ z_1
のとき、
∫[∂Δ] f(z) dz = ∫[z_1, a, b, z_1] f(z) dz + ∫[a, z_2, z_3, b, a] f(z) dz

(続く)

501 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.04.00 2017/10/04 Walang Kapalit ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)