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代数的整数論 016

1 :132人目の素数さん:2009/12/29(火) 20:16:13
代数的整数論 016
Kummer ◆g2BU0D6YN2 が代数的整数論を語るスレです。

現在は代数的整数論の準備をしています。
代数的整数論のみに興味ある方はこのスレは必要になった段階で
参照することをお勧めします。
ただし、このスレが終了すると見れなくなる恐れがあるので、
適時チェックして内容をセーブしたほうが良いでしょう。

内容についてわからないことがあったら遠慮なく
質問してください。
その他、内容についてのご意見は歓迎します。
例えば、誤りの指摘、証明の改良など。
なお、このスレの主題に直接関係のないコメントについては
原則としてレスはしません(たとえそれが励ましの言葉であっても)。

過去スレ
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http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1132643310
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1164286624/
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1173998720/
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http://science6.2ch.net/test/read.cgi/math/1255385658/l50

573 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:05:35
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
C_1 と C_2 を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とし、
積 C_1C_2 (>>497)が定義されるとする。

このとき、
∫[C_1C_2] f(x) ds = ∫[C_1] f(x) ds + ∫[C_2] f(x) ds である。

証明
定義(>>497>>571)より明らかである。

574 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:19:39
命題
K を実数体または複素数体とする。
F を K 上のBanach空間(過去スレ008の550)とする。
U ⊂ F を開集合とし、f: U → K を連続写像とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。
∫[C] f(x) dx (>>503)と ∫[C] |f(x)| ds (>>571) がそれぞれ定義される。

このとき、
|∫[C] f(x) dx| ≦ ∫[C] |f(x)| ds である。

証明
ψ: [a, b] → U を C の代表とする。

|∫[C] f(x) dx|
= |∫[ψ] f(x) dx| ← >>503
= |∫[a, b] f(ψ(t))ψ’(t) dt| ← >>343
≦ ∫[a, b] |f(ψ(t))||ψ’(t)| dt
= ∫[ψ] |f(x)| ds ← >>567
= ∫[C] |f(x)| ds ← >>571
証明終

575 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:52:47
>>545において f は微分可能でありさえすればよい。

576 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:54:37
>>566の修正

補題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の連続関数とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R の有限閉区間とし、B = [a, b]×[c, d] ⊂ U とする。
B の境界を正の向きにとりそれを C とする。
[a, b] と [c, d] をそれぞれ2等分することにより、
B を4つの長方形 B_1, . . ., B_4 に分割する。
各 B_i の境界を正の向きにとりそれを C_i とする。

このとき、
∫[C] f(z) dz = Σ∫[C_i] f(z) dz

証明
U 内の有向線分 M に対して
>>525より、∫[M^(-1)] f(z) dz = -∫[M] f(z) dz
よって、B_i の辺上での互いに逆方向の積分は打ち消しあう。
これから補題の主張は(図を描くことにより)自明であろう。
証明終

577 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:56:33
命題(Cauchyの定理の特別な場合)
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の微分可能関数とする。
[a, b] と [c, d] を実数体 R の有限閉区間とし、B = [a, b]×[c, d] ⊂ U とする。
B の境界を C とする。
ここで、C は正の向き(反時計回り)にとる。

このとき、
∫[C] f(z) dz = 0

証明
C の長さを L とする。
∫[C] f(z) dz = I(B) とおく。

B を4等分してそれを B_1, . . ., B_4 とする。
各 B_i の正の向きの境界を C_i とする。
∫[C_i] f(z) dz = I(B_i) とおく。

>>576より、
I(B) = ΣI(B_i) である。
|I(B_i)|, i = 1, . . . 4 の最大を |I(B_j)| とする。
|I(B)| ≦ 4 |I(B_j)| である。
B_j を B(1) とおく。

B(1) を4等分して同じ操作を繰り返す。
|I(B)| ≦ 4^n |I(B(n))|, n = 1, 2, . . . となる。

B はコンパクトであるから ∩B(n) は空でない。
z_0 ∈ ∩B(n) とする。
z_0 ∈ B ⊂ U であるから f は z_0 で微分可能である。

(続く)

578 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 16:57:38
>>577の続き

f は z_0 で微分可能であるから、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|z - z_0| < δ なら z ∈ U かつ
|f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)| < ε|z - z_0|
となる。

n を十分大きくとれば B(n) ⊂ {z ∈ K; lz - z_0| < δ} となる。
B(n) の境界を正の向きにとったものを C(n) とする。

f(z_0) + f’(z_0)(z - z_0) は z の一次式であるから原始関数を持つ。
よって、>>549より、∫[C(n)] (f(z_0) + f’(z_0)(z - z_0)) dz = 0 である。
よって、
I(B(n) = ∫[C(n)] f(z) dz = ∫[C(n)] (f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)) dz

一方、z_0 ∈ B(n) だから z ∈ B(n) のとき |z - z_0| は
B(n) の対角線の長さ以下である。
B(n) の対角線の長さは C(n) の長さ L/2^n より小さいから
|z - z_0| ≦ L/2^n

よって、
|I(B(n)| ≦ ∫[C(n)] |f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)| ds
≦ ∫[C(n)] ε|z - z_0| ds
≦ ε(L/2^n) ∫[C(n)] ds
= ε(L/2^n)(L/2^n)
= ε(L/4^n)

|I(B)| ≦ 4^n |I(B(n))| であったから
|I(B)| ≦ εL

ε > 0 は任意だから I(B) = 0 である。
証明終

579 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 17:01:01
>>578
>|I(B(n)| ≦ ∫[C(n)] |f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)| ds

ここで、
I(B(n) = ∫[C(n)] (f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)) dz
>>574を使っている。

580 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 21:34:34
命題(開円板に対するCauchyの定理)
K を複素数体とする。
c を K の元とする。
0 < r ≦ ∞ となる実数 r に対して U(c, r) = {z ∈ K; |z - c| < r} とおく。
f: U(c, r) → K を U 上の微分可能関数とする。

このとき U(c, r) における任意の区分的に C^1 級の閉曲線(>>495) C に対して、
∫[C] f(z) dz = 0 である。

証明
>>549より、f(z) が原始関数をもつことを示せばよい。

z を U(c, r) の点とする。
z ≠ c のとき c と z を対角点とする長方形 B を考える。
B は境界も含めて U(c, r) に含まれる。
c を始点とし z を終点とする U(c, r) 上の区分的に C^1 級の曲線で
B の辺を2個連結したものが2個ある。
これを C_1, C_2 とする。
>>577より
∫[C_1(C_2)^(-1)] f(z) dz = 0

一方、
∫[C_1(C_2)^(-1)] f(z) dz
= ∫[C_1] f(z) dz + ∫[(C_2)^(-1)] f(z) dz ← >>504
= ∫[C_1] f(z) dz - ∫[C_2] f(z) dz ← >>506

よって、
∫[C_1] f(z) dz = ∫[C_2] f(z) dz である。
この共通の値を g(z) とおく。
z = c のときは g(c) = 0 とする。

(続く)

581 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/26(火) 21:36:26
>>580の続き

h ∈ K, h ≠ 0 を 0 の十分小さい近傍の元とする。
上と同様に z を始点とし z + h を終点とする
U(c, r) 上の区分的に C^1 級の曲線 C で
座標軸に平行な2個の線分からなるものがある。
>>577より
g(z + h) - g(z) = ∫[C] f(ζ) dζ である。

f は z で連続であるから任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|ζ - z| < δ なら ζ ∈ U かつ |f(ζ) - f(z)| < ε となる。
|h| < δ なら C は U(z, δ) = {ζ ∈ K; |ζ - z| < δ} に含まれる。

よって、0 < |h| < δ のとき、
|g(z + h) - g(z) - f(z)|
= |∫[C] (f(ζ) - f(z)) dζ|
≦ ∫[C] |f(ζ) - f(z)| ds ← >>574
≦ ε∫[C] ds
= ε(|Re(h)| + |Im(h)|)

よって、
g’(z) = f(z) である。
証明終

582 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 06:44:35
補題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の微分可能関数とする。
0 < r_1 < r_2 < ∞ となる実数 r_1, r_2 が与えられ
{z ∈ K; |z - c| ≦ r_2} ⊂ U とする。

円 {z ∈ K; |z - c| = r_1} と {z ∈ K; |z - c| = r_2} に
それぞれ正の向きを与えた曲線を C_1, C_2 とする。

このとき、∫[C_1] f(z) dz = ∫[C_2] f(z) dz である。

証明
C_1 と C_2 に囲まれた領域 D を考える。
即ち、D = {z ∈ K; r_1 < |z - c| < r_2} ⊂ U とする。
D は x 軸で切断することにより上下2個の領域 D_1, D_2 に分割される。
D_1, D_2 のそれぞれの境界に正の向きを与えた閉曲線を Γ_1, Γ_2 とする。

∫[Γ_1] f(z) dz + ∫[Γ_2] f(z) dz = ∫[C_1] f(z) dz - ∫[C_2] f(z) dz
である。

>>580より、
∫[Γ_1] f(z) dz = 0
∫[Γ_2] f(z) dz = 0

よって、
∫[C_1] f(z) dz = ∫[C_2] f(z) dz である。
証明終

583 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 08:30:41
>>582の修正

補題
K を複素数体とする。
c ∈ K と 0 < r < ∞ となる実数 r に対して、
U(c, r) = {z ∈ K; |z - c| < r} とおく。。
f: U(c, r) - {c} → K を微分可能関数とする。
0 < r_1 < r_2 < r となる任意の実数 r_1, r_2 をとる。
円 {z ∈ K; |z - c| = r_1} と {z ∈ K; |z - c| = r_2} に
それぞれ正の向きを与えた曲線を C_1, C_2 とする。

このとき、∫[C_1] f(z) dz = ∫[C_2] f(z) dz である。

証明
C_1 と C_2 に囲まれた領域 D を考える。
即ち、D = {z ∈ K; r_1 < |z - c| < r_2} ⊂ U とする。
D は x 軸で切断することにより上下2個の領域 D_1, D_2 に分割される。
D_1, D_2 のそれぞれの境界に正の向きを与えた閉曲線を Γ_1, Γ_2 とする。

∫[Γ_1] f(z) dz + ∫[Γ_2] f(z) dz = ∫[C_1] f(z) dz - ∫[C_2] f(z) dz
である。

Γ_1 と Γ_2 は U(c, r) に含まれるから>>580より、
∫[Γ_1] f(z) dz = 0
∫[Γ_2] f(z) dz = 0

よって、
∫[C_1] f(z) dz = ∫[C_2] f(z) dz である。
証明終

584 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 08:34:56
>>583
>即ち、D = {z ∈ K; r_1 < |z - c| < r_2} ⊂ U とする。

即ち、D = {z ∈ K; r_1 < |z - c| < r_2} とする。

585 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 08:45:31
>>583
>D は x 軸で切断することにより上下2個の領域 D_1, D_2 に分割される。

D は c を通る x 軸と水平な直線で切断することにより
上下2個の領域 D_1, D_2 に分割される。

586 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 08:53:42
>>583の証明は間違いなので後で再度証明する。

587 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 10:06:43
命題(Cauchyの定理の特別な場合(>>577)の拡張)
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とする。
I と J を実数体の有限閉区間とし、B = I×J ⊂ U とする。
B の境界に正の向きを与えた曲線を C とする。
c を B の内部にある点とし、
f: U - {c} → K は微分可能で
z → c のとき lim (z - c)f(z) = 0 とする。

このとき、
∫[C] f(z) dz = 0

証明
c を中心とする一辺の長さが λ の小正方形を B_1 とする。
B_1 の各辺を延長して B を9個の長方形 B_1, . . ., B_9 に分割する。
各 B_i の境界に正の向きを与えた曲線を C_i とする。
>>504>>506 より、∫[C] f(z) dz = Σ∫[C_i] f(z) dz である。

>>577より、i ≠ 1 のとき ∫[C_i] f(z) dz = 0 である。
よって、∫[C] f(z) dz = ∫[C_1] f(z) dz である。
よって、∫[C_1] f(z) dz = 0 を証明すればよい。

任意の ε > 0 に対して λ を十分小さくとると
z ∈ B_1 のとき |z - c||f(z)| < ε となる。
C_1 上の点 z に対して |z - c| ≧ l/2 であるから
|∫[C_1] f(z) dz|
≦ ∫[C_1] |f(z)| ds ← >>574
≦ ε∫[C_1] 1/|z - c| ds
≦ (2ε/λ)∫[C_1] ds
= (2ε/λ)(4λ) = 8ε
よって、∫[C_1] f(z) dz = 0
証明終

588 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 16:05:53
命題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を連結開集合とする。
f: U → K 微分可能関数とする。
U の各点 z で f’(z) = 0 なら f は定数である。

証明
f’= 0 であるから f は C^1 級である。
よって、>>536から f は定数である。
証明終

589 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 16:40:09
補題
K を実数体または複素数体とする。
I = [a, b] を実数体 R における有限閉区間とし、
f: I → K を I の各点で微分可能(>>322参照)な関数とする。
さらに、I の各点 t で f’(t) = 0 とする。

このとき、f は定数である。

証明
K が複素数体の場合は f の実部と虚部を考えることにより、
K が実数体の場合に帰着する。

>>324より、f は I 上で連続である。
よって、平均値の定理より、I の任意の2点 x < y に対して
f(x) = f(y) である。
よって、f は定数である。
証明終

590 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 16:43:53
>>589の別証
f’ = 0 だから f は C^1 級である。
よって、>>337より、I の任意の2点 x < y に対して f(x) = f(y) である。
よって、f は定数である。

591 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 16:50:32
補題
K を実数体または複素数体とする。
I = [a, b] を実数体 R における有限閉区間とし、
f: I → K と g: I → K を I の各点で微分可能(>>322参照)な関数とする。
さらに、I の各点 t で f’(t) = f(t)g’(t) とする。

このとき、c ∈ K があり、I の各点 t で f(t) = c exp(g(t)) である。

証明
h(t) = f(t)exp(-g(t)) とおく。

通常の積の微分公式と>>372より、I の各点 t で
h’(t) = f’(t)exp(-g(t)) - f(t)g’(t)exp(-g(t))
= exp(-g(t))(f’(t) - f(t)g’(t)) = 0

よって、>>589より、h は定数 c である。
よって、c = f(t)exp(-g(t))
よって、f(t) = c exp(g(t)) である。
証明終

592 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 17:06:25
補題
K を実数体または複素数体とする。
[a, b] を実数体 R における有限閉区間とし、
f: [a, b] → K を連続関数で、(a, b) の各点 t で微分可能で、f’(t) = 0 とする。

このとき、f は定数である。

証明
K が複素数体の場合は f の実部と虚部を考えることにより、
K が実数体の場合に帰着する。
よって、平均値の定理より、I の任意の2点 x < y に対して
f(x) = f(y) である。
よって、f は定数である。
証明終

593 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 17:18:02
補題
K を実数体または複素数体とする。
I = [a, b] を実数体 R における有限閉区間とし、
a = t_0 < t_1 < . . . < t_n = b を [a, b] の分点とする。
f: I → K と g: I → K を連続関数で I - {t_0, t_1, . . ., t_n} の各点で
微分可能とする。
さらに、I - {t_0, t_1, . . ., t_n} の各点 t で f’(t) = f(t)g’(t) とする。

このとき、c ∈ K があり、I の各点 t で f(t) = c exp(g(t)) である。

証明
h(t) = f(t)exp(-g(t)) とおく。
I - {t_0, t_1, . . ., t_n} の各点 t で
h’(t) = f’(t)exp(-g(t)) - f(t)g’(t)exp(-g(t))
= exp(-g(t))(f’(t) - f(t)g’(t)) = 0

よって、>>592より、各小区間 [t_(i-1), t_i] で h(t) は定数である。
h(t) は I 上で連続であるから I 上で定数 c である。
よって、I の各点 t で c = f(t)exp(-g(t))
よって、I の各点 t で f(t) = c exp(g(t)) である。
証明終

594 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 17:32:08
命題
K を複素数体とする。
K における区分的に C^1 級の閉曲線(>>495) C と
|C| (>>550) に属さない K の点 c に対して、
(1/2πi)∫[C] 1/(z - c) dz は整数である。

証明
ψ: [a, b] → U を C の代表とする。
∫[C] 1/(z - c) dz = ∫[a, b] ψ’(t)/(ψ(t) - c) dt である。

[a, b] の任意の点 t に対して
g(t) = ∫[a, t] ψ’(t)/(ψ(t) - c) dt とおく。

[a, b] の有限個の点を除いて g’(t) = ψ’(t)/(ψ(t) - c) である。
よって、>>593より定数 A があり、[a, b] の各点 t で ψ(t) - c = A exp(g(t))
c は |C| に属さないから ψ(t) ≠ c である。
よって、A ≠ c である。
C は閉曲線だから ψ(a) = ψ(b) である。
よって、A exp(g(b)) = A exp(g(a))
g(a) = 0 だから exp(g(a)) = 1 である。
よって、exp(g(b)) = 1 である。
よって、g(b) = ∫[C] 1/(z - c) dz は 2πi の整数倍である。
証明終

595 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 17:37:38
定義
>>594の整数 (1/2πi)∫[C] 1/(z - c) dz を閉曲線 C の点 c の周りの回転数と呼び、
I(C, c) と書く。

596 :132人目の素数さん:2010/01/27(水) 19:22:49

まんこ














597 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 20:30:25
補題
X, Y を位相空間とし、Z を一様空間(過去スレ006の194)とする。
f: X × Y → Z を連続写像とする。
a を Y の一点とする。
Z の任意の近縁 V と X の任意のコンパクト集合 K に対して
a の近傍 U が存在し、y ∈ U で、x ∈ K のとき、
(f(x, y), f(x, a)) ∈ V となる。

証明
過去スレ012の455で証明されているが改めて証明する。

V を Z の任意の近縁とし、K を X の任意のコンパクト集合とする。
W^2 ⊂ V となる対称近縁(過去スレ006の202) W をとる。
f は連続であるから、K の任意の元 x に対して x の近傍 W_x と a の近傍 U_x が
存在し、z ∈ W_x, y ∈ U_x のとき (f(z, y), f(x, a)) ∈ W となる。
K はコンパクトであるから有限個の W_(x_1), . . ., W_(x_n) で被覆される。
U = ∩U_(x_i) とおく。
y ∈ U で、x ∈ K のとき、x ∈ W_(x_i) となる i がある。
y ∈ U_(x_i) であるから (f(x, y), f(x_i, a)) ∈ W となる。
a ∈ U_(x_i) であるから (f(x, a), f(x_i, a)) ∈ W である。
よって、(f(x, y), f(x, a)) ∈ W^2 ⊂ V
証明終

598 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 20:42:04
命題
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とする。
Y を位相空間とし、f: U×Y → K を連続関数とする。
C を U における区分的に C^1級の曲線(>>493)とする。

このとき、Y から K への写像 y → ∫[C] f(z, y) dz は連続である。

証明
L を C の長さ(>>329)とする。
y_0 を Y の任意の点とする。
|C| (>>550) はコンパクトであるから、>>597より、
任意の ε > 0 に対して y_0 の近傍 U が存在し、y ∈ U で、z ∈ |C| のとき
|f(z, y) - f(z, y_0)| < ε となる。

|∫[C] f(z, y) dz - ∫[C] f(z, y_0) dz|
≦ ∫[C] |f(z, y) - f(z, y_0)| ds ← >>574
≦ ε∫[C] ds = εL ← >>567, >>342

よって、y → ∫[C] f(z, y) dz は連続である。
証明終

599 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/27(水) 20:56:59
命題
K を複素数体とする。
C を K における区分的に C^1 級の閉曲線(>>495)とする。
U ⊂ K - |C| を連結開集合とする。

このとき、z の周りの回転数 I(C, z) (>>595) は U 上で定数である。

証明
>>598より、z → I(C, z) は U 上で連続である。
一方、I(C, z) は整数であるから z → I(C, z) は局所定数である。
U は連結であるから I(C, z) は U 上で定数である。
証明終

600 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 22:38:04
命題
K を複素数体とする。
C を K における区分的に C^1 級の閉曲線(>>495)とする。
L を C の長さ(>>329)とする。
a を K - |C| の元とする。

このとき、inf{|z - a|; z ∈ |C|} > L/2π なら
I(C, a) = 0 である。

証明
d = inf{|z - a|; z ∈ |C|} とおく。
a ∈ K - |C| であるから d > 0 である。

|I(C, a)| = |(1/2πi)∫[C] 1/(z - a) dz|
≦ (1/2π)∫[C] 1/|z - a| ds ← >>574
≦ (1/2π)(L/d) < 1

一方、I(C, a) は整数であるから I(C, a) = 0 である。
証明終

601 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 22:45:43
定義
K を絶対値(過去スレ006の448)をもつ必ずしも可換とは限らない体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。

r > 0 と a ∈ E に対して
U(a, r) = {x ∈ E; |x - a| < r}
B(a, r) = {x ∈ E; |x - a| ≦ r}
S(a, r) = {x ∈ E; |x - a| = r}
と書く。

602 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 22:50:10
定義
K を複素数体とする。
r > 0 と a ∈ K に対して
B(a, r) (>>601) を D(a, r) とも書く。
即ち、D(a, r) = {x ∈ K; |x - a| ≦ r}

C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485) ψ(t) = a + r exp(2πit), t ∈ [0, 1]
で代表される C^1 級の曲線(>>492) を ∂D(a, r) と書く。

|∂D(a, r)| = S(a, r) である。
ここで、|∂D(a, r)| = ψ([0, 1]) である(>>550)。

603 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 23:04:18
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
x_1 と x_2 を E の点とする。
x_1 を始点とし x_2 を終点とする有向線分を [x_1, x_2] で表す。
即ち、[x_1, x_2] は C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485)
t ∈ [0, 1], t → x_1 + t(x_2 - x_1) で代表される C^1 級の曲線(>>492)である。

n 個の E の点 x_1, . . ., x_n があるとき、
有向線分 [x_1, x_2], [x_2, x_3], . . ., [x_(n-1), x_n] を結んで得られる折れ線を
[x_1, . . ., x_n] と書く。
[x_1, . . ., x_n] は E における区分的に C^1 級の曲線(>>493)である。

604 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 23:07:24
命題(>>577の拡張(Elementary theory of analytic functions by Cartan))
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とする。
c を U の点とし、f: U → K を連続関数で U - {c} 上で微分可能とする。

このとき、U に含まれる任意の長方形の境界 C に対して
∫[C] f(z) dz = 0 である。

証明
B を U に含まれる長方形とし、C をその境界に正の向きを与えた曲線とする。
B の4個の頂点を u, u + a, u + ib, u + a + ib とする。
ここで、a, b は実数で a > 0 かつ b > 0 である。

1) c ∈ U - B の場合:
>>577より∫[C] f(z) dz = 0 である。

2) c が線分 [u, u + a] にふくまれている場合:
δ > 0 を十分小さい実数とし、
u + δi, u + a + δi, u + ib, u + a + ib を4個の頂点とする長方形を B_δ とする。
B_δ の境界を C_δ とする。

後で示すように δ → 0 のとき ∫[C_δ] f(z) dz → ∫[C] f(z) dz である。
∫[C_δ] f(z) dz = 0 であるから ∫[C] f(z) dz = 0 である。

3) c が線分 [u + ib, u + a + ib] にふくまれている場合:2) と同様である。

(続く)

605 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 23:08:43
>>604の続き

4) Re(u) ≦ Re(c) ≦ Re(u + a) かつ Im(u) < Im(c) < Im(u + ib) の場合

c を通る水平の直線で B を切り、2個の長方形 B_1, B_2 に分割する。
B_1 と B_2 の境界をそれぞれ C_1, C_2 とする。

2), 3) より、∫[C_1] f(z) dz = 0, ∫[C_2] f(z) dz = 0 である。
∫[C] f(z) dz = ∫[C_1] f(z) dz + ∫[C_2] f(z) dz であるから
∫[C] f(z) dz = 0 である。
証明終

606 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 23:17:23
>>604の 2) の δ → 0 のとき ∫[C_δ] f(z) dz → ∫[C] f(z) dz の証明

>>603の記法で、
C = [u, u + a, u + a + ib, u + ib, u]
C_δ = [u + δi, u + a + δi, u + a + ib, u + ib, u + δi]
である。
C_Δ = [u, u + a, u + a + δi, u + δi, u] とおく。

このとき、
∫[C] f(z) dz = ∫[C_δ] f(z) dz + ∫[C_Δ] f(z) dz である。

∫[C_Δ] f(z) dz
= ∫[u, u + a] f(z) dz - ∫[u + δi, u + a + δi] f(z) dz
+ ∫[u + a, u + a + δi] f(z) dz - ∫[u, u + δi] f(z) dz

I_1 = ∫[u, u + a] f(z) dz
I_2 = ∫[u + δi, u + a + δi] f(z) dz
I_3 = ∫[u + a, u + a + δi] f(z) dz
I_4 = ∫[u, u + δi] f(z) dz
とおく。

∫[C_Δ] f(z) dz = I_1 - I_2 + I_3 - I_4
よって、
|∫[C_Δ] f(z) dz| ≦ |I_1 - I_2| + |I_3| + |I_4|
この右辺の各項を評価する。

(続く)

607 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/30(土) 23:18:10
>>606の続き

|I_4| = |∫[u, u + δi] f(z) dz| = |∫[0, 1] f(u + tδi)δi dt|
≦ δ∫[0, 1] |f(u + tδi)| dt
≦ δM
ここで M = sup{|f(z); z ∈ B} である。

同様に、|I_3| ≦ δM

|I_1 - I_2| = |∫[u, u + a] f(z) dz - ∫[u + δi, u + a + δi] f(z) dz|
= |∫[0, 1] f(u + ta)a dt - ∫[0, 1] f(u + δi + ta)a dz|
≦ a ∫[0, 1] |f(u + ta) - f(u + δi + ta)| dt

f は B で一様連続であるから 任意の ε > 0 に対して
δ_1 > 0 があり、|z_1 - z_2| < δ_1 のとき |f(z_1) - f(z_2)| < ε となる。
よって、δ < δ_1 のとき
|I_1 - I_2| ≦ εa

以上から任意の ε > 0 に対して δ < inf(δ_1, ε) とすれば
|∫[C_Δ] f(z) dz| ≦ |I_1 - I_2| + |I_3| + |I_4| ≦ εa + 2εM = ε(a + 2M)

よって、δ → 0 のとき ∫[C_Δ] f(z) dz → 0
よって、δ → 0 のとき ∫[C_δ] f(z) dz → ∫[C] f(z) dz
証明終

608 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:19:20
命題(開円板に対するCauchyの定理(>>580)の拡張)
K を複素数体とする。
r > 0 と c ∈ E に対して、a を U(c, r) (>>601) の元とする。
f: U(c, r) → K を連続関数で U(c, r) - {a} で微分可能とする。

このとき U(c, r) における任意の区分的に C^1 級の閉曲線(>>495) C に対して、
∫[C] f(z) dz = 0 である。

証明
>>604>>577の代わりに使えば、>>580と同様である。

609 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:25:27
補題
K を複素数体とする。
a を K の元とする。
0 < r < ∞ となる実数 r に対して C = ∂D(a, r) (>>602)とおく。

このとき、I(C, a) = 1 である。
ここで、I(C, a) は a の周りの C の回転数(>>595)である。

証明
C は C^1 級のパラメータ付き曲線(>>485) ψ(t) = a + r exp(2πit), t ∈ [0, 1]
で代表される。

(1/2πi)∫[C] 1/(z - a) dz
= (1/2πi)∫[0, 1] ψ’(t)/(ψ(t) - a) dt
= (1/2πi)∫[0, 1] (2πi)r exp(2πit)/r exp(2πit) dt
= ∫[0, 1] dt
= 1
証明終

610 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:32:30
命題(円に対するCauchyの積分公式)
K を複素数体とする。
a を K の点とし 0 < R < ∞ となる実数 R に対して
f: U(a, R) (>>601) → K を微分可能関数とする。
0 < r < R となる任意の r をとる。

このとき、U(a, r) (>>601) の任意の点 c に対して、
f(c) = (1/2πi)∫[C] f(z)/(z - c) dz となる。

ここで、C = ∂D(a, r) (>>602) である。

証明
g: U(a, R) → K を
z ∈ U(a, R) - {c} のとき、g(z) = (f(z) - f(c))/(z - c)
z = c のとき g(c) = f’(c)
と定義する。

z → c のとき g(z) → g(c) であるから g は c で連続である。
よって、g は U(a, R) で連続である。
g は U(a, R) - {c} 上で微分可能であるから >>608 より、
∫[C] g(z) dz = 0 である。

∫[C] g(z) dz
= ∫[C] (f(z) - f(c))/(z - c) dz
= ∫[C] f(z)/(z - c) dz - ∫[C] f(c)/(z - c) dz

よって、
∫[C] f(z)/(z - c) dz = ∫[C] f(c)/(z - c) dz

(続く)

611 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:33:14
>>610の続き

一方、∫[C] f(c)/(z - c) dz = (2πi)f(c)I(C, c)
>>599より I(C, c) = I(C, a) である。
>>609より I(C, a) = 1 であるから I(C, c) = 1

よって、
∫[C] f(z)/(z - c) dz = 2πif(c)
よって、
f(c) = (1/2πi)∫[C] f(z)/(z - c) dz となる。
証明終

612 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:47:29
>>577>>604の長方形を使う方法は Cartan の他に Ahlfors も使っている。
というか Cartan が Ahlfors に影響されていると見たほうがいいだろう。
しかし、最近では三角形を使う方法が多いようである。
三角形を使うのは伝統的な方法であり、ある意味それに回帰した言える。
もちろん単純な回帰ではなく改良されているが。
長方形を使うにしろ三角形を使うにしろ本質的には同じである。
しかし、三角形を使う方が証明がやや簡単になる。

613 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:51:59
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
a, b, c を E の相異なる3点とする。
{a, b, c} の凸包(過去スレ008の431)を Δ{a, b, c} と書く。
Δ{a, b, c} を閉三角形と言い、a, b, c をその頂点と言う。

過去スレ008の433より、
Δ{a, b, c} = {λa + μb + νc; λ ≧ 0, μ ≧ 0, ν ≧ 0, λ + μ + ν = 1}

δ{a, b, c} = {λa + μb + νc; λ > 0, μ > 0, ν > 0, λ + μ + ν = 1}
を開三角形と言い、a, b, c をその頂点と言う。

特に断らなければ三角形という場合、閉三角形を意味する。

614 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 08:55:03
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
(a, b, c) を E の相異なる3点からなる順列とする。
閉三角形 Δ{a, b, c} (>>613) と順列 (a, b, c) の対を有向閉三角形といい、
Δ(a, b, c) と書く。

このとき、Δ{a, b, c} (>>613) を Δ(a, b, c) の台と呼び |Δ(a, b, c)| とも書く。

615 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:01:22
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上のノルム空間(過去スレ006の561)とする。
(a, b, c) を E の相異なる3点からなる順列とする。

閉曲線 [a, b, c, a] (>>603) を有向閉三角形 Δ = Δ(a, b, c) (>>614) の境界と呼び、
∂Δ と書く。

616 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:36:46
命題(三角形に関するCauchyの定理)
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とし、f: U → K を U 上の微分可能関数とする。
Δ を有向閉三角形(>>614)とし、|Δ| (>>614) ⊂ U とする。

このとき、∫[∂Δ] f(z) dz = 0

証明
Δ の頂点を z_1, z_2, z_3 とする。
[z_1, z_2], [z_2, z_3], [z_3, z_1] の中点をそれぞれ w_1, w_2, w_3 とする。

Δを次の4個の合同な三角形に分割する。
Δ_1 = [z_1, w_1, w_3, z_1]
Δ_2 = [w_1, z_2, w_2, w_1]
Δ_3 = [w_2, z_3, w_3, w_2]
Δ_4 = [w_1, w_2, w_3, w_1]

∂Δ の長さを L とすると各∂Δ_iの長さは L/2 である。

∫[∂Δ] f(z) dz = Σ∫[∂Δ_i] f(z) dz

|∫[∂Δ_i] f(z) dz|, 1, 2, 3, 4 が最大となる Δ_i を Δ(1) と書く。
|∫[∂Δ] f(z) dz| ≦ 4|∫[∂Δ(1)] f(z) dz|

Δ(1) を再び4等分して Δ(2) を得ると、
|∫[∂Δ] f(z) dz| ≦ 4^2|∫[∂Δ(2)] f(z) dz|

この操作を続けて
|∫[∂Δ] f(z) dz| ≦ 4^n|∫[∂Δ(n)] f(z) dz|, n = 1, 2, . . .

(続く)

617 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:41:08
>>616の続き

∂Δ(n) の長さは L/2^n である。
Δ はコンパクトであるから ∩Δ(n) は空でない。
z_0 ∈ ∩Δ(n) とする。
z_0 ∈ Δ ⊂ U であるから f は z_0 で微分可能である。

f は z_0 で微分可能であるから、任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|z - z_0| < δ なら z ∈ U かつ
|f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)| < ε|z - z_0|
となる。
n を十分大きくとれば Δ(n) ⊂ {z ∈ K; lz - z_0| < δ} となる。

f(z_0) + f’(z_0)(z - z_0) は z の一次式であるから原始関数を持つ。
よって、>>549より、∫[∂Δ(n)] (f(z_0) + f’(z_0)(z - z_0)) dz = 0 である。
よって、
∫[∂Δ(n)] f(z) dz = ∫[∂Δ(n)] (f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)) dz

一方、z_0 ∈ Δ(n) だから z ∈ Δ(n) のとき |z - z_0| ≦ L/2^n
よって、
|∫[∂Δ(n)] f(z) dz |
≦ ∫[∂Δ(n)] |f(z) - f(z_0) - f’(z_0)(z - z_0)| ds ← >>574
≦ ∫[∂Δ(n)] ε|z - z_0| ds
≦ ε(L/2^n) ∫[∂Δ(n)] ds
= ε(L/2^n)(L/2^n)
= ε(L/4^n)

|∫[∂Δ] f(z) dz| ≦ 4^n |∫[∂Δ(n)] f(z) dz| であったから
|∫[∂Δ] f(z) dz| ≦ εL

ε > 0 は任意だから ∫[∂Δ] f(z) dz = 0 である。
証明終

618 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:42:24
定義
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
S を E の部分集合とする。
a を S の点とし、S の任意の元 x に対して a と x を結ぶ線分が S に含まれるとき
S を星型であるという。
a を S の中心と呼ぶ。

619 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:45:54
補題
K を実数体または複素数体とする。
E を K 上の線形空間とする。
S ⊂ E を a を中心とする星型集合とする。
x, y ∈ S かつ [x, y] ⊂ S とする。
ここで、[x, y] は x と y を結ぶ線分である。

このとき、Δ{a, x, y} ⊂ S である。
ここで、Δ{a, x, y} は {a, x, y} の凸包(過去スレ008の431)である。

証明
λ ≧ 0, μ ≧ 0, ν ≧, λ + μ + ν = 1 のとき
λa + μx + νy ∈ S を示せばよい。

μ + ν = 0 なら明らかである。
μ + ν > 0 と仮定する。
t = μ + ν とおく。
μ/t + ν/t = 1 である。
[x, y] ∈ S であるから (μ/t)x + (ν/t)y ∈ S である。

よって、
λa + μx + νy = λa + t((μ/t)x + (ν/t)y) ∈ [a, (μ/t)x + (ν/t)y)] ⊂ S
証明終

620 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:56:21
命題(星型開集合に対するCauchyの定理)
K を複素数体とする。
U ⊂ K を星型(>>618)の開集合とし、f: U → K を微分可能関数とする。

このとき U における任意の区分的に C^1 級の閉曲線(>>495) C に対して、
∫[C] f(z) dz = 0 である。

証明
f は微分可能であるから連続である。
よって、>>549より、f(z) が原始関数をもつことを示せばよい。

a を U の中心(>>618)とする。
z を U の点とする。
U は星型だから a と z を結ぶ線分は U に含まれる。
よって、∫[a, z] f(ζ) dζ が定義される。
g(z) = ∫[a, z] f(ζ) dζ とおく。
r > 0 を U(z, r) (>>601) ⊂ U となるようにとる。
>>619より、|h| < r のとき、Δ{a, z, z + h} ⊂ U
よって、>>616より ∫[a, z, z + h, a] f(ζ) dζ = 0 である。

∫[a, z, z + h, a] f(ζ) dζ
= ∫[a, z] f(ζ) dζ + ∫[z, z + h] f(ζ) dζ + ∫[z + h, a] f(ζ) dζ
= ∫[a, z] f(ζ) dζ + ∫[z, z + h] f(ζ) dζ - ∫[a, z + h] f(ζ) dζ
= 0
よって、
∫[a, z + h] f(ζ) dζ = ∫[a, z] f(ζ) dζ + ∫[z, z + h] f(ζ) dζ

よって、
g(z + h) - g(z) = ∫[z, z + h] f(ζ) dζ

(続く)

621 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 09:57:05
>>620の続き

f は z で連続であるから任意の ε > 0 に対して δ > 0 があり、
|ζ - z| < δ なら ζ ∈ U かつ |f(ζ) - f(z)| < ε となる。
よって、|h| < δ なら z + h ∈ U である。
よって、|h| < δ のとき、
|g(z + h) - g(z) - f(z)|
= |∫[z, z + h] (f(ζ) - f(z)) dζ|
≦ ∫[z, z + h] |f(ζ) - f(z)| ds ← >>574
≦ ε∫[z, z + h] ds
= ε|h|

よって、
g’(z) = f(z) である。
証明終

622 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2010/01/31(日) 10:17:26
命題(三角形に関するCauchyの定理(>>616)の拡張)
K を複素数体とする。
U ⊂ K を開集合とする。
c を U の点とし、f: U → K を連続関数で U - {c} 上で微分可能とする。
Δ を有向閉三角形(>>614)とし、|Δ| (>>614) ⊂ U とする。

このとき、∫[∂Δ] f(z) dz = 0

証明
Δ = Δ(z_1, z_2, z_3) (>>614) とする。

|Δ| ⊂ U - {c} の場合は、>>616より ∫[∂Δ] f(z) dz = 0 である。

c が Δ に含まれる場合は、
∫[∂Δ] f(z) dz
= ∫[c, z_1, z_2, c] f(z) dz
+ ∫[c, z_2, z_3, c] f(z) dz
+ ∫[c, z_3, z_1, c] f(z) dz
である。

よって、c が Δ の頂点の一つである場合に
∫[∂Δ] f(z) dz = 0 を証明すればよい。

c = z_1 と仮定して一般性を失わない。
a ∈ |[z_1, z_2]|
b ∈ |[z_1, z_3]|
a ≠ z_1
b ≠ z_1
のとき、
∫[∂Δ] f(z) dz = ∫[z_1, a, b, z_1] f(z) dz + ∫[a, z_2, z_3, b, a] f(z) dz

(続く)

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